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Johnson & Johnson 臨床試験を7月後半開始に前倒し Moderna 第三相臨床試験準備完了

2020年07月28日 09時41分02秒 | 新型コロナウイルス



Johnson & Johnson 臨床試験を7月後半開始に前倒し Modernaは準備完了
 
 6月10日、Johnson & Johnson社は、ワクチン開発を加速させ、当初9月に開始を予定していた第1/2相臨床試験を7月後半に前倒しして開始することを明らかにした。
 同社は、先月3月、米国政府と契約を結び、2021年までにワクチンを10億回分以上を生産する製造能力を整備するとしている。
 「これまでの試験データは良好で、規制当局と協力して、ワクチン開発をさらに加速することができた」と述べた。
 臨床試験は、米国とベルギーで行われ、18歳から55歳までの1,045人の健康なボランティアと65歳以上のボランティアを対象に、ワクチンの安全性と有効性をテストする。
 米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)では、ワクチンの早期開発を目指して、コロナウイルスワクチン候補を有望な少数の候補に絞り、最大15万人の被験者を登録して効果を確かめる最終段階の第3相大規模臨床試験を実施することを計画している。
 臨床試験の候補に選ばれるためには、夏の終わりまでに前期安全性試験(第1/2相臨床試験)を完了する必要があるという。
 Johnson & Johnson社は、2021年の第1四半期には臨床試験を終えて、大規模試験に加わり、ワクチン実用化を加速したいとしている。
 しかし、その可能性について、同社は、どれだけの新型コロナウイルスが社会に循環しているかに依存するとしている。
 「発生率が年に1%か4%では、ワクチン開発の環境はまったく異なる。(発生率が下げると治験対象者の確保が困難になるため)臨床試験の結果が早期に得られるかどうかは発生率に左右されので、計画が通りに十分な臨床試験結果が得られるかどうかは極めて予測不可能だ」と述べた。

 一方、6月11日、モデルナ(Moderna)社は、7月に開始する最終段階の第3相臨床試験に向けて、治験者に接種するmRNA-1273の準備を終えたと発表した。
 治験者に接種するのは100マイクログラムの容量のワクチンとした。用量を100マイクログラムとしたことについて、免疫効果の最大化と副作用の最小化にする最適な水準と説明。治験者は1年間追跡する。
 同社では2021年からは最大10億回接種できるワクチンの生産が可能になるとし、製造についてはスイスの製薬会社ロンザ・グループと提携した。
 この臨床試験は、米アレルギー感染症研究所(NIAID)と共同で実施、30,000人の治験者を対象として行い、ワクチン候補がCOVID-19の発症を防ぐ効果があるかどうかを最終的に確かめる第3相試験である。
 ニューヨーク株式市場では、取引開始直後、モデナ株は3.2%上昇して61.98米ドルになり、年初から約3倍に値上がりした。


新型コロナウイルス 治療薬・ワクチン 開発最前線 ~レムデシベル アビガン モデルナ オックスフォード大学/アストラ・ゼネカ Johnson & Johnson臨床試験 勝者は誰が?~

ワクチンの種類 遺伝子ワクチン ウイルス・ベクター・ワクチン プロテイン・ベース・ワクチン 不活性化ワクチン

「ワープ・スピード作戦」 トランプ政権の賭け ワクチン開発でコロナ禍克服

BARDA   NIH(米国立衛生研究所) NIAID(米国立アレルギー・感染症研究所) CDC(アメリカ疾病予防管理センター)




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2020年6月11日
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レムデシビル 1人25万円 ギリアド社が価格公表

2020年07月27日 09時16分00秒 | 新型コロナウイルス


レムデシビル1人25万円 ギリアド社が価格公表
 6月29日、米ギリアド・サイエンシズ(Gilead Sciences)は「レムデシビル」について、公的保険を持つ先進国政府向けの価格を患者1人あたり2340ドル(約25万円)に設定すると発表した。
 1本当たりの薬価は390ドルで、標準的な治療では5日間で6本投与されるので合計2340ドルとなる。米国の民間保険の加入者向けは、約3割高い1本520ドルになる。 実際の患者の負担額は、保険の内容により異なる。新興国向けには後発薬メーカーに製造委託し、より低価格で供給する方針としている。
 ギリアド社はこれまで各国政府に無償提供してきたが、商用生産に向けた体制が整ったとして米国では7月から有償販売に切り替える方針を表明し、薬価設定が注目されていた。
 同社のダニエル・オデイ最高経営責任者(CEO)は価格を一律に設定した理由を「各国との個別交渉の必要性を省くことでより迅速にこの薬を提供するため」と説明した。
 レムデシビルはこれまでの研究で、新型コロナ患者の入院日数を平均4日ほど短縮する効果が確認されている。 Gilead社では、米国内の場合、患者1人あたり約12,000ドル(約128万円)の節約になる。 医療システムへの節約額だけを考慮しても、remdesivirが提供する潜在的な価値がわかるとしている。
 米薬価監視団体は6月、レムデシビルを使った治療で妥当なコスト水準を5000ドル程度と見積もっており、米国では今回の価格設定は比較的割安と評価されている。
 Reuters(6月30日)は、「レムデシビル価格、控えめにしたギリアドの賢明な判断」と伝えた。
(An Open Letter from Daniel O’Day, Chairman & CEO, Gilead Sciences 6月30日ほか)



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ワクチンの種類 遺伝子ワクチン ウイルス・ベクター・ワクチン プロテイン・ベース・ワクチン 不活性化ワクチン

レムデシビル 投与期間 5日間と10日間で大差なし 効果は限定的か

米FDA、「レムデシビル」のコロナ向け緊急使用を承認

レムデシビル 薬事承認 厚労省

レムデシビル、米国では当初患者に十分行き渡らない見通し 患者への投与開始

レムデシビル、コロナ治療に「明確」な効果 米発表




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2020年6月29日
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PfizerとBioNTechのワクチン、BNT162b1とBNT162b2 米FDA ファストトラックに指定

2020年07月23日 12時57分35秒 | 新型コロナウイルス



米FDA PfizerとBioNTechのワクチン、BNT162b1とBNT162b2 ファストトラックに指定
 7月13日、独BioNTech社と米ファイザー社は、両社が共同で開発している2つのワクチン候補が、米FDAから「ファストトラック」(fast track)の指定を受けたと発表した。
 2つのワクチン候補はBNT162b1とBNT162b2で、両社が米国とドイツで行っている臨床試験を実施している4つのワクチン候補の中で最も開発が進んで2つである。
 7月1日、BNT162b1については、第一相臨床試験の初期段階で良好なデータが得られたと発表している。ドイツでの治験の初期結果は7月中に発表し、今月末までに最大30,000人の治験者を対象に第三相臨床試験を開始するとしている。
 ワクチン開発が成功し、ワクチン候補がFDAの承認を受けた場合、両社は今年末までに1億回、2021年末までに最大12億回以上の投与を目指すとしている。
 FDAのファーストトラックは、現状では提供されていない新たな医療ニーズに対処する可能性を示す新薬やワクチンの審査を迅速化するために付与されるステータスである。
 ニューヨーク株式市場では、ファイザーの株価は約2%上昇し、米国に上場するBioNTechの株価は取引開始前に約6%暴騰した。

