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東京オリンピック 新型コロナウイルス 呪われた東京五輪 菅首相 バッハ会長 尾身会長

2021年07月16日 19時16分01秒 | 東京オリンピック
東京オリンピック 新型コロナウイルス 呪われた東京五輪 菅首相 バッハ会長





IOCバッハ氏「コロナ持ち込まない」 五輪開幕控え菅首相と会談
 7月14日、菅義偉首相は、東京五輪が来週開幕するのを前に国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長と首相官邸で会談した。新型コロナウイルスの緊急事態宣言下でも「安全・安心の大会」を実現できるよう万全の対策を取ることで一致。バッハ氏は「コロナのリスクをわれわれが持ち込むことは絶対にない」と明言した。
 首相は「新型コロナに直面する今だからこそ、人類の努力と英知を結集し、難局を乗り越え、日本から世界に発信したい」と強調。さらに「全ての参加者が感染対策をはじめ適切な行動を取ることが大会成功には不可欠だ」と述べた。
 バッハ氏は、東京大会に参加する選手の85%、IOC関係者全員がワクチン接種を終えていることを報告した。
 会談後、バッハ氏は記者団に「日本国民にリスクとなるような(大会での感染予防策をまとめた)プレーブック(規則集)の違反があったとの報告は届いていない」と説明。「大会に参加する人たちは何度も検査を受ける。検査体制はしっかり効力を発揮し、成功している」と述べた。

バッハ会長「感染状況改善したら有観客で」…菅首相との会談で要望
 国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が、14日に首相官邸で行われた菅首相との会談で、23日開幕の東京五輪について、新型コロナウイルスの感染状況が改善した場合は有観客での開催を要望していたことが分かった。
 複数の政府関係者が明らかにした。バッハ氏は8日にテレビ会議形式で行われた政府や大会組織委などとの5者会談でも「東京などの感染状況が改善されれば(無観客を)見直すべきだ」と要請した。これに対して菅総理は、感染状況について大きな変化が生じた場合には改めて5者協議を開いて対応を検討する、とした。
 5者会談後の共同声明には、観客の扱いについて「感染状況に大きな変化が生じた場合、5者会談で対応を検討する」との一文が盛り込まれた。
 東京五輪は、首都圏1都3県と北海道、福島県の競技会場で無観客となることが決まっている。
 東京では、連日、1000人を超える新規感染者が出て、全国的に見ても感染拡大が進んでいる中で、バッハ会長の「無観客見直し発言」は、余りにも無神経な発言として、批判を浴びている。


菅首相・バッハ会長会談 7月14日 出典 IOC NEWS

東京都モニタリング会議 「感染急拡大」早期の第3波超えも
 東京都のモニタリング会議で、専門家は「都内では感染が急速に拡大している」と指摘し、現在の増加比が続くと、4週間後には、7日間平均が2400人を超え、変異ウイルスの影響などで感染拡大が加速すると、早期に、年明けの第3波を超えると強い懸念を示した。
 会議では、都内の感染状況と医療提供体制を、」いずれも最も高い4段階の「警戒レベル」を継続した。
 新規陽性者の7日間平均は、14日時点でおよそ817人となり、約625人だった1週間前の7月7日時点の1.31倍となった。
 新規感染者は現在の増加比が続くと、2週間後の7月28日には、7日間平均が今の1.72倍のおよそ1402人となり、4週間後の8月11日には、今の2.94倍のおよそ2406人になると分析した。
 第3波のピークは1月11日のおよそ1816人、2406人はこれを大きく越えることになる。
 さらに専門家は、人流増加や感染力が強い変異ウイルスの影響で、増加比がさらに上昇すれば、想定より早く第3波を超えるとして強い懸念を示した。
 一方、14日時点の入院患者は、1週間前の7月7日より350人増えて2023人となり、6月下旬の1200人台から、わずか3週間で2000人台に急増したと指摘した。
 重症の患者は54人で、先週から8人減ったが、新規陽性者数や入院患者数の急増から遅れて増加する可能性があり、この状況が続けば、医療提供体制がひっ迫の危機に直面すると強い危機感を示した。
都内繁華街の人出は減少 “一定の協力得られている”
 モニタリング会議では、都内7か所の繁華街の人出が、緊急事態宣言の期間に入った7月12日からの3日間で、夜間は6.3%、昼間は2.3%、それぞれ減少し、一定の協力は得られていると報告された。
 国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は「人流が十分に下がる状況が続き、今から2週間後あたりで新規陽性者数がピークを越していくことを期待したい。今からできることはとにかく人流を下げることだ」と述べた。
 「緊急事態宣言」で「人流抑制」、そして飲食店規制、酒類販売規制に頼る感染防止策は、完全に行き詰っていることが明らかになった。ワクチン、検査体制、感染源のトレース、医療体制の充実、飲食店規制、酒類販売規制以外にやるべき感染防止策があるのに怠ったツケが出ているのは明らかだ。

