“メディア・クローズアップ” 放送・通信・ICT・メディア・東京オリンピック最新情報 国際メディアサービスシステム研究所

国際会議・国際イベントのコンサルタント、国際放送センター(IBC)のシステム開発、メディア研究・調査と評論

リオデジャネイロ五輪 開会式 フェルナンド・メイレレス ジゼル・ブンチェン

2016年08月17日 11時28分03秒 | リオデジャネイロ五輪
リオデジャネイロ五輪開会式はこうなる


 
 2016年8月4日、リオデジャネイロ五輪の開会式最終リハーサルがマラカン・スタジアムで本番さながら進行で行われた。
開会式は約4時間、ダンスや光の芸術、花火、ブラジルの歴史が演じられ、有名人も登場する。
リオデジャネイロ五輪組織委員会は、会見で、開会式のコンセプトは、たくさんの人種や宗教の存在を表す「多様性」、地球の「自然」、世界を笑顔で迎える「喜び」の3点と述べた。
 また、会見にはスラム街での子供たちの抗争を描いた映画「シティ・オブ・ゴッド」“City of God“を制作したフェルナンド・メイレレス監督(Fernando Meirelles)が出席し、「世界のお互いの違いを認め合うことや、寛容の精神がどれだけ大切かを表現したい」と語った。
 開会式にはサンバチームやプロのダンサー200人が出演。ボランティア約5000人が支える。
 7月31日に行われた開会式リハーサルでは、特別に鑑賞することが許された観客が招待された。主催者側は開会式の内容について秘密を守るように約束をさせていたが、舞台の写真やストーリーの断片がネット上に流出する事態となり、地元紙も開会式の概要を報道している。
 ブラジル出身のスーパーモデル、ジゼル・ブンチェンさん(Gisele Bündchen)が、ボサノバの名曲「イパネマの娘」役で登場することが分かった。地元紙が2日報じた。ブンチェンさんが「ファベーラ」(貧民街)出身の黒人の子供から強盗されるシーンが含まれており、「式典にふさわしくない」との批判もあがっている。
 7月31日の開会式リハーサルでは、特別に鑑賞することが許された観客に対し、主催者側が内容を秘密にするよう約束。しかし、舞台の写真やストーリーの断片がネット上に流出する事態になっている。
 地元紙によるとブラジル出身のスーパーモデル、ジゼル・ブンチェンさんが、ボサノバの名曲「イパネマの娘」役で登場することが分かった。ブンチェンさんは「イパネマの娘」の音楽にあわせ、舞台に登場。強盗役の黒人の男の子は警察官に捕まるが、ブンチェンさんはこの男の子を守るというストーリーである。
 中でも注目を集めたのは、リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)市内で頻発している路上強盗を模したシーンにジゼルが登場するという場面だった。地元メディアによると、リオの若く美しい女性について歌った名曲「イパネマの娘(The Girl from Ipanema)」のメロディーにのって姿を見せたジゼルが、少年が演じる強盗に襲われる。警察官らに追われた少年がジゼルの元に逃げ戻ると、ジゼルは少年を守る行動に出るのだという。
 リオで発生する暴力行為について頻繁に伝えている地元紙ジア(O Dia)は、「美しく完璧な」ドレスリハーサルでもこのシーンは異色だったと報道。しかしある出演者はこの場面が式全体を台無しにしていると批判し、「われわれは苦言を呈した」「内容が変更されることを望む」と語ったという。(出典 AFP 2016年8月2日)
開会式は、現地時間、8月5日20時に、リオデジャネイロ、マラカナン・スタジアムで開幕する。


★ 注目記事
8K/Super Hi-Vision、VR(Virtual Reality) 次世代映像サービスに挑戦 リオデジャネイロ五輪



2016年8月4日、マラカナン・スタジアムで行われた開会式最終リハーサル 出典 Rio2016


マラカナン・スタジアムを訪れたジゼル・ブンチェンさん(Gisele Bündchen)

開会式の費用はロンドンの10分の1!
開会式を担当するのはブラジル映画監督フェルナンド・メイレレス(Fernando Meirelles)とプロデューサーのダニエラ・トマス(Daniela Thomas)で、2012年ロンドン五輪の開会式の10分の予算で行うとした。
監督メイレレスは、「ロンドンのようにお金使うことは恥だ。この国では保健衛生や教育お金を必要としている」と述べた。
そして「だから私たちは狂ったようにお金を浪費しない。低予算で開会式を演出することを私は非常にうれしく思う。それがブラジルのために理にかなっているのだ。」と語った。


聖火リレー リオデジャネイロの第一走者はサンバ・ダンサーのSelminha Sorriso 出典 Rio2016
最終ランナーはスター、ペレ氏(75)の名前が挙がっていると地元メディアが報道



聖火リレーを歓迎するリオデジャネイロ市民 出典 Rio2016






リオデジャネイロ五輪 波乱の幕開け 競技場の全貌
ロシア・ドーピング問題 タイムライン 最新情報
VR(Virtual Reality) Super Hi-Vision 次世代映像サービスに挑戦 リオデジャネイロ五輪
NHK 8Kスーパーハイビジョン試験放送開始 リオデジャネイロ五輪 8K番組表 パブリックビューイング
リオデジャネイロ五輪 インターネット配信はオリンピックの“救世主”になるのか?
ブラジル政治混乱 政治腐敗 混乱極める五輪開催都市リオデジャネイロ、そして東京
地獄へようこそ 治安の悪さ 世界的に突出 リオデジャネイロ
リオデジャネイロ五輪開会式はこうなる






国際メディアサービスシステム研究所 International Media Service System Research Institute(IMSSR)




2016年8月5日
Copyright (C) 2016 IMSSR




******************************************************
廣谷  徹
Toru Hiroya
国際メディアサービスシステム研究所
代表
International Media Service System Research Institute
(IMSSR)
President
E-mail thiroya@r03.itscom.net  /  imssr@a09.itscom.net
URL http://blog.goo.ne.jp/imssr_media_2015
******************************************************

コメント

リオデジャネイロ五輪 ロシア ドーピング 最新情報 経緯 世界反ドーピング機構WADA 国際陸連IAAF 最新情報

2016年08月14日 10時19分10秒 | リオデジャネイロ五輪

ロシア・ドーピング問題 タイムライン 最新情報




▼ ロシア・ドーピング問題を最初に告発したドイツARDのドキュメンタリー
▼ 世界反ドーピング機関(WADA)独立委員会の衝撃の報告書
▼ ニュークタイムズで告発したロシアの検査機関の元所長の証言
▼ 国際陸上連盟(IAAF)がロシア陸連の資格停止処分 個人資格の参加の特例措置
▼ スポーツ仲裁裁判所(CAS)ロシア選手訴え棄却
▼ 国際陸上連盟(IAAF)はロシア67選手のリオ五輪への参加申請を却下。
▼ IOC ロシア選手のリオ五輪出場、競技団体に委ねる
▼ IOCを痛烈批判 欧米メディア
▼ 国際水連 ロシア選手7人出場認めずと発表
▼ 国際ボート連盟 ロシア選手、五輪出場を認めたのはわずか6人
▼ ロシア選手 100人以上がリオ五輪出場不可
▼ 国際重量挙げ連盟、ロシアの五輪参加禁止
▼ ロシア選手団271人が出場 出場不可は118人 IOC
▼ IPC ロシアを資格停止 リオ・パラリンピックに出場認めず

▼ CAS ドーピング違反で、ウエイトリフティング男子のポーランド代表、陸上女子3000メートル障害のブルガリア代表の2選手を追放



世界反ドーピング機関(WADA) (出典 World Anti-Doping Agency HP)


What is Doping?(出典 World Anti-Doping Agency HP)




■ 2014年12月
ドイツ公共放送ARDがロシア陸上界の組織的ドーピングを告発したドキュメンタリーを放送
 2014年12月3日、ドイツ公共放送連盟(ARD)は、60分のドキュメンタリー番組「ドーピングにまつわる機密文書-ロシアがどのように勝者を生んだか(Secret Doping Dossier: How Russia produces its Winners)」を放送し、ロシアは国ぐるみでドーピングをしていると告発した。番組の中で、陸上・女子中距離の元ロシア代表、ユリア・ステパノワ選手が組織ぐるみでドーピングが行われていたことを、夫のロシア反ドーピング機関(RUSADA)の元職員である夫のヴィターリー・ステパノフ(Vitali Stepanov)氏と共に告発した。ユリア・ステパノワ(Yuliya Stepanova)選手は、2011年の世界選手権で、女子800メートルに出場し、8位に入賞したが、ドーピング違反で2015年1月まで2年間の資格停止処分を受けていた。トップアスリートとして活躍する裏で、代表チームのコーチや医師から日常的にドーピングを勧められていたと証言した。ステパノフ夫妻はロシア国外に転出した。
ドーピング違反により出場停止処分を受けている女子マラソンのリリア・ショブホワ(Liliya Shobukhova)も、2012年のロンドン五輪に出場するため、45万ユーロ(約6600万円)を支払ったとカメラの前で明かした。
 ショブホワは、RUSADAによって2009年から2011年までの血液データに異常が確認され、IAAFからドーピング違反が疑われていたものの、その段階で罰則を受けることはなかったという。
 これについてショブホワは、役人たちに目をつぶってもらうため、金銭を渡すようメルニコフコーチに指示されたとしている。
 また番組では、国際陸上競技連盟(IAAF)で役員を務めるロシア陸上競技連盟(ARAF)のワレンティン・バラフニチェフ(Valentin Balakhnichev)会長を名指しで批判した。
 このテレビ番組は、全世界のスポーツ関係者に大きな衝撃を与え、これを受けて世界反ドーピング機関(WADA)は独立委員会を設置して調査を行うことを決めた。


■ 2015年11月
世界反ドーピング機関(WADA World Anti-Doping Agency)の独立委員会が組織的ドーピングを認定。国際陸連(IAAF)はロシア陸連を資格停止処分に
 2015年11月9日、世界反ドーピング機関(WADA)の独立委員会は、長年にわたりロシア陸上界が組織ぐるみでドーピング違反を犯し、隠蔽工作、ゆすりなどなどを行い、それに国際陸上競技連盟(IAAF)関与していたと指摘した報告書を公表した。独立委のディック・パウンド委員長(カナダ)は「国家ぐるみの不正だ」と述べ、「国際陸上競技連盟はロシアを資格停止処分とし、来年のリオデジャネイロ五輪も出場停止にすべきだ」と厳しい姿勢を示した。
 報告書では、ロシア陸上界の組織ぐるみのドーピング違反を認定し、違反にかかわった5人の選手、4人のコーチ、1人の医師らを永久追放し、ロシア陸連を資格停止にするよう勧告した。2012年ロンドン五輪女子800メートルのメダリスト2人も含まれている。


■ 2016年5月
米紙ニューヨーク・タイムズなどが14年ソチ五輪でのロシアの国ぐるみのドーピングを行っていたという証言を報道
 5月12日、米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、ロシアの検査機関「モスクワ反ドーピングセンター」のグリゴリー・ロドチェンコフ元所長のインタビューを掲載した。ロドチェンコフ元所長はソチ五輪で尿検体のすり替えを行い、メダリスト15人を含む多くののロシア人選手がドーピングを行っていたと証言した。
 ロドチェンコフ元所長は、世界反ドーピング機関(WADA)独立委員会の報告書で、ロシアが国ぐるみで行ったドーピングの中心人物とされていた。報告書が公表された直後に所長を解任され、身の危険を感じたため、米国ロサンゼルスに逃げたという。
ロドチェンコフ元所長はロシア政府の指令で、禁止薬物ステロイド3種類を配合した薬を開発し、選手に提供。この薬は運動能力を向上させる効果があり、吸収を早めるためにウイスキーなどのアルコールに混ぜて提供していた。
ソチ五輪の期間中には、ロシアのスポーツ省から指示されてロシア人選手の尿のすり替えを実行した。禁止薬物を摂取した選手の100近くの尿検体を、その数か月前に採取されたクリーンなものに差し替えた。ロドチェンコフ氏は、検体の交換方法について、夜間に研究所の壁に開いた穴から行ったと説明している。
 すり替えは作業にはロシアの情報機関もかかわっていたと証言した。具体的な選手については、ボブスレー4人乗りと2人乗りで金メダルを取ったアレクサンドル・ズブコフら3選手を挙げたとしている。
 完全に密封されているはずの検体保存容器を誰にも気づかれず開ける方法は、ロシア連邦保安庁が開発し、どの検体をすり替えるかスポーツ省の副大臣が分析機関に指示していたとしている。 ロドチェンコフ氏は、「ソチ五輪に向けて完璧な準備が行われ、ものすごい装備と知識、経験を兼ね備えていた。スイスの時計に負けないくらい精密な作業だった」と話した。
 ソチ五輪でロシアが獲得した33個のメダルのうち、少なくとも15個についてドーピングの疑いがあるとニューヨークタイムズは指摘している。


■ 2016年6月 
ロシア・スポーツ相が隠蔽に関与か ドイツARD、新疑惑指摘
 6月8日、ドイツ公共放送ARDは、 「極秘ドーピング」というタイトルの調査報道番組を放送し、ロシアの組織的なドーピング問題を巡り、同国のムトコ・スポーツ相がドーピング違反の隠蔽に直接関与したという新たな疑惑を指摘した。
 またARDは、未公開だったスポーツ省とドーピング検査所のメールのやりとりを入手。サッカーの国内リーグ、クラスノダールの主力選手がドーピング検査で陽性反応を示したが、ムトコ氏の判断で結果が公表されず、処分も科されなかった疑惑を暴いた。ムトコ氏は国際サッカー連盟(FIFA)理事で、2018年にロシアで開かれるワールドカップ(W杯)で政府の責任者を務める。



ロシアのドーピング検査 (出典 ロシアNOW 「ロドチェンコフのカクテル」)

IAAFがロシア陸連の資格停止処分継続を決定。潔白が証明された選手の個人参加は容認
 6月17日、国際陸上競技連盟は理事会を開き、ロシアの改革は不十分として、ロシア陸連の資格停止処分の継続を決定し、リオ五輪出場を認めなかった。一方で規定を改正し、ロシア国外を拠点とし、ドーピングに関与していないことを証明できる選手に限って個人資格で五輪などの国際大会への参加を申請できる規定を設け、潔白が証明された選手については参加の道を残した。
 しかし、国際陸上競技連盟のこの特例規定をクリヤーしてリオデジャネイロ五輪に参加可能になる選手はわずか2人だけとされている。
ロシアは、国際陸上競技連盟が資格停止処分を解除しなかったのを不服としてスポーツ仲裁裁判所に異議申し立てをした。