 また米政府高官は13日、米政府と協力して新型コロナウイルスのワクチン開発を進める製薬会社について、今夏の終わり頃までには本格的に製造を開始できる状態になるとの見方を示した。 同高官は匿名を条件に、恐らく4─6週間以内に製造を開始できると明らかにし、夏の終わり頃までには量産に向けて本格的な製造が始まるとの見通しを示した。(Reuters 7月13日)

米Pfizerと独BioNTechのワクチン、治験で良好な結果
 7月1日、米製薬大手Pfizerと独バイオ医薬品企業BioNTechは、共同開発しているワクチン候補、「BNT162b1」について、第一相臨床試験の初期段階で、良好なデータが得られたと発表した。
 両社は4種類のワクチン候補のうち、開発が先行している1候補について、暫定的な治験データを公表した。
 臨床試験は、健康な大人45人治験者として接種回数と投与量別に分けて実施。異なる投与量で2回接種を受けたグループが、実際に新型コロナに感染した人に通常見られる水準を超える高水準の抗体生成を確認した。また重大な副作用は見られず、発熱や注射した部位の痛みなどの副作用が表れたものの、おおむね軽度から中程度だったという。データは現在、専門家による査読審査を受けているという。
 今後、両社は少なくとも4種類のワクチン候補を、投与量を変えて評価し、最も有望な組み合わせを選び、早ければ今月中にも最大3万人の協力を得て第2相臨床試験を実施する可能性を示唆した。
 成功すれば、年内に最大1億回分、2021年末までに12億回分を超える生産を想定している。
 BioNTecが上海復星医薬と提携している中国を除き、世界で両社が共同で供給する計画という。

 7月1日の米株式市場ではS&P500種株価指数が3日続伸。ナスダック総合指数は史上最高値を更新した。新型コロナウイルスのワクチン開発で前向きな話が伝わったことや、米製造業指標が市場予想を上回ったことが好感されたとされる。

米ファイザー ワクチン臨床試験開始 9月承認目指す
 5月5日、世界最大の製薬企業、米ファイザー社(Pfizer)とドイツの製薬会社BioNTechは、新型コロナウイルスのワクチンの治験を、5月4日に開始したと発表した。ニューヨーク・タイムズ紙電子版は、治験の結果で効用が確認された場合には、ワクチンは、最短で9月に緊急使用を開始する可能性があるとしている。
 このワクチンは、メッセンジャーRNA(mRNA)遺伝子を利用したワクチンで、特別に設計されたメッセンジャーRNAを体内に注入することにより、ヒトを新型コロナウイルスに疑似的に感染させ、免疫システムにウイルスを攻撃する手法を学習・記憶させる(「免疫記憶」)。実際の新型コロナウイルスに遭遇した時には、これを撃退する方法を免疫システムの記憶を呼び戻し、素早く対応することが可能になる。
 製造については、最新の遺伝子工学を導入することで、ウイルス株を弱体化させて製造する従来のワクチンよりも、はるかに安定して、素早く、大量生産が可能だ。
 5月4日に始まった第1相臨床試験では360人の健康なボランティアを対象に実施し、第2臨床試験の終わりまでに8,000人のボランティアを追加する予定である。この臨床試験は、ニューヨーク大学医学部、メリーランド大学医学部、ロチェスター大学メディカルセンターなどで実施される。
 参加者はグループに分けられ、4種類のバリエーションのワクチンを使用して、その効果を比較する。それぞれのワクチンは、異なったタイプのメッセンジャーRNAを使用するとしている。治験を担当する医師団は、参加者の抗体レベル、肝酵素、副作用の指標など注意深く監視するとしている。複数の候補を並行して臨床試験を行う手法で、緊急使用の承認申請するために十分なエビデンスを収集するのにかかる時間を短縮することが可能になる。
 これに先立って、ファイザー社とBioNTechは、ドイツでボランティアにBNT162と呼ばれるワクチン候補を接種した。この治験は12人の健康な成人を対象としたが、最終的に200人の治験者に拡大するとしている。
 ニューヨーク大学医学部.の感染症専門医であるマーク・マリガン博士は、「ワクチンは健康な人に接種するので、健康を維持するために非常に安全でなければならない」と述べた。
 承認が得られれば、ファイザーとBioNTechは、初回として数百万回分を、年末までに配布するとしている。



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米Pfizerと独BioNTechのワクチン、治験で良好な結果 9月に最終段階の臨床試験
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ステロイド薬 デキサメタゾン コロナ重篤患者の生存率向上、英国で使用開始へ

2020年07月21日 07時27分49秒 | 新型コロナウイルス



ステロイド薬でコロナ重篤患者の生存率向上、英国で使用開始へ  
 新型コロナウイルス感染症の重篤患者の3分の1が、ステロイド薬「デキサメタゾン」の投与により一命を取り留めたとの治験結果が6月16日、発表された。同感染症との闘いにおいて「大きな突破口」となる可能性があると、期待が高まっている。これを受けて英政府はきょうから投与を開始することを明らかにした。
 英オックスフォード大学のチームが率いる研究者らは、デキサメタゾンを重篤患者2000人超に投与。
 暫定結果によると、人工呼吸器がなければ呼吸できなかった患者らの致死率は、同薬の投与により35%低下。また酸素吸入を受けていた患者では、致死率は20%低下したという。
 研究チームによると、同薬を毎日服用することで、人工呼吸器使用患者の8人に1人、酸素吸入のみの患者の25人に1人が命を取り留める可能性があるという。(AFP 6月16日)
 英保健当局者によると、デキサメタゾンは1960年代から使用されている抗炎症薬で、ジェネリック(後発薬)として数十年の実績があり、1回の治療にかかる価格は5ポンド(約670円)程度だという。
 テドロス事務局長は「酸素吸入や人工呼吸器を必要とする新型コロナ感染症患者の死亡率を下げることが示された最初の治療法だ」と称賛して、研究チームから報告を受けており、数日内に完全なデータ分析が得られるとの見通しを示した。WHOは今後、複数の研究を統合した上で統合的に分析するメタアナリシス(医療 において、最も質の高い根拠)をまとめるとした。
 一方、韓国疾病予防管理局(KCDC)の鄭銀敬(チョン・ウンギョン)局長は、新型コロナウイルス感染症患者に使用することに注意を呼び掛け、 同薬は患者の炎症反応を減らすだけでなく、免疫システムも損ない、副作用をもたらす可能性があると警告した。
 米国の医療従事者も、デキサメタゾンについて、期待を抱きながらも懐疑的な見方を表明。新型コロナの有力な研究結果が最近撤回されたことに言及し、データを見て確認したいとしている。 (Reuters 6月17日)



新型コロナウイルス 治療薬・ワクチン 開発最前線 ~レムデシベル アビガン モデルナ オックスフォード大学/アストラ・ゼネカ Johnson & Johnson臨床試験 勝者は誰が?~

ワクチンの種類 遺伝子ワクチン ウイルス・ベクター・ワクチン プロテイン・ベース・ワクチン 不活性化ワクチン

米FDA、抗マラリア薬の許可撤回 コロナ治療効果認められず





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2020年6月16日
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ワープ・スピード作戦 BARDA NIH NIAID トランプ政権 

