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新国立競技場 検証委 白紙撤回までの経緯

2015年09月24日 18時56分37秒 | 新国立競技場




国立霞ヶ丘競技場の改築計画について(白紙撤回までの経緯)
                            2015年8月 文科省スポーツ・青少年局 
                                    新国立競技場検証委員会に提出資料

○ 平成21年2月12日
東京都が2016年大会立候補ファイルを提出
※ 主会場は、国立競技場の改築を断念し、都立のオリンピックスタジアムを晴海地区に新設(10万人規模)とした。
※ 立候補ファイルの提出に当たり、「主要競技施設については、日本国政府においてもその経費の2分の1まで負担することが可能となっている」旨の保証書(文科大臣名)を提出

○ 平成21年9月28日
鳩山総理のIOC総会出席が決定。

○ 平成21年10月2日
2016年大会開催都市はリオデジャネイロに決定し、東京は落選した。

○ 平成22年度(8月~翌年3月)
独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)において、国立霞ヶ丘競技場陸上競技場耐震改修基本計画を策定。

(まとめ)
特に、改修計画の範囲・建築計画を含めた内容の検討等、規模の異なる改修計画については、耐震改修及び老朽化した設備機器の改修の範囲にとどまらず、世界的規模のスポーツイベントの開催実現や日本におけるスポーツ文化の更なる発展のため国立競技場が担うべき将来像を提示しており、今後の改修計画方針に反映されることを考慮したものである。
(現状維持改修案:約128億円~大規模改修案:約777億円)
しかしながら一方で、今後大規模な国際競技大会の開催を視野に入れた場合、収容人員規模増大への更なる要望や大会管理運営についての機能強化、利便性・快適性についての高水準での提供等が望まれ、改修にとどまらず、施設全体の建替えを視野に入れた抜本的な見直しが必要と考える。

○ 平成23年2月15日
ラグビーワールドカップ2019日本大会成功議員連盟における「国立霞ヶ丘競技場の8万人規模ナショナルスタジアムの再整備等に向けて」の決議

○ 平成23年6月24日
スポーツ基本法が公布(平成23年8月24日施行)

○ 平成23年7月16日
東京都が2020年オリンピック・パラリンピック競技大会招致への立候補を表明

○ 平成23年9月
平成24年度概算要求において、2019年ラグビーワールドカップ及び2020年オリンピック・パラリンピック競技大会東京招致を視野に入れた「国立競技場の改築に向けた調査費」(約1億円)を要求

○ 平成23年10月4日
文科大臣が記者会見において、記者から「概算要求の記者会見の中で、国立競技場の改築の部分(国立競技場改築に向けての調査費)を重点的な項目として挙げ、『元気な形で引っ張っていく形で作りたい』という発言は、どのような形をイメージしているのかを問われ、「国立競技場というのは、東京のオリンピック誘致に連動していますので、そこのところを一体化して、国立競技場を一つの、東京オリンピック誘致の中のポイントでありますので、ああいう環境の中で様々な物理的な制約を考えていくと一番いい、適した競技場だということでもありますので、東京の誘致に資していく、結びつけていくようなことにしていきたい。」と発言

○ 平成23年10月18日
東京都議会において、国立霞ヶ丘競技場の改築や周辺地域の環境整備を進めるなど、スポーツに関する施策の推進が更に求められる旨を記載した「第32回オリンピック競技大会及び第16回パラリンピック競技大会東京招致に関する決議」がなされる。

○ 平成23年12月6日~7日
衆議院、参議院において、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致に関する決議が可決。※国立競技場に関する記述なし

○ 平成23年12月13日
政府は、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の東京招致について閣議了解。
※ 「施設の新設については、その必要性等について十分検討を行い、多様な財源の確保に努める」旨、記載。

○ 平成23年12月24日
平成24年度予算(案)が閣議決定
(2019年ラグビーワールドカップ及び2020年オリンピック・パラリンピック競技大会東京招致を視野に入れた国立競技場の改築に向けた調査費(約1億円)が計上)

○ 平成24年1月31日
JSCは、「国立競技場将来構想有識者会議」を設置して、同年3月6日に第1回会議を開催し、検討を開始。

○ 平成24年2月12日
東京都が招致申請ファイルをIOCに提出
※都は、国立競技場を8万人規模に改築、総工費1000億円と記載

○ 平成24年3月30日
文部科学省は、スポーツ基本計画を策定。
「日本スポーツ振興センターは、国内外のスポーツ関係団体との連携による国内外の情報収集・分析及び提供、国立霞ヶ丘競技場等の施設の整備・充実を行い、オリンピック・ワールドカップ等大規模な国際競技大会の招致・開催に対し支援する。」

○ 平成24年7月13日
JSCは、有識者会議(第2回)を開催し、2020年東京招致メインスタジアムの基本デザイン(「オリンピックスタジアムの完成予想図」)を立候補ファイルに掲載し、招致活動のアピールポイントとするため、「新国立競技場基本構想国際デザインコンクール」の実施を決定。

〔目指す新スタジアムの姿(基本的要件)〕
・大規模な国際競技大会が開催できる、8万人規模の収容人員
・選手と観客が一体となる、臨場感あふれる観客席(可動席等)
・全天候で快適に競技・観覧でき、文化的活動への利活用にも資する、開閉式屋根
・ホスピタリティを含めた、世界水準であり日常的に来場者が楽しめるデザイン
・省エネルギーや環境に配慮した、最先端の環境技術の導入など
〔事業規模等〕競技場本体建設工事費(試算):約1,300億円程度