IOC 国際陸連の決定を支持
 6月21日国際オリンピック委員会(IOC)は、スイスのローザンヌでスポーツ界関係者を集めた会議「五輪サミット」を開き、ロシア陸上チームのリオデジャネイロ五輪参加を禁じた国際陸上競技連盟の決定を全面的に支持した。
 IOCのバッハ会長は、個人資格の特例でロシアの陸上選手にリオ五輪出場を認めた場合は、ロシア選手団の一員になるとの見解を述べた。
 バッハ会長は、国内の反ドーピング態勢が不適格とされているロシアとケニアの全競技の選手について、リオ五輪に出場するためには国外の検査で潔白を証明することが必要との認識も示した。
五輪サミットには国際陸上競技連盟のコー会長や、ロシア・オリンピック委員会のジューコフ会長も出席した。
個人資格でリオ五輪出場への道を開くIOCの見解に対し、ロシア国内では歓迎の声が広がった。五輪の陸上女子棒高跳びで金メダルを2度獲得したエレーナ・イシンバエワ選手は、「厳しい状況だが、よりよい明日を信じ、競技を続けよう」と、ロシア選手に五輪出場を目指すように訴えた。
 イシンバエワ選手は、国際陸上競技連盟がロシア陸連のリオ五輪出場を禁じたことを「人権侵害」と反発して、引退を示唆していたが、一転、リオ五輪を目指す考えを示した。


■ 2016年7月 
国際陸上連盟(IAAF)はロシア67選手のリオ五輪への参加申請を却下。選手らは五輪出場を求めてスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴
 7月10日、国際陸連がロシア67選手の個人資格での参加申請を却下した。タス通信によると、女子棒高跳びの世界記録保持者のエレーナ・イシンバエワも含まれているとしている。
 国際陸連はロシア陸連の資格停止処分継続に伴い、個人資格で五輪など国際大会への参加を申請できる特例規定を設け、ロシア国外が拠点で、ドーピングで潔白を証明できる選手に限定して出場を許可するとした。これまでに136人選手から申請があったとしており、女子走り幅跳びのダリア・クリシナ選手はすでに出場資格が認められている。
また、一連の問題を最初に告発をした中距離のユリア・ステパノワ選手も特例措置の適用がすでに認められている。
一方、ロシア陸連はクリシナ以外の67人の選手についてはすべて申請を却下されたと発表した。女子棒高跳びの世界記録保持者エレーナ・イシンバエワも含まれている。
 ロシア・オリンピック委員会は68人の選手と共に国際陸連の資格停止処分に対する異議申し立てをスポーツ仲裁裁判所(CAS Court of Arbitration for Sport)に行った。


WADA報告書 ロシア、ソチ五輪で国家主導ドーピング
 7月18日、ロシアによる2014年ソチ冬季五輪のドーピング問題を調べていた世界反ドーピング機関(WADA)の独立調査チームは、ロシアが国家の主導で組織的にドーピングを行い、隠蔽(いんぺい)していたとする報告書を発表し、ロシア全選手のリオデジャネイロ五輪・パラリンピックへの出場登録を拒否することを検討すべきだと提案した。
 独立調査チームのマクラーレン委員長はスポーツ法律学の専門家である。 マクラーレン氏は「陸上特有の問題ではない」と、不正がロシア・スポーツ界全体に広がっている」と指摘した。
 報告書には335ページに及び、衝撃的な具体的な内容が記述されていた。 ロシア・スポーツ省の指示で、ソチにあった分析機関がドーピングをした選手の検査サンプルをすり替えるなどの隠蔽をしていたことも明らかにされた。また外国から抜き打ち検査に訪れた検査官を警察官が監視・妨害したり、抜き打ちのはずの検査の日時をロシア反ドーピング機関(RUSADA)が選手側にこっそり教えたり、保存しておくべき尿や血液の検体を破損させるのにロシア司法当局が関わっていたりした事実を告発した。
 不振に終わった10年バンクーバー五輪を受け、プーチン大統領が任命したスポーツ省の副大臣を重要人物と名指しして、ロシア連邦保安庁などの国家機関も関与したと認定した。ロシアはソチ五輪で国・地域別で最多の33個のメダルを獲得している。
また、組織的ドーピングは2011年からおよそ4年間行われたとしたうえで、2013年にモスクワで行われた陸上の世界選手権や、去年カザンで行われた水泳の世界選手権などと合わせて陽性反応を示した577の検体のうち、ロシア選手を中心とする312の検体がすり替えられていたと指摘した。



モスクワ検査所で陽性反応が隠蔽されたロシア選手 競技種目別
出典 WADA 独立調査チーム報告書


「政治の介入」 プーチン大統領 強く反発>
 7月18日、ロシアのプーチン大統領は声明を出し、「スポーツへの危険な政治の介入を目の当たりにしている。スポーツが地政学的な圧力の道具とされている」と述べ、欧米がスポーツを利用してロシアに圧力をかけていると強く反発した。また「ドーピングとは無関係の選手まで制裁が科されようとしている」と述べ、あくまでも選手個人が責任を負うべきだという立場を強調した。
 また報告書で名前が挙がった人物は捜査が終わるまで一時的に職務を停止するとし、国家主導が疑われているドーピング問題に取り組む姿勢を示した。
 7月22日、プーチン大統領はドーピングを取り締まる新たな独立委員会の設置を指示した。


スポーツ仲裁裁判所(CAS)選手訴え棄却>
 7月21日、スポーツ仲裁裁判所(CAS Court of Arbitration for Sport)は、国際陸上競技連盟のリオデジャネイロ五輪への出場禁止処分を不服としたロシア・オリンピック委員会と同国の68選手らの訴えを棄却する裁定を発表した。
 国際陸連が認めるか、ドーピング違反の潔白を証明できる選手の出場は認めているが、人数は極めて限定的となり、ロシアにとっては厳しい内容となった。タス通信によると、ムトコ・スポーツ相は「スポーツを侮辱する前代未聞の裁定だ」と反発した。
 今回の裁定を受け、IOCがロシア選手団のオリンピック出場をどのように判断するかが焦点になってきた。
 7月19日、IOCは緊急理事会で組織的なドーピングを行っていたロシアへの対処や制裁について協議したが、出場を認めなかった場合、選手個人の持つ権利を不当に侵害しないかどうかを見極めるため、法律の専門家の意見を聞いたうえで最終判断をしたいとして、結論を出さなかった。
 CASの裁定結果を受けて、IOCは24日に再び理事会を開く予定だ。ロシア選手団のリオデジャネイロ五輪への出場できなくなる可能性はさらに高まったとされている。


IOC再検査 北京五輪・ロンドン五輪で98人陽性
 7月22日、国際オリンピック委員会(IOC)は、2008年北京五輪と2012年ロンドン五輪でドーピング違反を調べるために採取した検体を再検査したところ、新たに45選手分から禁止薬物が検出されたと発表した。これまでの結果と合わせると北京、ロンドンで1243検体を調べ、計98選手分の検体から禁止薬物の陽性反応があったことになる。
 IOCは昨年8月から、リオデジャネイロ五輪に出場しそうな選手から最新機器で再検査を始めた。今回は北京で386、ロンドンで138の計524検体を選んだ。陽性になった北京の30検体は4競技で8カ国・地域の選手で、うち23選手はメダリストだという。ロンドンで陽性になった15検体の選手は2競技で9カ国・地域にわたる。
違反が確定すればメダルは剥奪(はくだつ)され、リオ五輪にも出場できなくなる。
 今回はIOCが選手個々の検体を調べた。五輪で陽性反応がこれほど発覚したのは異例だ。

(出典 朝日新聞 7月23日)

ロシア・パラリンピック委員会、リオデジャネイロ出場不可か 国際パラリンピック委員会、資格停止検討 
 7月22日、国際パラリンピック委員会(IPC International Paralympic Committee)は理事会を開き、ロシア・パラリンピック委員会(NPC)の資格停止処分に向けた手続きを開始し、8月上旬にも結論を出す方針を固めた。
WADA独立調査チームは、7月18日に公表した報告書で、オリンピックだけでなくパラリンピック競技でもドーピング検査で虚偽の報告をしていたなどと指摘したうえで、IPCに対して「リオデジャネイロ大会ではロシア選手の参加拒否を検討すべきだ」とする声明を発表している。
 2012年のロンドン・パラリンピックで金メダル数1位の中国に次ぐ36個の「金」を獲得した強豪ロシア。資格停止処分となれば、18競技263人(22日現在)のリオデジャネイロ大会参加ができなくなる。
 リハビリ目的から競技志向が強まったパラリンピックで、ドーピング違反となる選手は少なくない。パラリンピックで初めての違反者が出たのは1992年のバルセロナ大会。筋肉増強剤を使った砲丸投げのハンガリー選手が処分された。また、2000年シドニー大会ではアゼルバイジャンのパワーリフティング選手が金メダルを剥奪(はくだつ)されるなど、11人の違反者が出た。
 日本パラリンピック委員会(JPC)によると、世界反ドーピング機構(WADA)が指定する禁止薬物は、五輪もパラリンピックも同じ。ただ、パラリンピック選手の中には、合併症や治療のために筋肉増強効果のあるステロイド系治療薬を使用する選手もいて、代替薬がなく事前に申請を行えば、認められることがあるという。
 今回、WADAの調査チームが公表した報告書には、12~15年に陽性反応を示した577件のうち、35検体がロシアのパラリンピック競技の選手のものだったと記されている。
 ドーピング検査をすり抜けてメダル獲得を目指す背景には、高額な報奨金制度の存在もある。ロシアはパラリンピックで金メダルを獲得すれば五輪と同額の400万ルーブル(約654万円)。日本は14年ソチ大会から従来の1・5倍に増額されたが、150万円にとどまる。日本の競技関係者は「ロシア選手が報奨金を得るためにドーピングに手を染めたとしても不思議ではない」と話す。
(出典 NHKニュース、朝日新聞 7月24日)


IOC ロシア選手のリオ五輪出場、競技団体に委ねる
 7月24日、国際オリンピック委員会(IOC)は、電話会議による緊急理事会を開き、ロシア・オリンピック委員会を資格停止処分とはせず、選手には一定の条件を課して、リオデジャネイロ五輪に出場できることを決めた。条件を満たしたロシアの選手は、“ロシア選手団”として出場する道が開けた。
条件を満たしているかは、各国際競技団体が個別に判断に委ねるとした。
 IOCが課した条件は、ロシア国内でのドーピング検査だけでなくロシア国外で受けた信頼性のある検査をクリヤーすること、過去に一度もドーピングで処分を受けていないこと、国際陸上連盟以外の27の国際競技団体が独自のルールで出場を認めた場合などとしている。
国際陸上連盟は、すでにロシア陸連の資格停止処分とした上で、特例措置として個人資格で五輪など国際大会への参加を申請できる規定を設け、ロシア国外が拠点で、ドーピングで潔白を証明できる選手に限定して出場を認めるとした。女子走り幅跳びのダリア・クリシナ選手は出場資格が認められたが、クリシナ選手以外の67選手については出場申請を却下した。
 世界反ドーピング機関(WADA)の独立調査チームがロシアの国家ぐるみのドーピングを明らかにし、WADAが全面締め出しを勧告したことで、IOCはロシア選手団全体のリオ五輪出場停止を検討。焦点となったのは、国または団体の責任を、ドーピング検査で陽性反応を示していない個人にまで負わせるのが適切かどうかだった。
IOCは、WADAの報告書でロシア・オリンピック委員会が組織としてドーピング隠しを行っていたとは指摘されていないことを考慮。また、WADA独立調査チームは、調査は「短期間で行われ、表面を触っただけ」としていることから、国や団体に責任を負わせるのではなく、個々の選手に出場の可能性を与えることが必要だと判断したとされている。
 ロシアのムトコ・スポーツ相は24日の記者会見で、IOCの決定について「感謝する」と歓迎し、各競技団体がロシア選手の参加を最大限認めて欲しいと期待を表明した。


欧米メディアはIOCを痛烈批判「五輪の信頼性損ねた」「プーチン氏の憤怒を恐れたのは間違いない」
 ドーピング違反問題でロシアをリオデジャネイロ五輪から全面除外する処分を見送った国際オリンピック委員会(IOC)の決定について、欧米メディアから「五輪の信頼性が損なわれた」との批判が相次いだ。スポーツ界からは、ドーピングへの組織的関与が指摘されてきたロシアに厳罰で臨むべきとの指摘もあっただけに、メディアからは「ロシア政府の大勝利だ」、「IOCはロシアに魂を売った」などの辛辣な批判も出ている。
 米紙USA TODAY(電子版)は、「クリーンなスポーツにとって悲しい日」と伝えた。「IOCの決断にかかわらず、五輪は決してクリーンではなかった」と述べた上で、「バッハ氏がどのように主張しようとも、(疑惑のない選手らは)IOCが発したメッセージに失望した」と指摘した。
 米紙ウォールストリート・ジャーナル紙(電子版)は24日、IOCの判断の背景に、ロシアのプーチン大統領の存在があったと述べた。全面除外を避けたIOCの決定を「説明する唯一の理由」が、プーチン氏の「威嚇的」な姿勢にあるとした上で、「執行部は、命取りとなりかねないプーチン氏の憤怒(ふんぬ)を恐れたのは間違いない」とした。 
 英紙フィナンシャル・タイムズ(同)は、プーチン氏がドーピング問題を欧米による陰謀と主張したことに触れ、「IOCの決定はロシア政府の大きな勝利だ」と述べた。
(出典 産経新聞 7月25日)



ドーピング問題告発のステパノワ、五輪出場認められず
 ロシア陸上界の国家ぐるみのドーピングを告発した女子中距離のユリア・ステパノワ選手はリオデジャネイロ五輪出場が不可能になった。
 ユリア・ステパノワ選手は、2014年12月、ドイツ公共放送連盟(ARD)が放送したドキュメンタリー番組「ドーピングにまつわる機密文書-ロシアがどのように勝者を生んだか(Secret Doping Dossier: How Russia produces its Winners)」で、夫のロシア反ドーピング機関(RUSADA)の元職員である夫のヴィターリー・ステパノフ(Vitali Stepanov)氏と共に告発した。
 国際陸連はドーピング問題発覚のきっかけになった証言を考慮し、リオ五輪を含む国際大会に“中立選手”として、特例で参加できることを認めていた。ステパノワは、7月上旬に欧州選手権女子800メートルに出場し、五輪出場を希望していた。
 ステパノワは、ドーピング規定違反で2年間の出場停止となり、昨年1月に処分期間を終えていた経歴がある。IOCが定めた条件に従い、過去に陽性反応を示した選手は出場できないと判断された。