2020年07月20日 16時03分20秒 | 新型コロナウイルス



米ワクチン開発の名は「ワープ・スピード作戦」…トランプ氏、年内実用化目指す
 5月17日、トランプ米大統領は記者会見で、新型コロナウイルスのワクチン開発を加速させ、年内の実用化を目指す考えを表明した。「(第2次世界大戦中に原爆を開発した)マンハッタン計画以来の大規模な試みだ」と語り、政府と民間の力を結集して対応するとその意気込みを強調した。
 トランプ氏は、「できるだけ早く開発、製造し、供給したい。できれば年内に実現したい」と述べ、「ワープ・スピード作戦」(Operation Warp Speed 超高速作戦)と名付けたワクチン開発計画を開始すると発表した、開発計画には国立衛生研究所(NIH)や国防総省、製薬会社などを参画させ、総額100億ドル(約1兆700億円)規模の関連予算を確保したという。
 計画では、対象のワクチン候補を少数の有望に絞り込んで、集中的に開発を進め、政府の認可手続きも迅速化する。また、通常は薬事承認後となる製造ラインの整備を開発段階から行い、供給までの時間短縮を図る。今年の年末までにワクチンを接種する「可能性を最大化」するとしている。
 「ワープ・スピード作戦」は、第2次大戦時の原子爆弾開発プロジェクト「マンハッタン計画」になぞらえて名付けられた。まさに米国の威信をかけて官民を総動員する国家プロジェクトになった。
 その背景には、新型コロナウイルスのワクチン開発を巡って、急ピッチで大規模な開発を進める中国の製薬企業の大攻勢がある。反中国の姿勢を強めるトランプ政権はワクチンの開発で中国に後れをとるわけにはいかないだろう。
 トランプ政権は、すでに米生物医学先端研究開発局(BARDA)を通して、開発中の4つのワクチンに20億ドル以上の開発資金を投入すると発表している。対象はOxford University/Astra Zeneca(最大12億ドル)、Moderna Inc(4億8600万ドル)、Johnson&Johnson(4億5600万ドル)、Novavax(16億ドル)の4つのワクチン開発グループである。
 これとは別に、BARDA はMerck&CoとSanofiに対しても、ワクチン開発資金として、それぞれ3,000万ドル以上を提供する。
 また、「ワープ・スピード作戦」の一環として、ワクチン開発を支援するために、NIH(米国立衛生研究所)が主導して、Moderna/NIAID、Oxford/ Astra Zeneca 、Johnson & Johnson が開発する3つのワクチン候補の大規模な第3相臨床試験を7月26日頃に開始に実施すると発表している。
 大規模臨床試験に参加するワクチン候補は、第1/2相臨床試験で安全性が確認されていることが条件である。
 この大規模臨床試験は承認に向けての最終段階の治験で、約3万人規模の治験者を対象にした3つの臨床試験が30州と首都ワシントンの全米87カ所にテストサイトを設置して行われる。うち半数程度は感染者が多いテキサス、カリフォルニア、フロリダなどで行われる。総合計10~15万人の被験者を募る大規模な臨床試験である。
 複数の専門家によると、上記のワクチンメーカーは、お互いに治験データを共有し、自社開発が失敗した場合は治験ネットワークの利用を他社に認めることなどで合意しているという。
 7月15日、NIAID(米国立アレルギー感染症研究所)のファウチ所長は、国は年末までに新型コロナウイルスワクチンを開発する目標を達成できると自信を示し、中国に先を越される可能性があるとの観測には動じない姿勢を示した。
 トランプ政権は、「ワープ・スピード作戦」でワクチンの開発を成功させることで、歯止めのかからない感染拡大を阻止しようする戦略である。米国がコロナ禍を克服することができるかどうか、まさにワクチン開発の成否にかかっている。



新型コロナウイルス 治療薬・ワクチン 開発最前線 ~レムデシベル アビガン モデルナ オックスフォード大学/アストラ・ゼネカ Johnson & Johnson臨床試験 勝者は誰が?~

ワクチンの種類 遺伝子ワクチン ウイルス・ベクター・ワクチン プロテイン・ベース・ワクチン 不活性化ワクチン

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Pfizer BioNTech BNT162b1 治験で良好な結果

2020年07月17日 12時30分48秒 | 新型コロナウイルス



米Pfizerと独BioNTechのワクチン、治験で良好な結果
 7月1日、米製薬大手Pfizerと独バイオ医薬品企業BioNTechは、共同開発しているワクチン候補、「BNT162b1」について、第一相臨床試験の初期段階で、良好なデータが得られたと発表した。
 両社は4種類のワクチン候補のうち、開発が先行している1候補について、暫定的な治験データを公表した。
 臨床試験は、健康な大人45人治験者として接種回数と投与量別に分けて実施。異なる投与量で2回接種を受けたグループが、実際に新型コロナに感染した人に通常見られる水準を超える高水準の抗体生成を確認した。また重大な副作用は見られず、発熱や注射した部位の痛みなどの副作用が表れたものの、おおむね軽度から中程度だったという。データは現在、専門家による査読審査を受けているという。
 今後、両社は少なくとも4種類のワクチン候補を、投与量を変えて評価し、最も有望な組み合わせを選び、早ければ今月中にも最大3万人の協力を得て第2相臨床試験を実施する可能性を示唆した。
 成功すれば、年内に最大1億回分、2021年末までに12億回分を超える生産を想定している。
 BioNTecが上海復星医薬と提携している中国を除き、世界で両社が共同で供給する計画という。

 7月1日の米株式市場ではS&P500種株価指数が3日続伸。ナスダック総合指数は史上最高値を更新した。新型コロナウイルスのワクチン開発で前向きな話が伝わったことや、米製造業指標が市場予想を上回ったことが好感されたとされる。

米ファイザー ワクチン臨床試験開始 9月承認目指す
 5月5日、世界最大の製薬企業、米ファイザー社(Pfizer)とドイツの製薬会社BioNTechは、新型コロナウイルスのワクチンの治験を、5月4日に開始したと発表した。ニューヨーク・タイムズ紙電子版は、治験の結果で効用が確認された場合には、ワクチンは、最短で9月に緊急使用を開始する可能性があるとしている。
 このワクチンは、メッセンジャーRNA(mRNA)遺伝子を利用したワクチンで、特別に設計されたメッセンジャーRNAを体内に注入することにより、ヒトを新型コロナウイルスに疑似的に感染させ、免疫システムにウイルスを攻撃する手法を学習・記憶させる(「免疫記憶」)。実際の新型コロナウイルスに遭遇した時には、これを撃退する方法を免疫システムの記憶を呼び戻し、素早く対応することが可能になる。
 製造については、最新の遺伝子工学を導入することで、ウイルス株を弱体化させて製造する従来のワクチンよりも、はるかに安定して、素早く、大量生産が可能だ。
 5月4日に始まった第1相臨床試験では360人の健康なボランティアを対象に実施し、第2臨床試験の終わりまでに8,000人のボランティアを追加する予定である。この臨床試験は、ニューヨーク大学医学部、メリーランド大学医学部、ロチェスター大学メディカルセンターなどで実施される。
 参加者はグループに分けられ、4種類のバリエーションのワクチンを使用して、その効果を比較する。それぞれのワクチンは、異なったタイプのメッセンジャーRNAを使用するとしている。治験を担当する医師団は、参加者の抗体レベル、肝酵素、副作用の指標など注意深く監視するとしている。複数の候補を並行して臨床試験を行う手法で、緊急使用の承認申請するために十分なエビデンスを収集するのにかかる時間を短縮することが可能になる。
 これに先立って、ファイザー社とBioNTechは、ドイツでボランティアにBNT162と呼ばれるワクチン候補を接種した。この治験は12人の健康な成人を対象としたが、最終的に200人の治験者に拡大するとしている。
 ニューヨーク大学医学部.の感染症専門医であるマーク・マリガン博士は、「ワクチンは健康な人に接種するので、健康を維持するために非常に安全でなければならない」と述べた。
 承認が得られれば、ファイザーとBioNTechは、初回として数百万回分を、年末までに配布するとしている。