○ 平成24年7月20日
JSCが国際デザインコンクールを実施(作品募集開始)。募集要項に競技場本体の工事費として「約1300億円程度」と記載。
※ 上記には解体工事費、敷地外工事費、設計費、移転費等は含まない
※ JSCは、国内の既存スタジアム建設コストを参考に総工費概算額約1300億円を推計。(躯体部分は日産スタジアム(7.2万席)、屋根部分は大分スタジアム、神戸スタジアム、有明コロシアム等を参考にした。)

○ 平成24年10月30日
JSCは、応募作品46点について、11点に絞り込みを行い公表。

○ 平成24年11月7日
審査委員会(委員長:安藤忠雄氏)で、ザハのデザインを最優秀案に決定。
※ 審査前に「構造」「設備」「都市計画」「積算」等10名の調査員(10名)による技術審査を実施。1次審査では、作品の匿名性を確保した上で日本人審査員8人から推薦があった作品について、デザイン性、機能性、実現性といった様々な観点から検討を行い、まず11作品に絞り込んだ。2次審査では、グローバルな知見を求めてノーマン・フォスター、リチャード・ロジャースという世界的建築家2名(委員会は欠席、事前審査・投票)を審査員に加えた10人の審査員で投票を行い、その上位作品について、未来を示すデザイン性、技術的なチャレンジ、スポーツイベントの際の臨場感、施設建設の実現性等の観点から詳細に渡り議論を行った。

○ 平成24年11月15日
JSCは、第3回有識者会議を開催し、デザインの最優秀賞を決定
〔新国立競技場基本構想国際デザイン・コンクール〕
・最優秀賞ザハ・ハディドアーキテクト(英)
※新国立競技場基本構想デザイン第1候補
※立候補ファイル「オリンピックスタジアム」のデザイン(パース)に使用
・応募総数46点(国内12点、海外34点)
・入賞作品最優秀賞作品を含む3点





(ザハ・ハディド アーキテクスの作品 出典 新国立競技場 国際デザインコンクール 最優勝賞)

○ 平成25年1月7日
東京都が招致立候補ファイルをIOCに提出
※ H24.12.28文科省と東京都において、「改築はオリンピックのためであること、資金負担については協議に応じること」について認識共有の上、「国立競技場はオリンピックスタジアムとして8万人規模に改築、整備主体及びその資金調達はJSC」と記載することについて政府は了解。

○ 平成25年1月29日
平成25年度予算(案)が閣議決定
JSC運営費交付金として基本設計費に使用可能な13億円を計上するに当たり、JSCの中期計画に以下の文章を記載することについて財務省と文部科学省で合意。
「国立霞ヶ丘競技場の改築については、2019年ラグビーワールドカップ日本開催及び2020年オリンピック・パラリンピック東京招致、デザイン案についてのコスト縮減等の精査の結果、多様な財源の確保のあり方及び資金負担についての国、東京都及び関係者間の合意並びに東京都の都市計画の規制緩和措置等を踏まえ、そのための基本設計費を執行するものとする。」

○ 平成25年5月31日~12月31日
JSCはプロポーザル方式で設計者を選定※し、設計作業を開始。
※周辺環境等を調査するフレームワーク設計業務契約
契約の相手方:日建設計、日本設計、梓設計、アラップ設計JV(以下「設計JV」)
契約金額:約3億9200万円

○ 平成25年6月17日
東京都は、国立競技場が所在する神宮外苑地区の新たな都市計画(規制緩和等)を公示。

○ 平成25年7月1日
JSCと設計JVとの打ち合わせにおいて、設計JVから「1300億円には収まらず
2000億円を超えてしまう可能性がある」旨の発言

○ 平成25年7月3日
IOCテクニカルブリーフィング(於:ローザンヌ)において、麻生副総理が、ザハデザインのCGを使用してプレゼンテーションを実施。

○ 平成25年7月30日
設計JVからJSCに対し、ザハデザインをそのまま忠実に実現しかつ各競技団体等の要望を全て盛り込むと3000億円超との試算額が報告

○ 平成25年8月1日~12月31日
JSCは、フレームワーク設計に係るデザイン監修業務契約を締結
契約の相手方:ザハ・ハディドリミテッド(以下「ザハ事務所」)
契約金額:2億円

○ 平成25年8月5日
JSCは文部科学省に設計JVの試算額(3000億円超)を報告。
文部科学省は、大幅なコスト削減を指示。
JSCは、ザハ・ハディドアーキテクト及び設計JVにコンパクト化を指示

○ 平成25年8月20日
JSCは、文部科学省に複数のコンパクト案(延床29万㎡→22万㎡)を報告

○ 平成25年9月8日(現地時間7日)
IOC総会(於:ブエノスアイレス)において、安倍総理が、ザハデザインのCGを使用してプレゼンテーションを実施。東京都が2020年大会の開催都市に決定

○ 平成25年9月13日
文部科学省はJSCに対して更なるコスト縮減を指示

○ 平成25年9月24日
JSCは、文部科学省に全体経費試算額1852億円(解体工事費含む)となることを報告。

○ 平成25年10月19日
新国立競技場の総工費が最大3000億円になると報道。
同月23日、下村大臣が国会で、このことについての事実を確認されたため、ザハ氏のデザイン通りだと総工費が3000億円に達することから、縮減を行う旨を答弁。

○ 平成25年11月26日
JSCは、国立競技場将来構想有識者会議(第4回)を公開で開催し、基本設計条件案を有識者に報告。ただし、工事費概算額は政府と引き続き調整する旨、説明。

