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4K8K 5G AR/VR AI 新国立競技場 FIFAW杯 メディア評論 国際メディアサービスシステム研究所

パラリンピック FAN PARK/FAN ZONE お台場に設置

2021年08月25日 14時19分15秒 | 東京オリンピック




2020 FAN PARK/2020 FAN ARENA 東京在住者に限り公開

2020 FAN PARK

出典 TOKYO2020

 競技体験や東京2020オフィシャルショップの他、アギトスのスペクタキュラーが設置され、東京2020大会の様々なコンテンツが楽しめるエリア。

 新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、県境をまたいだ移動を避ける必要がございますため、東京都在住の方のみが入場可能。
 来場当日は、住所確認が出来る「運転免許証」「保険証」「マイナンバーカード」「電気・ガス・水道などの公共料金領収証(現住所が記載された発行日から3カ月以内のもの)」などのご提示が必要。。
 また、希望された小中学生とその保護者の方に優先的な体験機会を提供する。

■開催日程:
2021年8月24日 - 2021年9月5日
■アクセス:
東京臨海高速鉄道「東京テレポート駅」徒歩5分
■開催時間:
10時00分~20時00分

※新型コロナウィルス感染症拡大等により、時間が変更となる場合がある。
 新型コロナウィルス感染症拡大防止の一環として、2020 FAN PARKの入場は事前の来場登録が必要。

2020 FAN AREA

出典 TOKYO2020

 オリンピック・パラリンピックを同じ時期・同じエリアで体験できるエリアで、大会パートナーによるブースの他、競技体験、ミライトワ・ソメイティのスペクタキュラーなど、東京2020大会の様々なコンテンツを楽しむことができる。
新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、県境をまたいだ移動を避ける必要がございますため、東京都在住の方のみの入場とさせていただきます。
来場当日は、住所確認が出来る「運転免許証」「保険証」「マイナンバーカード」「電気・ガス・水道などの公共料金領収証(現住所が記載された発行日から3カ月以内のもの)」などのご提示をお願いする場合がございます。
また、希望された小中学生とその保護者の方に優先的な体験機会を提供します。
開催日程:

 新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、県境をまたいだ移動を避ける必要がございますため、東京都在住の方のみが入場可能。
 来場当日は、住所確認が出来る「運転免許証」「保険証」「マイナンバーカード」「電気・ガス・水道などの公共料金領収証(現住所が記載された発行日から3カ月以内のもの)」などのご提示が必要。
 また、希望された小中学生とその保護者の方に優先的な体験機会を提供する。

■開催日程:
2021年8月24日 - 2021年9月5日
■アクセス:
東京臨海高速鉄道「東京テレポート駅」徒歩2分 青海展示場
■開催時間:
10時00分~20時00分

※新型コロナウィルス感染症拡大等により、時間が変更となる場合がある。
 新型コロナウィルス感染症拡大防止の一環として、2020 FAN PARKの入場は事前の来場登録が必要

来場登録サイト
https://fanpark-arena.tokyo2020.org/top.html


TOKYO WATERFRONT CITY 東京都オリンピック・パラリンピック準備局


聖火台「夢の大橋」設置 新国立競技場内は開閉会式時のみ使用の仮設聖火台 お台場にFAN PARK/FAN ZONE設置



2021年8月24日
Copyright (C) 2021 IMSSR

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廣谷 徹
Toru Hiroya
国際メディアサービスシステム研究所
代表
International Media Service System Research Institute(IMSSR)
President
E-mail
thiroya@r03.itscom.net
imssr@a09.itscom.net
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新国立競技場 聖火台

2021年08月25日 13時11分53秒 | 新国立競技場
聖火台「夢の大橋」設置へ
新国立競技場内は開閉会式時のみ使用の仮設聖火台


東京オリンピック 開会式 異例の開会式に 小山田~賢吾氏(楽曲担当)辞任、小林賢太郎氏(演出チーフ)解任




2020 FAN PARK/2020 FAN ARENA 東京在住者に限り公開

2020 FAN PARK

出典 TOKYO2020

 競技体験や東京2020オフィシャルショップの他、アギトスのスペクタキュラーが設置され、東京2020大会の様々なコンテンツが楽しめるエリア。

 新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、県境をまたいだ移動を避ける必要がございますため、東京都在住の方のみが入場可能。
 来場当日は、住所確認が出来る「運転免許証」「保険証」「マイナンバーカード」「電気・ガス・水道などの公共料金領収証(現住所が記載された発行日から3カ月以内のもの)」などのご提示が必要。。
 また、希望された小中学生とその保護者の方に優先的な体験機会を提供する。

■開催日程:
2021年8月24日 - 2021年9月5日
■アクセス:
東京臨海高速鉄道「東京テレポート駅」徒歩5分
■開催時間:
10時00分~20時00分

※新型コロナウィルス感染症拡大等により、時間が変更となる場合がある。
 新型コロナウィルス感染症拡大防止の一環として、2020 FAN PARKの入場は事前の来場登録が必要。

2020 FAN AREA

出典 TOKYO2020

 オリンピック・パラリンピックを同じ時期・同じエリアで体験できるエリアで、大会パートナーによるブースの他、競技体験、ミライトワ・ソメイティのスペクタキュラーなど、東京2020大会の様々なコンテンツを楽しむことができる。
新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、県境をまたいだ移動を避ける必要がございますため、東京都在住の方のみの入場とさせていただきます。
来場当日は、住所確認が出来る「運転免許証」「保険証」「マイナンバーカード」「電気・ガス・水道などの公共料金領収証(現住所が記載された発行日から3カ月以内のもの)」などのご提示をお願いする場合がございます。
また、希望された小中学生とその保護者の方に優先的な体験機会を提供します。
開催日程:

 新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、県境をまたいだ移動を避ける必要がございますため、東京都在住の方のみが入場可能。
 来場当日は、住所確認が出来る「運転免許証」「保険証」「マイナンバーカード」「電気・ガス・水道などの公共料金領収証(現住所が記載された発行日から3カ月以内のもの)」などのご提示が必要。
 また、希望された小中学生とその保護者の方に優先的な体験機会を提供する。

■開催日程:
2021年8月24日 - 2021年9月5日
■アクセス:
東京臨海高速鉄道「東京テレポート駅」徒歩2分 青海展示場
■開催時間:
10時00分~20時00分

※新型コロナウィルス感染症拡大等により、時間が変更となる場合がある。
 新型コロナウィルス感染症拡大防止の一環として、2020 FAN PARKの入場は事前の来場登録が必要

来場登録サイト
https://fanpark-arena.tokyo2020.org/top.html


TOKYO WATERFRONT CITY 東京都オリンピック・パラリンピック準備局


聖火、「夢の大橋」の聖火台に点灯
 2020東京五輪大会の開会式から一夜明けて、国立競技場の開会式で大坂なおみが灯した聖火が、お台場エリアと有明エリアを結ぶ「夢の大橋」のたもとに設置された聖火台に移された。
 この聖火台は、国立競技場の聖火台とまったく同じデザインだが、大きさは直径1.2メートル、高さ90センチメートルの約3分の1のコンパクサイズ。
 開会式で使用された聖火台は、陸上競技などを開催するために撤収、閉会式の時に再び設営される。

 
 「夢の大橋」のプロムナード りんかい線「東京テレポート」駅から徒歩約10分 筆者撮影(以下同)

 
 見学に訪れる市民はまだまばら コロナ感染防止対策で柵で囲われ、遠巻きに見物
 
 

 
 燃料は水素ガス使用

 
 報道陣に取材を受ける都市ボランティア

 
 2020東京五輪大会の雰囲気を市民が楽しめるファンゾーンはほぼ完成しているがいまは公開中止。スポンサー企業の設営したパビリオンが立ち並ぶ。入場数制限など感染防止策を講じて、公開したらどうか。

 
 ENEOSのパビリオン

 
 VISAのパビリオン

 
 オメガのパビリオン

聖火台 観覧自粛呼びかけ 鉄の柵置いて立ち入りを制限
 7月15日、大会組織委員会は、大会期間中に臨海部に設置される聖火台の周辺への立ち入りを制限して、現地での観覧の自粛を呼びかけることを決定した。
 聖火台の周辺には鉄の柵を置き、立ち入り制限区域を設けられる。
 また、選手とハイタッチできる場所や競技体験ブース、五輪公式グッズショップ、スポンサー企業のパビリオンなど設置も中止になり、計画は大幅に見直される。
 パラリンピック期間中の扱いは、五輪閉幕後に決める

「TOKYO WATERFRONT CITY」 東京 2020 の取り組みの見直しについて
〜オリンピック期間中(7 月 12 日〜8 月 22 日)の実施取り止めおよび聖火台の観覧自粛〜
7月15日 TOKYO2020大会組織委員会


■ オフィシャルショップ、スポーツイニシエーションなどの実施を予定していた「2020 ファンパーク」および「2020 ファンアリーナ」については、実施を取り止める。それに伴い、2020 ファンパーク内に設置する「プレイグラウンド」でのアスリートトレーニングの公開やス
ポーツイニシエーションの実施も取り止める。
■ 夢の大橋に設置する「聖火台」については、緊急事態宣言下で不要不急の外出の自粛が呼びかけられていることを踏まえ、来場の自粛をお願いする。
■ 「オリンピックプロムナード」については、実施を予定していたライブパフォーマンスおよび飲食提供を取り止める。
■ 有明アーバンスポーツパーク内で実施を予定していた「アーバンフェスティバル」については、無観客での大会実施となるため、実施を取り止める。

深層情報 Media Close-up Report 「呪われた」2020東京五輪 速報 「1万人上限」五者協議で決定 「開催中止」の大合唱 思考停止状態のメディアのお粗末 1都4県と北海道は「無観客」

東京五輪 メディア批判 盲目的に「中止」唱えるメディアのお粗末 根拠なしパンデミック・リスク 五輪開催すべき
「Withコロナの時代のニューノルマル」をレガシーに