新型コロナウイルス 治療薬・ワクチン 開発最前線 ~レムデシベル アビガン モデルナ オックスフォード大学/アストラ・ゼネカ Johnson & Johnson臨床試験 勝者は誰が?~

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オックスフォード大学 アストラゼネカ AstraZeneca 臨床試験を開始 5000人にボランティアが対象

2020年07月16日 10時52分32秒 | 新型コロナウイルス


オックスフォード大学 臨床試験を開始 5000人にボランティアが対象
 4月22日、英国保健省のマット・ハンコック大臣は、COVID-19ワクチンがオックスフォード大学の科学者とロンドンのインペリアル・カレッジの2つのチームによって臨床試験を開始すると発表した。
 この内、オックスフォード大学チームは、今週にヒトを対象としたワクチンの治験を開始する。治験に必要なワクチンの生産はすでに完了しているという。

 ハンコック氏は記者会見で、「この2つのプロジェクトは、いずれも有望で、どちらも急速に開発が進んでいて、私は開発を牽引している科学者に、全力を上げてサポートすると伝えた」と述べ、両方のプロジェクトに約1億3100万ポンド(約170億円)の資金を投入することを明らかにした。 

 また「通常のワクチンの開発は、この段階に達するには1年間以上の期間が必要だ。短期間でこの段階に入れたことを誇りに思う」と述べ、「同時に、我々は世界のどの国より多くの資金をワクチン開発に投入する計画で、ワクチンが安全性が確認できれば、可能な限り素早く、英国のすべての人々が利用できるようにしたい」とした。
 ハンコック氏は、まだ「科学的な不確性」があると認めたが、英国は「ワクチン開発で得たすべてのもの」を提供すると述べた。
 しかし、政府の開発担当者は、「楽観視するのは禁物、開発には18カ月は必要だろう」と述べた。

 4月23日、コロナウイルスワクチンのヨーロッパでの最初の臨床試験がオックスフォード大学で始まった。
 この日は、2人のボランティアに注射が行われ、第一期の臨床試験の対象者には800人以上が採用された。
 治験では半数にChAdOx1 nCov-19ワクチン、残りの半数にはコロナウイルスとは関係がない髄膜炎を防ぐがワクチン、プラセボが投与される。
 治験の対象者は、どちらのワクチンが投与されたのかはわからない。
 このワクチンは、オックスフォード大学のチームによって3か月足らずでで開発された。ワクチン開発チームを率いるジェンナー研究所のワクチン学教授のサラ・ギルバート氏は、「個人的に私はこのワクチンにかなりの自信を持っている」と述べた。
 治験グループは、新型コロナウイルスにさらされるリスクが高い地元の医療関係者を対象として治験を優先するという。
 合計約5,000人のボランティアによる大規模な試験が数か月以内に開始し、9月までに有効性の結果を得ることを目指すとしている。



新型コロナウイルス 治療薬・ワクチン 開発最前線 ~レムデシベル アビガン モデルナ オックスフォード大学/アストラ・ゼネカ Johnson & Johnson臨床試験 勝者は誰が?~

ワクチンの種類 遺伝子ワクチン ウイルス・ベクター・ワクチン プロテイン・ベース・ワクチン 不活性化ワクチン





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モデルナ 臨床試験延期の報道 株価一時7%安

2020年07月15日 09時08分40秒 | 新型コロナウイルス


米モデルナ、臨床試験延期の報道 株価一時7%安
 7月2日、米医療ニュースサイトSTATは、モデルナ社のワクチンmRNA-1273の第3相大規模臨床試験の実施が遅延すると伝えた。
 STATによると、モデルナ社は3万人の治験者を対象とした最終段階の第3相臨床試験を来週開始する予定だったが、同社が治験計画を変更したことで、開始は延期され、どの程度延期されるかは明らかになっていないとした。
 イリノイ大学の治験担当者は、以前、モデルナの臨床試験は7月9日に始まると述べていた。また米NIH所長も今月から臨床試験が始まると語っていたという。但し治験計画の変更は通常よく行われるので重大な事情が発生したかどうかは不明である。
 STATの報道後、モデルナ社CEOのStéphaneBancel氏は、CNBCの取材に対し、「モデルナはまだ7月に治験を開始する意向である」と語り、その後、Twitterに声明を投稿し、同社は最終臨床試験に資金を提供している国立衛生研究所と「緊密に協力して」、「時間通りに試験を開始するために最終プロトコルを調整する」とした。
 この報道を受けて、ニューヨーク株式市場のモデルナの株価は一時約7%暴落した。
(STAT NEWS 7月2日 ほか)


新型コロナウイルス 治療薬・ワクチン 開発最前線 ~レムデシベル アビガン モデルナ オックスフォード大学/アストラ・ゼネカ Johnson & Johnson臨床試験 勝者は誰が?~

ワクチンの種類 遺伝子ワクチン ウイルス・ベクター・ワクチン プロテイン・ベース・ワクチン 不活性化ワクチン




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モデルナ 新型コロナワクチン mRNA-1273 前期治験で有望な結果 米政府 約5億ドルの開発費支援