国際水連 ロシア選手7人出場認めずと発表
 7月25日、国際水泳連盟(FINA International Swimming Federation)はオリンピックのメダリスト3人を含むロシア選手7人ついて、出場を認めないと発表した。
 IOCの決定を受けて、FINAは声明を発表し、ロシア選手の出場にあたっての基準を明らかにし、WADA=世界アンチドーピング機構の調査チームの報告で、ドーピング検査を適切に受けていなかったと指摘された選手や、過去にドーピング検査で陽性反応を示した選手は出場資格がないとした。この基準を当てはめた結果、ロシア選手7人ついて、出場を認めないと発表しました。
 7人の中には、男子800メートルリレーで北京大会・銀メダル、男子400メートルリレーでロンドン大会・銅メダルを獲得したニキータ・ロビンツェフ選手、同じく男子400メートルリレーでロンドン大会の銅メダルのウラジーミル・モロゾフ選手、女子200メートル平泳ぎでロンドン大会銅メダルのユリア・エフィモワ選手のオリンピックメダリスト3人が含まれている。IOCの決定以降、国際競技団体がロシア選手の出場を認めないと明らかにしたのは、今回のFINAが初めてだ。
 また、国際ボート連盟は、検体のすり替えが行われたと認められる1人と過去にドーピング違反をした2人のロシアの3選手について、出場資格を認めないと発表した。


新たにリオ五輪出場禁止を言い渡された選手
■ 水泳
―ユリア・エフィモワ(Yulia Efimova)、2012年ロンドン五輪の女子200メートル平泳ぎで銅メダルを獲得し、世界水泳選手権(FINA World Championships)でも通算4個の金メダルを獲得。
―ウラジーミル・モロゾフ(Vladimir Morozov)、ロンドン五輪の男子4x100メートル自由形リレー銅メダル獲得。
―ニキータ・ロビンツェフ(Nikita Lobintsev)、ロンドン五輪の男子4x100メートル自由形リレーで銅メダル、2008年北京五輪の男子4x200メートル自由形リレーでも銀メダルを獲得。
―ミハイル・ドブガリュク(Mikhail Dovgalyuk)、 男子4x200メートル自由形リレー。
―ナタリア・ロブツォワ(Natalia Lovtsova)、女子50メートル自由形。
―アナスタシア・クラピビナ(Anastasia Krapivina)、オープンウオータースイミング。
―ダリア・ウスティノワ(Daria Ustinova)、2013年世界選手権(15th FINA World Championships)の女子4x100メートルメドレーリレーで銅メダルを獲得。

■ 重量挙げ
―タチアナ・カシリナ(Tatiana Kashirina)、ロンドン五輪の女子75キロ超級で銀メダル獲得
―アナスタシア・ロマノワ(Anastasia Romanova)、2015年に行われた世界選手権(2015 IWF World Championships)の女子69キロ級で銅メダル獲得。

■ レスリング
―ビクトル・レベデフ(Viktor Lebedev)、レスリング世界選手権(FILA Senior World Wrestling Championships)の男子フリースタイル55キロ級で2度の優勝。

(出典 AFPBB 2016年7月26日)

国際ボート連盟 ロシアの6人の選手の五輪出場を認める
 7月26日、国際ボート連盟(FISA Fédération Internationale des Sociétés d'Aviron)は、ロシアの6人の選手をリオデジャネイロ五輪に出場することを認めた。
 ロシア・オリンピック委員会は、5隻のボートと26人の漕手(Rowers)と2人の舵手(Coxswain)を出場登録していた。
 この内、6人の漕手はIOCの基準を満たすとしてリオデジャネイロ五輪への出場を認めた。しかし、検体のすり替えが行われたと認められる1人と過去にドーピング違反をした2人の他に、新たにIOCの基準を満たしていない17人の漕手と2人の舵手は出場を認めなかった。


ロシア選手 100人以上がリオ五輪出場不可
 ロシアの選手でリオデジャネイロオリンピックに出場できない選手はこれまでに5つの競技団体の100人以上に上っている。
NHKが日本時間の28日午前8時現在でまとめたところ、出場を認められていない選手の数は、陸上の67人(クリシナ選手1人は出場可)をはじめ、ボートの22人など合わせて102人となっているとしている。
 ロシアが当初結成した選手団は387人で、現時点で4分の1以上が出場できない異常な事態となっている。
 一方、出場登録をしたすべての選手の出場を認めたか、認める方針なのは、テニス、アーチェリー、馬術、射撃、トライアスロン、バレーボール、柔道、セーリング、フェンシングで、新たに卓球が3人全員の出場を認めた。
 また「調査中」は、体操、ボクシング、ウエイトリフティング、ハンドボール、レスリングの5団体で、テコンドーは「近く判断する」としている。
国際オリンピック委員会(IOC)は、ドーピング違反歴がないことなどの条件を設け、出場資格の判断を各国際競技連盟(IF)に委ねている。

(出典 NHKニュース 日本経済新聞 7月28日)

国際重量挙げ連盟、ロシアの五輪参加禁止
 7月29日、国際重量挙げ連盟(IWF International Weightlifting Federation)は、ロシアチームのリオデジャネイロ五輪参加を禁じる処分を決めた。ロシアがエントリーした男子5人、女子3人の8選手全員の出場が不可能になった。出場枠は他国・地域に振り分けることとした。
 2012年ロンドン五輪女子75キロ超級銀メダルのタチアナ・カシリナ選手や女子69キロ級のアナスタシア・ロマノア選手はドーピング違反歴があり、ロシア・オリンピック委員会(ROC Russian Olympic Committee)が登録を取り消した。また世界反ドーピング機関(WADA)の報告書で隠蔽に関与したとされる選手、4人について出場を認めなかった。ロシアはロンドン五輪の重量挙げで銀5、銅1の男女計6個のメダルを獲得して、圧倒的な成果を上げた。
 IWFは度重なるドーピング違反を問題視し「スポーツの健全性に深刻なダメージを与えた」と指摘した。


ロシア選手団271人が出場 出場不可は118人
 2016年8月4日、国際オリンピック委員会(IOC)は、ロシア選手団のうち271選手の出場を認めると発表した。ロシア選手団は389選手で構成されていたが、陸上の67人を含む100人以上の選手が出場できないことが決まった。
IOC理事3人による審査委員会が、国際競技団体から推薦された選手を1人ずつ確認し、最終的に271選手の出場を認めた。
 IOCのバッハ会長は記者会見で、「「われわれは難しい問いかけに答えなくてはならなかった。国家の不正を全てのアスリートの責任に負わせることはできないだろう」」と述べ、IOCの決断の正当性を主張し、政治的な判断はなかったと強調した。
これに対し、ロシアオリンピック委員会は強い不満を示した。
 ロシアオリンピック委員会(ROC)のアレクサンドル・ジューコフ(Alexander Zhukov)会長は、リオデジャネイロで記者会見し、「(ロシア選手団は)おそらくリオ五輪で最もクリーンである」とした上で、「陸上競技で有力なイシンバエワ選手やシュベンコフ選手は、反ドーピング機関から問題視されたことがなかったのに出場できず、過去に禁止薬物の摂取で処分を受けたアメリカの選手たちは出場する」と述べ、ロシアの選手が不当に差別されているとした。


IPC ロシアを資格停止 リオ・パラリンピックに出場認めず
 2016年8月7日、国際パラリンピック委員会(IPC)はロシアのパラリンピック委員会を資格停止処分とし、9月7日開幕のリオデジャネイロ・パラリンピックに同国選手団を認めないと発表した。
 ロシア・パラリンピック委員会は、規定により3週間以内に異議申し立てを行うことができる。
IPCのクレイバン会長は「今回の決定でクリーンな選手がパラリンピックに出場できない可能性はあるが、問題は個人ではなく国家レベルの問題だ。ロシアのドーピング文化が変わらなければスポーツの信頼性に関わる」との声明を出した。
 世界反ドーピング機関(WADA)は7月18日に発表した報告書で、2012~15年の間に陽性反応を示したロシアのパラリンピック選手の35検体が、陰性と虚偽報告をされたと指摘。これを受けてIPCはさらなる情報提供を基に、検体を精査。14年ソチ・パラリンピックでのロシア選手の検体も含めて、不正の痕跡を確認した。(出典 時事通信 2018年8月7日)
 これに対し、ロシアオリンピック委員会のジューコフ会長は「IPCは政治的な圧力に屈した。ドーピングに関与していないロシア人選手の出場を決めた国際オリンピック委員会の決定を考慮しなかったことは、残念としかいいようがない」と批判した。
 ロシアでは、国際オリンピック委員会と同じようにドーピングに関与していない選手の出場は認めるとの見方が強かっただけに強く反発しているという。
ロシアは、2012年の夏のロンドン大会では、中国に次いで2位となる36個の金メダルを獲得し、このうち半数が陸上だった。
 2014年、自国開催となった冬のパラリンピックのソチ大会では、クロスカントリースキーを中心に金30個を含む80個のメダルを獲得した。2位のドイツに3倍以上の差をつけて圧倒した。
(出典 時事通信 NHKニュース 2016年8月7日)




世界反ドーピング機関(WADA) (出典 World Anti-Doping Agency HP)

ドーピングとは
(出典 日本オリンピック委員会 アンチ・ドーピング)

ドーピングとは競技能力を増幅させる可能性がある手段(薬物あるいは方法)を不正に使用することであり、スポーツの基本的理念であるフェアプレーに反する行為です。
 スポーツはフェアな戦いであるから、スポーツの勝利者は称賛を浴びるのであり、ドーピングを許容しては、スポーツの価値を自ら否定することになります。また、ドーピングは、選手の健康を害し、社会的にも悪影響を及ぼすことになります。
 したがって、スポーツ界は、アンチ・ドーピング活動(ドーピングを禁止して、ドーピングを根絶する活動)に真摯に取り組む必要があります。


アンチ・ドーピング活動
 国際的なアンチ・ドーピング活動は1960年代から国際オリンピック委員会(International Olympic Committee : IOC)が中心になって行ってきました。しかし、アンチ・ドーピング活動は独立した組織が中立の立場で行うべきであり、また、スポーツ界が一致して取り組むだけでなく社会全体が取り組む問題であることから、IOCと各国政府の協力によって1999年に世界アンチ・ドーピング機構(World Anti-Doping Agency : WADA)が設立されました。日本はWADAのExecutive Committeeのメンバーとして、WADAのアジア・オセアニア地域オフィスを東京北区西が丘の国立スポーツ科学センター内に設置し、積極的にアンチ・ドーピング活動に取り組んでいます。
 そして2003年3月、国際的に共通で全ての競技に適用されるアンチ・ドーピングの共通ルールとしてWADAの世界アンチ・ドーピング規程(WADA規程)が採択され、アンチ・ドーピング活動の基本原則が定められました。WADA規程ではドーピングとして8項目を定義しており、ドーピング検査の陽性以外に、証言などによるドーピングの証明、ドーピング検査拒否、ドーピング検査妨害、共犯関係のスタッフの行為などもドーピングと規定されています。
 国内のアンチ・ドーピング機関としては2001年に財団法人日本アンチ・ドーピング機構(Japan Anti-Doping Agency : JADA)が東京北区西が丘の国立スポーツ科学センターの建物内に設立され、国内ドーピング検査の標準的手順の作成、ドーピング・コントロール・オフィサー(DCO、検体採取の現場を管理する検査員)の認定、ドーピング・コントロールの実施、アンチ・ドーピング教育、などの国内のアンチ・ドーピング活動を統括して推進しています。


ドーピングの定義(WADA規程)
 ドーピングとは、以下のアンチ・ドーピング違反行為の1つ以上が発生すること
 1. 競技者の身体からの検体に禁止物質、その代謝産物あるいはマーカーが存在すること。
 2. 禁止物質、禁止方法を使用する、または使用を企てること。
 3. 正式に通告された後で、正当な理由なく、検体採取を拒否すること。
 4. 競技外検査に関連した義務に違反すること。具体的には、居所情報を提出しないことや連絡された検査に来ないこと。
 5. ドーピング・コントロールの一部を改ざんすること、改ざんを企てること。
 6. 禁止物質および禁止方法を所持すること。
 7. 禁止物質・禁止方法の不法取引を実行すること。
 8. 競技者に対して禁止物質や禁止方法を投与・使用すること、または投与・使用を企てること、アンチ・ドーピング規則違反を伴う形で支援、助長、援助、教唆、隠蔽などの共犯関係があること、またはこれらを企てる行為があること


ドーピングの種類
 一般的には「薬を使って競技力を高めること」が「ドーピング」とされていますが、実際には薬以外にも、自分の血液を冷凍保存しておき、試合の直前に再び体内に入れ、酸素運搬能力を高める「血液ドーピング」や、ドーピング検査において、他人の尿とすりかえる行為など、また近年では細胞、遺伝子、遺伝因子、あるいは遺伝子表現の調整を競技力向上のために行う「遺伝子ドーピング」といった「方法」も禁止されています。
つまり、ドーピングには「禁止薬物」(正確には薬以外のものも含め「禁止物質」と記される)と「禁止方法」があります。したがって、これらの「禁止物質」や「禁止方法」についての知識や注意が必要だということになります。


禁止物質や禁止方法は少なくとも毎年1月1日に更新 競技会以外の検査や居場所情報の提出義務も
 禁止物質や禁止方法は、世界アンチ・ドーピング規程の禁止表国際基準 (Prohibited List) に定められ、少なくとも毎年1月1日に更新されます。常に禁止されている物質、競技会の時だけ禁止される物質また、特定の競技において禁止されている物質などの分類がありますので、それぞれチェックしましょう。また、ドーピング検査には競技会検査と競技会外検査があり、トップアスリートは居場所情報を提出する義務のあるRTPに登録される場合もあります。(出典 NPBアンチドーピングガイド2016)
(出典 NPBアンチドーピングガイド2016)