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東京に4回目の緊急事態宣言
 7月8日、政府は、新型コロナウイルス感染症対策本部(本部長・菅義偉首相)の会合を開き、東京都に4回目となる緊急事態宣言の発令を決めた。沖縄県への宣言と首都圏3県、大阪府への「まん延防止等重点措置」は延長する。期間はいずれも12日から8月22日まで。
 一方、北海道、愛知、京都、兵庫、福岡の5道府県に適用中の「重点措置」は7月11日をもって解除する。
 東京は感染再拡大が止まらず、7月7日には新規感染者920人に急増してパンデミック第五波が確実視され、五輪開催期間やお盆休みの対策強化が必要と判断した。菅首相は東京への宣言発令について「再度感染拡大を起こすことは絶対に避けなければならない。先手先手で予防的措置を講ずる」とし、「国民にさまざまな負担をかけることは、大変申し訳ない思いだ」と述べる一方、ワクチンの効果などを見極めた上で宣言を「前倒しで解除することも判断する」と述べた。
 菅首相は、東京五輪に関し「全人類の努力と英知で難局を乗り越えていけることを東京から発信したい」と強調。「安心安全な大会を成功させ、歴史に残る大会を実現したい」と表明した。
 「緊急事態宣言」対象の東京と沖縄では、飲食店に対して酒類提供停止と午後8時までの営業時間短縮を要請する。「重点措置」の区域でも酒類提供を原則停止とし、知事の判断で緩和できるようにする。首相は「(要請に応じる)飲食店に対しては協力金を事前に支払うことを可能とする」と語った。

1都3県、北海道、福島は「無観客」 宮城、福島、茨城(学校連携のみ)は「有観客」
 これを受けて、7月8日夜、大会組織委員会、東京都、国、国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)は「五者協議」を開催し、「緊急事態宣言」が発出された東京都内の全会場の無観客開催にすることで合意した。また「緊急事態宣言」が発出されていない埼玉、千葉、神奈川の首都圏3県や、茨城、宮城、福島、静岡、北海道の会場については、それそれの地域の感染状況を踏まえて、自治体の首長と協議の上、具体的阻止を決めることで合意した。「無観客」でもIOCなど大会関係者は運営に関わる人に人数を絞った上で入場を認める方針。
 「五者協議」に引き続き、東京都以外で競技会を開催する、埼玉、千葉、神奈川の首都圏3県や茨城、宮城、福島、静岡、北海道も加わり、「関係自治体等連絡協議会」が開かれ、茨城、宮城、福島、静岡、北海道は、「収容定員の50%」か「上限1万人」の少ない方で、「有観客」で開催することに合意した。
 しかし、その後、合意内容は直ちに撤回され、埼玉、千葉、神奈川の首都圏3県は「無観客」、茨木は「学校連携」のみとすると発表した。
 北海道は、札幌で開催されるサッカー予選の5セッションは「収容定員の50%」か「上限1万人」の少ない方で、有観客することで合意していたが、鈴木北海道知事は、記者会見で、試合終了が午後9時を過ぎる試合については引き続き検討するとし、首都圏の1都3県から観客が訪れないように大会組織委員会に求めたことを明らかにした。
 北海道は、翌7月9日、一転して、サッカー予選は「無観客」とする発表した。感染が拡大している首都圏などから来訪者で道外からの人流が増えることで、感染拡大の懸念に配慮した措置である。
 また、7月10日、福島あずま球場で開催されるソフトボール予選6試合(日本対豪州戦を含む)と野球予選1試合(日本対ドミニカ戦)はすべて「無観客」とすると発表した。
 野球・ソフトボールの福島開催は、東京2020大会の開催意義として掲げている「復興五輪」のシンボルとなっていただけに、関係者や地元市民の落胆は大きい。
 この結果、2020東京五輪大会では、42会場で750セッションが開催されるが、この内、「無観客」は37会場724セッション、96.5%にも及び、「有観客」は、茨城、宮城のサッカー予選と静岡の自転車競技の5会場26セッションとなった。
 大会組織委員会は、1年延期前には448万枚のチケットの販売を完了していたが、今回の措置で、ほとんどが払い戻しの対象となり、大会組織委員会のチケット収入約900億円は宙に浮くことなる。大会組織委員会の収入(V5)は、合計7210億円、約12.5%を占める。大会組織委員会の財政調整額は150億円を計上しているが、900億円の収入が消えれば、大幅な赤字転落は必至である。
 大会組織委員会が赤字になった場合は、一義的には東京都が負担、東京都が負担しきれない場合は、国が負担するという原則になっている。
 東京都と国で、「負の遺産」の押し付け合いが今後激化するだろう。
 
 1都3県、北海道、福島の無観客開催が決まり、パブリックビューイングも中止され、市民が唯一、五輪大会の雰囲気を体感できる場は、聖火台を中心に設置される臨海部のイベントエリア、「TOKYO WATERFRONT CITY」だけになった。

五輪・パラ 臨海部 飲食屋台取りやめ規模縮小へ コロナ対策で
 6月25日、東京2020大会中に聖火台が設置されるなど大会を象徴するエリアとして整備する東京臨海部の競技会場周辺について、大会組織委員会は、新型コロナウイルスの感染対策として飲食の屋台を取りやめるなど規模を縮小することを決めた。
 臨海部のお台場、青海、有明地区は、7つの競技会場や国際メディアセンター、五輪スポンサー企業の展示場などが集まっている。東京都ではこのエリアを「TOKYO WATERFRONT CITY」と名付け、観戦チケットを持たない市民に五輪大会の雰囲気を味わってもらう施設やイベント開催を計画している。
 このエリアの中心部には聖火台が置かれ、競技の体験などができるスポンサー企業パビリオンや選手の練習を見学できるスペースが設置されて、公式グッズの販売の大型店舗や、イートインスペースができる。
 組織委員会は、このエリアにどれだけの観客が集まるか、今回決まった上限や定員を元に試算したところ、1日最大8万人を超える観客が集まる可能性があることがわかった。さらに観戦チケットをもたない多くの一般市民が集まる可能性がある。
 こうした状況を踏まえ、新型コロナの感染対策の「人流」を抑制の方針の一環として、このエリアの規模縮小に踏み切った。

 具体的には飲食の屋台の取りやめや練習を見学できるスペースへの入場を予約制にして人数を抑えることなどを検討している。

 組織委員会の武藤事務総長は「このエリアにはオリンピックを通じて若者がスポーツに親しむという大事なコンセプトがあるが、コロナ対策の観点からにぎやかなお祭りという部分は少なくしていく。聖火台では密集が生じないよう適切な措置を検討している」(NHKニュース 6月24日)と述べた。

聖火台 臨海部のお台場エリアと有明エリアに架かる遊歩道の橋「夢の大橋」に設置
 2018年12月17日、大会組織員会、東京都、国は東京2020大会の調整会議を開き、大会期間中の聖火台を新国立競技場と臨海部のお台場エリアと有明エリアに架かる遊歩道の橋「夢の大橋」の有明側に設置する方針を決めた。スポーツクライミングやスケートボードなど若者向けの都市型スポーツ会場を集めた青海アーバンスポーツパークの一画に設置し、大勢の人が集まる「オリンピックパーク」的な位置付けでこのエリアを整備し、大会開催のシンボルにする計画だ。聖火をともす燃料に水素を採用することも検討するとしている。
 メインスタジアムとなる新国立競技場にも開閉会式で使う聖火台を設けるが、陸上など競技を実施する期間はスペースなどの問題で常設することが難しいため、他の場所に第2の聖火台を設ける方向で検討していた。
 新国立競技場を建設計画は、2012年、国際デザインコンクールが行われ、建築家ザハ・ハディド氏の巨大な流線型のユニークなデザインが採用された。東京2020大会組織委は、事前に聖火台の要件を政府や事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)に伝えていたとしているが、JSCは、国際デザインコンクールを行う際に、聖火台は場外に置くことを想定していたとしていたとされている。そもそも開閉式屋根の構造物で覆われたスタジアムの仕様では、スタンドに高々と炎の燃え上がる聖火台に設置は不可能だろう。


完成した国立競技場 観客席は屋根で覆われている 提供 JSC

 ザハ・ハディド案は建設費が約3000億円にも達することが明らかになり、世論から激しい批判を浴びて、文科省とJSCは、規模を縮小した総工費2520億円の修正案を策定した。修正案では開閉式屋根は維持したが、建築面積を圧縮し、総工費を約2520億円とした。しかし、世論から激しい批判は収まらず、2015年、安倍首相の決断で白紙撤回され、出直すことになった。
 2015年秋、新デザインの公募が行われ、大成建設・梓設計・建築家の隈研吾氏で構成するチームの「木と緑のスタジアム」に決定した。
 しかし、開会式や閉会式には必須である聖火台の設置が「木と緑のスタジアム」の設計には盛り込まれていなかった。新デザイン公募の募集要項に聖火台の設置についての記載はなかったのである。当初計画は2019 年ラグビーワールドカップまでに完成する前提だったので、聖火台は、東京2020大会のために必要な追加工事(オーバーレイ工事)として組織委員会が検討し、実施する方針だっとしている。
 JSCは、組織委から聞き取った要望の中に聖火台を競技場内に置くという話はなく設置は想定しなかったとしている。聖火台は開会式や閉会式のセレモニーの演出と一体の案件で、セレモニーの演出が決まってから検討する案件として、公募の仕様に盛り込まなかったという。
 「木と緑のスタジアム」を掲げる新国立競技場は、スタンドを覆う屋根に木材が使われる構造のためにスタンドの最上部に聖火台を設置すると、消防法上、問題となり、当初から聖火台の設置は不可能と見られていた。また、スタンドに熱を発する聖火台を設置するのは観客の酷暑対策上、問題があるとされていた。聖火台をスタンドに設置するのはありえなかったのである。
 新国立競技場の建設計画を巡っては、総工費圧縮が至上命題だった。総工費圧縮に集中するあまり、聖火台は忘れ去られていたのが実情であろう。なんともお粗末な新国立競技場整備計画であった。

 聖火台の設置問題が明るみになって、2015年9月、国や東京都、大会組織委員会で構成する「新国立競技場の聖火台に関する 検討ワーキング・チーム」が発足し、聖火台設置について協議を開始した。
 東京2020大会では、ロンドン大会やリオデジャネイロ大会では設置された「オリンピックパーク」がなく、大勢の人が集まるオリンピックパーク」的な拠点の整備が求められていた。そこで浮上したのは、臨海部に聖火台を設置して新たな拠点をつくる案である。