2020年07月15日 08時50分18秒 | 新型コロナウイルス



米モデルナ社の新型コロナワクチン、mRNA-1273 前期治験で有望な結果
 5月18日、米モデルナ(Moderna)社は、mRNA-1273が初期段階の小規模治験(第2相・フェーズⅡ)で有望な結果を示したと発表した。
 ワクチンを投与されたコロナ患者8人に、症状が回復した感染者と同程度の抗体が検出された。また安全性や副作用への耐用性についても、おおむね良好という。
 この治験は米国立衛生研究所(NIH)が実施したもので45人が参加し、それぞれ異なった量のワクチンを接種した。その結果、45人全員に何らかの抗体が生成し、その内、8人から新型コロナウイルスからの感染防御機能を持つ「中和抗体」を検出したことで、このワクチンの有効性が確認できたとしている。しかし「中和抗体」が生成されたのは、45人中8人に留まったことで、まだまだ開発途上であることが明らかになった。
 モデルナ社では、一定の成果を得られたとして、7月には大規模な治験者を対象にする第3相(フェーズⅢ)臨床試験を開始するとしている。
 米政府は、すでに4月に、モデルナ社に対して、新型コロナウイルスワクチンの開発を加速させるため最大4億8300万ドル(約520億円)を拠出すると発表している。
 米国株式市場では、ワクチン開発に対する期待感が高まり、ダウ工業株30種は911ドル高に急伸して取引を終えた。モデルナ社の株価は19.96%の暴騰。
 またS&P総合500種は終値ベースで10週間ぶりの高値を付けた。
 5月16日、トランプ米大統領は、年末までに1億回分のワクチンを製造するという開発計画、「ワープ・スピード作戦」(Operation Warp Speed)を発表した。
 「皆さんが見たこともないスピードで開発が進んでいる。年末までにワクチンが手に入ると期待する」と述べ、早期の実用化に楽観的な見方を示した。
 この作戦では、政府や米軍、民間企業が連携してワクチン開発と供給を迅速に進め、政府は民間企業と米国立衛生研究所(NIH)に1兆円余りを投入してワクチン開発と生産体制の整備を一体的に支援し、2021年1月までに米国の人口にほぼ匹敵する3億2000万回分のワクチンを調達することを目指すとしている。ワクチンの有力候補は現在14種類あるが今後絞り込むとした。
 トランプ大統領は、第2次世界大戦中の原爆の開発計画、マンハッタン計画になぞらえて、この「比類なき研究」に全力投入すると意気込みを強調した。
 しかし、5月19日には米モデルナ社の公表した初期臨床試験の結果に対して懐疑論が出され、これが伝えられたニューヨーク株式市場ではダウ工業株30種平均は売りが優勢となって反落し、前日比390.51ドル安の2万4206.86ドルで取引を終えた。ニューヨーク株式市場は、「コロナワクチン相場」になっているようだ。

ワクチン開発加速で520億円確保-米政府が支援
 4月16日、モデルナ社は、mRNA-1273の開発を加速させるため米政府が最大4億8300万ドル(約520億円)を拠出することで合意したと発表した。mRNA-1273は現在、フェーズ1の臨床試験が行われている。
 合意によると、米厚生省の生物医学先端研究開発局(BARDA)はモデルナのメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン候補、mRNA-1273について、米当局の承認が得られるまでの開発と生産能力拡大への取り組みを資金面で支える。
 モデルナは第1相(フェーズ1)と第2相(フェーズ2)臨床試験がうまくいけば、今年秋にも最終段階の第3相(フェーズ1)試験を開始できる可能性があるとしている。
 ステファン・バンセル(Stéphane Bancel)最高経営責任者(CEO)はインタビューで、「この助成金によってわれわれは可能な限り速いペースで進むことができる」と述べた。安全性に関する試験結果を待ってから生産能力拡大に動くのではなく、大規模な試験向けの製造開始に向けて今から資金を使うことができる。しかし、バンセルCEOは、まだ安全性を確認する結果はまだ得られていないとした。
 モデルナ社は臨床試験がうまくいけば、大量生産を可能にする製造分野への投資によって年内に月間数百万回分、さらなる投資で2021年には数千万回分を供給できるとの見方を示した。




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ワクチンの種類 遺伝子ワクチン ウイルス・ベクター・ワクチン プロテイン・ベース・ワクチン 不活性化ワクチン

米モデルナ、臨床試験延期の報道 株価一時7%安

Mederna RNA-1273 最先端の遺伝子技術を駆使して開発するmRNAワクチン

モデルナ ワクチン、mRNA-1273の第2相(フェ―ズⅡ)臨床試験を開始




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レムデシビル 投与期間 5日間と10日間で大差なし 効果は限定的か

2020年07月11日 09時24分49秒 | 新型コロナウイルス



レムデシビル 投与期間 5日間と10日間で大差なし 効果は限定的か
 5月27日、米ギリアド・サイエンシズ社(Gilead Sciences)は、レムデシビル(Remdesivir)の初期の臨床試験の結果をまとめ、投与する期間が5日間でも、10日間投与する場合と大きな違いはないとした。米医学雑誌「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)」に掲載された。
 臨床試験では、米欧や香港、台湾、韓国、シンガポールで人工呼吸器を使用していない入院患者397人に5日間または10日間投与した。試験はレムデシビルが投与されていることを研究者や患者とも知っている非盲検試験である。
 薬の投与を始めてから2週間以内に退院した患者の割合は、投与が5日間の場合は、患者200人のうち120人で全体の60%、投与が10日間の場合は、患者197人のうち103人で全体の52%だった。
 ギリアド社は、分析の結果、薬の投与期間が5日間でも、10日間でも、回復の経過などに大きな違いはなかったと結論づけ、「今回の研究では薬がどの程度効果を示したのかはわからない」とした。
 この結果を受けて、ニューヨーク株式市場では、「レムデシビルの効果は限定的」と受け止められ、6月1日午前中、ギリアド株は暴落、一時4.4%安となった。
 4月29日、米NIAIDは、レムデシビルの治験結果で「明確」な効果があったとしてるが、回復期間で見ると、プラセボ治験者は平均で15日、レムデシビルを投与した治験者は11日、わづか4日の短縮にとどまった。また死亡率で見ても11.6%から8.0%と3.6%しか改善されていない。この程度の効果で“「明確」な効果”があったとはとても言えないだろう。現状では「特効薬」とは程遠い治療薬と考えるのが妥当だろう。米FDAはこの治験結果を基に、コロナ治療薬として緊急使用(emergency use)を承認した。

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レムデシビル、米国では当初患者に十分行き渡らない見通し 患者への投与開始

レムデシビル 薬事承認 厚労省

米FDA、レムデシビルの新型コロナ向け緊急使用を承認

レムデシビル、コロナ治療に「明確」な効果 米発表




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アビガン 有効性、現段階判断できず 申請先送り 藤田医科大、研究続行

2020年07月10日 18時10分46秒 | 新型コロナウイルス


アビガン 承認申請先送り 治験来月も継続 コロナ感染者減少で治験対象者減少
 富士フイルム子会社の富士フイルム富山化学(東京)が進める新型コロナウイルスの候補薬「アビガン」の臨床試験(治験)が7月以降も継続する見通しであることが8日、分かった。6月末に終える計画だったが、感染者数の減少で治験対象者が減り、終了時期が確約できない状況という。
 アビガンは富士フイルム富山化学が開発し、国内では新型インフルエンザウイルス向けの医薬品として承認されている。新型コロナへの有効性と安全性を確認するため、参加者96人を目標とした治験を3月末に開始。ただ、感染者の減少で、計画には遅れが生じているもようだ。(時事通信 6月8日)
 安倍総理は、当初、アビガンの「5月中の承認」を目指していたが、審査の前提となる企業からの承認申請はなく、「5月中の承認」は断念していた。
 5月26日、藤田医科大は、全国407の医療機関で実施した臨床研究の中間報告を取りまとめ、2158人の患者に投与したが「予期せぬ副作用の報告はなかった」と発表した。副作用としては、尿酸値上昇や肝機能障害などで重篤な副作用はなかったとした。治療効果では、投与開始から14日目には、軽症者の88%で症状が改善したとした。しかし、発症者の80%は軽症のままで自然治癒するとされ、投与しない患者と比較していないために治療効果の有無は判断できないとした。一方、重症患者の症状改善は60%にとどまった。
 アビガンについては、富士フイルム富山化学が薬事承認を目指す臨床試験(治験)、藤田医大が法律に基づく特定臨床研究を実施している。
 国は大学による臨床研究の結果を承認審査に活用したいとの考え示していたが、現段階では、有効性を示すデータが出ておらず、手続きが進むのは遅れる見通しとなった。