リオデジャネイロ五輪 波乱の幕開け 競技場の全貌
ロシア・ドーピング問題 タイムライン 最新情報
VR(Virtual Reality) Super Hi-Vision 次世代映像サービスに挑戦 リオデジャネイロ五輪
NHK 8Kスーパーハイビジョン試験放送開始 リオデジャネイロ五輪 8K番組表 パブリックビューイング
リオデジャネイロ五輪 インターネット配信はオリンピックの“救世主”になるのか?
ブラジル政治混乱 政治腐敗 混乱極める五輪開催都市リオデジャネイロ、そして東京
地獄へようこそ 治安の悪さ 世界的に突出 リオデジャネイロ
リオデジャネイロ五輪開会式はこうなる







国際メディアサービスシステム研究所 International Media Service System Research Institute(IMSSR)




2016年7月22日
Copyright (C) 2016 IMSSR

******************************************************
廣谷  徹
Toru Hiroya
国際メディアサービスシステム研究所
代表
International Media Service System Research Institute
(IMSSR)
President
E-mail thiroya@r03.itscom.net  /  imssr@a09.itscom.net
URL http://blog.goo.ne.jp/imssr_media_2015
******************************************************
コメント

リオデジャネイロ五輪 VR Samsun Gear VR 360度映像 8K  次世代映像サービス

2016年08月14日 09時50分13秒 | リオデジャネイロ五輪
8K/Super Hi-Vision、VR(Virtual Reality) 次世代映像サービスに挑戦 リオデジャネイロ五輪




リオデジャネイロ五輪開会式  出典 Rio2016



NHK 8Kスーパーハイビジョン試験放送開始 番組表 リオデジャネイロ五輪

8K/Super Hi-Visionで中継されるリオデジャネイロ五輪
 リオデジャネイロ五輪では、オリンピック史上初めて、開会式や閉会式、主要競技が8K/Super Hi-Visionで中継されることになった。8Kの音声は、22.2chサラウンンド音声が採用される。 IOCが設立した組織で、オリンピックのホストブロードキャスターを担当するOBS(Olympic Broadcasting Services )が明らかにした。
8K/Super Hi-Visionの中継映像は、開会式、閉会式、競泳、柔道、陸上、バスケットボール、サッカーの競技の約130時間で、ブラジルから日本にライブで伝送する計画だ。また8K ENGカメラのクルーで他の競技をピックアップして撮影される。



NHKの8K中継車 SHC1 出典 池上通信機 HP

 8Kのコンテンツ制作を担うのは、勿論、8Kでは世界を圧倒的にリードするNHK。最新鋭の8K中継車や8K/ENGカメラ、中継・取材要員をリオデジャネイロに送り込みオペレーションを実施する。NHKは日本国内で8K試験放送を8月1日に開始するが、その幕開けを飾るのがリオデジャネイロ五輪中継だ。これまでFIFAワールドカップやロンドン五輪などでは、世界各地で“8Kパブリック・ビューイング”を行ってきたが、リオデジャネイロ五輪では、“8K放送”になる。“放送”ともなると公共放送NHKとして責任の大きさは比べものにならないだろう。
一方、4K/Ultra HDについては、“評価テスト目的”(testing and comparison purposes)で信号が制作されるにとどまった。
8K/Super Hi-Visionのコンテンツを4K/Ultra HDにOBSがダウンコンバートし、ライツホルダー(RHBs)の配信する。しかし、この配信サービスは、技術的な評価テスト目的で行うので、一般の視聴者に放送されることはないとしている。
2015年2月、ラスベガスで、OBS(Olympic Broadcasting Services )のCEO、イヤニス・エグザーチョス氏(Yiannis Exarchos)は「OBSは4Kサービスを実施する計画はない。ライツホルダーから4Kの要請がないからだ。放送機関からの“指示”がなければならない」と明言していた。
4Kサービスについては、OBSは極めて冷めた見方をしていた。
 一方、8Kサービスについては、対照的に意欲的な姿勢を示した。
 エグザーチョス会長は、「4Kと8Kとでは視聴者が実感する差は極めて大きい。OBSは8Kでの映像制作のコンセプトを検証している。スポーツ競技映像は編集する必要があるのだろうか?」と述べ、4Kサービスをとばして、その次世代の8Kサービスの実現に取り組む姿勢を強調した。
2020年東京オリンピック・パラリンピックでは、4K/8Kの普及が予想されている中で、さらに大規模な4K/8Kサービスのトライヤルなどを実施する計画だとしている。
 リオデジャネイロ五輪で世界の放送機関に配信される国際映像サービスは、開会式や閉会式、すべての競技を合計7000時間、映像はHD(2K)、音声は5.1 Surround Soundで行われる。五輪映像の配信は、世界220の国と地域を対象にサービスされて、50億人以上の人々が視聴可能になるとしている



Panasonic パブリックビューイング


VR(Virtual Reality)に挑戦


新たに開発された360度VR(Virtual Reality)カメラ 各競技場に3台づつ設置 (出典 OBS))


VR(Virtual Reality)を楽しむ市民 (出典 Rio2016)

 映像サービスの分野で新たな技術革新に世界的に注目が集まっている。
 VR(Virtual Reality)、「仮想現実」と呼ばれるサービスで、新たな映像処理技術を開発して、ユーザーがあたかにその場にいるような臨場感があふれる空間を提供する。
 目前に飛び出してくるようなリアルな3次元の立体映像や360度見渡すことができる映像などが体験できるようになる。
 VRサービスは、Oculus Rift やSamsung Gear VR、PlayStaionVRなど専用のヘッドセットを使用して行なわれるものや、Google Cardboardなどより簡易な“のぞき眼鏡”を使用するもの、ヘッドセットなどは不要で、Facebookなどを通して視聴する方式などがある。
 VRサービスは、ゲームやイベント、スポーツなどのライブ中継、映画・ビデオなどのエンターテインメント・コンテンツなどで最近、急激に注目を集めている。
さまざま調査機関が今後VRの市場が急速に拡大するという予測をしている中で、コンテンツ・プロバイダーやエレクトロニクス企業が大きなビジネス・チャンスだとして熱い視線を浴びせている。
 OBSは、このVRサービスをリオデジャネイロ五輪で本格的に実施すると発表した。
 開会式や閉会式、そして毎日一つずつの競技をサービスし、臨場感あふれたオリンピックの迫力を楽しむことができるとしている。
VRサービスはライブ中継で行われるが、ビデオ・オン・デマンドでダウンロードも可能にする計画だ。またOBSは開会式や閉会式、競技映像のハイライト・コンテンツがヘッドセットなしで視聴可能にするVRサービスも合わせて開始する予定だ。
  VRのサービスは、Oculus Rift やSamsung Gear VRなどの限定されたヘッドセットに向けたサービスなのか、Google Cardboardでも視聴可能なのか明らかになっていない。 また、ヘッドセットなどを使用しないVRサービスはFacebookなどを通して行うとしている。
 OBSでは、2016年2月に開催されたノルウエ―のリリハンメル冬季ユース五輪で、サムスン(Samsung)とサムスンのVRサービスのパートナー NextVR の協力を得て、初めてのVRサービスに挑戦した。
 スピードスケート、スノボー、スキー・ジャンプ、フィギアスケートの競技を毎日、ハイライトVR映像をビデオ・オン・デマンドでサービスした。サムスンのGear VRとGalaxyを使用すれば、インターネットを通して世界中の人々がVR映像を楽しむことを可能にした。



Samsung Gear VR

 OBSは、リリハンメルでは180度のVRサービスで実施したが、それを更に進化させてリオデジャネイロ五輪では360度のVRサービスも実施するとしている。
OBSのエグザーチョス会長は、「今、かつてないスピードで次々に革新的な技術開発が展開されて、スポーツの映像サービスの手法も劇的に変化している。こうしたイノベーションを積極的に取り入れ、視聴者を引き付ける魅力的なサービスを提供していく。リオデジャネイロ五輪では、これまでで最大の放送時間やコンテンツ件数を制作する。さらに単に量的な拡大だけでなく、OBSは、リオデジャネイロ五輪をスポーツ放送の未来を形作る新技術に挑戦する場として位置付ける」と新技術への意気込みを語っている。





VRの放送予定 OBS

危うくなった4K・8Kロードマップ
 リオデジャネイロ五輪に合わせて、BS17ch使用した 4K/8K放送の試験放送開始をアピールしようとした4K・8K推進のためのロードマップは、早くも挫折しようとしている。4K試験放送は、リオデジャネイロ五輪には間に合わず、2106年12月1日開始となった。しかも、1日4Kがわずか50分(8Kを10分)の放送時間という計画だ。このペースで2年後の2018年に実用放送は本格的にできるのだろうか。8K試験放送については、一般家庭用の8Kテレビやチューナーなどの受信機器がまだ市販されていない。8月1日に試験放送を開始しても一般家庭ででは誰も視聴できない。これで“放送”と言えるのだろうか?
2020年東京オリンピック・パラリンピックで “世界に先駆けて高繊細放送の実現”という目標は、早くも暗雲が漂っている。


(月刊ニューメディア 2016年7月号 加筆)




リオデジャネイロ五輪 波乱の幕開け 競技場の全貌
ロシア・ドーピング問題 タイムライン 最新情報
VR(Virtual Reality) Super Hi-Vision 次世代映像サービスに挑戦 リオデジャネイロ五輪
NHK 8Kスーパーハイビジョン試験放送開始 リオデジャネイロ五輪 8K番組表 パブリックビューイング
リオデジャネイロ五輪 インターネット配信はオリンピックの“救世主”になるのか?
ブラジル政治混乱 政治腐敗 混乱極める五輪開催都市リオデジャネイロ、そして東京
地獄へようこそ 治安の悪さ 世界的に突出 リオデジャネイロ
リオデジャネイロ五輪開会式はこうなる






国際メディアサービスシステム研究所 International Media Service System Research Institute(IMSSR)




2016年7月29日
Copyright (C) 2016 IMSSR

******************************************************
廣谷  徹
Toru Hiroya
国際メディアサービスシステム研究所
代表
International Media Service System Research Institute
(IMSSR)
President
E-mail thiroya@r03.itscom.net  /  imssr@a09.itscom.net
URL http://blog.goo.ne.jp/imssr_media_2015
******************************************************

コメント

リオデジャネイロ五輪 競技場 会場 最新情報 開催費用 オリンピックパーク IBC 国際放送センター   

2016年08月11日 12時09分14秒 | リオデジャネイロ五輪

リオデジャネイロ五輪 波乱の幕開け 競技場の全貌




リオデジャネイロ開幕 
 南米で初めて開催されるリオデジャネイロ五輪(リオ五輪)、8月5日開幕した。
 オリンピックは8月5日(金)から8月21日(日) の17日間、パラリンピックは9月7日から9月18日の12日間、ブラジル・リオデジャネイロで開催される。
 オリンピックには史上最多の205の国と地域から約1万が参加、国際オリンピック委員会(IOC)が今大会で初めて設けた「難民選手団」の10選手も出場した。またIOCから資格停止処分を受けているクウェートの選手は個人資格での出場となった。
 開催される競技数は、ゴルフと7人制ラグビーが新たに加わり、28競技、306種目となった。
パラリンピックは新たにカヌーとトライアスロンが加わり、22競技528種目が行われ、過去最多の176カ国・地域から選手約4350人が参加予定だ。
 競技会場は、サッカー以外は全てリオデジャネイロ市内で行われ、マラカナン、バーラ、コパカバーナ、デオドロの4つの地区で開催されている。開会式と閉会式は“サッカーの聖地”と言われているマラカナン競技場で行われる。サッカー王国、ブラジルらしい開催計画だ。バーラ地区に建設中のオリンピック・パークには、水泳や体操、バスケットボール、テニス、柔道、選手村、メディア施設など多くの施設が整備される。建設工事の遅れで、オリンピッ開幕まで間に合うのかという懸念がされていたが、なんとか工事は間に合ったようである。しかし市街地とオリンピックパークを結ぶ地下鉄の完成はわずか4日前の8月1日、世界各国の選手団を迎える選手村はトラブル続き、オーストリアの選手団は一時、入村を拒否する事態となった。 また開会式直前には市内各地で五輪開催に反対するデモが起きるなど“波乱”含みのスタートとなった。
 しかし、競技が始めれば、そんなトラブルとは関係なく、熱戦が繰り広げられている。序盤戦では、男子400メートル個人メドレーで萩野公介選手、男子体操(団体)、男子73キロ級で大野将平選手、続いて男子体操(個人総合)で内村航平選手、柔道女子70キロ級で田知本遥選手、柔道男子90キロ級のベイカー茉秋と金メダルが続いている。メダル獲得数も早くも2けたに乗り、史上最多の38個(金7、銀14、銅17)獲得した2012年ロンドン五輪に近いペースで、日本勢は好調なスタートを切った。これからリオデジャネイロ五輪(リオ五輪)では、どんな名場面を繰り広げてくれるのか、日本選手の活躍はどうなるのか、今年の夏は楽しみである。









リオデジャネイロ五輪開会式OCOG Rio2016

ギリシャ・オリンピアで行われた五輪聖火採火式 出席できなかったルセフ大統領

五輪発祥の地 ギリシャ・オリンピアで行われた五輪聖火採火式(2016年4月21日)巫女姿のギリシャの女優のカテリナ・レホウが太陽光を使って火を起こして採火した。(出典 IOC)


ブラジル国内の聖火ランナーの第一走者に聖火を渡すルセフ大統領 ルセフ大統領は開会式には欠席(出典 Rio2016)

 2016年4月21日、リオデジャネイロ五輪の聖火の採火式が、オリンピック発祥の地、ギリシャの神殿跡で行われ、3か月余りにわたる聖火リレーが始まった。
 聖火はギリシャ国内でリレーされた後、ブラジルに運ばれ、5月3日に首都ブラジリアを出発し、300以上の自治体を回り、開幕前日の8月4日にリオデジャネイロ入りする予定である。
 採火式には当初、ブラジルのルセフ大統領が出席を予定していたが、政府会計の不正操作疑惑を巡って同氏の弾劾手続きが進んでいることなどから、取りやめとなった。

 採火式の直前、4月17日、ブラジルの連邦下院議会は、ルセフ大統領を弾劾すべきだとする決議を可決し、引き続き上院でも可決され、ルセフ氏は180日間の職務停止に追い込まれた。弾劾裁判の決定は8月上旬のリオデジャネイロ五輪開催中に行われる見通しで、五輪開催期間中に大統領が失職するという前代未聞の事態が起きることが現実味を帯びてきた。
 ルセフ氏は「私は逮捕もされていないし、罪を犯した証拠もない」と潔白を主張。職務停止に追い込まれたルセフ氏に代わって大統領代行となったテメル氏を「陰謀をたくらむリーダー」と批判し、徹底抗戦の姿勢だ。
 一方で、ブラジルの世論は分裂し、各地で市民がルセフ大統領への応援と抗議のデモが行われ、五輪開催を控えたリオデジャネイロ市でも44万人以上が参加したとされている。
 ブラジルの政治状況はさらに混迷を深め、五輪開催ムードは消し飛んでいる。