<主な基本設計条件>
◇ 改築工事費概算額1,852億円
新競技場建設工事1,413億円
周辺整備工事(立体公園、ブリッジ等) 372億円
現競技場等解体工事67億円
◇ オリンピック・パラリンピックをはじめとする大規模国際競技大会が開催可能なスペック(観客収容8万席、陸上競技トラック9レーン等)
◇ 確実な大会運営や多目的利用による稼働率向上に資する開閉式屋根の設置
◇ サッカー・ラグビー等の球技開催時には、臨場感を創出する可動席の設置
◇ デザインのコンパクト化
敷地面積:約11万㎡、高さ:約75m
延床面積:約29万㎡ → 約22万㎡

○ 平成25年11月27日~12月26日
文部科学省では、上記JSC案について、改築工事費概算額を精査し、12月下旬に改築工事費概算額を1699億円(本体工事費1395億円、周辺整備費237億円、解体工事費67億円(平成25年7月時点の単価、消費税率5%))として、政府部内へ説明。

○ 平成25年11月28日~12月27日
自民党行政改革推進本部無駄撲滅プロジェクトチーム(河野太郎座長)からの意見を踏まえ、設計条件の1つである新競技場の建設工事費概算額を1,625億円(平成25年7月時点の単価、消費税率5%)とした。また、年間収支見通しについて、開閉式遮音装置を設置した場合は年間+3億円、設置しない場合は年△6億円とした。
※ 改築工事費概算額1,692億円
新競技場建設工事1,388億円
周辺整備工事(立体公園、ブリッジ等) 237億円
計1,625億円
現競技場等解体工事67億円

※ 年間収支見通し第三者評価((株)集客創造研究所)
(可動屋根あり)   (可動屋根なし)
収入約50億円    約38億円
支出約46億円    約44億円
収支差約4億円    約△6億円

○ 平成26年1月10日~5月30日
JSCは、設計JVとの間に基本設計業務契約を締結。契約金額は6億700万円。
また、ザハ事務所との間に基本設計に係るデザイン監修業務契約を締結。金額は2億円。

○ 平成26年1月31日
JSCの中期計画について、「改築その他関連する経費について、引き続き精査を行い、基本設計作業を通じて、真にやむを得ない場合を除き現在の見積金額総額を超えないこと」を追記。

○ 平成26年5月28日
JSCは、有識者会議(第5回)を公開で開催して、基本設計案を説明。
その際、概算工事費は、1625億円(平成25年7月時点の単価、消費税率5%)とした。

○ 平成26年8月11日
JSCは、建設工事費概算額について、建設物価及び労務費の上昇並びに消費税率の引き上げによる影響額の見通しを文部科学省に説明。

○ 平成26年8月18日
JSCは、実施設計段階から施工技術のノウハウ等を設計に反映させ、2019年春の竣工を確実なものとするため、政府調達(プロポーザル方式)により施工予定者を公募。

○ 平成26年8月19日
JSCは、新競技場の収支計画見通しを公表。
<新競技場年間収支計画見通し>
事業収益  約38億円
維持費   約35億円
収支差   約3億円

○ 平成26年8月20日~平成27年9月30日
JSCが、設計JVとの間に実施設計業務契約を締結。契約金額は約26億4700万円。また、ザハ事務所との間に実施設計に係るデザイン監修業務契約を締結。契約金額は9億3000万円。

○ 平成26年10月31日
JSCが、提案者(スタンド工区:3者、屋根工区:2者)の中から、施工予定者を選定。(スタンド工区:大成建設、屋根工区:竹中工務店)

○ 平成26年12月5日、8日~平成27年3月31日
JSCは、施工予定者との間に技術協力業務委託契約を締結し、施工予定者が技術協力者として実施設計業務に参画。
契約金額:大成建設(スタンド工区) 約1億3400万円
竹中工務店(屋根工区)       約1億3500万円

○ 平成26年12月8日
JSCは、中期計画に「改築その他関連する経費について、実施設計作業を通じて、真にやむを得ない場合を除き現在の見積金額総額を超えないよう、引き続き精査を行うこと」と追記。

○ 平成26年12月15日、19日~平成27年9月30日
JSCは、国立霞ヶ丘陸上競技場等とりこわし工事契約を締結。
契約の相手方:(南工区)関東建設興業(株)、(北工区)(株)フジムラ
契約金額  :(南工区)15億552万円、(北工区)16億7292万円

○ 平成27年1月~2月上旬
技術協力者は、JSCに対し、両工区合わせた工期では竣工が当初計画の2019年3月末を超える。また、実施設計図(平成26年11月時点)に基づく概算工事費が3000億円超と報告。JSCは、両工区間で調整を指示。

○ 平成27年2月13日
JSCは、上記の報告及びJSC及び設計者による工事費概算額の試算が建設物価及び消費税率の上昇影響分を加味した場合、2100億円程度になることを文部科学省に報告。
更に、技術協力者の見積額について、設計JVの試算額より6割程度高めとなっており、この乖離を収めることは困難と想定されることを報告。
文部科学省から、JSCに対し両工区の更なる工期短縮の調整やコスト縮減を指示。

○ 平成27年3月12日
JSCは、工期短縮のため一部後施工などの出来高変更が必要であることや、コスト縮減策の検討状況を文部科学省に報告。
文部科学省から、ラグビーワールドカップの開催を必須とした工期の短縮方策の検討を指示。

○ 平成27年3月20日
JSCは、技術協力者から、ラグビーワールドカップに間に合わせるには開閉式遮音装置や可動席等を後施工とすることが必要であるとの提案を受ける。

○ 平成27年3月25日
JSCは、検討の現状(以下のとおり)を文部科学省に報告。
工期 :2019年春の竣工には、開閉式遮音装置の後施工等が必要
コスト:JSC・設計者の試算額及び技術協力者の概算見積額には大幅な乖離