アビガン有効性、現段階判断できず 藤田医科大、研究続行
 5月19日、共同通信は、新型コロナウイルス感染症の治療薬候補アビガンを巡り、国の承認審査にデータを活用できると期待された臨床研究で、明確な有効性が示されていないことが分かったと伝えた。
 感染した著名人がアビガンの投与後に回復したと公表し、安倍晋三首相は「5月中の承認を目指す」としたが、現時点で薬として十分な科学的根拠が得られていない状況が明らかになった。アビガンについては、専門家からは「効果や安全性を十分確認せずに進むのは納得できない」「月内の承認方針は前のめりだ」などの批判が出ている。

 アビガンの臨床研究は、藤田医科大学(愛知県)を中心に複数の施設が共同で実施、無症状と軽症の感染者を対象として投与時期を変えて比較する内容で、このデータが国の承認審査で活用できると期待されてきた。
 藤田医科大学など複数の施設に入院している軽症や無症状の患者86人を対象に入院初日から最長で10日間アビガンを投与する人たちと入院6日目から15日目まで投与する人たちに分けて、ウイルスが6日目の時点で減っているかどうか比較するという方法で行われた。
 第三者の委員会がこの臨床研究の結果を評価して、半分に当たる患者40人余りについての中間段階での解析した結果、「有効性の判断には時期尚早のため、臨床研究を継続すること」とする意見が出されたという。
 この他、全国の医療機関が参加する研究でアビガンが投与された患者約3千例のデータが集まっていて、結果は近く公表予定だが、関係者は「審査の補足資料にはなるが、承認に主要な根拠には使えない」と話す。
 アビガンは投与後に症状が改善したという著名人の発言が話題を呼んで期待が高まる一方で、軽症・中等症の新型コロナ感染者の多くは自然に治る場合が多く、薬の効果を証明するのは難しいとされている。
 これに対して、5月20日、アビガンの治療効果を研究している藤田医科大(愛知県)は、インターネット上で会見し、学外の専門家による評価委員会による中間解析の結果、安全性に大きな問題はみつからず、研究を続けると発表した。有効性については「中間解析は有効性を評価するものではない」とし、現段階では判断できないと反論した。臨床試験の第1相では、安全性を確認するのが主な目的で、有効性については、治験者をより拡大して行う第2相の段階で確認することになっている。
 今回の臨床試験で安全性についての確認ができたということは成果だが、効果については疑問が生じた。
 会見した研究責任医師の土井洋平教授によると、「半数の患者の結果に基づく中間解析では、中止の要件となる安全性の問題、極めて高い有効性のいずれにも当たらない」と判断し、臨床研究を続けるとした。
 会見は中間解析の結果、有効性を示せなかったとする一部報道に反論するために開かれた。


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米FDA、「レムデシビル」のコロナ向け緊急使用を承認

レムデシビル 薬事承認 厚労省

レムデシビル、米国では当初患者に十分行き渡らない見通し 患者への投与開始

新型コロナウイルスは変異する 米英の研究者が確認

ワクチンの種類 遺伝子ワクチン ウイルス・ベクター・ワクチン プロテイン・ベース・ワクチン 不活性化ワクチン

Mederna RNA-1273 最先端の遺伝子技術を駆使して開発するmRNAワクチン

製造はタカラバイオ 中間体はAGC Biologics(米) ヒトへの新規投与デバイス提供はダイセル アンジェスと大阪大学DNAワクチン

トシリズマブ 中外製薬の「アクテムラ」

免疫暴走(サイトカインストーム)の抑制

新型コロナウイルス治療薬 イベルメクチン 抗寄生虫薬 大村智北里大学特別栄誉教授

混迷 抗マラリア薬 ヒドロキシクロロキン




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レムデシビル、コロナ治療に「明確」な効果 米発表

2020年07月10日 10時12分13秒 | 新型コロナウイルス



レムデシビル、コロナ治療に「明確」な効果 米発表  
 4月29日、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬として注目を集めている抗ウイルス薬「レムデシビル」の大規模な臨床試験の結果、プラセボ(偽薬)と比べCOVID-19患者の回復を30%以上早めることが示されたと発表した。同研究所のアンソニー・ファウチ(Anthony Fauci)所長はレムデシビルの「明確」な効果が示されたと述べた。
 レムデシビルは静脈注射で投与される抗ウイルス薬で、COVID-19治療効果が示された初の薬となった。
 試験を監督したファウチ氏はホワイトハウスの記者会見で、「レムデシビルには、回復までの期間を短縮させる点において、明確かつ有意で、好ましい効果があることが、データで示された」ことを明らかにした。試験結果は「薬でこのウイルスを阻止できる」ことを示す証拠だと説明し、1980年代に初のエイズウイルス(HIV)治療薬となった抗レトロウイルス薬の登場になぞらえてこの結果を歓迎した。
 米国立アレルギー感染症研究所の発表によると、レムデシビルを投与された患者群の回復期間の平均値(中央値)は11日で、プラセボを投与された患者群の15日と比較して、回復期間を4日間、31%早めた。また、致死率もレムデシビルを投与された患者では8.0%だったのに対し、プラセボを投与された患者では11.6%に改善したという。
 臨床試験は2020年2月21日に始まり、米国、欧州、アジアの計68か所で1063人が参加した。最初の参加者は、集団感染が発生したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス(Diamond Princess)」から米国へと退避して、ネブラスカ州の医療機関で治療を受けた米国人だった。
 一方、中国の医療チームは、新型コロナウイルス感染症の治療薬候補「レムデシビル」を投与した患者で明確な治療効果が確認できなかったとする臨床試験の結果を英医学誌ランセットに発表した。
 この臨床試験は、中国の医療チームが、中国・武漢で患者237人(人工呼吸器が必要な患者は除く)を対象に行ったもので、レムデシビルを投与した患者群とプラセボ群を比較した結果、「統計的に有望な治療効果は確認できなかった」とした。
 その一方で、症状が現れてから10日以内に投与した場合には回復が早かったとして、症状の改善が望める可能性は示されたという。しかし、中国の感染者が減って予定した治験参加者数が達成できず、試験を途中で打ち切ったため、有効性を評価するにはさらにデータが必要とした。
 レムデシビルの治療効果については、依然、大きな疑問が残されたままである。
4月29日、NIAIDの肯定的な試験結果が伝えられ、ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は反発し、前日からの上昇幅は一時、500ドルを超えた。





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米FDA、「レムデシビル」のコロナ向け緊急使用を承認

レムデシビル 薬事承認 厚労省

レムデシビル、米国では当初患者に十分行き渡らない見通し 患者への投与開始

米FDA、抗マラリア薬の許可撤回 コロナ治療効果認められず

ワクチンの種類 遺伝子ワクチン ウイルス・ベクター・ワクチン プロテイン・ベース・ワクチン 不活性化ワクチン





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BARDA NIH 米国立衛生研究所 米国立アレルギー・感染症研究所  NIAID CDC