混迷加速 ブラジル 五輪開催に暗雲
 ところが、オリンピックの初の南米開催という“栄誉”を手に入れたブラジルは混迷を極め、大会が本当に無事開催されるのか、未だに危ぶむ声が消えない。
 世界経済の失速で資源価格が暴落し、ブラジル経済が“崩壊”寸前だ。
ブラジルレアルは、2015年9月下旬、1ドル(US)=4.1783レアルと史上最安値を更新、年初から36.4%の下落率となった。主要新興国で最悪の下落率である。
 2015年7~9月期の国内総生産(GDP)の実質経済成長率は、前年同期比で4.5%と大幅に減少した。マイナス成長は6四半期連続。1996年に現行調査を始めてから、最大の落ち込み幅だったという。
2015年9月、スタンダード&プアーズ(S&P)はブラジルの債務を「ジャンク(投機的)級」に格下げした。さらに2016年2月、「ジャンク(投機的級)」の領域でさらに1段階引き下げ、これまでの“BB+”から“BB”とした。またブラジルの格付け見通しを「ネガティブ」に指定した。“BRICS”の一翼を担い、世界から脚光を浴びていたブラジル経済の面影は消え去ってしまった。
 2016年になって、ブラジルの最大の貿易相手国である中国経済の失速が深刻な影響を与えている上に、与党議員らが絡む汚職問題で政治も混迷を深め、ほとんど機能不全、経済の低迷に拍車をかけている。ブラジルの復活の兆しはまったく見えない。
 加えてジカ熱の問題が浮上した。2016年1月、世界保健機関(WHO)は感染症のジカ熱が「爆発的に拡大」しており、アメリカ大陸で300─400万人が感染する恐れがあると警告した。ジカ熱の最も感染が拡大しているブラジルで、感染者数は今後150万人に上る可能性があるという。
 ゴルフの松山秀樹選手は、ジカ熱問題を理由に五輪出場を辞退、世界各国の有力ゴルフ選手も出場辞退が相次いでいる。
 6月、世界保健機関(WHO)の専門家チームは、ブラジルでの夏季五輪開催の影響でジカ熱がさらに世界的に広がるリスクは「非常に低い」との見解を示した。リオデジャネイロ五輪の開催都市を含め、ジカ熱感染がみられる国、地域、および領地への渡航や貿易について「一般的制限を設けるべきではない」とする先に示した見解を改めて確認し、リオデジャネイロ五輪開催懸念への沈静化を図った。しかし、ジカ熱への不安は一向に収まる気配はない。
 オリンピック観戦で訪れる海外からの観光客に相当の影響が出そうだ。国内経済の混乱も伴って、入場券の売り上げも伸び悩んでいるという。
 あれこれ難問を抱えて“リオデジャネイロ五輪”は開幕した。


深刻 五輪を揺るがすドーピング問題
 2016年6月21日、国際オリンピック委員会(IOC)は、スイス・ローザンヌで国際競技団体など関係者を集めた「五輪サミット」を開き、組織的なドーピング(禁止薬物使用)違反でロシア陸上競技連盟を資格停止処分にした国際陸上競技連盟の決定を支持した。ただし、個々の選手に対しては条件付きでリオデジャネイロ五輪への参加を認めた。国際陸連が認めたドーピングに関与していない国外拠点の選手、またはスポーツ仲裁裁判所(CAS)が潔白であると認めた場合はロシア選手団として出場が可能で、完全に排除される事態は当面避けられた。
 IOCのバッハ会長は記者会見で、違反が相次ぎ、世界反ドーピング機関(WADA)から国内機関が「不適格組織」とされたロシアとケニアを「この2カ国の選手は深刻な違反の疑義がある」と指摘して、ロシアとケニアの全競技の選手に国外のドーピング検査を義務づけ、反ドーピング対策の強い姿勢を示した。
 2016年7月18日、世界反ドーピング機関(WADA)の独立調査チームは、ロシアが国家主導の組織的なドーピングを行っていたことを明らかにする報告書を発表した。
 報告書の中で、WADAは国際オリンピック員会(IOC)と国際パラリンピック委員会(IPC)に、リオデジャネイロ五輪にはロシアオリンピック委員会が登録した選手全員のエントリー禁止を検討すべきだと勧告した。またリオデジャネイロ五輪を含む国際大会からロシア・オリンピック委員会や政府関係者を排除すべきとしたという。
 報告書によると、ロシアは2012年のロンドンオリンピックと2014年のソチオリンピックを含む2011年後半から2015年8月までの4年間、五輪競技の大半で国家主導のドーピングが計画、実行されたという。この国家的ドーピングはロシアスポーツ省が選手たちから提供された尿サンプルの操作を指揮、統括し、監督していたと指摘した。これに対してプーチン大統領は「政治の介入」強く反発した。
 7月21日、スポーツ仲裁裁判所(CAS)は、国際陸上競技連盟のリオデジャネイロ五輪への出場禁止処分を不服としたロシア・オリンピック委員会と同国の68選手らの訴えを棄却する裁定を発表した。
 7月24日、CASの裁定を受けて、国際オリンピック委員会(IOC)は、電話会議による緊急理事会を開き、ロシア・オリンピック委員会を資格停止処分とはせず、選手には一定の条件を課して、リオデジャネイロ五輪に出場できることを決めた。条件を満たしたロシアの選手は、“ロシア選手団”として出場する道は残した。条件を満たしているかは、各国際競技団体が個別に判断に委ねるとした。
 IOCが課した条件は、ロシア国内でのドーピング検査だけでなくロシア国外で受けた信頼性のある検査をクリヤーすること、過去に一度もドーピングで処分を受けていないこと、国際陸上連盟以外の27の国際競技団体が独自のルールで出場を認めた場合などとしている
 国際陸連はすでにロシア選手の67人(クリシナ選手を除く)、全員の出場を認めないと決定している。今後各競技団体で個別に決定されていくが、出場を認めらるロシア選手の人数は極めて限定的となり、ロシアにとっては極めて厳しい内容となった。
 開催10日余りになって、ドーピング問題はリオデジャネイロ五輪大会を根底から揺るがす大問題に発展している。


 
リオデジャネイロ OCOG Rio2016

オリンピック・パークを中心に開催されるリオデジャネイロ五輪

 リオデジャネイロ五輪の競技場は、マラカナン地区(4競技場)とコパカバーナ地区(競技村 4競技場)、バーラ・ダ・チジュッカ地区(オリンピック・パーク 15競技場)、デオドロ総合会場(9競技場)の三つに地区に整備された合計32の施設が使用される。この内、15の競技場は既存の競技場を使用し、17の競技場を新設する。開会式・閉会式、サッカーは、収容人数9万人のリオデジャネイロの市街地にある既存のサッカー競技場(Maracanã Stadium)で開催し、陸上競技は、同様に既存の陸上競技場(The João Havelange Stadium) を改修し、収容人数を 4万5000人から 6万人に拡張して開催する。


開会式・閉会式・サッカーが開催されるMaracanã Stadium リオデジャネイロ五輪招致ファイル

 マラカナン地区では、サッカーや陸上、バレーボール、アーチェリーなど、コパカバーナ地区では、トライアスロン、ビーチバレー、自転車ロードレース、セーリング、カヌーやボート競技、バーラ地区では、水泳競技やホッケー、テニス、柔道、バスケットボール、格闘技、卓球、体操などの競技が行われる。またIBC/MPC関連施設や選手村なども設置される。デオドロ地区はフェンシングや射撃、馬術、近代五種などが行われる予定だ。
またサッカーの予選は、サンパウロなど5か所の都市の競技場で行われる。
開催される競技数は、ゴルフと7人制ラグビーが新たに加わり、28種目306競技となった。
リオデジャネイロの中心部や3つのゾーン間の交通アクセスは、海岸沿いの湾岸道路や橋の改善計画、都市交通システム(BRT)の新設、地下鉄延長(6駅新設)や路面電車網などの整備などで確保する計画である。
 リオデジャネイロ組織員会では、五輪には206の国と地域から、10,500の選手が参加するとしている。



競技場の配置 図作成筆者

新たに整備したメイン会場・オリンピック・パーク


オリンピック・パークの完成予想図 Municipal Olympic Company

 リオデジャネイロ五輪のオリンピック・パークは、中心地から西へ20キロメートル、ハカレパグア湖(Lagua de Jacarepaggua)に面したバーラ・ダ・チジュッカ(Barra da Tijuca)地区に、広さ約118万平方メートル、東京ドーム25個分の広大な敷地に建設されている。体操競技場(Rio Olympic Arena)、自転車競技場(Velodrome)、テニス・センター(Olympic Tennis Center)、そして3つの競技場で構成されるカリオカ・アリーナ(Carioca Arena1-2-3/ Olympic Halls)が整備され、バスケットボール(Carioca Arena1)、柔道、レスリング(Carioca Arena2)、テコンドー、フェンシング(Carioca Arena3)の競技が開催される。そしてハンドボール競技場(仮設 Future Arena)、水泳競技場(水球も開催)(Olympic Aquatics Stadium)や、IBC/MPC、選手村(Athletes Accommodation 約1万室 1万8000人宿泊可能)、スポーツ研究所、ウエルカム・センター、事務棟、駐車場なども整備される。
 パーク内には、既存施設として、2007年のパン・アメリカン競技大会開催で建設された室内競技場(現HSBC Arena)があるが、これを改修し、オリンピック・アリーナ(Rio Olympic Arena)として、五輪の体操、新体操、トランポリンの競技場として使用する。五輪後はスポーツ関連のビックイベントや文化イベント、コンサートなどに利用する計画で、施設の管理はリオデジャネイロ市が担当する。
 また同様にパン・アメリカン競技大会で建設されたアクア・パーク(Maria Lenk Aquatic Park)は小規模な改修が行われ、リオデジャネイロ五輪の飛び込みとシンクロナイズド・スイミング、水球の競技場として使用される。

 このオリンピック・パークの敷地は、かつてカーレース場(Jacarepaguá Race Track)があったが、デオドロ地区(Deodoro)に移転させて新たに建設した。

 オリンピック・パークでは、オリンピックは、バスケットボール、柔道、テコンドー、レスリング(グレコローマン・フリースタイル)、ハンドボール、テニス、自転車、飛び込み、水球、競泳、シクロナイズ・スイミング、体操、新体操、トランポリンの16競技種目が開催される。
 またパラリンピックは、車いすバスケットボール、ラグビー、サッカー、ボッチェ、柔道、バレーボール、ゴールボール、車いすテニス、自転車、競泳の10競技種目が開催される。



写真 Rio2016 OCOG 図作成筆者

民間パワー活用 公民連携スキーム(PPP)
 オリンピック・パークの整備プロジェクトは、公民連携スキーム(Public-Private Partnership /PPP)で行われ、入札が行われた。その結果、建設会社3社(Norberto Odebrecht / Andrade Gutierrez、Carvalho Hosken)の共同企業体、“Rio Mais Group”が受注した。
 PPPスキームでは、競技場の建設費は、国の財源で負担し、五輪開催後は施工を担当する“Rio Mais Consortium”が運営を請け負うことが決められている。 
五輪の施設整備を担当するリオデジャネイロ都市開発公社やPPP事務局は、PPPスキームに基づき、“Rio Mais Group”を指導・監督して、プロジェクトを推進する。
但し、3つのアリーナで構成されるカリオカ・アリーナ(Carioca Arena/ OTC Halls)とIBC/MPC、メディア用ホテルは、   “Rio Mais Consortium”が、建設費も負担して施工し、五輪後は運営を担当する。“Rio Mais Consortium”が負担する経費は合計1,678万レアル(約528億円)としている。
建設費は政府や開催都市が負担し、五輪開催後の運営を委託するPPPスキームとは切り離して、コマーシャル・ベースで施設を建設することで、国や開催都市の負担を軽減させるスキームである。
五輪開催後は、オリンピック・パークに新たに建設される競技施設、カリオカ・アリーナ(Carioca Arena)やテニス・センター、ベロドーム、水泳競技場(Maria Lenk Aquatic Park)は、オリンピック・トレーニング・センター (COT)として再編成され“Rio Mais Group”が運営することになる。



Rio Estaio Joao Havelange(Athletics) Maracana地区 OCOG Rio2016


Rio Estaio Joao Havelange(Athletics) Maracana地区 OCOG Rio2016


Carioca Arena1/2/3 Velodrome Tennis Stadium Olympic Park(Bara地区) OCOG Rio2016


Carioca Arena1 (Basketball) Olympic Park(Bara地区) OCOG Rio2016


Carioca Arena2 (Judo/Wrestling) Olympic Park(Bara地区) OCOG Rio2016


Carioca Arena1 (Taekondo/Fencing) Olympic Park(Bara地区) OCOG Rio2016




Velodrome Olympic Park(Bara地区) Roi Media Center




Olympic Tennis Centre Olympic Park(Bara地区) OCOG Rio2016


Future Arena (Handboll) Olympic Park(Bara地区) OCOG Rio2016


Maria Lenk Aquatic Center((Diving/Synchronized Swimming/Waterpolo) Olympic Park(Bara地区) OCOG Rio2016
国際競技団体からの再三の要望にもかかわらず、経費節減で屋根は設置せず。8日から9日に一夜にしてプールの水が緑色に変わり騒動に

Maria Lenk Aquatic Center (Diving/Synchronized Swimming/Waterpolo)) Olympic Park(Bara地区) OCOG Rio2016


Olympic Aquatics Stadium (Swimming/Water Polo) Olympic Park(Bara地区) OCOG Rio2016


Olympic Aquatics Stadium (Swimming/Water Polo) Olympic Park(Bara地区) OCOG Rio2016


Rio Olympic Arena(Gymnastics artistic/rhythmic/trampoline) Olympic Park(Bara地区) OCOG Rio2016


Hockey pitches Deodoro地区 OCOG Rio2016




Dedoro Olympic Park Canoe Slalom course and BMX track (back left). Along with the Mountain Bike course Deodoro地区 OCOGRio2016