○ 平成27年4月1日~9月30日
JSCは、技術協力者との間に実施設計及び施工段階に係る技術協力業務契約を締結。
契約金額は、スタンド工区が約2億2200万円、屋根工区が約3億円。

○ 平成27年4月1日~平成28年3月31日
JSCは、ザハ事務所との間に実施設計に係るデザイン監修業務契約を締結。契約金額は、約1億7000万円。

○ 平成27年4月10日
JSC理事長から下村大臣に対し、以下のとおり現状を報告。
工期 :2019年春の竣工には、開閉式遮音装置の後施工等が必要
コスト:JSC・設計者の試算額及び技術協力者の概算見積額には大幅な乖離

○ 平成27年5月14日
JSCは、技術協力者から2019年5月末までに可能な出来形の最終提示があったことを受け、文部科学省に報告。

○ 平成27年5月18日
下村文科大臣が舛添都知事と会談し、下村大臣が整備計画の見直し状況(開閉式遮音装置の後施工、可動席の簡素化)について言及。

○ 平成27年5月29日
槇文彦氏らがデザイン等の代案について提言。
代案の問題点としては、①新たなデザインの基本設計及び実施設計が11ヶ月と短期間であること、②許認可等の手続きが超法規的措置による前提であることが挙げられる。
なお、設計者によれば、新たなデザインによる所要期間は、基本設計6ヶ月(FW設計を除く)、実施設計9ヶ月、建築確認4ヶ月、工期42ヶ月、計61ヶ月で、6月から開始すると工事完成は2020年6月となり、ラグビーワールドカップ2019の開催には間に合わないとの試算であった。

○ 平成27年6月15日~22日
JSCは、技術協力者が提出した2019年5月末までに可能な出来形に基づく見積書について、JSCと設計者において査定の上、価格協議を行い、目標工事費が約2520億円で協議をおおむね終え、文部科学省に確認の上、施工予定者と基本的に合意。

○ 平成27年6月29日
東京オリンピック・パラリンピック調整会議において、下村文科大臣から国立競技場の整備方針について報告。

○ 平成27年7月7日
JSCが、有識者会議(第6回)を公開で開催し、
① 国立競技場の整備は、ラグビーワールドカップ2019・2020年オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた整備、大会後の整備に分けて段階的に行うこと、
② 竣工は2019年5月末(工期44ヶ月)としたこと、
③ 目標工事費は2520億円としたこと、
④ 2020年東京大会後の開閉式遮音装置の設置を前提とした運営収支は均衡する見通しであること、また、民間への委託を検討していること、について説明。
会議終了後、河野JSC理事長から下村文科大臣に会議の概要について報告。

○ 平成27年7月9日~平成28年12月28日
JSCが、スタンド工区新営工事に係る工事請負契約を締結(※)。契約金額は約32億9400万円。※本年10月の建設着工に必要な最低限の資材調達等

○ 平成27年7月17日
安倍総理が、整備計画を白紙に戻しゼロベースで見直す旨、発表。



2015年9月24日


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廣谷  徹
Toru Hiroya
国際メディアサービスシステム研究所
代表
International Media Service System Research Institute
(IMSSR)
President
E-mail thiroya@r03.itscom.net  /  imssr@a09.itscom.net
URL http://blog.goo.ne.jp/imssr_media_2015
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新国立競技場 検証委 報告書 下村文科相・河野JSC理事長の責任を指摘

2015年09月24日 17時37分36秒 | 新国立競技場




新国立競技場 検証委 報告書公表 速報
下村文科相・河野JSC理事長の責任を指摘


 白紙撤回された新国立競技場の整備計画について問題点などを調べている文部科学省の検証委員会(委員長=柏木昇・東京大名誉教授)は、2015年9月24日、第4回検証員会を開き、報告書をよりまとめ、下村文部科学大臣に提出した。
 報告書では、事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)と監督官庁である文科省の責任の所在が不明確で、意思決定に問題があったと指摘した。河野一郎JSC理事長や下村博文文科相、事務次官については、組織の長として問題が起きないように組織内の調整を図ることを怠ったとした
 この検証員会は、2015年7月17日、約3年半に渡って進められた新国立競技場の整備計画が“白紙撤回”された事態を受けて、整備計画のこれまでの経緯を検証するために、文部科学省に第三者組織として設置された。
 検証委員会の構成は、委員長に柏木 昇氏(東京大学名誉教授)、委員に國井 隆氏(公認会計士)、黒田 裕氏(弁護士)、為末 大氏(一般社団法人アスリート・ソサエティ代表理事)、古阪秀三氏(京都大学教授)、委員長代理に横尾啓介氏(経済同友会専務理事/みずほ証券常任顧問)で、検証協力者として岸 郁子氏(弁護士)の協力を得た。

「検証結果:問題点の検証」の総論として以下の点を指摘した。

(1) 検証にあたっての前提
▼ プロジェクトの難度の高さ・複雑さ
2019年開催のラグビー・ワールドカップに間に合わせるというタイトな工期で、最高水準の建設技術が求められるデザインを実現するという極めて“難易度”が高いプロジェクトであった。また、東日本大震災の復興事業の影響で、資材費や人件費などの建設費が高騰する中で、建設計画見直しが再三にわたって行われたことで、一層、“複雑”化していった。
▼ 異なる工事費の取り扱い
 さまざな工事費の数値が出されたが、それぞれの概算値は、“計算基礎”と“算出主体”、“制度”が異なるものであり、このような“性質の異なる数字”を横並びで比較することは慎重でなければならない。