2020年07月09日 11時52分03秒 | 新型コロナウイルス


米生物医学先端研究開発局(BARDA)
 BARDA (Biomedical Advanced Research and Development Authority)は、米国政府の保健福祉省(Department of Health and Human Services)の局組織。
 アメリカ国内に公衆衛生上の危機が生じることが予見される際に、必要なワクチン、医薬品、治療法などの開発、購入するための支援を行う機関。 アメリカ国内外の研究機関、医薬品会社などへの資金提供、複数の研究機関の橋渡し役などを担う。2010年代から2020年代にかけては、急性放射線症候群 、エボラ出血熱、新型コロナウイルス感染症 (2019年)などへの対応を実施している。

■ ワクチン開発・製造への支援
 BARDAは、イギリスの製薬会社アストラゼネカ社がオックスフォード大学と共同で開発を進めているワクチン候補の開発・製造に最大12億(約1284億円)ドル超の支援をした。資金提供の見返りに、年間3億本のワクチンの供給を受ける。
 また米Modernaには、最大4億8300万ドル(約520億円)、米Johnson & Johnson に4億5600万ドル(約490億円)、仏製薬会社サノフィ社に3000万ドル(約32億円)の資金提供を支援することが明らかになっている。
 さらに7月7日、Novavaxに対して16億ドル(約1712億円)のワクチン開発資金を提供すると発表した。同社が開発しているCOVID-19ワクチン、NVX-CoV2373の臨床試験(治験)や実用化、製造を支援するもので、2021年1月までに1億人分のワクチン供給を目指す。
 今回の支援はコロナワクチン開発に向けた「ワープ・スピード作戦」の下で最大規模となる。
 アザー米厚生長官は声明で、ワープ・スピード作戦にノババックスのワクチン候補が加わったことにより「早ければ年末にも安全で効果的なワクチンを確保できる可能性が高まった」と述べた。
 これで、BARDAは総額約37億ドル(約4000億円)を超える巨額の資金をワクチン開発に投入したことになる。
 さらに米保健福祉省(Department of Health and Human Services)は、6億2800万ドル(約670億円)の資金を多国籍バイオ医薬品製造会社、Emergent BioSolutionsに提供する。Emergent BioSolutionsはJohnson & Johnsonのワクチンの製造を受託している。
 6億2800万ドルの内訳は、5億4300万ドルは新型コロナウイルス・ワクチンのCDMO(受託開発製造下請け)業務に対する資金で、8550万ドルはワクチン製造能力を増強するための資金である。
 感染拡大が一向に収束する気配がない米国で、トランプ政権はワクチン開発の成功に最大の望みを託している。

■ ワクチン開発・製造への支援
 NIH(米国立衛生研究所)は、Moderna/NIAID、Oxford/ Astra Zeneca 、Johnson & Johnson が開発する3つのワクチン候補の大規模な第3相臨床試験を7月に実施すると発表した。
 さらに、仏サノフィ、米メルク、Pfizer/BioNTech/ Fusan Pharmaのワクチン候補については、開発が先行候補から1ー2カ月出遅れているが、第1/2相臨床試験の進捗状況次第では、夏には臨床試験に加わる可能性がある。 
 NIHは全米50カ所以上にテストサイトを設置する大規模な臨床試験で、3種類程度ワクチン候補の臨床試験を実施し、それぞれ試験に3万人程度、最大15万人の被験者を募る。 
 Pfizer/BioNTech/ Fusan Pharma は、自社で第3相臨床試験を開始する可能性もある。
 複数の専門家によると、上記のワクチンメーカーは、お互いに治験データを共有し、自社開発が失敗した場合は治験ネットワークの利用を他社に認めることなどで合意した。
 大規模臨床試験には、第1/2相臨床試験で安全性が確認されたワクチン候補を用い、1株につき3万人程度の被験者を対象に治験を実施、被験者登録数は10万人から最大15万人に上る可能性がある。
 国立衛生研究所(NIH)のフランシス・コリンズ所長は「問題がなければ治験を継続する」とした上で、非常に有効なワクチンであれば6カ月程度、またあまり有効でないワクチンは9—12カ月程度の治験を要する可能性があると述べた。
 また国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のファウチ所長は、12月までに米国内でコロナワクチンの接種を開始する可能性に自信を表明。「想定外の妨げに直面しない限り、米国内で今年12月もしくは来年1月にワクチン接種を展開することは想定可能だ」と述べた。

米国立衛生研究所 National Institutes of Health(NIH)
 米国政府の保健福祉省公衆衛生局(Department of Health and Human Services)の研究機関。1887年に設立された合衆国で最も古い医学研究の拠点機関。本部はメリーランド州ベセスダに置かれている。国立癌研究所、国立心肺血液研究所、国立老化研究所、国立小児保健発達研究所、国立精神衛生研究所新型コロナウイルスで脚光を浴びている米国立アレルギー・感染症研究所など、それぞれの専門分野を扱う研究所と、医学図書館などの研究所以外の組織、合わせて全部で27の施設と事務局によって構成されている。1万8000人以上のスタッフのうち6000人以上が科学者(医師、生命科学研究者)である。
 アメリカ国立衛生研究所(NIH)が今年の夏、モデルナ、アストラゼネカ、ジョンソン&ジョンソンの新型コロナウイル・ワクチン候補を、じきじきに臨床試験すると発表している。

米国立アレルギー・感染症研究所 National Institute of Allergy and Infectious Diseases( NIAID)
 米国立衛生学研究所(NIH)の傘下の27の研究所及びセンターの一つ。
 所長 アンソニー・スティーヴン・ファウチ(Anthony Stephen Fauci)
 アメリカ合衆国の医師、免疫学者。1984年からアメリカ国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)所長。
 新型コロナウイルスの感染拡大に対応するためワクチンの開発に着手して、米バイオ医薬企業のモデルナとmRNAワクチンの共同開発を進めている。2020年3月16日には第一層臨床試験を開始した。