Olympic Golf Course Barra地区 OCOGRio2016


Beach Valley Copacabana Beach


Guanabara Bay (Sailing) Copacabana地区 OCOGRio2016


Rowers and canoeists Lagoa Stadium Copacabana地区 OCOGRio2016


Olympic Village(選手村) Olympic Park(Bara地区) OCOG Rio2016



五輪メディア戦略の中核 IBC/MPC関連施設


IBCの完成予想図


完成したIBCの建物 Rio2016 OCOG


完成したIBCの建物の内部 Rio2016 OCOG

  IBC/MPC関連施設は、オリンピック・パークの中に建設され、総床面積約110,000平方メートルは巨大な施設で、その内、IBCが約85,000平方メートル(完成予定 2015年第3四半期)、 MPCが約27,000平方メートル(完成予定 2015年第4四半期)を使用する。
 IBCには、世界各国のオリンピックの放送権を持つテレビやラジオ局関係者が約10,000人の参加が見込まれ、コントロール・ルーム、伝送設備、スタジオ、メディア・ブースなどが設置される。またMPCには新聞、雑誌、インターネットなどのメディア人が参加し、競技結果などの情報提供をするインフォーメーションデスクや電話、インターネットなどが整備され、約6000人が参加予定だ。IBC/MPCの共用施設として、会議室、レストラン、銀行、郵便局、トラベル・エージェント、コンビニなども設けられる。IBC/MPCは、24時間体制で運営される。
 併設してメディア関係者宿泊用の400室の国際ホテルも建設される。
 2015年11月8日、IBCの建物が完成し、建設を進めていたリオデジャネイロ市からリオデジャネイロ五輪組織員会に施設が引き渡された。以後、IBCのシステムを担当するOBS(Olympic Broadcasting Services )がシステムの設営作業を開始する。


五輪初の民間資金でIBC/MPCを建設
  IBC/MPC関連施設の整備は、オリンピック史上初めて政府の財源を使わない画期的なスキームで行われる。政府資金は使用しない。
 財源は、公民連携スキーム(Public-Private Partnership /PPP)の民間資金で賄わられ、大会終了後の運営も、民間に委ねられる。このプロジェクトは競争入札にかけられ、受注した民間の建設会社が、財源を確保して、建設工事を行い、五輪後の運営の責任を持つ。
当初計画では、IBC/MPCの建設費は、全額PPPスキームで民間企業が負担する予定だったが、空調設備や発電機の工事で巨額の経費増が発生し、リオデジャネイロ五輪組織員会が空調設備の2億レアル(約76億円)、州政府が4000万レアル(約15億円)を新たに負担することで合意した。
 その結果、現在のIBC/MPCの総建設費は、総額6億4000万レアル(現在の為替レート 約242億円)膨れ上がり、その内PPP(Package of Public-Private Partnership)スキームで民間企業の負担額は約4億レアル(約152億円)、組織委員会と州政府の負担額が2億4000万レアル(約90億円)となっている。
建設費を巡っては難題が次々と発生しているが、基本的にIBC/MPCのレガシーは、PPTスキームで担保されるのである。巨額の経費が必要で、巨大な施設となるIBC/MPCは、建設費の負担と大会後の施設をどう維持するのかが重要な課題である。リオデジャネイロ五輪の計画では、この課題をPPPスキームを採用することで解決しようとしている。
 リオデジャネイロ五輪のIBC/MPCは、五輪開催後、改装して国際会議センターや展示ホール、エギジビション・ホールなどで利用するとしている。五輪開催後の運営を担う“Rio Mais Consortium”の手腕が問われている。



MPC Rio2016 OCOG

リオデジャネイロ五輪開催経費
 リオデジャネイロ五輪組織員会(OCOG)の予算は、合計28億2000万ドル(約3380億円)で、これには投資的な経費は含まれていない。
主な支出は、競技場運営経費が6億8500万ドル(約822億円 約24%)、運営人件費3億4200万円(約410億円 約12%)、技術費4億8800万円(約586億円 17%)、予備費2億4400万ドル(約293億円 9%)などである。
収入は、トップ・スポンサーシップ収入が約31%、国内スポンサーシップ収入が約20%、入場券販売が約14.4%などとしている。
 なお、公的機関は、入場券の価格が余り高額にならないように抑制するためやマーケッティングの促進のためにOCOGの経費の約25%の補助金を拠出することを決めている。
 リオデジャネイロ五輪組織員会(OCOG)の経費に含まれていない投資的経費総額は111億ドル(約1兆3320.億円 382億レアル)で、この内、空港や道路、鉄道の交通インフラ整備に55億ドル(約6600億円)、環境整備に12億ドル(約1440億円)、電力整備に7億7000万ドル(約924億円)、セキュリティに8億1300万ドル(約976億円)としている。
さらに競技場整備に4億79000万ドル(約575億円)を負担し、この内、選手村建設費に4億2700万ドル(約512億円)、メディア・ビレッジ(メディア用の宿泊施設)に8億1200万ドル(約974億円)、IBC/MPCに2億300万ドル(約244億円)を充当するとしている。
(出典 リオデジャネイロ五輪招致ファイル)

リオデジャネイロ五輪組織委、支出を3割削減へ
 リオデジャネイロ五輪組織委員会は、開催経費が36億ドル(約4320億円)を超えないための措置として、支出を最大30%削減することを決めた。ただし、パラリンピック含め50種目・参加選手1万5000人に及ぶ競技イベント開催には影響させないとしている。
組織委の広報担当マリオ・アンドラーダ(Mario Andrada)氏は、ブラジル国民は過大な支出を許さないだろうと指摘し、 「もはや派手にお金を使える時代ではない」とし、「経費を節約する工夫が必要だ」と述べた。
 組織委の予算は民間の資金で賄われており、競技場やインフラ整備などの投資的経費は含まれない。また、予算超過分の“赤字”をブラジル政府が補填する責務はない。
 オリンピック各競技の入場券販売は低調で、合計500万枚のうち現時点でわずか200万枚が販売済みとなっている。
アンドラーダ氏は、「財布のひもを締めなければいけない。人々は贅沢や過剰な支出に腹を立てる」と語った。

リオデジャネイロ五輪組織委の費用削減の内容
・開会式―3時間半に及ぶイベントの費用を削減。2012年ロンドン大会の1割になる予定
・プロモーションビデオはすべて内部の制作に
・入場券のオンラインくじを中止。すべてリボ払いが可能な公開販売に
・オリンピック施設の恒久的建築を減らし、テント活用を促進
・テストイベント(プレ五輪)での設備を削減
・参加者への英語レッスンなど、ボランティア・プログラムを当初予定の7万本から6万本に削減見通し
(出典 2015年10月6日 BBC ニュース)


水質汚染問題が深刻な問題に発展
 セーリングやトライアスロン、ボートなどの会場となるコパカバーナ地区の湾岸部、グアナバラ湾の水質汚染が深刻で選手の健康被害が懸念され、競技の開催が危ぶまれている。
AP通信が7月に伝えた独自調査によると、2015年3月以降に競技会場で採取された水から、高い数値のアデノウイルスのほか、複数のウイルスや細菌も検出されという。
 汚染の原因は下水処理整備の遅れだ。人口1000万人のリオデジャネイロの生活排水の7割近くがグアナバラ湾に最終的に流れ込むという。
さらに汚染に拍車をかけるのが、リオデジャネイロの貧民街。リオデジャネイロは世界でも有数の観光地だが、人口632万人の23%を占める143万人が貧民街に暮らしているという。ブラジルで最も貧富の差が大きい都市でもある。貧民街では下水処理施設の整備はほとんど手が付けられていない。
 グアナバラ湾は「巨大なトイレ」と揶揄されている。
招致段階でリオデジャネイロ州政府は五輪開幕までにグアナバラ湾に流入する汚水の80%を下水処理できるようにすると公約した。この処理事業を支援しているのが日本の国際協力機構(JICA)で、現在四つの下水処理場が稼働している。 しかし、各家庭から処理場まで下水を集める配管の整備が遅々として進んでいない。リオ五輪組織委員会は昨年7月、公約としていた水質浄化が開幕まで不可能と認めている。
大量のゴミが海面を覆い尽くしているのも汚染の原因とされているが、リオデジャネイロ市では、湾内のごみを回収する「エコポート隊」を投入するなど窮余の対策に追われている。
 水質汚染問題の解決は、ほぼ“絶望”とする見方が強い。



ゴミが散乱するグアナバラ湾 Antonio Scorza / Agência O Globo
 
開催経費の約64%がレガシー(未来への遺産)に


オリンピック・パーク完成予想図 Rio2016 OCOG

 混迷を深めるブラジルだが、五輪開催への取り組み姿勢は意気軒昂である。
リオデジャネイロ五輪組織委員会は、リオデジャネイロ五輪の開催経費、382億レアル(約1兆2200億円)の64.4%の246億レアル(約7900億円)がレガシー(未来への遺産)のために使われ、レガシー・プロジェクトは、2009年に提出した招致ファイルと比べて、17から27に増加したとしている。
 IOCから賞賛されたレガシー・プロジェクトもある。オリンピック・パークの建設するハンドボール競技場は、改築されて4つの学校になる。ほかの競技場は、アスリートのトレーニング・センターや市民のレクレーション施設、国際会議場、展示ホール、イベント開催施設に改装し、レガシー(未来への遺産)とする計画である。
 リオデジャネイロのパエス市長は、リオデジャネイロ五輪はこれからの五輪の“手本”になるべきだと話した。
「リオデジャネイロはやらなければならない多くの課題がある。しかし、オリンピック開催は念願だったリオデジャネイロの変革をもたらすだろう。150キロメートルの都市交通システムBRT、Porto Maravilha、スイミングセンター、20キロメートルの地下鉄である。公的財源を使い過ぎないようにしよう! たくさんのレガシーを人々に残そう! 負の遺産(white elephants)を作らないようにしよう! 私たちは、オリンピック開催都市の“手本”になる」と述べた。
 リオデジャネイロ五輪の開催で、次世代にレガシー(未来への遺産)を残そうという強い意気込みがうかがえる。
 2020年東京オリンピック・パラリンピックは、レガシー(未来への遺産)として何を残そうとしているのだろうか。
 2016年、正念場を迎えている。


(「月刊ニューメディア 2016年2月号 掲載 加筆)




リオデジャネイロ五輪 波乱の幕開け 競技場の全貌
ロシア・ドーピング問題 タイムライン 最新情報
VR(Virtual Reality) Super Hi-Vision 次世代映像サービスに挑戦 リオデジャネイロ五輪
NHK 8Kスーパーハイビジョン試験放送開始 リオデジャネイロ五輪 8K番組表 パブリックビューイング
リオデジャネイロ五輪 インターネット配信はオリンピックの“救世主”になるのか?
ブラジル政治混乱 政治腐敗 混乱極める五輪開催都市リオデジャネイロ、そして東京
地獄へようこそ 治安の悪さ 世界的に突出 リオデジャネイロ
リオデジャネイロ五輪開会式はこうなる





東京オリンピック 競技会場最新情報(上) 膨張する開催経費 どこへいった競技開催理念 “世界一コンパククトな大会”
東京オリンピック 競技会場最新情報(下) 競技会場の全貌
「準備は1年遅れ」「誠実に答えない」 警告を受けた大会組織委
マラソン水泳・トライアスロン 水質汚染深刻 お台場海浜公園
北朝鮮五輪参加で2020東京オリンピックは“混迷”必至
“もったいない” 五輪開催費用「3兆円」 小池都知事の“五輪行革に暗雲
四者協議 世界に“恥”をかいた東京五輪“ガバナンス”の欠如
開催経費1兆8000億円で合意

主導権争い激化 2020年東京オリンピック・パラリンピック 小池都知事 森組織委会長 バッハIOC会長
“迷走”海の森水上競技場 負の遺産シンボル
“陸の孤島” 東京五輪施設 “頓挫”する交通インフラ整備 臨海副都心
東京オリンピック レガシー(未来への遺産) 次世代に何を残すのか
“選手村は一つ”、“選手村はオリンピックの魂” の矛盾 どこへ行った五輪改革
唖然とする“五輪専門家”の無責任な発言 膨れ上がった施設整備費
アクアティクスセンターは規模縮小で建設を検討か? 国際水泳連盟・小池都知事会談
東京オリンピック 海の森水上競技場 Time Line Media Close-up Report
相次いだ撤退 迷走!2024年夏季五輪開催都市




国際メディアサービスシステム研究所 International Media Service System Research Institute(IMSSR)






2016年1月4日
Copyright © 2016 IMSSR



******************************************************
廣谷  徹
Toru Hiroya
国際メディアサービスシステム研究所
代表
International Media Service System Research Institute
(IMSSR)
President
E-mail thiroya@r03.itscom.net  /  imssr@a09.itscom.net
URL http://blog.goo.ne.jp/imssr_media_2015
******************************************************
コメント (1)

リオデジャネイロ五輪 インターネット NHK 民放 gorin.jp NTTぷらら 4K NBC インターネット・サービス VR

2016年08月01日 18時11分49秒 | リオデジャネイロ五輪
インターネット配信はオリンピックの“救世主”になるのか?




 8月5日から21日、南米で初の開催となるリオデジャネイロ五輪が開かれる。
 オリンピックのテレビ中継は視聴者が伸び悩んでいる中で、世界の放送機関はインターネット配信に活路を見出そうとしている。新たなターゲットは、爆発的に普及したスマートフォン、全世界で約40億台(民間調査会社予測 2016年)が使用されているとされている。テレビは見ないがスマホは欠かせないとする人が急増している時代が始まっている。果たしてインターネット配信は放送機関の“救世主”になるのだとろうか?