東京に4回目の緊急事態宣言
 7月8日、政府は、新型コロナウイルス感染症対策本部(本部長・菅義偉首相)の会合を開き、東京都に4回目となる緊急事態宣言の発令を決めた。沖縄県への宣言と首都圏3県、大阪府への「まん延防止等重点措置」は延長する。期間はいずれも12日から8月22日まで。
 一方、北海道、愛知、京都、兵庫、福岡の5道府県に適用中の「重点措置」は7月11日をもって解除する。
 東京は感染再拡大が止まらず、7月7日には新規感染者920人に急増してパンデミック第五波が確実視され、五輪開催期間やお盆休みの対策強化が必要と判断した。菅首相は東京への宣言発令について「再度感染拡大を起こすことは絶対に避けなければならない。先手先手で予防的措置を講ずる」とし、「国民にさまざまな負担をかけることは、大変申し訳ない思いだ」と述べる一方、ワクチンの効果などを見極めた上で宣言を「前倒しで解除することも判断する」と述べた。
 菅首相は、東京五輪に関し「全人類の努力と英知で難局を乗り越えていけることを東京から発信したい」と強調。「安心安全な大会を成功させ、歴史に残る大会を実現したい」と表明した。
 「緊急事態宣言」対象の東京と沖縄では、飲食店に対して酒類提供停止と午後8時までの営業時間短縮を要請する。「重点措置」の区域でも酒類提供を原則停止とし、知事の判断で緩和できるようにする。首相は「(要請に応じる)飲食店に対しては協力金を事前に支払うことを可能とする」と語った。

1都3県、北海道、福島は「無観客」 宮城、福島、茨城(学校連携のみ)は「有観客」
 これを受けて、7月8日夜、大会組織委員会、東京都、国、国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)は「五者協議」を開催し、「緊急事態宣言」が発出された東京都内の全会場の無観客開催にすることで合意した。また「緊急事態宣言」が発出されていない埼玉、千葉、神奈川の首都圏3県や、茨城、宮城、福島、静岡、北海道の会場については、それそれの地域の感染状況を踏まえて、自治体の首長と協議の上、具体的阻止を決めることで合意した。「無観客」でもIOCなど大会関係者は運営に関わる人に人数を絞った上で入場を認める方針。
 「五者協議」に引き続き、東京都以外で競技会を開催する、埼玉、千葉、神奈川の首都圏3県や茨城、宮城、福島、静岡、北海道も加わり、「関係自治体等連絡協議会」が開かれ、茨城、宮城、福島、静岡、北海道は、「収容定員の50%」か「上限1万人」の少ない方で、「有観客」で開催することに合意した。
 しかし、その後、合意内容は直ちに撤回され、埼玉、千葉、神奈川の首都圏3県は「無観客」、茨木は「学校連携」のみとすると発表した。
 北海道は、札幌で開催されるサッカー予選の5セッションは「収容定員の50%」か「上限1万人」の少ない方で、有観客することで合意していたが、鈴木北海道知事は、記者会見で、試合終了が午後9時を過ぎる試合については引き続き検討するとし、首都圏の1都3県から観客が訪れないように大会組織委員会に求めたことを明らかにした。
 北海道は、翌7月9日、一転して、サッカー予選は「無観客」とする発表した。感染が拡大している首都圏などから来訪者で道外からの人流が増えることで、感染拡大の懸念に配慮した措置である。
 また、7月10日、福島あずま球場で開催されるソフトボール予選6試合(日本対豪州戦を含む)と野球予選1試合(日本対ドミニカ戦)はすべて「無観客」とすると発表した。
 野球・ソフトボールの福島開催は、東京2020大会の開催意義として掲げている「復興五輪」のシンボルとなっていただけに、関係者や地元市民の落胆は大きい。
 この結果、2020東京五輪大会では、42会場で750セッションが開催されるが、この内、「無観客」は37会場724セッション、96.5%にも及び、「有観客」は、茨城、宮城のサッカー予選と静岡の自転車競技の5会場26セッションとなった。
 大会組織委員会は、1年延期前には448万枚のチケットの販売を完了していたが、今回の措置で、ほとんどが払い戻しの対象となり、大会組織委員会のチケット収入約900億円は宙に浮くことなる。大会組織委員会の収入(V5)は、合計7210億円、約12.5%を占める。大会組織委員会の財政調整額は150億円を計上しているが、900億円の収入が消えれば、大幅な赤字転落は必至である。
 大会組織委員会が赤字になった場合は、一義的には東京都が負担、東京都が負担しきれない場合は、国が負担するという原則になっている。
 東京都と国で、「負の遺産」の押し付け合いが今後激化するだろう。