(2)見直しに至った主な要因
 ▼ 集団的意志決定システムの弊害
意思決定が“トップヘビー”で、機動性がなかったことで、“意志決定の硬直性”を招いた。
▼ プロジェクトの推進体制に係る問題
 大規模かつ複雑なプロジェクトであったにも関わらず、既存の組織やスタッフで対応してしまった。
▼ 情報発信のあり方に係る問題
 情報発信の透明性の向上や、国家プロジェクトに対する国民理解の醸成が図られなかった。

(3) 見直しすべきだったタイミング▼ 2013年8月に設計会社JVから、ザハ・ハディド氏のデザインをベースに関係団体の要望をすべて満たした場合、工事費が3000億円を超えそうだという報告がなされ、その際に工事費の削減案が関係者で検討されている。
▼ 2013年9月に東京五輪の招致が決定した後、この削減案を基づき一度ゼロベースでザハ・ハディド案を見直しする一つのチャンスがあった。
▼ プロジェクトを動かす必要が生じた2015年9月から年末にかけてが、ゼロベースで見直しを行う一つのタイミングだったの考える。

(4) 責任の所在について
▼ 結果として、このプロジェクトの難度に求められる整備することができなかったJSC、ひいてはその組織の長たる理事長にあるといわざるを得ない。
▼ 文部科学省についても同様に解するべきであり、その組織の長たる文部科学大臣及び事務方の最上位たる事務次官は関係部局の責任を明確にし、本プロジェクトに対応することができる組織体制を整備すべきであった。




検証結果 事実認定
(新国立競技場整備計画経緯検証員会 2015年9月24日)




新国立競技場の工事費・解体工事費の変遷について
(新国立競技場整備計画経緯検証員会 2015年9月24日)






2015年9月24日
Copyright (C) 2015 IMSSR


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廣谷  徹
Toru Hiroya
国際メディアサービスシステム研究所
代表
International Media Service System Research Institute
(IMSSR)
President
E-mail thiroya@r03.itscom.net  /  imssr@a09.itscom.net
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NHKニュース7 世論調査 内閣支持率 “看板”が泣いている 安保関連法ニュース

2015年09月23日 07時43分00秒 | 政治
NHKニュースの看板が泣いている!
~どこへ行った「NHKニュース7」~

☆ 安保関連法成立関連世論調査 メディアはどう対応したか
☆ 内閣支持率報道 メディアはどう伝えたか
メディア・ウオッチドッグ

 集団的自衛権の行使を可能にすることなどを盛り込んだ安全保障関連法が、19日未明の参議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党と次世代の党などの賛成多数で可決され、成立した。戦後日本の安全保障政策は、歴史的な大転換をした。

 新聞、テレビ各社は、この安全保障関連法の成立を世論はどう受け止めたか、19日、20日で世論調査を行い、21日に紙面やTVニュースで、いずれも速報した。
 NHKニュースでは、世論調査を実施せず、安全保障関連法の成立に関する世論の動向を伝えていない。

 9月21日のNHKニュースの“看板”、「ニュース7」の項目を見よう。
「ニュース7」は、NHKのニュースに中でも“特別”な地位を与えられているNHKを代表するニュースだ。
ニュース7の“見出し”は、「この夏の猛暑」、熱中症になる人が相次ぎ、「認知症」の高齢者の搬送が相次いだというニュースである。
 続いて下記のようなニュース項目を伝えている。

▼ 「埼玉・熊谷 6人殺人事件」 
    逮捕状の男 前橋から電車で移動
▼ 「電動車いす 介護ベッド 高齢者の使う介護用品」
     5年間で49人死亡
▼ 「熱中症で搬送 49万8千人(全国)」
     その半数が65歳以上の高齢者
▼ 「関東・東北豪雨」
     復旧に向けた動き進む
▼ 「枯れ木も山のにぎわい」
     文化庁の行った国語調査 誤って理解している人 半数近く
▼ 「原発運転の未経験者」
     川内原発で約40% 安全のために人材確保課題に
▼  フラッシュ・ニュース
「難民10万人受け入れ アメリカ拡大を表明」
「フォルクスワーゲン謝罪 米の排ガス規制で不正指摘」
「佳子さま慰霊碑に献花」
「宮沢賢治をしのぶ会」
▼ スポーツ
「ラグビー・ワールドカップ 日本代表練習」
「大相撲結果」
「プロ野球」
▼ 天気情報

 「ニュース7」では安全保障関連法関連のニュースは何も伝えていない。
 一方、ニュースウオッチ9では安全保障関連法案関連ニュースを取り上げているが……。
 安保関連法は、日本の安全保障政策の歴史的な大転換という認識には異論はないだろう。その安保関連法成立にあたって、世論がどう受け止めたかは、最も重要な情報である。週末に世論調査を実施して、安全保障関連法の成立を世論はどう受け止めたか、安倍内閣の支持率がどうなったのか、月曜日の21日に結果を速報するのがメディアの“責務”だろう。とりわけ安倍内閣の支持率がどうなったか、政治家だけではなく、国民全体が注視していた。安倍政権に厳しい評価が出るのを勘案して、世論調査を実施するのを見送ったのではないかという疑念さえ生まれる。
NHKは9月14日の安全保障関連法の採決がヤマ場を迎えた時に、世論調査を実施している。結果は、「安倍内閣への支持率は6ポイント上昇して43%」、三か月ぶり“支持しない”を上回ったと報道している。参議院の“強硬採決”後、安倍内閣の支持率がどうなったかは重要な情報ではないと思ったのだろうか。定例で実施している世論調査で報道すれば充分というニュース判断だったのだろう。お粗末な編集判断だ。
「日本の安全保障政策の歴史的な大転換」の“節目”なのである。
「この夏の猛暑」が「ニュース7」の“見出し”ではない。「枯れ木も山のにぎわい」のニュースに方がニュース・バリューがあるのか? ニュース7の“看板”が泣いている。
国民が知りたがっている情報に答えようとしない報道機関はジャーナリズムとして“資格”がない。
NHKは、5月26日に始まった安全保障関連法案の衆院本会議での代表質問などを中継しなかった。「必ず中継するのは施政方針演説などの政府演説とそれに関する代表質問というのが原則」と説明する。さらに7月15日の衆院平和安全法制特別委員会の締めくくり質疑を生中継せず、視聴者から抗議や問い合わせが相次いだ。
そして、また“失態”である。