NHK インターネット・サービスの展開ですべての競技が視聴可能に


NHK Rio2016 オリンピック ホームページ

 NHKはリオデジャネイロ五輪のインターネット・サービスを発表した。
ライブストリーミングでは、NHKや民放が生中継しない競技・種目の映像を配信する。音声は原則として会場音声(実況コメントはなし)が基本だが、今回初めての試みとして、1日1種目程度、インターネット独自の日本語実況コメントや解説を付けて配信する。ロンドン大会の倍以上に当たる計2000時間以上にわたって無料でサービスする。このサービスで、開会式や閉会式を始め五輪競技のすべてが、テレビかインターネットで視聴可能になる。
 また、“見逃し配信”として、2300時間程度の動画や競技の模様を短くまとめたハイライト動画もサービスする。



gorin.jp ホームページ

民放は共同公式動画サイト「gorin.jp」
 民放テレビ132社は、地上・BSテレビでの放送に加え、インターネット・サービス「gorin.jp」を強化して視聴者獲得を目指す。
「gorin.jp」は、2008年の北京大会からサービスを始め、今回で5回目となる。競技映像のライブ配信やハイライト動画などの映像コンテンツと共に、毎日のテレビ放送情報や選手・競技の情報など提供して、テレビ中継の視聴者獲得増の相乗効果を狙う。
リオ五輪で大幅に増強するコンテンツはライブストリーミング配信、あらゆる競技を対象に、2500時間以上の配信を実現し、テレビ放送だけではカバーしきれない競技のライブ視聴体験を可能にする。
また、競技ハイライト動画も2000本以上の配信を予定し、日本人選手の活躍を中心にしたオリンピックならではの感動のシーンや選手インタビューを連日配信する。

 
“デジタル五輪元年”と呼ばれたロンドン五輪
 2012ロンドン五輪は、“デジタル五輪元年”と呼ばれている。米国NBCグループや英国BBC、NHKや民放が大規模に五輪映像のインターネット配信に乗り出した。
 NBCグループは、すべての競技をインターネットでライブ配信を実施、総サービス時間は3500時間に及んだ。テレビの総放送時間が約450時間(NBCグループ)に比較すると圧倒的なボリュームである。
NBCグループがサービスしたオンライン配信は、グループのCATVや衛星放送、IPTVの契約者にのみに提供した。すべての視聴者に対してサービスしたのではなかったのである。NBCグループはこのサービス方式を“TV Everywhere”と呼び、Facebookなど主要なソーシャルメディアとも連携した作戦も進めた。 その結果、NBCグループの五輪ウエッブサイトの閲覧回数は、北京オリンピックの2倍以上、約20億ページビューに達し、ストリーミング映像の視聴回数は1億5900万回に上ったという。スマホからのアクセスも好調であった。




“相乗効果”でNBCは米国のテレビ史上最多の視聴者を達成
 一方、NBCの五輪関連番組のテレビ総視聴者数は約2億1940万人となり、史上最多を記録して大成功した。ロンドン五輪では、NBCは人気種目のテレビ放送をライブでは行わずプライムタイムに合わせて時差で放送する編成方針で臨んだ。この方針には、世論から批判が殺到し、視聴者数は減少するのではという懸念がNBCの内部に根強くあった。またインターネット・サービスを拡充すると視聴者の“テレビ離れ”を加速するのでは不安もあった。
 しかし結果、ロンドン五輪のテレビ視聴者数は北京五輪の2億1500万人を超えた。テレビ視聴者数を底上げしたのは全競技をライブ配信したインターネット・サービスだったとされている。テレビ放送とネット配信を連動させ、その相乗効果によって、テレビの高視聴率を確保する戦略が功を奏した。爆発的に普及したスマホにサービスされるオリンピック映像が“呼び水”となってテレビの競技中継に視聴者が舞い戻るという構図である。 NBCグループの親会社でCATV事業者のComcast社 は、今後は“TV Everywhere”おけるライブストリーミング配信の重要性はさらに増すと評価している。
またインターネット・サービスの展開で、オリンピック史上、初めて全試合が視聴することが可能になり、マイナーな競技にも光があたる時代を迎えたというメリットも生まれている。


VRサービスでNBCオリンピックとSamsungと提携
 NBCオリンピックはSamsungとリオデジャネイロ五輪でVRサービスを協力して実施することを発表した。
VRコンテンツは、Samsung Galaxyのスマートフォンに配信され、NBCスポーツ・アプリを使用して、Samsung Gear VRで視聴可能になる。VR映像の制作はOBS(Olympic Broadcasting Services)が担当する。開会式や閉会式、バスケットボール、体操、陸上競技、ビーチバレー、飛び込み、ボクシング、フェンシング、そしてハイライトなど約85時間がNBCスポーツでサービスされる。しかし、VRサービスはライブではなく時差サービスとなるとしている。
 NBCオリンピックのGary Zenkel代表は、「世界で最大のスポーツの祭典、オリンピックは常に映像テクノロジーのショーケースの舞台である。リオデジャネイロ五輪ではOBSとSamsungと協力して、VRサービスで視聴者に圧倒的な臨場感と感動を届けることに興奮している。マラカナン・スタジアムの開会式やコパカバーナ・ビーチのビーチバレーをこれまでにない迫力のある映像で楽しむことができるだろう」と語った。
 OBSのYiannis Exarchos CEOは、「VRサービスは、スポーツ放送サービスでまったく新しい視聴体験もたらすだろう」と語った。「このサービスはLillehammer冬季ユース大会で初めて行ったが、リオデジャネイロ五輪でNBCと協力して迫力のあるVRサービスを本格的に開始することに興奮している。VRサービスは、世界中の大勢の視聴者にオリンピックの臨場感と参加感を楽しんでもらうパワーを秘めたサービスだ」と語りVRサービスへ期待感を示した


NHK 実験的な4Kネット配信を実施
  NHKはBS11チャンネルを使って8月1日に8K試験放送を開始し、リオデジャネイロオリンピックをライブで放送する。この8K映像を4K映像にダウンコンバートしてNHKハイブリッドキャストとNHKオンデマンドで試験的に配信するが決まった。
 ハイブリッドキャストでは、8K試験放送の一部のコンテンツのライブストリーミングや競技のハイライトをサービスする。NHKオンデマンドでは、8K試験放送の中で放送済みの注目競技のハイライトや総集編、開会式のハイライトなどをサービスする。
 NTTぷららは、NHKの二つの4K実験的ネット配信サービスをひかりTV(IPTV)でサービスすると発表した。

 リオデジャネイロ五輪では、HDのテレビ中継だけでなく、8K試験放送、全競技のインターネット配信、VRサービス、4Kサービスが出揃うことになった。東京オリンピックに向けて“主導権”争いの前哨戦が始まっている。





平昌五輪のメディア拠点 国際放送センター(IBC)
平昌冬季五輪 競技場の全貌 最新情報
平昌冬季五輪 NBCは2400時間以上の五輪番組を放送
平昌冬季五輪 4Kに乗り出したNBC
視聴率低下に歯止めがかからなかったNBCの平昌冬季五輪中継
平昌冬季五輪は“5Gオリンピック” 韓国の戦略~2020東京五輪は平昌五輪に先を越されたか?~
冬季五輪の“宿命” “負のレガシー”(負の遺産)を抱える平昌冬季五輪
“陸の孤島”解消の主役、五輪高速鉄道(KTX)は赤字必至

暗雲 4K8K放送 2020年までに“普及”は可能か
5G・第5世代移動体通信 “世界に先駆け”2020年東京オリンピックに向けて実現へ
5G NR標準仕様の初版策定が完了 3GPP





国際メディアサービスシステム研究所 International Media Service System Research Institute(IMSSR)





2016年8月1日
Copyright (C) 2016 IMSSR




******************************************************
廣谷  徹
Toru Hiroya
国際メディアサービスシステム研究所
代表
International Media Service System Research Institute
(IMSSR)
President
E-mail thiroya@r03.itscom.net  /  imssr@a09.itscom.net
URL http://blog.goo.ne.jp/imssr_media_2015
******************************************************

コメント

リオデジャネイロ五輪 治安 地獄へようこそ 犯罪発生率 安全情報

2016年07月26日 12時02分30秒 | リオデジャネイロ五輪
治安の悪さ 世界的に突出 リオデジャネイロ


「地獄へようこそ」と書かれた横断幕 出典 Narinari.com

 7月4日、五輪開幕まで約1か月となったブラジル・リオデジャネイロの空港で、警察官や消防官が「地獄へようこそ」と書かれた横断幕を掲げ、給与未払いの現状に抗議した。
 抗議デモが行われたのは、リオデジャネイロ五輪に向け、観光客約50万人の玄関口となるアントニオ・カルロス・ジョビン国際空港。デモには、警察官や消防士ら100人以上が参加したという。
 職員らが掲げた横断幕には、「地獄へようこそ。警察と消防士には給料が支払われていない。リオデジャネイロに来る人は誰も安全ではない」と書かれていた。
 今年に入り、リオデジャネイロでは殉職した警察官が50人を超えている。床に 今年に入り、リオデジャネイロでは殉職した警察官が50人を超えている。床には制服姿のマネキン並べられ、これらの殉職者を象徴するものだという。
 空港に降り立った海外の人たちは、「地獄へようこそ」という横断幕に、思わず目を見張っただろう。
 リオデジャネイロ州は深刻な財政難直面し、警察官や消防官には給与が数か月も十分に支払われていないという。
 五輪期間中は、州が治安を担当する通常の体制とは異なり、全国から8万5千人の軍と警察が動員されて治安維持にあたることが決まっている。
 またブラジル政府は治安確保の費用として州政府に29億レアル(約916億円)の緊急支援することを決めた。州政府は救急隊員や教師、病院職員、刑務官らに対して、未払い分の支払い手続きを開始したという。
これで五輪大会開催中のリオデジャネイロ市の治安は確保できるとし、不安の沈静化に必死である。


治安が悪化しているリオデジャネイロ
 国連の統計では、殺人事件発生率(人口10万人当たり)は日本の約90倍に達しているとされている。ブラジルの都市部では、窃盗、ひったくり、スリなどは当然のこと、殺人・強盗・強姦などの凶悪犯罪、拉致・誘拐は市街地で日中でも発生している。凶悪犯罪のほとんどは社会に蔓延している銃器が使用される。
6月下旬、五輪でビーチバレー会場となるコパカバーナ海岸では女性か10代とみられる切断された遺体が発見された。
 2015年、リオデジャネイロでは、殺人事件が1205件、1日平均3.3件、強盗事件は81740件、1日平均224件が発生し、状況は昨年よりも悪化しているという。
 6月19日には、五輪中の指定医療機関となる基幹病院を麻薬犯罪組織が襲撃。警察に拘束されて入院していた組織のリーダーを奪還した。警察部隊は組織の摘発に乗り出し、今月1日までに120人を拘束、5人を殺害。しかし、リーダーはまだ逃亡しており、各地で警察と組織との銃撃戦が続いているという。
6月30日には、五輪を取材するドイツの放送局2社の機材を運んでいたトラックが襲撃され、機材が入っていたコンテナが奪われたという。
トラックは五輪メイン会場があるバーラ地区に向かっていたが、2台の車に分乗した犯人グループが襲撃。運転手を人質に取ってトラックとコンテナを奪った。
 機材は計150万レアル(約4700万円)の価値があるという。容疑者は捕まっていない。
リオデジャネイロの治安の悪化はとどまることを知らず、リオデジャネイロ五輪開催にとって、最大の「頭痛の種」で「難題」となっている。

 在ブラジル日本大使館によれば、ブラジルでは銃器を使用した殺人や強盗等の凶悪犯罪が多発し、犯罪手口も凶悪化しているとしている。貧しい人々が住むファベーラ、貧民街が市内に約1000カ所も点在しており、違法薬物の売買や強盗などの犯罪の温床となっている。人通りの多い商業地区でも警察と強盗団の銃撃戦が昼夜問わず発生しており、流れ弾で多くの市民が死傷しており、観光地でも、観光客を狙った拳銃、ナイフ等を用いた強盗事件が多発しているとしている。
 強盗事件については、繁華街で歩行者を狙った路上等での強盗、自動車を狙った強盗、住宅での強盗が日常的に発生している。さらに、バス・鉄道・地下鉄などの公共交通機関での強盗事件も多発している。リオデジャネイロ市では2016年1月だけで、バス車内で462件の強盗事件が発生したとされている



路上強盗 出典 Youtube

 リオデジャネイロ市の2014年の人口10万人当たりの犯罪発生率を日本との比較すると、殺人が約25倍(2014年は23倍)、強盗は約660倍(20134は510倍)と極めて高水準で推移している。


出典 在リオデジャネイロ日本国総領事館 海外安全対策情報第1四半期

リオ観戦「常に警戒心を」 「歩きスマホ危険」、「バス内も危険」 外務省が「安全の手引き」

 7月23日、外務省はリオデジャネイロ五輪の日本人観戦客向けに「安全の手引き」を作った。現地は人口10万人あたりの強盗件数が日本の660倍と世界有数で、殺人件数も25倍。「常に警戒心を持たなければ、誰もが被害者になり得る」を注意喚起をした。。
 リオデジャネイロ市内発生する強盗の半数が路上強盗である。現地では換金性の高いスマートフォンを狙った事件が目立つといい、外務省の担当者は「歩きスマホ」は危険と話している
 リオ市内では格安の移動手段でもあるバス内での強盗も多発、今年4月だけでも490件の事件が起きており、「バスはリスクのある乗り物」として利用を控えるよう促している。
 強盗に遭遇した際のポイントは「要求された金品は素直に渡す」。強盗の目的は物取りで、金品を渡せば立ち去るケースが多いからとされている。
リオ五輪でテロ計画10人逮捕 ISに共鳴
 7月21日、ブラジルの連邦警察はリオデジャネイロ五輪でテロを計画していたとして、21日、ブラジル人10人を逮捕した。ジモラエス法相が同日、記者会見で発表した。 
過激派組織「イスラム国」(IS)に共鳴し、ブラジル国内でテロの準備を進めていたことが確認されたとされている。

 発表によると、10人は数カ月前から内偵捜査の対象となっており、1人は18歳未満の未成年。さらに2人を指名手配している。警察が盗聴していた仲間同士の電話の内容や対話アプリ「ワッツアップ」などのやり取りによると、逮捕された10人はISへの称賛を繰り返しており、パラグアイのインターネットサイトから自動小銃を買おうとしたり、格闘技や武器の操作の訓練をしたりしていた。だが、10人は連絡を取り合っていただけで、実際には面識はなかったという。
 ジモラエス氏は「すぐに逮捕に踏み切ったのは、ISへの称賛にとどまらず、実際にテロの準備が始まったからだ」としたが、「メンバーが直接、ISと連絡していた証拠は見つかっていない」と語った。
 10人は、インターネット上で知り合ったあと、スマートフォンなどでメッセージをやり取りできる複数のアプリで会話やメールでの連絡を繰り返し、この中で、過激派組織IS=イスラミックステートに忠誠を誓ったり、インターネットを通じて隣国のパラグアイで武器を購入する計画などを話し合ったりしていたという。
 モライス法相によりますと、ブラジルでオリンピックが開催され、多くの外国人が訪れることから計画されたとみられるということですが、五輪中に具体的にどこを標的にしようとしたかは不明で、計画は初期段階だったとされている。
 フランス南部のニースで起きたテロ事件を受けて、リオデジャネイロオリンピックの開幕を来月5日に控えたブラジル政府は、大会期間中の警備態勢の強化に乗り出していた。テメル大統領代行は7月15日、軍や警察、それに安全保障を担当する機関の担当者らを集め、8月5日に迫ったリオデジャネイロオリンピックの警備態勢について検討する緊急の会合を開き、8万5000人の兵士や警察官などを配置するとしていた。
 ブラジルでは、2016年3月、テロの準備段階でも関係者を拘束できるとする法律が施行され、今回この法律を初めて適用したとされている。