TOKYO WATERFRONT CITY 新しいオリンピック・パラリンピックの発信地を臨海部に整備
 大会組織委や東京都は、臨海部に若者に人気のあるスポーツを中心に競技エリアを整備し、潮風公園にはビーチバレー会場、お台場海浜公園ではマラソンスイミングとトライアアスロン会場を整備し、スポーツクライミングやバスケットボール(3対3)の競技会場となる青海アーバンスポーツパークや自転車競技(BMX)やスケートボードの競技会場となる有明アーバンスポーツパーク、体操や新体操の競技会場となる有明体操競技場を建設、有明テニスの森(既存施設)はテニス会場として施設を拡充、お台場、青海、有明地域一帯の臨海部を東京2020大会のシンボリックゾーンとして位置づけた。
 そしてのこの地域一帯、半径1.5キロメートルに、
▼聖火台を中心に展開されるオリンピック・プロムナード スポーツやアートのパーフォーマンスの開催 スポンサー企業のパビリオンや体験コーナー、休憩エリアを設置
▼アスリートによるエキシビションやBMX・スケートボードなどアーバンスポーツを中心とした競技体験コーナーを設置するアーバンフェスティバル、
▼3x3 バスケットボールやスポーツクライミングのアスリートが練習する姿を間近に見ることができる公開ウォームアッなどがあるプレイグラウンド、
▼スポンサー企業の展示ブースが設置される青海展示場
▼公式グッズの販売店や飲食店屋台
などの整備計画を進めた。
 聖火台はこのエリアの中心にあるお台場と有明をつなぐ遊歩道の橋、「夢の大橋」の有明側に設けて、大会開催を盛り上げる拠点にする戦略である。都市とスポーツを融合させた新たな試みとしてIOCからも期待を集め、組織委やIOCは“>TOKYO WATERFRONT CITY(TWFC)”と名付けた。
 競技場の入場券を持たない市民や観光客などが集まり五輪大会を実感できることが可能で、IBC/MPCが近いために世界のメディアが取材してテレビや新聞などで報道されて、東京2020大会のイメージアップにつながることが期待できるとしている。


TOKYO WATERFRONT CITY 東京都オリンピック・パラリンピック準備局

TOKYO WATERFRONT CITY
■OLYMPIC PROMENADE(オリンピックプロムナード)
 青海・台場地区と有明地区を東西につなぐ約2kmのセンタープロムナード一体を「オリンピックプロムナード」と名付け、大会期間中に訪れた全ての方が東京2020大会を楽しむことができるオープンな場所として展開。
 プロムナードの中心は聖火台、スポーツやアートのライブパフォーマンスや、パートナー企業の協力の下、快適に過ごしてもらうためのクールスポットや休憩スペースなどを整備する。近接する「2020 ファンパーク」や「2020 ファンアリーナ」と共に、東京2020大会の雰囲気を体験することができる。

「2020 FAN PARK」(ファンパーク)と「2020 FAN ARENA」(ファンアリーナ)
 青海地区に2カ所、東京2020大会パートナー企業が出展するパビリオン/ブースやスポーツ体験コーナー等で盛り上げるエリアを展開する。
 「2020 ファンパーク」は青海アーバンスポーツパークに隣接した屋外エリアで、「2020 ファンアリーナ」は東京テレポート駅に隣接した青海展示場内に設置される。また、この2カ所のエリアには「TOKYO 2020 メガストア」が出店され、五輪の公式ライセンス・グッズが販売される。

■PLAYGROUND(プレイグラウンド)
 今回、大会史上初の試みとして、観戦チケットを持っていない方でも世界トップレベルのアスリートと触れ合える機会を提供する。
 青海アーバンスポーツパークに隣接する「2020 ファンパーク」内に、青海アーバンスポーツパークで実施する3x3 バスケットボールとスポーツクライミングのアスリートが練習する姿を間近に見ることができる公開ウォームアップエリア「プレイグラウンド」を設置する。
 このエリアでは、練習風景を間近で観るだけでなく、練習するアスリートとハイタッチなど実際に触れ合うこともでき、競技がない日にはアスリートの練習場所であるウォームアップエリアで競技体験ができる。

■URBAN FESTIVAL(アーバンフェスティバル)
 東京2020大会新種目のBMXフリースタイル・スケートボードの会場となる有明アーバンスポーツパークと体操が行われる有明体操競技場の会場内の運河沿いで、アーバンスポーツの魅力を存分に体感いただける「アーバンフェスティバル」を展開する。
 「アーバンフェスティバル」では、アスリートによるエキシビションやBMX・スケートボード等のアーバンスポーツを中心とした競技体験コーナーも設置したりクールスポットなど来場者が快適に楽しめるコンテンツを実施したりする。

 大会終了後の「夢の大橋」の聖火台のレガシーについては、東京2020大会のレガシーとして残し、東京都が管理する計画である。 
 2台の聖火台の設置経費は、組織委員会、東京都、国の三者で負担することで今後関係者で協議するとしている。

 東京都は、コロナ感染防止対策の一環として、代々木公園や井之頭公園に設置を予定していたパブリックビューイングの設置を中止した。しかし、お台場から青海、有明地区に設置予定の聖火台と中心としたオリンピックプロムナード、プレイグラウンド、アーバンフェスティバルなどの「TOKYO WATERFRONT CITY」構想は予定通り進める計画だ。
 「TOKYO WATERFRONT CITY」は、2020東京五輪大会で、一般の市民が唯一、五輪開催の雰囲気を体験できるエリアになるため、人出が殺到して「密」になる懸念もあり、これからのコロナ感染防止対策も重要となる。


オリンピックプロムナード整備予定地


聖火が設置されるお台場と有明をつなぐ遊歩道の橋、「夢の大橋」


お台場海浜公園(トライアスロン会場 完成予想図) 出典 TOKYO2020


お台場海浜公園(トライアスロン水泳[スイム] READY STEADY TOKYO) 筆者撮影


青海アーバンスポーツパーク(スポーツクライミング READY STEADY TOKYO) 筆者撮影


青海アーバンスポーツセンター(バスケットボール3×3 READY STEADY TOKYO)筆者撮影


有明体操競技場 国技館を彷彿とさせる「和風」の外観 READY STEADY TOKYO 筆者撮影


有明アーバンスポーツパーク(自転車競技[BMX] フリースタイル会) 筆者撮影


東京ビックサイト青海展示棟 五輪スポンサー企業の展示場として使用 筆者撮影


東京国際フォーラム IBC/MPCを設置  提供 TOKYO2020


IMC CDR 出典 OBS





破格に高額 新国立競技場「1550億円」

新国立競技場は“負のレガシー”(負の遺産)になるのか?(1) “迷走”と“混迷”を重ねる新国立競技場 “国際公約”ザハ・ハディド案 縮小見直し「2520億円」

新国立競技場は“負のレガシー”(負の遺産)になるのか?(2) 白紙撤回ザハ・ハディド案 仕切り直し「1550億円」 破綻した“多機能スタジアム”

新国立競技場は“負のレガシー”(負の遺産)になるのか?(3) 新デザイン「木と緑のスタジアム」決定 大成建設・梓設計・建築家の隈研吾氏のチーム “赤字”への懸念 巨額の負担を次世代に残すのか? 

新国立競技場は“負のレガシー”(負の遺産)になるのか?(4) 検証新デザイン 維持管理費・長期修繕費 ライフサイクルコストはどうなる?

新国立競技場は“負のレガシー”(負の遺産)になるのか?(5) 新国立競技場“迷走” 文科省とJSCに責任 検証委

新国立競技場は“負のレガシー”(負の遺産)になるのか?(6) 陸上競技の“聖地”は無残にも消えた 新国立競技場はサッカーやラグビーの球技専用スタジアムに

新国立競技場は“負のレガシー”(負の遺産)になるのか?(7) 新国立競技場に暗雲 破綻寸前日本スポーツ振興センター(JSC)




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廣谷  徹
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5月26日朝刊 朝日新聞社説 東京五輪 中止の決断を求める

2021年08月24日 10時45分30秒 | 東京オリンピック
朝日新聞社説 「東京五輪 中止の決断を求める」(5月26日朝刊)




朝日新聞社説批判 「中止の決断を」に反論する 五輪は開催すべき 唖然とする五輪バッシング報道姿勢

朝日新聞は東京五輪の「オフイシャルパートナー」を返上せよ

「五輪開催」すべき 盲目的に「中止」唱えるメディアのお粗末 根拠なし パンデミック・リスク 
開催実現で「Withコロナの時代のニューノルマル」をレガシーに


深層情報 Media Close-up Report 「呪われた」2020東京五輪 速報 「緊急事態宣言」下でも五輪開催 コーツIOC副会長





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2020年5月26日
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東京パラリンピック 朝日新聞批判 メディア批判

2021年08月24日 10時27分34秒 | 東京オリンピック


朝日新聞社説 パラリンピック開催は支持「安全対策に万全期して」


朝日新聞社説(8月24日) 「東京パラ大会 安全対策に万全期して」 上記の「東京五輪 中止の決断を求める」の社説と読み比べて欲しい

 今日(8月24)、東京パラリンピックは開会式を開催する。
 朝日新聞は、五輪開催については激しく攻撃を繰り返していたが、パラリンピック開催についてこれまで沈黙を続けていた。
 新型コロナウイルスの「感染爆発」という危機的な状況の中で、「世界各地から選手を招き、万単位の人を動員して巨大な祭典を開くことに、疑問と不安を禁じ得ない」としたが、開催については、「手のひら返し」をして「延期」や「中止」を主張せず、「安全対策に万全期して」して開催して欲しいとする。
 その一方で、「五輪を強行しながらパラを見送れば、大会が掲げる共生社会の理念を否定するようで正義にもとる。そんな思いも交錯して、五輪が終わった後、議論を十分深める機会のないまま今日に至ったというのが、率直なところではないか」と「言い訳」をした。
 「議論を十分深める機会」がなかったとして、世論の責任に転嫁しているが、朝日新聞はパラリンピック開催については「議論を十分深める」ことを行ったのか。これまで沈黙していたのではないか。メディアとしての責任を問う。
 大会開催意義として「選手たちの輝き」を上げ、「大会では障害の程度に応じて多様な競技が展開される。一人ひとりが向き合っているハンデやその前に立ちはだかる壁を、自らに重ね合わせてプレーを見れば、人間のもつ可能性に驚き、励まされることだろう」とし、「純粋なスポーツとしてパラに関心を寄せ、楽しむ人も広がっている。選手たちの安全と健闘を心から祈る」と締めくくった。
 五輪大会中止を掲げた社説と読み比べて、五輪大会とパラリンピック大会に対する報道姿勢の違いに唖然とする。五輪のアスリートには「輝き」や「人間のもつ可能性に驚き、励まされる」ことはないのか。明らかに偏見に満ち溢れた不公正な論評である。朝日新聞は五輪大会でのアスリートの姿に「感動」や「勇気」を感じ取っていないのか。
 繰り返すが筆者は、障害者の世界最大のスポーツの祭典であるパラリンピックの開催意義は高く評価している。
 朝日新聞は、朝日新聞のコマーシャルで、「スポーツは希望になる」として、1964東京大会の開催に尽力した朝日新聞記者の田畑政治氏を取り上げ、「スポーツのすそ野を広げていく」としている。
 しかし、新型コロナウイルスの感染状況は五輪開催時より更に深刻化して、「感染爆発」、「災害クラス」、医療崩壊は現実化して中での開催を批判しない朝日新聞などのメディアは糾弾に値する。