 これに対して、新聞各社は、いずれも週末の19日と20日に世論調査を実施して、安保関連法成立にあたって、世論がどう受け止めたか、安倍内閣の支持率はどうなったのかを、21日の紙面で速報している。

▼ 朝日新聞
  「安保法、反対51%・賛成30%」

 安保関連法に「賛成」は30%、「反対」は51%で、法律が成立してもなお反対が半数を占めた。国会での議論が「尽くされていない」は75%、安倍政権が国民の理解を得ようとする努力を「十分にしてこなかった」は74%に上った。
 内閣支持率は35%(9月12、13両日の前回調査は36%)で、第2次安倍内閣の発足以降、最も低かった。不支持率は45%(同42%)だった。

▼ 毎日新聞
 「毎日新聞世論調査:安保成立『評価せず』57% 強行「問題だ」65%」

成立を「評価しない」との回答は57%で、「評価する」の33%を上回った。参院平和安全法制特別委員会で与党が強行採決したことに関しては「問題だ」が65%を占めた。安倍内閣の支持率は8月の前回調査より3ポイント増の35%、不支持率は同1ポイント増の50%。不支持が支持を上回る傾向は変わっていない。

▼読売新聞
 「内閣支持41%、再び不支持を下回る…」

安倍内閣の支持率は41%で、前回調査(8月15~16日)から4ポイント下落し、不支持率は51%(前回45%)に上昇した。安保関連法の衆院通過後の7月調査で、内閣支持率は2012年12月の第2次安倍内閣発足以降、初めて不支持率を下回った。前回調査では支持率と不支持率が並んでいたが、今回は再び逆転した。
 安保関連法の成立を「評価しない」人は58%、「評価する」は31%だった。安保関連法の内容について、政府・与党の説明が不十分だと思う人は82%に達した。内閣支持率の低下は、安保関連法への理解が進んでいないためとみられ、政府には法成立後も、丁寧な説明が求められている。
 安保関連法の成立で、抑止力が高まると答えた人は34%で、「そうは思わない」は51%だった。

 そして内閣支持率が4%と小幅な下落にとどまったことについて、記事では「政府・与党内には安堵感も広がった。安倍首相周辺は『支持率の下げ幅は想定の範囲内だ。経済対策で反転攻勢に出る』と語った。首相も20日、周辺に『次は経済だ』と述べた」としている。
 また「民主党の岡田代表は秋田市で安保関連法について、「『廃止にすべきだ』という民意がはっきりした」と記者団に述べ、政府・与党批判を続ける考えを示した。党幹部は「支持率は10ポイントくらい下がるとみていた。意外だ」と語った。党内には「反対論に終始し、対案を出せなかった。国民の支持が広がらなかった」(保守系議員)との危機感もある」と伝えている。


▼ 産経新聞・FNN
 「安保法制整備は7割が『必要』でも、安保法案成立『評価しない』が6割」

産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が19、20両日に実施した合同世論調査によると、集団的自衛権の行使を限定的に可能にする安全保障関連法の成立について、56・7%が「評価しない」と答えた。「評価する」は38・3%だった。一方、日本の安全と平和を維持するための安保法制整備については、69・4%が「必要」と答え、「必要ではない」は24・5%にとどまった。
  安倍内閣の支持率は42・6%で、前回調査(12、13両日実施)より0・9ポイント低下。不支持率は47・8%で3・3ポイント上昇した。

 記事の“見出し”は、「安保法案成立『評価しない』が6割」が後ろにきて、「安保法制整備は7割が『必要』」が前面に出しているのが、いかにも安保関連法を支持している産経新聞らしい書き方である。

世論調査には、設問の仕方によって、回答の内容が著しく変わるので、回答結果の数字だけでなく、「設問」を検証することも必須である。
 「安保法制整備は7割が『必要』」の調査項目の設問は、「あなたは、日本の安全と平和を維持するために、安全保障法制を整備することは、必要だと思いますか、思いませんか」であある。今回の安保関連法案について聞いているのではなく、“一般論”として「安全保障法制の整備」の必要性について聞いているのである。次元が違う設問の設定である。筆者は、やや“公正”な姿勢を欠いた世論調査と思うが……。

▼ 日本経済新聞
 「内閣支持40%に低下、安保法54%評価せず」

 安倍内閣の支持率は40%と、8月末の前回調査を6ポイント下回った。不支持率は47%で7ポイント上昇し、再び支持、不支持が逆転した。安保関連法の今国会成立を「評価しない」は54%で「評価する」は31%にとどまった。

▼ 共同通信
 「安保法の審議不十分79%」
 共同通信社が19、20両日に実施した全国緊急電話世論調査によると、安全保障関連法に「国会での審議が尽くされたとは思わない」の回答は79・0%、「尽くされたと思う」は14・1%だった。安保法への安倍政権の姿勢に関し「十分に説明しているとは思わない」は81・6%、「十分に説明していると思う」は13・0%で、政府への根強い不満が浮き彫りになった。内閣支持率は38・9%で8月の前回調査から4・3ポイント下落、不支持率は50・2%。
 安保法成立で自衛隊が戦争に巻き込まれるリスクが「高くなる」は68・0%。「変わらない」は27・1%、「低くなる」は2・5%だった。