(出典 7月22日 朝日新聞 NHKニュース)

 ブラジル史上始まって以来の汚職事件、破産寸前のブラジル経済、ジカ熱、水質汚染問題、治安問題、そして急浮上したドーピング問題、解決策のメドを見出せないまま、間もなく南米で初のリオデジャネイロ五輪が開幕する。
 リオデジャネイロ五輪観戦も“命がけ”になりそうである。身の回りを守ること精一杯で、五輪競技をのんびり楽しむ雰囲気ではなさそうだ。オリンピックとは、一体なんだったろうか、2020東京オリンピック・パラリンピックまで、あと4年に迫っている。






北朝鮮五輪参加で2020東京オリンピックは“混迷”必至
東京オリンピック 競技場最新情報 膨張する開催経費 どこへいった競技開催理念 “世界一コンパククトな大会”
“もったいない” 五輪開催費用「3兆円」 小池都知事の“五輪行革に暗雲
四者協議 世界に“恥”をかいた東京五輪“ガバナンス”の欠如
開催経費1兆8000億円で合意

主導権争い激化 2020年東京オリンピック・パラリンピック 小池都知事 森組織委会長 バッハIOC会長
“迷走”海の森水上競技場 負の遺産シンボル
“陸の孤島” 東京五輪施設 “頓挫”する交通インフラ整備 臨海副都心
東京オリンピック レガシー(未来への遺産) 次世代に何を残すのか
“選手村は一つ”、“選手村はオリンピックの魂” の矛盾 どこへ行った五輪改革
唖然とする“五輪専門家”の無責任な発言 膨れ上がった施設整備費
アクアティクスセンターは規模縮小で建設を検討か? 国際水泳連盟・小池都知事会談
東京オリンピック 海の森水上競技場 Time Line Media Close-up Report
相次いだ撤退 迷走!2024年夏季五輪開催都市




国際メディアサービスシステム研究所 International Media Service System Research Institute(IMSSR)






2016年7月26日
Copyright (C) 2016 IMSSR

******************************************************
廣谷  徹
Toru Hiroya
国際メディアサービスシステム研究所
代表
International Media Service System Research Institute
(IMSSR)
President
E-mail thiroya@r03.itscom.net  /  imssr@a09.itscom.net
URL http://blog.goo.ne.jp/imssr_media_2015
******************************************************

コメント

ブラジル政治混乱 政治腐敗 汚職 ルセフ大統領失職か ペトロブラス ラバジャト事件 リオデジャネイロ五輪 

2016年07月23日 08時19分12秒 | リオデジャネイロ五輪
混乱極める五輪開催都市リオデジャネイロ、そして東京

リオ五輪でテロ計画10人逮捕 ISに共鳴
 7月21日、ブラジルの連邦警察はリオデジャネイロ五輪でテロを計画していたとして、21日、ブラジル人10人を逮捕した。ジモラエス法相が同日、記者会見で発表した。 
過激派組織「イスラム国」(IS)に共鳴し、ブラジル国内でテロの準備を進めていたことが確認されたとされている。
 発表によると、10人は数カ月前から内偵捜査の対象となっており、1人は18歳未満の未成年。さらに2人を指名手配している。警察が盗聴していた仲間同士の電話の内容や対話アプリ「ワッツアップ」などのやり取りによると、逮捕された10人はISへの称賛を繰り返しており、パラグアイのインターネットサイトから自動小銃を買おうとしたり、格闘技や武器の操作の訓練をしたりしていた。だが、10人は連絡を取り合っていただけで、実際には面識はなかったという。
 ジモラエス氏は「すぐに逮捕に踏み切ったのは、ISへの称賛にとどまらず、実際にテロの準備が始まったからだ」としたが、「メンバーが直接、ISと連絡していた証拠は見つかっていない」と語った。
 10人は、インターネット上で知り合ったあと、スマートフォンなどでメッセージをやり取りできる複数のアプリで会話やメールでの連絡を繰り返し、この中で、過激派組織IS=イスラミックステートに忠誠を誓ったり、インターネットを通じて隣国のパラグアイで武器を購入する計画などを話し合ったりしていたという。
 モライス法相によりますと、ブラジルでオリンピックが開催され、多くの外国人が訪れることから計画されたとみられるということですが、五輪中に具体的にどこを標的にしようとしたかは不明で、計画は初期段階だったとされている。
 フランス南部のニースで起きたテロ事件を受けて、リオデジャネイロオリンピックの開幕を来月5日に控えたブラジル政府は、大会期間中の警備態勢の強化に乗り出していた。テメル大統領代行は7月15日、軍や警察、それに安全保障を担当する機関の担当者らを集め、8月5日に迫ったリオデジャネイロオリンピックの警備態勢について検討する緊急の会合を開き、8万5000人の兵士や警察官などを配置するとしていた。
 ブラジルでは、2016年3月、テロの準備段階でも関係者を拘束できるとする法律が施行され、今回この法律を初めて適用したとされている。
(出典 7月22日 朝日新聞 NHKニュース)


聖火リレー、ブラジル全土を快走中
 初めて南米で開催されるリオデジャネイロ五輪まであと1か月余りになった。
 オリンピックは8月5日(金)から8月21日(日) の17日間、パラリンピックは9月7日から9月18日の12日間、ブラジル・リオデジャネイロで開催される。
 オリンピックには206の国と地域から約1万500人が参加予定で、開催される競技数は、ゴルフと7人制ラグビーが新たに加わり、28競技、306種目となった。



聖火をブラジル国内の第一走者に手渡すルセフ大統領(出典 Rio2016)


砂丘の上でトーチを掲げる国立公園のガイドの聖火ランナー レンソイス・マラニャンセス国立公園は砂丘とラグーンの“パラダイス”と呼ばれている(出典 Rio2016)

 2016年4月21日、リオデジャネイロ五輪の聖火の採火式が、オリンピック発祥の地、ギリシャの神殿跡で行われ、3か月余りにわたる聖火リレーが始まった。
 聖火はブラジルに運ばれ、5月3日に首都ブラジリアを出発し、全国300以上の自治体を回り、開幕前日の8月4日にリオデジャネイロ入りする予定である。

 採火式には当初、ブラジルのルセフ大統領が出席を予定していたが、政府会計の不正操作疑惑を巡って同氏の弾劾手続きが進んでいることなどから、取りやめとなった。
 採火式の直前、4月17日、ブラジルの連邦下院議会はルセフ大統領に対する弾劾決議を可決し、ルセフ氏は窮地に立たされたのである。
 ブラジルの政治状況はさらに混迷を深め、五輪開催ムードは消し飛んでいる。

国営石油会社ペトロブラス汚職事件、「ラバジャト事件」
 ブラジル政治史上最大の汚職スキャンダル事件にブラジルは、今、揺さぶられている。
疑惑の舞台となっているのは国営石油会社ペトロブラス(Petrobras)、ブラジルきっての巨大企業は取引先に賄賂を要求、その一部が不正な政治献金の形で多数の与党有力政治家に回っていたことが明るみに出されたのである。
「ラバジャト事件」と呼ばれるペトロブラス汚職事件に火が付いたのは、米テキサス州の油田地帯にあるパサデナ精油所の買収問題だった。
 ペトロブラスは老朽化し、多額の負債を抱え込んだこの精油所を総額11億8千万ドル(約1300億円)という唖然とする買収額で買い取った。この製油所の市場価値はせいぜい5千万ドル(約60億円)と見られており、なぜこのように巨額の資金が支払われることになったのかが問題視されていた。
 その後、ブラジルの有力紙が、2006年に開かれた審議会で当時のジウマ大統領が買収に賛成票を投じたことを記した議事録を入手、当時の政権の閣僚や大統領の側近も加わっていたと報じたことで一気に疑惑に火がついた。政治家への賄賂の資金にしたのではという疑惑が浮上した。
 当初はこの精油所の問題だけだと思われたがそれだけではなかった。
 ペトロブラスに関連した事業のほとんどが汚職の材料になっていたのではないかという疑惑に波及した。
2015年3月、ブラジルのジャノ検事総長は、ペトロブラス汚職事件に関与した疑いがある54人に対する捜査開始許可を連邦最高裁に申請した。
 そして連邦最高裁が捜査対象にした全34人の現職国会議員らの実名を公表した。ルセフ政権の前官房長官であるホフマン氏や上下両院の議長など大半がルセフ政権の有力政治家で、野党の有力国会議員も含まれていた。
 ペトロブラスは10年間にわたり建設会社や電気工事会社など取引先と水増し契約を繰り返して裏金をつくり、贈賄額は約21億レアル(約800億円)規模に上ると伝えられている。契約額の1%から5%相当が政治家に不正献金として渡っていた可能性が指摘されている。
国内産業の振興と育成という政策の裏で、ブラジルで政界を巻き込む賄賂が横行していた構図が表面化してきた。
 ペトロブラスの汚職事件は、ブラジル政治史上最大の汚職スキャンダル事件に発展し、ただでさえ資源価格暴落やレアル下落で低成長・高インフレに苦しむ同国経済に追い打ちをかけている。“崩壊”寸前のブラジル経済の先行きは展望がなくなってきた。



ペトロブラス企業組織図(出典 ペトロブラス・ホームページ)

ルセフ大統領 最長180日間停職
 5月12日、国家会計の違法な粉飾が疑われたルセフ大統領に対して、上院は弾劾裁判開始を可決し、裁判の開始とルセフ氏の最長180日間の停職が決まった。テメル副大統領が大統領代行を務める。 今後、最高裁長官が裁判長となり、ルセフ氏を被告として裁判形式で弾劾の審理が進められ、上院議員の3分の2以上の賛成があればルセフ氏は失職する。「大統領不在」の中で8月のリオデジャネイロ五輪を迎えるという異常事態が現実味を帯びてきた。
 ルセフ氏は「私は逮捕もされていないし、罪を犯した証拠もない」と潔白を主張し、大統領代行のテメル氏を「陰謀をたくらむリーダー」と批判し、あらゆる法的手段を講じて徹底抗戦をするとしている。
しかしブラジル国民のルセフ氏に対する見方は極めて厳しい。
 3月には南米ブラジル各地で、大規模汚職や経済低迷に抗議するデモが行われ、参加者らはルセフ大統領の弾劾を求めた。 デモは最大都市サンパウロだけで約140万人が参加したほか、首都ブラジリアや、8月に五輪が開催されるリオデジャネイロなどを含め、全国で360万人以上にも達したと伝えられている。世論調査によるとルセフ大統領の弾劾を支持する人が68%に上り、“四面楚歌”である。
 6月6日、上院の特別委員会は弾劾裁判の審理日程を決定し、8月5日に開幕するリオデジャネイロ五輪の期間中に最終的な結論を下す見通しとなった。
 ブラジル国民にとって五輪ムードに浸れる状況ではなくなってしまった。


舛添知事辞任で東京オリンピックは?
 政治資金の公私混同疑惑などが問題となっていた舛添東京都知事は6月15日辞任を表明した。舛添氏は「リオデジャネイロ五輪に出席したい」と懇願し、五輪旗の引き渡し式への参加に最後までこだわっていた。これを受けてフランスのメディアは、「新国立競技場、五輪エンブレムでスキャンダルだらけの東京オリンピックのまた新たな“恥”となった」と酷評している。
 2020年東京五輪・パラリンピックの仮設会場の整備費や既存施設の改修費が、招致段階の試算の723億円から約4倍の3000億円近くに膨らむ見通しであることが報じられた。実態と懸け離れた招致計画の杜撰さのツケが回ってきている。
 さらに追加種目として野球・ソフトボール、空手、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンの5競技18種目が承認される可能性が強まっている。競技場や周辺施設の整備に巨額の追加経費が必須となる。
五輪開催に伴う東京都の負担はさらに膨らむだろう。東京都は耐えきれるのだろうか?


(月刊ニューメディア 2016年8月号 TokyoOlyPara NewsCenter 加筆)



リオデジャネイロ五輪 波乱の幕開け 競技場の全貌
ロシア・ドーピング問題 タイムライン 最新情報
VR(Virtual Reality) Super Hi-Vision 次世代映像サービスに挑戦 リオデジャネイロ五輪
NHK 8Kスーパーハイビジョン試験放送開始 リオデジャネイロ五輪 8K番組表 パブリックビューイング
リオデジャネイロ五輪 インターネット配信はオリンピックの“救世主”になるのか?
地獄へようこそ 治安の悪さ 世界的に突出 リオデジャネイロ
リオデジャネイロ五輪開会式はこうなる





北朝鮮五輪参加で2020東京オリンピックは“混迷”必至
東京オリンピック 競技場最新情報 膨張する開催経費 どこへいった競技開催理念 “世界一コンパククトな大会”
“もったいない” 五輪開催費用「3兆円」 小池都知事の“五輪行革に暗雲
四者協議 世界に“恥”をかいた東京五輪“ガバナンス”の欠如
開催経費1兆8000億円で合意

主導権争い激化 2020年東京オリンピック・パラリンピック 小池都知事 森組織委会長 バッハIOC会長
“迷走”海の森水上競技場 負の遺産シンボル
“陸の孤島” 東京五輪施設 “頓挫”する交通インフラ整備 臨海副都心
東京オリンピック レガシー(未来への遺産) 次世代に何を残すのか
“選手村は一つ”、“選手村はオリンピックの魂” の矛盾 どこへ行った五輪改革
唖然とする“五輪専門家”の無責任な発言 膨れ上がった施設整備費
アクアティクスセンターは規模縮小で建設を検討か? 国際水泳連盟・小池都知事会談
東京オリンピック 海の森水上競技場 Time Line Media Close-up Report
相次いだ撤退 迷走!2024年夏季五輪開催都市




国際メディアサービスシステム研究所 International Media Service System Research Institute(IMSSR)




2016年7月22日
Copyright (C) 2016 IMSSR




******************************************************
廣谷  徹
Toru Hiroya
国際メディアサービスシステム研究所
代表
International Media Service System Research Institute
(IMSSR)
President
E-mail thiroya@r03.itscom.net  /  imssr@a09.itscom.net
URL http://blog.goo.ne.jp/imssr_media_2015
******************************************************
コメント