パラリンピック明日開幕 朝日新聞は、パラリンピックの開催中止をなぜ主張しない
 明日8月24日から、8月8日に閉幕した2020東京五輪大会に引き続き、8月24日から9月5日まで、パラリンピックが開催される。22競技、539種目が1都3県の21の競技会場で開催され、約4400人が参加する世界最大の障害者スポーツの祭典である。
 コロナ禍の大会開催となり、一般観客はすべての会場で受け入れないが、「学校連携プログラム」による小中高生の感染は認めることになった。

 五輪閉幕後も新型コロナウイルスの感染拡大は、更に加速し、「感染爆発」、「制御不能」、「災害レベルの感染猛威」という事態を迎えている。
 全国の新規感染者数(8月20日)は2万5876人、五輪が開幕した時は4377人(7月23日)は4377人、約6倍増、東京では1359人に対して5405人で約4倍と感染爆発が止まらない。
 8月22日、組織委員会は、東京パラリンピックの選手2人を含む、大会関係者30人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表した。パラリンピック関係者の1日の陽性者数としては、過去最多を記録した。
 医療逼迫の懸念は五輪時よりはるかに高まっている。
 東京の入院者数(軽傷中等症)は3968人に達し、病床使用率は66.5%、重症者数は271人に重症床使用率は69.1%、入院が必要な患者が病床が足らなくて入院できないケースが常態化している。医療崩壊が現実化しているのである。
 競技会場で大会関係者に傷病者が出た場合に受け入れる「指定病院」の都立墨東病院が、救急で重症者を受け入れは行うが、「新型コロナウイルス感染症を最優先としながら対応する」という。苦渋の選択である。こうした動きは他の病院にもあるという。都立墨東病院は「開催の是非」を議論すべきだとした。(8月19/20日 朝日新聞)
 こうした状況の中で、朝日新聞はパラリンピック開催の是非を論評する記事を掲載しない。唯一、「パラ学校観戦 割れる判断」(8月18日朝刊)だけが論評記事である。
 あれだけ、五輪開催については激しく批判していた報道姿勢とは一変をしたのには唖然とする。
 五輪開催時には、医療崩壊を理由に五輪開催を激しく批判したに対し、パラリンピック開催については、医療崩壊が現実化しているにも関わらす、開催を一切批判しない。
 朝日新聞はメディアとしての責任をどう考えているか。パラリンピック開催に関する批判をファクトを踏まえて掲載すべきだ。
 新型コロナウイルスの感染状況は、五輪開催を直前に控えた7月上旬より、今の方がはるかに深刻化している。もはや「感染爆発」、「制御不能」、「災害レベル」の感染猛威なのである。
 「オリンピック」と「パラリンピック」とでは開催の理念が異なり、「パラリンピック」は障害者スポーツの祭典であることは十分理解した上で、その開催意義は高く評価したい。
 にもかかわらず、残念だが、今の深刻なコロナ禍の中では、五輪大会以上に、アスリートや大会関係者の感染拡大リスクは「制御不能」と言わざるを得ない。
 また五輪開催で、国民の感染対策に「気の緩み」が生じると激しく批判したが、パラリンピック大会の開催で「気の緩み」は懸念しなくてよいのか。論理的に説明して欲しい。
 朝日新聞は、こうした状況を踏まえて、「パラリンピック」開催是非について、社説などで見解を表明すべきだろう。「沈黙」はメディアとしての責任放棄である。


東京オリンピック 朝日新聞社説批判 「中止の決断を」に反論する 五輪は開催すべき

東京五輪 メディア批判 ファクトチェック 五輪バッシングを繰り返すメディアのお粗末 開催実現で「Withコロナの時代のニューノルマル」をレガシーに





2021年8月24日
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高校野球 朝日新聞批判 朝日新聞は高校野球中止を主張すべきだ

2021年08月20日 06時59分02秒 | メディア



宮崎商業 東北学院 試合を辞退 大阪桐蔭ブラスバンド 部員感染、甲子園での応援断念
 8月17日、高校野球大会本部は、選手ら5人の新型コロナウイルス陽性が確認された宮崎商業と東北学院が試合を辞退し、これを受理したと発表した。
 宮崎商業では今月14日の夕方、選手1人が発熱し、PCR検査で陽性反応を示していましたが、宿舎に入っているチーム関係者35人が医療機関で検査を受けた結果、発熱した選手を含め13人の感染がわかり、さらに保健所から8人が濃厚接触者と判断された。東北学院は、選手1人の陽性が確認され、選手3人と朝日新聞社の記者1人が濃厚接触者となった。
 高野連と朝日新聞社は、今大会で出場の可否を判断する際「個別感染」か「集団感染」かを重要視していて、宮崎商業については「集団感染」に該当すると判断し学校側に伝え、17日午前、宮崎商業から19日の初戦を前に出場を辞退するという申し出があり受理したとした。東北学院については、大会本部は「個別感染」としたが、東北学院は、出場するれば感染者や濃厚接触者が特定される恐れがありり、生徒の将来に影響を及ぼす可能性を懸念して「辞退」という判断に至ったという。東北学院副校長は「大変残念だが、生徒のプライバシーを守りたい」と述べた。
 宮崎商業と東北学園の対戦予定校は不戦勝になる。宮崎商は13年ぶり5回目の出場、東北学院が初出場だった。
 朝日新聞は、五輪大会では、コロナ感染で棄権した選手が出たことに言及し、「コロナ禍で涙をのんだ選手たちにとって、この五輪は公平だったと言えるのか。悩みながら出場した選手たちの思いは、報われたのだろうか」と主張した。高校野球については同じ主張はしないのか。高校野球の選手たちの思いは受け止めないのか。
 一方、大阪桐蔭吹奏楽部はブラスバンド演奏による応援を予定していたが、同部内に新型コロナウイルス感染者が発生したため、急きょ応援を取りやめた。同部OB会の公式ツイッターが「大切なお知らせ」と題し、「この度、吹奏楽部で新型コロナウイルス感染者が判明したため、本日予定していた甲子園での応援を取りやめる事になりました。楽しみにして頂いていた皆様には大変申し訳ございません」と投稿した。
 ついにコロナ感染は、選手や学校関係者に及び、前代未聞の2校の出場校辞退という状況に追い込まれた。
 更に悪天候の影響で、今日(8月18日)の試合開催も中止、史上最多の6度目の「延期」となり、選手の健康を守るために設けられた「休息日」も3日が設定されていたが、準々決勝後の1日だけに削減された。「強硬日程」に対しての批判記事は一切ない。
 こうした状況の中で、朝日新聞は高校野球の開催をこのまま継続することが適切なのか、論評する記事を一切掲載していない。五輪開催を激しく批判した報道姿勢はどこにいったのか。メディアとしての責任が問われる。

東海大菅生-大阪桐蔭 豪雨に見舞われ8回表でコールドゲーム 7対4で大坂桐蔭が勝利
 大会3日目の第一試合、東海大菅生-大阪桐蔭の試合は8回の表、東海大菅生の攻撃の最中に中断、甲子園球場は豪雨でグランドは水浸しになっていた。 雨は降りやまず、その後、ノーゲームが宣告され、8回表でコールドゲームとなり7対4で大坂桐蔭の勝利となった。しかし問題は、「中断」の判断は遅すぎたことだ。雨は5回頃から激しさを増し、中継映像を見ていても雨で明らかに視界がなくなり、グランドは水たまりになっていた。なぜ試合が成立する7回前に判断してノーゲームとして再試合にしなかったのだろうか。雨で延期が相次いでいる中で、強引に試合消化を優先させた運営姿勢は非難されてしかるべきだろう。とくかく大会本部は、なにがなんでも「開催ありき」、明らかにアンフェアな判断だった。
 NHKは、生中継番組で、「続行やむなし」を言い続けて、7回に入る前に「中断」について言及しなかったNHKアナウンサーと解説者の責任も問われる。

甲子園に入場認める学校関係者の範囲を制限
 8月16日、高野連と朝日新聞社は、入場を認めている学校関係者の範囲を大会第5日(17日)から制限すると発表した。
 兵庫県に緊急事態宣言が出される見通しになったことなどを踏まえ、学校関係者の定義を生徒、保護者、教職員、野球部員だった卒業生とし、校長が氏名、連絡先などを管理できる人にする。
 第7日(19日)までについては返券に応じる。この措置に伴っての移動、宿泊のキャンセル料は主催者が負担するとした。
 しかし、「校長が氏名、連絡先などを管理できる人に限る」としたことで、これまでの「学校関係者」とは一体何だったのかという疑問がわく。学校が甲子園で観戦したいという人を募って、一般市民でも幅広く観戦が可能だったのではという疑念が生まれる。だとすればなんとも杜撰な「制限」と言わざるを得ない。
 また、代表校の関係者の感染者が出ても、「個別感染」か「集団感染」かを見極めて「個別感染」と見なされれば、チームとしての試合の出場は認められる可能性があるとしている。しかし、代表校の関係者は同じ宿舎に宿泊をしていて、練習、移動などは常に同一行動、マスク着用で「密」は避けるにしても、感染者が発生したら、「個別感染」か「集団感染」にかかわらず、感染リスクは極めて高くなるのは明らかだろう。朝日新聞は五輪大会で「個別感染」か「集団感染」の区別について言及したのか。高校野球だけなぜ特別扱いするのか説明を求めたい。
 「開催ありき」の姿勢はまさに高校野球にある。