 また関連記事で「安倍政権は『内閣支持率の30%台後半への下落は想定内だ』(幹部)と冷静に受け止める一方、強い反対世論が持続すれば、来年夏の参院選に影響しかねないと警戒」と伝えている。

 テレビ放送各社の対応はどうだったのだろうか。
 9月21日、テレビ各社は各局とも、週末に世論調査を実施し、ニュースで安全保障関連法案成立後の世論の動向について速報している。

▼ 日テレニュース24
 「緊急世論調査 安保成立『評価せず』58%」
 
 日本テレビと読売新聞が19・20日に行った緊急世論調査で、安保関連法が成立したことに「評価する」が31%だったのに対して、「評価しない」が58%に上った。また82%の人が政府・与党が安保関連法の内容を国民に十分説明したと思わないと答えた。



▼ TBSニュース(JNNニュース)
 「安全保障関連法、76%が『審議不十分』 JNN緊急世論調査」

 集団的自衛権の行使を可能にすることなどを柱とする安全保障関連法が19日成立しましたが、国会での審議について、76%の人が「不十分」と考えていることが、JNNの緊急世論調査でわかりました。
安保関連法が、19日、成立したことを受けて、JNNは緊急世論調査をこの土日に行いました。
 それによりますと、安保関連法が成立するまでの国会での審議について、「十分だった」と答えた人が16%、「不十分だった」と答えた人が76%でした。また、安保関連法が成立したことについて、「評価する」と答えた人が33%、「評価しない」と答えた人が53%でした。
 安倍内閣の「支持率」は2週間前の前回調査より0.8ポイント下がって46.3%、「不支持率」は前回より0.7ポイント上がって52.5%でした。





▼ テレビ朝日ニュース(ANNニュース)
 「内閣支持率が低下 約8割が『安保法の説明不十分』」

 安倍内閣の不支持率が支持率を再び上回りました。安全保障関連法の成立を受けて行ったANNの緊急世論調査で、安倍内閣の支持率は3ポイント近く下げ、37.1%でした。一方、不支持率は7ポイント近く上昇し、45.4%でした。第2次安倍内閣が発足してからこれまでに支持率と不支持率が逆転したのは、衆議院で安保関連法が可決された7月以来で、先月、いったん持ち直した支持率は再び過去最低の水準になっています。

 安保関連法に賛成の人は先週に比べて2ポイント上回って27%で、反対の人は4ポイント下がって50%でした。また、安保関連法について、依然として8割近くの人が「安倍内閣の説明は不十分だ」としています。一方、民主党など法案に反対した野党が2日半余りにわたって採決の引き延ばしを図ったことについては、6割近くの人が「評価しない」としています。また、政党支持率では自民党が7ポイント余り下げて、第2次安倍内閣発足以来、初めて4割を切りました。







▼ フジテレビニュース(FNNニュース)
 「安保関連法の整備「必要」と考える人はほぼ7割に」

 FNNがこの週末に行った世論調査で、安全保障関連法の整備が「必要」と考える人は、ほぼ7割に達する一方で、審議が尽くされたと思わない人が、8割近くにのぼることが明らかになった。
調査は、9月19日と20日に、電話調査(RDD)で行われ、全国の有権者1,000人が回答した。
安倍内閣を支持する人は42.6%、支持しない人は47.8%で、先週の調査に比べて、不支持率がやや増えた。
焦点の安全保障関連法が、この国会で成立したことについて、「評価しない」と答えた人は56.7%と、6割近くに及ぶ一方、「評価する」と答えた人も38.3%と、4割近くに達した。
また、安全保障法制の必要性については、ほぼ7割にあたる69.4%の人が「必要」と答え、「必要ではない」と答えた人(24.5%)を大きく上回った。
国会での審議について、十分に尽くされたと「思わない」と答えた人が、ほぼ8割の78.4%に達し、一方で、野党は、役割を果たしたと思うかとの質問に、ほぼ8割の人が「思わない」と答えた(76.1%)。
また、委員会採決の混乱の責任について、6割近い人が「与党・野党両方にある」と答えた(57.2%)。
安保への反対集会やデモについて、「共感しない」と答えた人が50.2%で、「共感する」と答えた人(43.1%)をやや上回る結果となった。





 民放各社の主要ニュース番組も、安全保障関連法成立後の世論の動向等についていずれも取り上げている。
 
▼ 日本テレビ 「情報ライブ ミヤネ屋」
 「拍手と怒号の中 国民・世界はどう見た?」
  週末の緊急世論調査の結果を報道

▼ フジテレビ「みんなのニュース」
 「国会不信さらに “暴行疑惑”も浮上 国会混乱の余波」
  山梨でゴルフを楽しむ安倍総理 61回目の誕生日
  国会前の雑感
  FNN世論調査の結果も報道

▼ テレビ朝日「報道ステーション」
 「“選挙権18才”で高校生は 安保法成立後も続くデモ」
 山梨でゴルフを楽しむ安倍総理
 野党の動き
 緊急世論調査の結果
 元陸軍通信兵の思い
 コメンテーター 木村草太氏