五者協議 7月8日 提供 TOKYO2020

感染防止対策の大失敗 その責任は菅首相と尾身会長
 結局、万策尽き果てて、5回目の「緊急事態宣言」、五輪「無観客」に追い込まれ、菅首相や尾身会長のコロナ対策の無策ぶりが露呈した。海外からの見方は、日本は、感染者数は圧倒的に少ないのに、なんでそんなにうろたえているのかという見方が支配している。
 菅首相や尾身会長が進めたコロナ対策は、「緊急事態宣言」と「重点措置」での「人流抑制」、それに飲食店や酒類をスケープゴードにするだけで、感染拡大防止には効果がなく大失態となった。
 いまだにワクチン接種率は世界でも最低水準、検査体制の充実も進まず、感染源のトレースもやらない、医療逼迫の懸念はいうが医療体制の充実は進めない。尾身会長の率いる専門家グループも感染拡大の分析と予測には熱心だが、どうしたら感染拡大を阻止できるのか、対策は何も提言しない。お粗末な専門家は資格を剥奪すべき。
 そのお粗末さのツケが、四回目の「緊急事態宣言」と「無観客」になったということだろう。
 東京で900人超の感染者が急増して第五波を招いたのは、「五輪」はまったく関係なく、菅首相と尾身会長の感染防止策の大失態。
 菅首相と尾身会長(分科会の専門家たち)は、その責任をとるべきである。
 今回のコロナ対応で、日本はまた世界に「お粗末」さを曝してしまった。