速報 宮崎商業の選手ら5人がコロナ感染
 高野連=日本高校野球連盟や朝日新聞は、宮崎商業の選手1人が14日夕方に発熱し、15日に病院でPCR検査を受けたところ陽性反応を示し、これを受けてほかの選手などもPCR検査を受けた結果、16日朝までに新たに選手など4人の感染が確認されたことを明らかにした。
 感染が確認された5人を含むチームの関係者は濃厚接触者について保健所の判断が出るまで宿舎の個室でそれぞれ待機している。
 宮崎商業は18日、第1試合で智弁和歌山高校との初戦に臨む予定になっている。
 大会主催者は、出場の可否について、濃厚接触者についての保健所の判断を待って緊急対策本部の会議を開き決定するとしている。
 一方、政府は今月31日までを期限に「蔓延(まんえん)防止等重点措置」を適用している兵庫、京都、福岡にも新たに「緊急事態宣言」を発令する方向で検討が進められている。朝日新聞は、「緊急事態宣言」のが発令された東京で、五輪開催を行うことに対して強く批判をした。兵庫に「緊急事態宣言」が発令されたら、朝日新聞は「高校野球開催」を予定通り無批判に続けるのだろうか。主催者として、メディアとしての説明を強く求める。

朝日新聞は高校野球関係者のコロナ感染者を公表せよ 選手1人陽性 朝日新聞記者も濃厚接触者で待機
 コロナ禍の中で開催された甲子園大会は、停滞する前線による豪雨にも見舞われ、大会運営は大きな打撃を受けている。
 昨日は、試合開始時間が3時間も遅れ、最終試合の第四試合は、夜7時10開始、終了は9時30頃、前代未聞の競技運営となった。朝日新聞は、五輪大会の運営で夜間の競技開催について厳しく批判した。高校野球なら9時過ぎまでの開催は「目をつぶる」のか。「開催ありき」と五輪を批判した。「開催ありき高校野球」となぜ批判しない。
 さらに雨の離京であわせて4日間の延期を余儀なくされている。暑さなどから選手の健康を守るために「休息日」がほとんど消えた。朝日新聞は選手の健康問題の配慮はやめたのか。
 懸念されたコロナ感染者が発生していることも大きな問題だ。
 8月14日、1回戦で愛工大名電に勝利し、2回戦に進出した東北学院(宮城)の選手1人が新型コロナウイルスのPCR検査で陽性が判明したと発表された。
 陽性が発覚した選手は13日に発熱。13日夜と14日の朝の2回、PCR検査を行い、ともに陽性反応が出た。14日朝のPCR検査では、他に陽性者はいなかった。当該選手やチームのメンバーは濃厚接触者についての保健所の判断が出るまで、宿舎でそれぞれ個室で待機した。
 翌15日、大会本部は、選手2人と練習補助員1人に加え、チームと大会本部との調整などを担う主催者の朝日新聞記者の計4人が濃厚接触者として保健所に認定されたと発表した。4人はそれぞれの宿舎で待機中で、12日と14日に受けたPCR検査では陰性だった。陽性となった選手は15日に選手宿舎から宿泊療養施設へ移ったという。
 問題は、感染ルートである。選手2人と練習補助員1は、厳しく行動管理がなされていると思われるので、朝日新聞記者がなんらかの「感染源」となった懸念も残る。朝日新聞は、一刻も早く、調査を行い、結果を公表すべきだろう。勿論、プライバシーについては十分な配慮が必要だ。

 最大の問題は、選手やチーム関係者以外の大会関係者や学校関係者のコロナ感染情報が一切明らかにされていなことである。五輪関係者のコロナ感染者を連日報道して厳しく追及した朝日新聞は、高校野球については沈黙している。
 国際オリンピック委員会(IOC)は、毎日、「選手」、「大会関係者」、「メディア」、「委託業者」などを「海外」と「国内」に分けてコロナ感染者数を公表した。朝日新聞は、同様に高校野球関係者のコロナ感染者を公表すべきだ。
 甲子園地域に開催期間中に滞在している代表校の関係者は、1校当たり約30人として計49校で約1500人、学校関係者が1日あたり最大4000人、それに大会関係者や関連業者などが加わり、1日当たり5000人近くが大会に関わっていると思われる。
 一方、開催地兵庫県のコロナ感染状況は、まさに感染爆発で「制御不能」状態に陥っている。8月12日は史上最高の728人の新規感染を出し、入院病床率は50%超である。兵庫県の陽性率は、20.4%と20%を超えている。5000人に全員にPCR検査を実施すると、20%という数字は過剰だが、数十人程度の陽性者が出るのは当然と思われる。甲子園大会の場合、PCR検査を毎日全員に対して実施していないが、それにしても大会関係者で、「感染者1人」というのは不自然である。
 なぜ朝日新聞は、関連業者やメディアを含めて大会関係者の陽性者の数と内訳を明らかにしないのか。五輪大会は厳しく批判する一方で、高校野球は「目をつぶる」のか、説明を求めたい。
 また、五輪報道については、「バブルに綻び」として、大会関係者が宿泊施設を抜け出して外出する姿を追いかけた。周辺のコンビニ等に「張り込み」取材を行い、大会関係者や外国人メディアが飲料などを買う姿を報道して批判を浴びさせた。
 高校野球関係者の「バブル体制」は実施していないが、外出自粛が求められている。甲子園エリアに滞在する大会関係者が市内に外出する様子の「張り込み」取材はしないのか。地元兵庫県は感染爆発の状況である。
 朝日新聞は、主催者としてメディアとしての責任を果たして欲しい。

朝日新聞社は「高校野球大会中止」を検討しないのか
 日本人選手のメダルラッシュで沸いている五輪大会の開催中の7月27日、東京都の新型コロナ新規感染者数が過去最多となったことを受け、菅首相は、オリンピックを中止するという選択肢はあるかとの質問に対して、オリンピック中止の可能性を否定した。
 菅首相は、コロナ感染の再拡大が進む中で、朝日新聞社を始め、メディア各社から、オリンピック中止の可能性を再三に渡って問われていた。
 8月12日、朝日新聞は、一面トップで「31都道府県『感染爆発』」とい見出しを掲げ、厚労省の専門家組織は首都圏を中心に「もはや災害時の状況に近い局面」だと強い危機感を示したと伝えた。最早、日本は「感染爆発」の危機に立たされているのである。
 こうした中で8月10日に朝日新聞社と高野連が主催する夏の甲子園大会が開催されている。今日は雨のために中止となり、試合は明日以降に順延となった。
 朝日新聞などメディアは、五輪開催については、コロナ感染者が急速に増加している中、「中止の可能性」について、必要に菅首相に迫った。
 しかし、「感染爆発」の危機に突入したという局面の中でも、主催者である朝日新聞社は「高校野球中止」問題について言及をしない。開催を懸念する記事すら一切ない。
 筆者はこうした朝日新聞の報道姿勢にまったく納得しない。
 朝日新聞やメディアが五輪に対しては「中止の可能性」について菅首相に迫ったと同様に、高校野球の「中止」の可能性を朝日新聞社に問いたい。メディアとしての良心と正義が問われている。
 コロナ感染者爆発の危機は、明らかに五輪開催時を上回っている。


8月12日 朝日新聞1面 「31都道府県『感染爆発』」

朝日新聞は「高校野球」だけを特別扱いするな!
 8月10日、夏の高校野球大会が開幕した。開会式の選手宣誓で、小松大谷(石川)の木下仁緒主将は、「1年前、甲子園という夢がなくなり、泣き崩れる先輩たちの姿がありました。しかし、私たちはくじけませんでした。友の笑顔に励まされ、家族の深い愛情に包まれ、世界のアスリートから刺激を受け、一歩一歩歩んできました」と述べ、「人々に夢を追いかけることの素晴らしさを思いだしてもらうために、気力、体力を尽くしたプレーで、この夢の甲子園で高校球児のまことの姿を見せることを誓います」力強く締めくくった。
 「夢の甲子園」で高校球児が見せる「感動」と「勇気」そして、「希望」は、コロナ禍の中で閉塞感が溢れている今の日本の中で、後世に残るレガシーになる大会になることは間違いない。
 しかし、筆者は、朝日新聞の「五輪」に対する激しい批判と「高校野球」に対する報道姿勢に大きな疑問を抱く。
 五輪大会を目指したアスリートへの思いは無視して、高校球児の思いはしっかり受け止める、五輪あるリートの思いと高校球児の思いに違いはあるのか、朝日新聞に問いたい。
 五輪大会を社説で「中止勧告」をしたり、五輪バッシングを執拗に繰り返した姿勢への反省が一切ない。五輪は開催反対で、高校野球はなぜ開催なのか明快な説明が欲しい。
 夏の甲子園大会は、夏のスポーツビックイベントして全国的に絶大な人気がある。甲子園大会の関心の高まりは、出場校のある地域などを中心に、「人流」が増え、市民のコロナ対策への「気の緩み」を誘発するのは間違いない。
 朝日新聞は、五輪開催で市民の「気の緩み」が生まれ、「人流」が増加して、コロナ感染が増加する懸念を繰り返し指摘した。しかし、夏の甲子園大会ではその懸念がないのか。朝日新聞は明快な説明をすべきだ。五輪大会だけ、批判をして高校野球の悪影響には眼をつぶる報道姿勢には、まったく唖然とする。
 新型コロナウイルスの新規感染者は、高校野球が開幕した8月9日、全国で1万2073人、重症者は1190人と五輪が開催された7月23日に比べて倍以上になり、感染状況は更に悪化している。地元大阪や兵庫の新規感染者数は、大阪で995人、兵庫で275人に及び、病床占有率は40%を超えている。コロナのパンデミックは、五輪開催の時よりも更に悪化している。

 朝日新聞は、五輪開催による医療体制逼迫を厳しく警告した。しかし、夏の甲子園大会の開催で、地元の大坂、神戸の医療体制逼迫を警告する記事は一切ない。大坂、神戸の医療体制は崩壊寸前であろう。なぜ医療体制に言及しないのか朝日新聞は説明するべきだ。ちなみに五輪関係者で、コロナ感染で入院した人は、わずか4人で、五輪関係者のコロナ感染による「医療崩壊」は起きなかった。また、海外から来日した選手や大会関係者から、日本の市民にコロナの感染が広まったというファクトは今の所はない。
 また、多くの専門家やメディアは、五輪開催で「気の緩み」が生じて、「人流」が増して感染拡大に輪をかけたとしているが、印象論に基づいた発言、エビデンスがない。五輪開催で本当に「人流」は増えたのか。むしろ「巣ごもり観戦」で外出は減ったのではないかと筆者は分析する。