▼ TBS「ニュース23」
 「国会審議『不十分』が76%」
  国会前の反対派のデモ
  週末に各地で開かれた安保関連法案反対のデモや集会
  世論調査の結果

▼ 日本テレビ「NEWS ZERO」
 「政権発足1000日=誕生日に 節目にゴルフ 安倍首相」
  世論調査の結果
  今後の政治日程

 “世界に冠たる「ニュース7」”と自負しているNHK、その“看板”はどこにいったのか?
 視聴者が知りたがっているニュース情報に目をつぶっては決してならない。
 安保関連法が成立したからといって、日本の安全保障を巡る課題は決して終結していない。共同通信の世論調査では、安全保障関連法に「国会での審議が尽くされたとは思わない」の回答は79・0%、安保法への安倍政権の姿勢に関し「十分に説明しているとは思わない」は81・6%、安保法成立で自衛隊が戦争に巻き込まれるリスクが「高くなる」は68・0%と、国民はこの法案に納得していない。NHKは実施していないが、各社の世論調査でもほぼ同様の結果が出ている。
 こうした国民の声に、NHKはどう答えるのか。安全保障関連法成立後のフォローに真摯に取り組む姿勢をどう示すのか? ジャーナリズムとしての真価がまさに問われている。






2015年9月21日
Copyright (C) 2015 IMSSR

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廣谷  徹
Toru Hiroya
国際メディアサービスシステム研究所
代表
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安保関連法成立 戦争法案? 海外メディアはどう伝えたか? 海外の反応

2015年09月22日 17時10分24秒 | 政治

安全保障関連法案 戦争法案?
~海外メディアはどう伝えたか? 海外の反応は?~

メディア・ウオッチドッグ



 2015年9月18日未明、集団的自衛権を行使できるようにする安全保障関連法が参院本会議で成立した。自衛隊の海外での武力行使を可能にし、戦後70年、日本の安全保障政策の“歴史的転換”となった。
安倍政権は、この法案の成立により、日米同盟が更に強化され、“抑止力”が高まり、日本の安全をより確実なものになるとしている。また、自衛隊の国際平和協力活動も拡充し、人道復興支援や他国軍への後方支援を通じて、世界の平和と安定を維持するため、日本が従来以上に貢献する道を開くとしている。
安倍首相の掲げる“戦後レジームからの脱却”と“積極的平和主義”の具体策の中核である。
一方、この法案に対しては憲法違反だとの批判が根強く、国会周辺は連日、反対派のデモで埋め尽くされた。報道各社の世論調査でも反対が賛成を上回る。

 安全保障関連法案は、反対派からは“戦争法案”だと批判されていた。一方、賛成派からは“抑止力”を高める安全確保法案だとしている。
 
 この法案の最大の論点は、集団的自衛権の行使を容認したことである。集団的自衛権は自国が攻撃されていなくても他国への攻撃があった場合に反撃できる権利で、国連憲章51条で規定され、日本を含む加盟国すべてが持っている。
 歴代内閣は、集団的自衛権は、憲法が禁じる武力行使に当たるとして行使できないとしてきたが、安全保障環境の変化を理由に、2014年7月の閣議決定で“憲法解釈”を変更し、容認に踏み切った。
 集団的自衛権を容認するにあたって、“歯止め”として、武力行使の“新3要件”を掲げた。
 “新3要件”は(1)日本と密接な関係にある他国への攻撃により、日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある=「存立危機事態」(2)その危険を排除するために他に適当な手段がない(3)必要最小限度の実力行使−−の3点である。
“新3要件”を満たせば、自衛隊は米艦を含む味方艦船の防護のほか▽戦闘現場での補給▽強制的な船舶検査−−など集団的自衛権の行使が可能になる。
 安倍政権は、自衛隊が武力行使を行うにあたっては、“新3要件”という“制限”が厳しく課せられているので“戦争法案”という批判は当たらないとしている。
 以上のように、安全保障関連法案は、理解するのが大変に難しい。要するに、この法案をどう見たらいいのか。海外のメディアが、この法案をどう伝えたかが参考になるだろう。

 
■ BBC News

「海外での軍事活動容認 歴史的な政策」
要するに、「自衛隊を海外派遣して、軍事活動をすることを容認した」という伝え方である。




■ New York Times

「国会は海外での軍隊の戦闘を容認した」
 自衛隊の海外での戦闘行為を容認したという見出しである。




■ Washington Post
「日本は“普通”の軍隊を持つ国になる」



■ Reuters
「日本は安保法制を通過させ重要なステップを進んだ~
「日本は第二次世界大戦以来、平和憲法の制約を緩めて、初めて軍隊が海外で戦闘できるような法案を成立させるという政策変更を行った~」


World | Thu Sep 17, 2015 8:16am EDT
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Japan takes key step to passage of security bills despite protests
TOKYO | BY LINDA SIEG
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■ AP News
「日本は安保法制で軍事的な役割を強化した」

Japan enhances military’s role as security bills pass
By Mari Yamaguchi | AP September 18 at 6:35 PM
TOKYO — Japan’s parliament has approved contentious legislation that enhances the role of the country’s military by loosening post-World War II constraints, as the ruling bloc defeated opposition parties’ last-ditch effort to block a vote.


■ CNN News
「強気の日本は70年の平和主義を放棄する構えだ ~日本の軍隊が海外での戦闘に加わることを可能に~」



■ The Guardian
「戦後70年初めて、軍隊を海外派兵し戦争をすることを容認する法制が成立した」



 海外の各メディアの伝え方は、要するに「日本は、戦後70年初めて、“軍隊”を“海外派兵”し“戦闘”を行うことを可能にした」ということで一致している。また、「平和主義の放棄」を伝えているメディアも複数ある。
 安全保障関連法案は、世界からは、やはり“戦争法案”として理解されていると思える。日本も海外で“戦争”ができる国になったのか、ということだ。
 戦後70年、“憲法9条”の元に、“平和主義”を掲げた日本への信頼感が世界の市民の間で崩れ始めているのではないだろうか?





2015年9月20日
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廣谷  徹
Toru Hiroya
国際メディアサービスシステム研究所
代表
International Media Service System Research Institute
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