菅首相  出典 首相官邸ホームぺージ

やっぱりおかしい! 尾身茂会長 「五輪観客」提言以外に何もしていない
 6月18日、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長らは、東京五輪・パラリンピックの開催に伴う新型コロナの感染拡大リスクに関する提言を政府と大会組織委員会に提出した。現在の感染状況では、「会場内の感染拡大リスクが最も低いので、望ましい」と無観客開催が望ましいとした。
 また観客を入れる場合は「観客数は現行の大規模イベント開催基準よりも厳しい基準にすべき」で、「観客は開催地の人に限る」、「感染拡大・医療逼迫(ひっぱく)の予兆が探知されれば、無観客とする」といった提言も盛り込んだ。
 五輪開催を巡る観客対策では、尾身会長を始め分科会有志は極めて「具体的」な提言をまとめた。
 しかし、最大の問題は、五輪観客問題にこれだけ熱心なのに、肝心なコロナ感染防止対策については、まったく何も具体的な提言をしていないことだ。まるで五輪だけをスケープゴードにすれば、コロナの感染拡大は収まるといっているような印象がある。
 今、コロナ対策で最も重要なのは、10都道府県に出している緊急事態宣言を沖縄を除いて7月20日を期限に解除して、東京や大阪など7都道府県が「まん延防止等重点措置」に移行するにあたって、どんな感染防止対策を行うかである。
 飲食店の対策が焦点になっていて、酒類の提供や営業時間の制限、人数制限などの対応が注目された。
 長引くコロナ禍の中で、感染防止対策の規制は、度重なる延長、延長で、飲食店は、困窮を極めている。また観光・旅行関係者も限界だ。
 規制緩和でリバウンドの懸念、しかし困窮した飲食店などに対する規制緩和、こうした状況の中で、求められるのは知恵を振り絞った建設的なコロナ対策である。しかし、尾身会長ら分科会は、いっさい建設的な提言を出していない。口を開けば、感染拡大の懸念と「人流抑制」、それに五輪問題だけだ。
何のための専門家分科会なのか、ほとんど役に立っていない。建設的な提言を出すために何か努力をしたのか?
 コロナ禍を克服する最大の武器は、ワクチン接種、それに疑問はないだろう。
 しかし、昨年からワクチンの確保や接種体制について、尾身会長や分科会は、一切、具体的かつ建設的な提言を出していない。なぜワクチン問題について発言しないのか。唖然というほかない。
 コロナ感染拡大防止対策として、「PCR検査体制の充実」や「医療体制の充実」、「感染経路の追跡」、「保健所体制の充実」が肝要であることは、昨年来、専門家から指摘されていた。
 しかし、尾身会長は「PCR検査体制の充実」は否定的で、その他の対策について、何か具体的に提言をした気配はない。
 医療逼迫が懸念されるなら、コロナ病床や重症者用病床を拡充すれば解消すると思うが、医療体制充実に関する提言も一切ない。「コロナ専門病院」も東京都は2棟を整備したが、その後、まったく動きがない。
 Withコロナの時代の社会を考えるなら、医療体制充実こそ必須だろう。
 医師会の医療体制充実に向けての取り組みや建設的な提言もない。
 一方で、ワクチン接種に関する医療機関の取り組み積極的で、ワクチン接種率の急上昇の主役になっている。ワクチン接種で医療機関に対して報酬が支払われることが大きいとされている。コロナ患者を受けいれると医療機関の負担は大きく、経営的メリットがないので尻込みするのでコロナ医療体制はなかなか改善しない。
 こうしたジレンマに対して、尾身会長や分科会は何も発言しない。
 筆者が、今、専門家としての分析が最優先で欲しいテーマは、イギリスの感染状況の分析である。イギリスでは、ワクチン接種率が国民の半分を超え、一時、感染者が激減したが、ここにきて新規感染者が激増している。6月18日には、1万人を超えた。なぜ、新規感染者が急増したのか、ワクチン未接種の人に感染が広がっているのか、1回目の接種では効果がないのか、あるいは新規株に対してはワクチンの有効性がないのか、知りたいことは山ほどある。
 こうした疑問に答えるのか尾身会長ら分科会の専門家の責任で、今、全力を上げて取り組まなければならないテーマであろう。
 尾身会長ら分科会のメンバーに忠告する。五輪観客問題を議論する時間があったら、こうした今最も重要なコロナ感染防止対策について具体的な提言を議論する時間に割いて欲しい。それが専門家として責務だ。
 五輪は「無観客開催」になっても、コロナの感染拡大はまったく収束しない。
 肝心なのは、いかにしてコロナ禍を克服して、「日常生活」を取り戻すことだ。


新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長 記者会見代表映像

東京2020大会 新型コロナウイルス感染リスクに関する提言

東京五輪、国民が支持を表明しにくい日本
 6月12日、BBCニュースは、「東京五輪、国民が支持を表明しにくい日本」という記事を掲載した。
 日本は今、「五輪開催支持」を唱えるには匿名でしかできない状況に覆われて、「『東京五輪の開催には賛成です、アスリートの皆さんに5年間の努力を存分に発揮させてあげたいと思います』とコメントをくれた人は、匿名を希望した。なぜなのか? 理由はたいてい次のようなものだ。
 「万が一職場や関係者にご迷惑がかかってしまった場合に責任問題にもなりかねない」』と伝えた。
 五輪賛成派に対する「魔女狩り」は、激しさを増している。
 BBCは、こうした「異論が許されない」風潮に危惧を抱く。
 ジャーナリストの佐々木俊尚氏のコメントを取り上げ、「アスリートが五輪に出たいと言えない、やってほしいという声があげられなくなっている。健全な議論には何が必要かを論じることができない」と嘆いているとした。

妥協なき議論
 佐々木氏によれば、知識の暗記を中心とし、授業でディベートを行わない日本の学校教育も原因の一つとしてあげられるという。それが議論の二極化と、妥協を許さない状況を招いているとしている。
 佐々木氏は、「五輪開催に賛成の人、組織委員会や自民党は攻撃されるからと、きちんと説明しなくなってしまった。説明しても無駄だろうとなってしまっている」と説明する。
 佐々木氏はまた、「ゼロリスク」を求める国民性も背景にあると言う。
「歴史をさかのぼると、原発安全神話というのがありました。リスクはあるんだけれど、エネルギー安定提供が大事だと言うと、少しでも危険があるならやめろという声があがり、絶対に安全と言わないといけない」
「今回も、多少の感染はあるかもしれないけれどという説明をすると怒りだしてしまう」という。(BBCの記事より)