 8月10日、東京都医学総合研究所は、GPS の移動パターンからレジャー目的の人流・滞留を推定して、主要繁華街にレジャー目的で移動・滞留したデータを抽出して、主要繁華街 滞留人口を推定した。
 その結果によると、夜間滞留人口は、前週より 4.5 % 減少、6週連続の減少となった。7週前(6/20-26)と比較すると 30.2 % 減 となる。昼間滞留人口や、前週より 2.5% 減少、5週連続の減少となった。6週前(6/27-7/3)に比較して:19.7% 減 である。このデータを見ると、五輪開催が「人流増」につながったとするエビデンスはない。
 五輪と「人流増」の関係は、印象論でなく、エビデンスで論議するべきだろう。

 今年の夏の甲子園大会では、一般の観客は入れないが、参加各校の関係者や応援団などは1校当たり2000人を限度に入場を認めた。全国から選手や学校関係者が、交通機関や貸し切りバスを連ねて甲子園に集まる。
 政府や専門家は、感染防止策としてお盆を迎える中で「県境超える移動」の自粛を強く要請している。高校野球の開催はこうした要請に明らかに背反していることは間違いない。主催者の朝日新聞はこれをどう説明するのか。

 朝日新聞の論説委員・郷富佐子氏は「日曜に想う 『パラレルワールド』で起きたこと」とタイトルで、ボート競技のイタリア男子代表、ブルーノ・ロゼッティ選手 
がコロナ検査で陽性となり試合への出場ができなくなったり、サーフィン男子のポルトガル代表など、コロナ感染で棄権した選手が複数いたことに言及し、「おそらく今晩の閉会式で、バッハ会長は、高らかに「困難を乗り越えた東京五輪の成功」を宣言するだろう。 だが、いま一度、問いたい。コロナ禍で涙をのんだ選手たちにとって、この五輪は公平だったと言えるのか。悩みながら出場した選手たちの思いは、報われたのだろうか」と結論づけた。
 筆者は、郷富佐子氏に問いたい。
 今年の高校野球大会では、優勝候補筆頭の東海大相模高校で関係者31人が感染するというクラスターが発生し、県大会の出場を辞退、強豪校の福井商業や星稜(金沢市)、中越(長岡市)も感染者を出して県大会の出場を辞退している。
 こうした状況の中で、今年の高校野球は、「公平」だと言えるのか。
 朝日新聞の、ファクトを無視したアンフェアな五輪バッシング報道姿勢には唖然とする。

 さらに問題なのは、社説で「五輪反対」を唱えながら、五輪大会を支援するオフイシャル・サポーターを辞退せず、「経営と記事は別」として、スポンサーとしての営業活動を続けたことだろう。日本選手のメダルラッシュに沸くと、朝日新聞は、「手のひら返し」で五輪批判記事を引っ込めて、アスリートの「感動」と「称賛」の記事で紙面は溢れかえった。開催期間中は連日号外を発行し、日本選手の活躍を讃えている。号外には、しっかりスポンサーの広告も掲載、広告料収入もしっかり得ている。五輪を激しく批判しておきながら、アスリートへの「感動」を「売り物」にしている営業姿勢は問われてしかるべきだ。

 ライバルの読売新聞が7~9日に実施した全国世論調査では、東京五輪が開催されてよかったと「思う」は64%に上り、「思わない」の28%を大きく上回った。
 朝日新聞は、8月9日の1面で、東京本社スポーツ部長・志方浩文氏は「確かな理念を伝えられぬまま、東京五輪は終わった。でも、まだできることはある。組織委がすべての反省点を洗い出し、持続可能な五輪につなげる提案ができたなら、レガシーと言えるものになる」と述べた。
 しかし、検証しなければならいのは、組織委だけでなく、五輪ネガティブ報道に終始した朝日新聞の報道姿勢にある。朝日新聞の記者はすべて五輪ネガティブ報道を支持したのか。異論はなかったのか。社内で、五輪ネガティブ報道に対して、「ものを言えない」雰囲気がなかったのか。
 激しく五輪開催を批判する記事を執筆した記者の人たちに問いたい。
 五輪開催時よりより深刻になっているコロナの感染状況の中で、高校野球を開催することに何の疑問も持たないのか? 朝日新聞が主催するイベントだから批判はしないのか。ジャーナリストとしての正義が微塵も感じられない。
 
 朝日新聞を中心とするメディアの激しい五輪バッシング報道で、社会全体に、「五輪開催支持」だがそれを唱えられないという雰囲気が蔓延した。メディアに登場する評論家や有識者の多くは、ほとんど盲目的に五輪反対に追随した。まるで五輪反対を主張しないとまづいのではと思っているがごとくの無節操な大合唱を繰り返した。冷静にファクトを見つめる姿勢がない。
 こうした五輪バッシング報道で、追い詰められたのは、五輪を目指してきたアスリートたちである。
 競泳日本代表の池江璃花子選手は、ツイッターで「(東京五輪代表を)辞退してほしい」「(五輪の開催に対して)反対の声をあげてほしい」といったメッセージが複数寄せられていることを明かした。
 池江選手は「このコロナ禍でオリンピックの中止を求める声が多いことは仕方なく、当然のことだと思っています」としながら、2019年2月に白血病と診断されたことを受けて、「持病を持ってる私も開催され無くても今、目の前にある重症化リスクに日々不安な生活も送っています」と書いた。
 そして、「私に反対の声を求めても、私は何も変えることができません」とコメント。「この暗い世の中をいち早く変えたい、そんな気持ちは皆さんと同じように強く持っています。ですが、それを選手個人に当てるのはとても苦しいです。わたしに限らず、頑張っている選手をどんな状況になっても暖かく見守ってほしいなと思います」と苦しい胸を内を明らかにした。
 アスリートの多くは、「五輪開催」を唱えたくても唱えられない状況に追い込まれたいただろう。社会全体に「ものを言えない」閉塞状況が覆った。まさに五輪反対ファシズム、冷静な議論の場を確保するデモクラシー社会を放棄した。
 こうした状況を生み出したのは朝日新聞を中心とするメディアの責任だ。メディアの責任は極めて重い。

 筆者は、改めて明快にしておきたいのは、熱烈は高校野球ファン、毎年、テレビ中継に1日中かじりついている。去年は中止になり本当にがっかりした。コロナ禍の中でも、感染防止対策を進めながら開催する姿勢を支持したい。コロナとの戦いは長期戦になるのは間違いない。コロナ禍だからこそ、スポーツイベントの開催を簡単に諦めるのではなくて、なんとか開催して、国民に「感動」と「勇気」を与えていくことが必須だろう。
 「五輪」も「高校野球」もまったく同じだ。

 一方で、筆者は五輪の在り方に全面的に賛同しているわけではない。
 止まることを知らない肥大化、膨大に膨れ上がる開催経費と地元負担の重圧、過度な商業主義、国際オリンピック委員会(IOC)の閉鎖的な体質や「浪費」体質、賄賂が横行する腐敗体質など厳しく批判を続けてきた。
 また完全に吹き飛んだ「復興五輪」の開催理念や招致を巡る贈収賄疑惑、放射能汚染水を巡る安倍前首相の発言問題も問い続けたい。この姿勢は変わることはない。
 しかし、筆者はオリンピックの開催理念、「多様性」と「調和」は支持したい。
 「分断」と「対立」を超えるツールとして「スポーツの力」を信じたい。



7月22日 朝日新聞朝刊(以下同)




7月27日 朝日新聞号外




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羽鳥慎一モーニングショー ファクトチェック 検証 五輪ネガティブ報道 五輪ポピュリズム

2021年08月12日 08時07分56秒 | メディア



2020東京五輪大会 開会式 7月23日 出典 TOKYO2020

羽鳥慎一モーニングショー ファクトチェック 検証 反五輪バッシング報道 五輪ネガティブ報道

「羽鳥慎一モーニングショー」は「高校野球大会中止」を唱えないのか
 日本人選手のメダルラッシュで沸いている五輪大会の開催中の7月27日、東京都の新型コロナ新規感染者数が過去最多となったことを受け、菅首相は、オリンピックを中止するという選択肢はあるかとの質問に対して、オリンピック中止の可能性を否定した。
 菅首相は、コロナ感染の再拡大が進む中で、朝日新聞社を始め、メディア各社から、オリンピック中止の可能性を再三に渡って問われていた。
 8月12日、朝日新聞は、一面トップで「31都道府県『感染爆発』」とい見出しを掲げ、厚労省の専門家組織は首都圏を中心に「もはや災害時の状況に近い局面」だと強い危機感を示したと伝えた。最早、日本は「感染爆発」の危機に立たされているのである。
 こうした中で8月10日に朝日新聞社と高野連が主催する夏の甲子園大会が開催されている。今日は雨のために中止となり、試合は明日以降に順延となった。
 朝日新聞などメディアは、五輪開催については、コロナ感染者が急速に増加している中、「中止の可能性」について、必要に菅首相に迫った。
 しかし、「感染爆発」の危機に突入したという局面の中でも、主催者である朝日新聞社は「高校野球中止」問題について言及をしない。開催を懸念する記事すら一切ない。
 筆者はこうした朝日新聞の姿勢にまったく納得しない。
 五輪大会開催の批判を激しく続けた「羽鳥慎一モーニングショー」はなぜ高校野球の「中止」の可能性を追求しない。玉川徹氏は「高校野球開催」を批判しないのか。玉川徹氏の見解を聞きたい。 
 「羽鳥慎一モーニングショー」やメディアは、五輪に対しては「中止の可能性」について菅首相に迫ったと同様に、高校野球の「中止」の可能性について言及すべきだ。
 コロナ感染者爆発の危機は、明らかに五輪開催時を上回っている。


