出典 4K8KbsJP
「瀕死」の4K8K放送 視聴者不在のNHKと民放系列
6月22日から6月30日の1週間、NHKと民放系列局がタッグを組んで「BS4K8K衛星放送で見ようよ!キャンペーン」を始める。各局がいつも以上に4K8Kコンテンツに力を入れ、ドラマ、旅、バラエティ、音楽、グルメ番組を集中編成する。キャッチフレーズは「すごいぞ4K8K」、臨場感あふれる高精細映像や迫力のある5.1サラウンド音声が楽しめるとしている。
しかし、放送されるコンテンツを見ると、あまりにも寂しいラインアップに唖然とする。
目玉の番組としてBSフジ4Kは「皇室のみやび皇居三の丸尚蔵館の名宝」、番組そのものは立派な仕上がりだが、なんと再放送。
BS朝日4Kは、「あなたの知らない京都旅~1200年の物語~2時間SP」、毎週放送している通常番組拡大版で新鮮味はまったくない。
BS-TBSは「麺鉄 メン食い鉄道絶景の旅 新緑の中国地方」、「麺鉄 メン食い鉄道絶景の旅」も通常番組。
NHKは「BS時代劇 大岡越前7」、新たに枠を作ったわけでなく、前作の「鳴門秘帖」が終わったので新たに始まった通常番組である。
BS日テレ4Kだけが、特集枠で新作「昭和名曲マネ歌謡祭」を放送する。
そのほかの4Kチャンネル編成は、民放系列は相変わらず、古い時代劇やドラマ、HD番組のアップコンバートで埋め尽くされている。ピュア4K番組は一向に増えない。
NHKは、4K番組比率はほぼ100%としているが、古いアーカイブ番組を4Kリマスターと称し放送、高精細の迫力ある映像とは程遠い。4K制作番組はやたらと再放送が多い。夜のゴールデンアワーの主力番組でも再放送がずらりと並ぶ日もあり、一日中、再放送番組で埋め尽くされている。
視聴者を無視したお粗末な対応である。魅力的な4Kコンテンツの充実はまったくなく、これでは4K放送の普及拡大につながらない。
NHKの8K放送は、一般家庭の受信世帯はほぼ無いに等しいと思われる。
「すぐそこの別世界」を掲げるNHK 出典 NHK
新4K8K衛星放送は、次世代の高精細テレビサービスの切り札として総務省、NHK民放各社、家電業界、総力を挙げて2018年12月に立ち上げてから5年がたった。4Kテレビの累積普及台数は1469万台(4K8K対応チューナーを含む 2023年10月 JEITA)に達し、所有率は21.8%(A-PAB 2023年10月)となっているが、実際に4K8K放送を見ている視聴者は極めて限定されていて、普及拡大は遅々として進まない。その原因はひとえに4Kコンテンツの貧弱さにある。NHK、民放系列の責任は大きい。
新4K8K衛星放送を開始した時のふれこみは、「こんどのテレビは、別世界」、「別世界」のサービスは未だに現れない。
出典 一般社団法人放送サービス高度化推進協会(A-PAB)
イチオシ!ピュア 4K番組表 高精細ピュア4K番組を見よう! NHKBS/民放系列BS4K
新4K8K衛星放送 苦難のスタート
2024年6月17日
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廣谷 徹
Toru Hiroya
国際メディアサービスシステム研究所
代表
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