感染拡大が一向に収束しないフラストレーションが「五輪反対」に
 「五輪開催中止」や「延期」が70%~80%に達した背景には、一向に収束の見通しが現れない「閉塞状況」のフラストレーションが、メディアの「反五輪」の大合唱に煽られたからであろう。
 しかし、読売新聞が実施した6月初めの世論調査では、「五輪開催支持」が50%となり、「風向き」は変わった。
 その背景には、「集団接種」、医療機関の「個別接種」、そして「大規模選手」が軌道に乗り始め、ワクチン接種が急速に進んだ。その結果、国民の先行きに対する不安感が無くなってきたことがあるだろう。日本は企業社会、「職域接種」が本格化すれば、ワクチン接種率は飛躍的に改善され、国民の五輪に対する意識はさらに改善することが予想される。
 五輪開催支持の獲得の切り札は、ワクチン接種にかかっているといっても良いだろう。

コロナ禍の時代の「ニューノーマル」 五輪開催のレガシーに
 東日本大震災からの「復興」を掲げた「復興五輪」はすでに雲散霧消してしまっている。変わって掲げられたのは、「コロナに打ち勝った証」の大会である。
 新型コロナウイルスの感染収束は、長期間続くことを覚悟した方がよいだろう。その間、社会・経済を維持するためには、with Coronaの時代の「ニューノーマル」が必須となる。東京2020大会がコロナの時代の「ニューノーマル」が提示できれば、新たな五輪のレガシーになるだろう。
 「開催中止」、「開催支持」、感情的な議論ではなく、冷静に科学的にどうやったら「安全・安心」な大会開催が可能なのか、建設的に考えたらどうか。

東京五輪開催、G7全首脳が「力強い支持」 菅首相
 6月13日、菅義偉首相は、英コーンウォールで主要7カ国首脳会議(G7サミット)閉幕後に記者団の取材に応じ、東京2020大会の開催について「全首脳から大変力強い支持をいただいた」と述べ、五輪の成功に決意を新たにしたと述べた。
 菅首相は「感染対策の徹底、そして安全・安心の大会について説明し、全首脳から大変力強い支持をいただいた」と説明。「改めて主催国の首相として心強く思うとともに、東京大会をなんとしても開会・成功しないといけないとの決意を新たにした」と語った。
 サミットの首脳宣言では東京大会を「新型コロナウイルス克服に向けた世界の団結の象徴」と位置付け、「安全、安心な方法での開催」への「支持」を盛り込んだ。
 メディアは、このファクトを踏まえて、「五輪中止」の大合唱から、どうやったら「安全・安心」な大会として開催できるのか、建設的に提言する「条件付き」賛成論に転じたら如何だろうか。

東京五輪・パラ “選手ら1日7人程度の感染確認 ”組織委が試算
 6月11日、東京2020大会組織委員会は、コロナ対策を検討する専門家会合で、大会期間中、選手や関係者に1日に7人程度(五輪大会の会期は17日間)の感染が確認されるという試算を示した。
 ワクチン接種を進めることで、感染者数は大幅に削減可能だとしている。
 先月行われた海外選手が参加したテスト大会での陽性者の数などを基に、組織委員会や東京都などが試算した。
 試算によると、大会期間中の選手と関係者を合わせて7万7000人として、1日当たり7人程度の感染が確認されるとした。
 また、入院は最大で選手が1人程度、大会関係者が10人程度、軽症や無症状での宿泊療養は、最大で合わせて57人程度とした。
 試算は、ワクチン接種を反映していない厳しい条件で算出したもので、実際は大幅に減る可能性があるとしている。
 一方、東京都は、東京五輪の期間中に海外から訪れる選手や関係者のうち、1日当たり7・7人の新型コロナウイルス感染者が確認され、最大で入院患者が11・7人、宿泊療養者が57・6人ほどになるとの試算を公表した。
 東京都の試算も、5月上旬に海外選手を招いて開催した4回のテスト大会を参考に算出している。
 都などによると、テスト大会に参加した選手ら約700人のうち、陽性となったのはコーチ1人だったのを基に感染者が出る割合を0・2%と仮定。五輪期間中は154人程度が感染すると見込む。
 さらに、過去の大会で選手らの滞在期間が約20日とするデータから1日当たりの感染者を7・7人と計算した
 組織委員会は、こうした試算をもとに、医療逼迫を引き起こさないように、大会の医療・療養体制を確保し、ワクチン接種や国内の人の流れの対策に重点的に取り組むことで、感染防止の徹底を図るとしている。
 こうした試算が100%妥当性があるかどうかは別にして、大手新聞やテレビニュースでは一切報道せず、NHKや共同通信、東京新聞だけが伝えている。メディアの五輪に対するネガティブ報道姿勢は問われるべきであろう。