8月12日 朝日新聞1面 「31都道府県『感染爆発』」

感染者の爆発は五輪のせい 根拠のない五輪バッシング
 日本医科大学特任教授の北村教授は、8月11日放送のTBSの情報番組、「ひるおび」に出演して、五輪開催がコロナ感染者増大に影響を与えたかという問題について、「五輪開催期間だけでなく、4月頃の聖火リレー開始頃から、国民に『五輪開催』が浸透して、「気の緩み」が生じている」と、五輪開催が感染者増大に大きな影響を与えたと述べた。
 しかし、4月頃の国民の「五輪」に対する意識は、大半が「開催延期」や「開催中止」を支持し、聖火リレーも相次いで公道での実施は中止され、国民の五輪への盛り上がりはまったくなかった。こうした中で、「五輪開催」で国民に「気の緩み」が生じたとするのは、余りにもファクトを無視したお粗末な発言だろう。北村氏は、4月から開催直前の状況を忘れたのだろうか。北村氏は連日のように情報番組に出演していたので、こうした状況を知らなかったはずがない。
 これに対して、政治評論家の田崎史郎氏は、「『五輪開催』がコロナ感染者増大に影響したかは、これからの2週間の感染者数を見たい」とした。コロナ感染者の増減は、概ね2週間後程度の状況を反映するとするのが常識である。緊急事態宣言を出してもその効果が現れるのは、2週間後程度とされている。北村氏もそれは十分認識しているに違いない。田崎氏の発言は極めて的を得ている。
 コロナ感染者が一気に急増したのは、7月25日頃からで、7月27日には東京の1日の感染者は3000人を超え、7月31日には4500人を超える。この急増は概ね7月中旬の感染状況が反映しているとするのが妥当だろう。つまり、「五輪開催」はあまり関係ないのである。この時期は、日本人選手のメダルラッシュもないし、五輪に沸くている状況は一切ない。五輪に対する熱気が一気に高まったのは、7月27日ソフトボール女子が米国を破って金メダル、競泳で大橋選手が金メダルを獲得してからであろう。感染者増の原因は、筆者の推測だが、夏休みと自粛疲れ、政府のコロナ対策への不満などが重なっての「人流」増と思われる。。渋谷の繁華街や湘南ビーチの人出を、「五輪」のせいにするのは無理がある。筆者は、日本人選手のメダルラッシュが相次いて、五輪への熱気が高まると、「巣ごもりテレビ観戦」が広がり外出は減ると見ている。

 8月10日、東京都医学総合研究所は、GPS の移動パターンからレジャー目的の人流・滞留を推定して、主要繁華街にレジャー目的で移動・滞留したデータを抽出して、主要繁華街 滞留人口を推定した。
 その結果によると、夜間滞留人口は、前週より 4.5 % 減少、6週連続の減少となった。7週前(6/20-26)と比較すると 30.2 % 減 となる。昼間滞留人口や、前週より 2.5% 減少、5週連続の減少となった。6週前(6/27-7/3)に比較して:19.7% 減 である。このデータを見ると、五輪開催が「人流増」につながったとするエビデンスはない。
 五輪と「人流増」の関係は、印象論でなく、エビデンスで論議するべきだろう。

 ファクトに基づかない北村氏の無責任な発言は批判されてしかるべきだ。北村氏の反論を待ちたい。エビデンスとファクトにも続かない五輪バッシング報道は未だに収まらない。

メダリストの涙の裏に「追い詰められた1年」の苦悶を見た
 五輪開催に対してメディアは連日のように激しい「五輪バッシング」を浴びせ続けた。
 BBCニュース(6月12日)は、「(日本)国内の議論は極めて感情的なものとなった。異なる意見は許されず、開催に前向きな思いをもつ人はそれを表明するのを恐れた。その影響はアスリートにも及んだ。白血病から復帰して競泳の東京五輪代表に内定し、多くの人に感動を与えた池江璃花子選手には、出場辞退を求める声がソーシャルメディアで寄せられた。彼女は、「このコロナ禍でオリンピックの中止を求める声が多いことは仕方なく、当然の事」である反面、「それを選手個人に当てるのはとても苦しい」とツイートした。中村知春選手も、「東京オリンピック・パラリンピックをやりたい、と声を大にして言えないのは、それはアスリートのエゴだとわかってるから。 別に何も考えてない訳じゃない」とツイッターに投稿した」と伝えた。
 アスリートが五輪に出たいと言えない、開催してほしいいう声が上げられなくなっていた。
 アスリートを追い詰めたのは、「羽鳥慎一モーニングショー」を筆頭に、メディアの激しい「五輪バッシング」だったのは間違いない。
 メダルを獲得して表彰台に上がったアスリートには、笑顔と同時に涙があった。筆者は、涙の裏に、コロナ化で練習もできない一方で、目標としている五輪大会開催に激しい批判が浴びせられて苦悶し続けていた姿をアスリートの姿を見た。
 柔道、競泳、卓球、ソフトボール、そして史上最年少の金メダリストが出たスケートボード、五輪大会には、「感動」と「勇気」がもらえる。
 五輪バッシングを浴びせ続けてアスリートを苦境に追い込んだ「羽鳥慎一モーニングショー」、五輪大会の「感動」と「勇気」を伝える資格がない。


ソフトボール日本代表 上野由岐子投手の熱投で米国を下して感動の金メダル 出典 TOKYO2020

「金メダルラッシュ」 コロナ禍の中で「感動」と「勇気」を与えてくれるアスリート
 2020東京五輪大会は、開会式のNHK中継番組が、56・4%(ビデオリサーチ調べ 関東地区)という「驚異的」視聴率を獲得し、1964年東京五輪の61・2%に迫った。瞬間最高は61・0%に達したという。
 序盤戦の日本人選手の活躍は目覚ましく、「金メダル」ラッシュである。柔道では阿部詩選手と阿部一二三選手の兄妹が揃って金メダルに輝く。兄妹の同時金メダルは初の快挙である。競泳400メートル個人メドレーでは大橋悠依選手が完勝して金メダル、新種目のスケートボードでは堀米雄斗選手も金メダルを獲得した。
 26日には、スケートボード女子ストリートで13歳の西矢椛選手が日本選手で史上最年少となる金メダルを獲得、また、16歳の中山楓奈選手が銅メダルを獲得した。五輪大会の新競技で2人の10代のメダリストが誕生した。夜になって柔道男子73キロ級で、大野将平選手が二連覇を達成した。
 そして、27日には、ソフトボールで、日本代表チームは、上野由岐子投手の熱投で、米国を下し、悲願の金メダルを獲得、日本列島はその快挙に沸いた。
 こうした日本人選手の大健闘で、東京五輪大会の熱気は一気に高まった。アスリートの活躍は、コロナ禍で閉塞感が溢れる中で、ひときわ感動と勇気をもたらしてくれる。
 「羽鳥慎一モーニングショー」は、ソフトボールに日本代表チームが米国を下して、悲願の金メダルを獲得した翌日の放送で、「おめとうソフトボール日本代表」と上野選手など日本代表チームをライブで出演させて、その大健闘を讃えた。五輪大会に対する「熱気」を明らかに高める内容である。
 これまで、「羽鳥慎一モーニングショーは、五輪大会に対して痛烈な批判を繰り返してきた。その姿勢はどこにいったのか? 
 金メダルラッシュが続けば五輪批判はやめるのか? 余りにも節操がないお粗末な報道姿勢である。
 作家の百田尚樹氏はツイッターで、「まず最初に、『皆さんの活躍の場を奪うために、五輪開催に反対して、すいませんでした』と謝ってから、インタビューしろや。クソモーニングショー!」と厳しく批判した。
 五輪バッシングを繰り返して、アスリートを追い詰め、五輪開催の意義すら否定したことを忘れたのだろうか。
 メディアは報道姿勢の一貫性が求められる。さもないとメディアとして最も重要な「信頼性」を失う。
 「羽鳥慎一モーニングショー」に、五輪大会でアスリートのもたらす「感動」と「勇気」を伝える資格がない。


スケートボード女子ストリートで13歳の西矢椛選手が日本選手で史上最年少となる金メダルを獲得 出典 TOKYO2020


新体操 杉原愛子選手の“ARIGATO” Twitter 8月8日

アスリートのプライバシーをないがしろにするな
 7月19日の羽鳥モーニングショーでは、昨日、大会組織委員会が主催して赤坂迎賓館で行われた「バッハ会長の歓迎会」の話題と新型コロナウイルスに感染した五輪出場選手の「実名公表」の話題を取り上げた。
 東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は18日、東京・迎賓館で国際オリンピック委員会(IOC)の関係者をもてなす歓迎会を開催した。
 「バッハ会長の歓迎会」には国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長やジョン・コーツ東京大会調整委員長を始め、菅首相、丸川五輪相、東京都の小池百合子知事、日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長ら約40人が出席した。
 食事やアルコール類は振る舞われなかった。出席者によると、森喜朗・前組織委会長も出席し、ピアニストの辻井伸行さんによる演奏も披露されたという。
 組織委員会では感染対策も十分に実施した上で、開催したとしている。
 警戒宣言化で、開催や止めるべきだと主張するメディアも多いが、筆者は、「バッハ会長の歓迎会」をこうした形で実施するのは、何ら問題はないと考える。要人が来日した場合の「礼儀」としては当然だろう。コロナ化でも、この程度の集会や会議を許容しなければ、withコロナの時代に社会生活を維持できない。今、社会一般の企業や組織、家庭では、そんなにストイックな姿勢を続けているのだろうか? 羽鳥氏に問うが、やめた「音楽イベント」にメンションするだけではお粗末で、全国では無数のイベントが観戦防止策を講じながら開催されているファクトをないがしろにしている。プロ野球やJリーグは5000人まで観客を入れて開催している。
 五輪・IOCバッシング報道の典型である。
 一方、コロナに感染した南アフリカの選手の「実名公表」を取り上げた。「実名公表」は明らかに、アスリートの人権侵害である。海外のアスリートにはプライバシーへの配慮はいらないのか、差別だろう。
 組織委員会は、感染者の国籍、年齢、性別、肩書、活動経路などは公表しない。公表することで個人が特定されるからだとしている。当然の対応である。
 日本医科大学特任教授の北村教授は、「情報は出した方が良い。五輪は超大規模イベントなので特別な影響があるから記録に残すべき」とした。記録に残すのは異論はないが「公表すべき」としたのは大いに問題がある。
 北村氏の発言は、人権侵害に配慮しないお粗末な発言である。プ野球やJリーグで感染者が出たらどうような主張をするのか。北村氏は基本的に患者のプライバシーについて軽々に考えているのは問題で、医療従事者として失格だろう。日本医科大学ではこのような認識で、学生に指導しているのだろうか。
 これに対して、コメンテーターの玉川徹氏や山口真由氏は適切なコメントで歓迎したい。
 今問題にすべきなのは、五輪ではなく、7月18日、全国で3103人、東京で1008人の感染者を出して、第五波パンデミックに入りつつある危機的状況であろう。「警戒宣言」や「重点措置」が疑問視されている中で、「人流」抑制もまったく効果がなく、むしろ増大している。こうした状況の中で、感染防止策として何をすべきなのか真剣に議論をして欲しい。感染者の急増は五輪は関係ないのである。
 23日には、開会式を迎え、いよいよ五輪大会が始まる。
 テレビ朝日も、7月24日には、民放系列の先頭を切って、柔道、バレーボール、競泳などで丸一日、競技中継を行う。日本選手が活躍してメダルを獲得したら大騒ぎをするに違いない。
 「羽鳥慎一モーニングショー」では、五輪開催期間中に、日本選手の活躍などがあって大会の雰囲気が盛り上がると、「人流」が増えたり、気が緩んで感染対策が甘くなり、感染者が増える可能性があるとして、「反五輪」の主張を繰り返した。この論拠は尾身茂政府分科会長も同じである。
 しかし、大会の雰囲気を盛り上げるのはテレビである。一方で「雰囲気が盛り上がる」ことを懸念する主張をしながら、一方で「雰囲気が盛り上げ報道」をするのはまったく納得できない。「反五輪」の主張を繰り返した筋を是非貫いて、五輪の「雰囲気を盛り上げ報道」は止めるのが筋だ。
 羽鳥慎一氏も心して放送に臨んで欲しい。