アメリカ疾病予防管理センター Centers for Disease Control and Prevention:CDC
 アメリカ合衆国保健福祉省管理下にある感染症対策の総合研究所。連邦政府の内閣級機関の一つで、国民の健康推進や感染症・慢性疾患の予防・管理を担う。。1992年10月に設立された。本部はジョージア州ジョージア州アトランタにあり、約1万5000人の要員を擁し、年間予算は125億5000万ドル(約1.兆3375億円)。CDCには合計12のセンター、研究所、事務所があり、海外50か国以上に拠点を設置している(中国や韓国にはCDCがあるが、日本にはない)。
 所長は、Robert Redfield氏、副所長はAnne SChuchat氏。
 「世界最強」の感染症対策組織といわれ、感染症が発生すると国内外を問わず駆けつけ、調査・研究や対策を講じる上で主導的な役割を果たしている。
 CDC発足のルーツは、第二次世界大戦下で猛威を振るっていたマラリアの感染対策のために、1946年7月に設立された伝染病センター(Communicable Disease Center)である。当時、米国は蚊が多発する場所に軍事基地が建設し、マラリアに感染する軍人が相次いだ。伝染病センターではマラリア予防プログラムを実施して感染拡大を阻止した。
 その後CDCは、チフス、赤痢、狂犬病、ペストなど他の疾病に対象を広げた。
 1952年、ポリオの流行で3145人のアメリカ人が死亡し、2万1000人に麻痺が残りるという大きな犠牲が発生した。1955年までに、アメリカのジョナス・ソーク博士はCDCと共同研究を行い、初めてポリオに有効なワクチンを開発し。その結果、1979年までにアメリカはポリオを撲滅した。
 以降70年以上にわたり、アメリカはもとより世界中の感染症(マラリア、結核、HIV/AIDS、エボラ出血熱、ジカ熱、MERS & SARSなど)の調査・研究、予防のための指導、難民の健康支援などを行ってきた。 感染症対策では、世界中がCDCに依存している。
 中国との関係も深く、2002年に重症急性呼吸器症候群(SARS)が中国を襲った際、CDはの専門家40人を現地に送って支援したことをきっかけに、両国間の協力も加速した。2013年にはH7N9型のインフルエンザが中国で発生した際は米中が共同研究を実施し、中国が開発したワクチンが米国側に提供された。
 また危険なウイルスの保存もしており、撲滅が確認された天然痘ウイルスを保存し、公式に保管されている機関はCDCとロシア国立ウイルス学・バイオテクノロジー研究センターだけである。
 ちなみにCDCでは生物兵器として利用される可能性が高い病原体のリスクの格付けを行っている。カテゴリーA、B、Cの3段階で評価されており、最も危険度・優先度の高いカテゴリーAの病原体として、エボラウイルスなどの出血熱ウイルス、天然痘ウイルス、炭疽菌、ペスト菌、ボツリヌス菌、野兎病菌を挙げている。
 中国の湖北省武漢で発生した新型コロナウイルス(COVID-19)に対応するために、1月20日、CDCは緊急オペレーションセンターを始動させた。センターでは状況をモニターして情報を共有するほか、公衆衛生に対する危機に備え、迅速に連携し意思決定を行う。CDCは、武漢から避難するアメリカ人に2週間の隔離期間を発令しました。CDCが隔離期間を発令したのは、50年以上の間で初めてだった。
 2月21日、CDCは、猛威を振るい始めた新型コロナウイルスの感染防止のためのガイドラインを公表し、グローバルスタンダードとなった。
 連邦政府はこのガイドラインに沿った健康基本方針をそのつどアップデートしながら国民に感染予防を促している。
 しかし、新型コロナが大流行し始めた当初には、「健康な人はマスク不要」と発表して批判を浴びたり、CDCが開発した検査キットに不備もあり、水際対策に失敗したとされている。
 トランプ政権は、国際保健分野を冷遇し、CDCの予算を削減しようとし、エボラ出血熱対策の教訓から設けられた国家安全保障会議(NSC)のパンデミック担当チームも2018年に解体された。さらに米中対立が追い打ちをかけ、CDC幹部は「トランプ政権のメッセージは『中国に協力するな。彼らは敵だ』」と述べたという。中国版CDCに派遣されていた米国の専門家ポストは昨年7月から空席で、米国は今年初めに中国側から武漢での肺炎の集団発生を伝えられて専門家派遣を申し出たが、トランプ政権はこれを認めなかった。世界保健機関(WHO)の調査団の一員として米国の専門家が中国入りしたのは2月半ばだった。
 さらにトランプ米大統領は、CDCの新型コロナウイルス対応に不満を持ち、CDCを新型コロナウイルス対策の立案から排除する姿勢を示し、以降、新型コロナウイルス対応ではほとんど表立った動きを示していない。
 代わって米国立アレルギー・感染症研究所( NIAID)のファウチ所長が米国の感染状況にコメントをしている。






新型コロナウイルス 治療薬・ワクチン 開発最前線 ~レムデシベル アビガン モデルナ オックスフォード大学/アストラ・ゼネカ Johnson & Johnson臨床試験 勝者は誰が?~

米FDA、「レムデシビル」のコロナ向け緊急使用を承認

レムデシビル 薬事承認 厚労省

レムデシビル、米国では当初患者に十分行き渡らない見通し 患者への投与開始

新型コロナウイルスは変異する 米英の研究者が確認

ワクチンの種類 遺伝子ワクチン ウイルス・ベクター・ワクチン プロテイン・ベース・ワクチン 不活性化ワクチン

Mederna RNA-1273 最先端の遺伝子技術を駆使して開発するmRNAワクチン

英アストラ・ゼネカ社 4億本のワクチンを欧州に提供

製造はタカラバイオ 中間体はAGC Biologics(米) ヒトへの新規投与デバイス提供はダイセル アンジェスと大阪大学DNAワクチン

トシリズマブ 中外製薬の「アクテムラ」

免疫暴走(サイトカインストーム)の抑制

新型コロナウイルス治療薬 イベルメクチン 抗寄生虫薬 大村智北里大学特別栄誉教授

混迷 抗マラリア薬 ヒドロキシクロロキン


アビガン有効性、現段階判断できず 藤田医科大、研究続行



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Sinopharm(国営中国医薬集団) UAEで臨床試験

2020年07月06日 18時08分34秒 | 新型コロナウイルス



Sinopharm(国営中国医薬集団) UAEで臨床試験
 6月23日、中国の国有製薬大手、Sinopharm(国営中国医薬集団 シノファーム)傘下の中国生物技術(CNBG)は開発中の新型コロナウイルス・ワクチンの第3期の臨床試験をアラブ首長国連邦(UAE)で第3期の臨床試験を実施すると発表した。UAE側はワクチンの開発に成功後、現地で生産することも視野に入れるとしている。
 試験の開始時期は明らかにしていない。中国は新規感染者が減っていいて治験対象者を確保するのが難しくなっていて、感染者が増えている国外で試験を進めている。世界的にワクチン開発競争が激化している中で、中国はいち早い実用化をめざす。
 Sinopharmは、武漢市と北京市にあるグループの研究所でそれぞれワクチンを開発中だ。
 そのうち武漢の研究所は6月16日、第1/2相臨床試験(プラセボ盲検試験)の結果を明らかにし、2回の接種で、被験者全員の中和抗体の陽性化率が100%で、深刻な副作用はなかったとした。
 北京の研究所は4月にワクチンの製造設備を建設し、年間生産能力1億2千万個の生産が可能になったとしている。また武漢の研究所も年産能力1億個をめざして工場建設を進めて来年にも発売したいとしている。



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抗マラリア薬の許可撤回 米FDA コロナ治療効果認められず

2020年07月06日 17時55分55秒 | 新型コロナウイルス


米FDA、抗マラリア薬の許可撤回 コロナ治療効果認められず  
 6月15日、米食品医薬品局(FDA)は「ヒドロキシクロロキン」と「クロロキン」を新型コロナウイルス感染症治療に用いることを認めた緊急使用許可を撤回した。両薬剤はトランプ米大統領が推奨してきたが、FDAの決定により政治色の強い治療法が利用不可能となった。
 両薬剤は当初、研究室での実験で新型ウイルスを不活性化させる効果が確認され、初期の小規模な試験では人間の体内での有効性も示唆されていたことから、FDAが今年3月に新型ウイルス感染症の治療目的での緊急使用を承認した。
 しかしその後、より大規模で管理の行き届いた実験により、両薬剤が新型コロナウイルス感染症の治療にも、ウイルスにさらされた人の感染防止にも効果がないことが判明。同時に、特定の患者に不整脈を起こす恐れなどの安全性の懸念が浮上していた。(AFP 6月15日)


混迷 抗マラリア薬 ヒドロキシクロロキン




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