出場を決めた選手の80%がワクチン接種済み IOC
 6月10日、国際オリンピック委員会(IOC)のクリストフ・デュビ五輪統括部長は、東京オリンピックに出場を決めた選手の80%が新型コロナウイルスのワクチンを接種したと明らかにした。 これまでIOCはワクチン接種について義務ではないとしてきたが、今後さらに接種を進めるため、大会まで接種が可能な期間は各国のオリンピック委員会や選手一人一人に連絡を取り続けるとしている。
 そして、変異ウイルス流行などで感染拡大の続く国・地域の五輪委が、東京大会に参加する際にコロナ対策の指針「プレーブック」に記載された検査に加え、自主的に追加検査を受けることを申し出ていることも明らかにした。IOCのクリストフ・デュビ五輪統括部長は記者会見で「こうした国々の代表団は日本に入国できるようにするため、追加的な対策をとる意向を見せている」と述べ、日本国民を含め、すべての参加者にとって安全な大会にすると改めて強調した。
 また、理事会では大会の出場選手のうちこれまでに76%に当たるおよそ8500人の選手が出場権を獲得したことが報告され、残りについてはランキングや最終的な予選で決まるという見通しが示された。
 大会の感染対策をまとめた「プレーブック」の最終版は来週公表される予定だが、デュビ五輪統括部長は、海外から日本に入国するメディアや関係者について「14日間の隔離を行うことは絶対だ。それが大会の大前提だ」と述べて、ワクチンを接種していても14日間の行動制限を例外なく行うことを強調した。

海外メディア、GPSで行動管理 組織委・橋本会長
 6月8日、東京2020大会組織委員会の橋本聖子会長は、海外から来日するメディアについて、入国後、14日間は事前に登録されたところ以外に外出することがないようスマートフォンのGPS機能などで厳格に行動管理をすることや、宿泊先を組織委が監督できる施設に限定する考えを示した。「民泊や友人宅、少人数の宿泊は取りやめていただく」と述べた。メディアの滞在するホテルは、限定されて約350超から150に集約するとした。
 また、大会に必要な医療スタッフについて、「医師は9割程度、看護師は8割程度の確保の見通しが立っている」との認識を示した。月内に必要数を確保できる見通しという。
 組織委はこれまで、医師は1日あたり最大230人程度、看護師は同310人程度を想定していた。橋本会長によると、医師の残りの1割は、公募に応じたスポーツドクターで対応する方針。看護師については、「ワクチン接種の応募との重複を避けつつ、東京都看護協会などと最終調整に入る予定」としており、今月中に調整する考えを示した。




深層情報 Media Close-up Report 呪われた東京五輪 速報 緊急事態宣言」下でも五輪開催 コーツIOC副会長

「五輪開催」すべき 盲目的に「中止」唱えるメディアのお粗末 根拠なし パンデミック・リスク 
開催実現で「Withコロナの時代のニューノルマル」をレガシーに


朝日新聞社説批判 「中止の決断を」に反論する 五輪は開催すべき

朝日新聞は東京五輪の「オフイシャルパートナー」を返上せよ

東京オリンピック 尾身会長批判 五輪リスク 「ワクチン」「検査体制」「医療体制」一体何を提言したのか


「ぼったくり」は米国五輪委員会 バッハ会長は「ぼったくり男爵」ではない メディアはファクトを凝視せよ






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2021年6月1日
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廣谷 徹
Toru Hiroya
国際メディアサービスシステム研究所
代表
International Media Service System Research Institute(IMSSR)
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脱国民洗脳はベンジャミン・フルフォード (脱国民洗脳はベンジャミン・フルフォード)
2021-06-10 17:39:44
国民電波洗脳による、テレビ、新聞、週刊誌、ラジオ等の、嘘八百の洗脳情報と、嘘と騙しの仕掛けと、策略に満ち溢れた世の中で、思考停止状態にある日本人は、自分自身の脳、すなわち思考そのものを点検せよ! 騙しと、策略の煽動に乗せられるな! 我々はハッ、と気付いて、いや、待てよ! と立ち止まり、常に注意深く、用心深く、警戒し、疑いながら生きれば、騙されることはない。 全ての常識や事柄を疑うべきだ! 洗脳からの覚醒には 『 フルフォード氏の著書 』 を読め!

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