「五輪後“2400人”試算」 ファクトを踏まえず五輪バッシング
 7月16日の放送の「羽鳥慎一モーニングショー」では、「東京1308人感染 連日1000人越え 五輪後“2400人”試算も」という見出しパネルを掲げて、昨日の東京都のモニタリング会議で、専門家が警告を鳴らしたというニュースを取り上げた。
 問題は、「五輪後“2400人”試算も」としたことで、あたかも五輪開催の影響で新規感染者が「2400人」人なると誤解させる見出しになっている。
 この試算は五輪開催リスクとは一切関係がない。ファクトと科学的な分析を無視した五輪バッシングの典型的な報道姿勢だろう。
 まるでコロナ禍が収まらないのはすべて「五輪」のせいで、「五輪」さえやめればコロナ禍は収束といっている感がする。「五輪」がなくても「2400人」に急増するのである。
 これに対して、NHKニュースでは、「東京都のモニタリング会議で、専門家は「都内では感染が急速に拡大している」と指摘しました。現在の増加比が続くと、4週間後には、7日間平均が2400人を超え、変異ウイルスの影響などで感染拡大が加速すると、早期に、年明けの第3波を超えると強い懸念を示しました」と報道している。
 新規感染者増加の予測は、7月14日時点の7日間平均で、約817人で、625人だった1週間前の7月7日時点の1.31倍に増加したとして、1.31倍の増加率が続いたとして「4週間後」に何人なるかを算出したのである。
 五輪開催リスクを考慮したわけではなく、五輪開催とはまったく無関係の試算である。
 「五輪」の語句は出てこない。NHKニュースのファクトについての見識は大いに評価される。
 「羽鳥慎一モーニングショー」のなにがなんでも「五輪」を「悪者」にする姿勢はお粗末極まりない。ファクトと科学を踏まえた報道をすべきだ。

問題は「東京五輪に新たな問題浮上」ではなくて「新規感染が1149人」 お粗末な五輪バッシング報道
 7月15日の「羽鳥慎一モーニングショー」は、東京の新規感染が1149人に達し、感染の再拡大が進んでいるというニュースと「東京五輪に新たな問題浮上 隔離期間中にホテル外出 『バブル方式』に早くも穴」と伝え、新規感染が1149人という感染拡大があたかも五輪関係者からの感染リスクの懸念が大きいように伝えた。新規感染が1149人については、さほど時間をかけず、「『バブル方式』に早くも穴」に時間を費やす。他局のやっているが、五輪関係者の宿泊するホテルの前やコンビニの前に取材陣が張り付き五輪関係者が外出をしたり、コンビニ買い物をする姿を「隠し」撮影している。
 ホテル周辺を散歩している人もいると伝えたが、そもそも散歩やコンビニの買い物でどれほどの感染リスクが生じるのか、大いに疑問である。モーニングショウのコメンテーターは玉川一郎氏を始め、石山アンジュ氏、羽鳥慎一氏は、コンビニ買い物に行かないのか、コンビニにいった時に感染リスクの懸をどれだけ抱いているのか? 筆者にはコンビニでの感染リスクはほとんど感じていない。
 コンビニに買い物に行って感染した人や散歩をして感染した人はほとんど聞かない。
 コンビニ買い物をする姿を「隠し」撮影しているテレビ朝日の取材陣は、まさに三流ジャーナリズムの体を成している。
 また海外メディア関係者を「目の仇」にして差別的な報道を続けている。五輪のメディア関係者は国内のメディア関係者の方がはるかに多く大半をし占める。テレビ朝日でもモーニングショーや五輪の取材陣は数多くいて、日夜取材に跳び回っているだろう。
 感染者もキャスター陣を含めて頻繁に出ている。
 まずは、テレビ朝日の五輪取材陣を圧縮して、大会組織委員会の示したメディアのルールブックの行動管理をするべきだろう。テレビ朝日の関係者のワクチン接種や検査体制はどうなっているのか公表すべきだ。レビ朝日の関係者で、夜、飲みに行っている人はいないのか? 問われているのは日本のメディアだろう。
 海外のメディアの「魔女狩り」は止めるべきだ。差別である。
 今朝、問題にしなければならないのは、「東京の新規感染が1149人」、ついに1000人を突破した「第5波」の到来をどう抑えるかだろう。「1149人」のパンデミックの原因は、五輪は一切関係ない。
 7月15日、東京は新規感染者「1300人超」を記録し、とどまることを知らない。東京都モニタリング会議で大曲貴夫氏は、東京都の新規感染者数は、今の感染者増のペース、131%増がこのまま続くと、8月11日には2406人に達し、第三波のピークを大きく超えるパンデミックとなると警告した。「人流増」と「変異株」が感染拡大の主な要因だとしている。この予測には「緊急事態宣言」の効果は含めていない。
 事態は危機的状況に陥っている。「緊急事態宣言」だけに頼る感染防止策は効果がないのは明らかだ。しかし、東京都や国は、「警戒宣言」を出し、飲食店と酒類提供規制にほか、ほとんど何もしていない。羽鳥氏も玉川氏も「1300人超」を重く受け止めて、どうしたら感染拡大を抑えることができるのか真っ向から検証する姿勢を示して欲しい。視聴者に伝えなければならないのは「五輪」ではなくて「1300人超」である。それがジャーナリズムの正義である。

「緊急事態宣言」真実 緊急度はまったくなし 海外の専門家は冷笑
 7月12放送の羽鳥真一モーニングショーでコメンテーターの玉川徹氏は、五者協議でバッハ会長が「緊急事態宣言」について、内容がよくわかないと発言したことについて、お粗末と厳しく批判を浴びせた。
 しかし、日本の「緊急事態宣言」の実態を理解していないのは玉川氏である。
 欧州が感染爆発に対してとった措置はいわゆる「ロックダウン」、すべての市民は病院に行くとか限られた外出を除き、原則、外出禁止、小売店や飲食店は閉鎖、学校も閉鎖、警察や軍隊まで繰り出して市民を取り締まった。日本の「緊急事態宣言」は欧州の「ロックダウン」とはほど遠い、緩やかな措置だ。
 今回の「緊急事態宣言」下でも、野球、サッカーなどのスポーツイベントは、「収容人数の50%」か「上限1万人」で、観客で開催が可能である。デパートやショッピングセンターは時短要請で日中は平常に変わりなく営業可、劇場や映画館、博物館もオープンしている。渋谷や銀座、新橋などの繁華街はいつもように多くの人でにぎわっている。人流は、以前より増えて、混雑ぶりは増している。飲食店の酒提供だけは禁止されたのが厳しい措置である。
 こうした現状を見ると、素直に見れば、一体なにが「緊急事態」なのか、通常の市民生活はほとんど規制されていないのではと思っても自然だろう。
 新規感染者も、日本は全国で1日2000人超、これに対して、米国や英国は10倍以上の3万人を超えている。データから見ても緊迫感は見られない。医療逼迫が懸念されているとするが、各地域によって差はあるものの、コロナ病床の使用率は、最大の感染地、東京都では軽中等症病床で32%程度、重症病床で16%程度、大阪では軽中等症病床で17%程度、重症病床で13%程度、果たして「医療逼迫」の危機が迫っているといえるのだろうか。特に重症者の数で言えば、全国で50人~60人にとどまっていて、深刻な状況ではない。
 日本が欧米に圧倒的に劣っているのはワクチン接種率、国民全体の接種率は12%程度で、欧米に遥かに及ばない。ワクチン接種率の低さが、変異ウイルスの感染拡大が進む中で、感染爆発を招き、医療逼迫を引き起こすリスクは確かにあるだろう。
 しかし、今回の「緊急事態宣言」どう見てもその危機感が感じられない。バッハ氏が「緊急事態宣言」とは一体どういうことかと疑念を持つのも当然である。
 玉川氏はこうしたファクトを理解しているのだろうか。
 反オリンピックを声高に叫ぶのはいいが、異論を許さず、恐怖を煽って視聴者を扇動する姿勢は改めて欲しい。
 ファクトを冷静に見つめることが、メディアの使命である。


「五輪開催」すべき 盲目的に「中止」唱えるメディアのお粗末 根拠なし パンデミック・リスク 
開催実現で「Withコロナの時代のニューノルマル」をレガシーに


朝日新聞社説批判 「中止の決断を」に反論する 五輪は開催すべき

朝日新聞は東京五輪の「オフイシャルパートナー」を返上せよ

5月26日朝刊 朝日新聞社説 「東京五輪 中止の決断を求める」

東京オリンピック 尾身会長批判 五輪リスク 「ワクチン」「検査体制」「医療体制」一体何を提言したのか


深層情報 Media Close-up Report 「呪われた」2020東京五輪 東京に4回目の緊急事態宣言 1都3県、北海道、福島は「無観客」

国際メディアサービスシステム研究所 International Media Service System Research Institute(IMSSR)



2021年7月12日
Copyright (C) 2021 IMSSR

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廣谷 徹
Toru Hiroya
国際メディアサービスシステム研究所
代表
International Media Service System Research Institute(IMSSR)
President
E-mail
thiroya@r03.itscom.net
imssr@a09.itscom.net
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