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一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

輝ける勝利

2024-09-25 23:13:16 | 将棋雑記
第37期竜王戦の挑戦手合いが10月5日(土)から始まる。常勝の藤井聡太竜王に挑むのは、気鋭・佐々木勇気八段。藤井包囲網が送りこむ最終兵器だ。
その佐々木八段は、2010年10月四段デビュー。竜王戦はその年の第24期から参加した。佐々木四段は1回戦のアマに勝ち、2回戦で中田功七段(当時)に敗れ、昇級者決定戦に回った。
この初戦の相手が、植山悦行七段だった。植山七段は当時フリークラス9期目で、新鋭四段とフリークラスの対戦では、四段が勝つと誰もが思っていた。だが、2011年6月2日に指されたその結果は、植山七段の勝ち! これには誰もが驚いた。
だがそのいっぽうで私(たち)は、フリークラスというか、プロの実力のほどを知っていた。指導対局を受けてみれば分かるが、フリークラスは本当に強い。こちらがたっぷり時間を使って考え、渾身の手を指しても、まったく歯が立たない。
もっとも、私は順位戦参加棋士に教わったこともほとんどないから比較ができないのだが、両者の棋力の差異は、ほとんどないと思われた。
つまるところ、フリークラス棋士の斜陽は、加齢による根気・やる気の減退だと思う。先を読む力に衰えはなくとも、それを深夜まで保つ体力がなくなる。だからいい将棋を作っても、終盤で逆転されてしまう。
だが、誰にも好不調のバイオリズムはあり、たまたま絶好調のときがあると、素晴らしくいい将棋を指すのだ。植山七段は、この佐々木四段戦がそうだったのではあるまいか。
私たち将棋仲間は、さっそく植山七段に自戦解説をお願いした。
将棋の上達法は数々あるが、最も効果的なのは、棋士の自戦解説を聞くことだと思う。プロが精魂込めて考えた読み筋を披露していただく。そしてそれを吸収するのが最上と信じるのだ。
実際、植山七段の将棋理論は、とても勉強になった。佐々木四段戦も然りで、序盤の作戦勝ちから、優勢→勝勢と、盤石の勝利だった。
この終盤、佐々木四段が敗勢ながら、あからさまな一手詰めろを指した。それに植山七段は首を傾げたが、私は、「絶対に負けたくない」という佐々木四段の執念を感じ、こういう棋士が将来は大成するのではないか、と思ったものである。
かようなわけで、2011年度は幸先いいスタートを切った植山七段だったが、その後は平常運転に戻り、負けが続いた。その年度はあと、武者野勝巳七段に勝ったのみの2勝9敗で終わった。
そして2012年度は4勝11敗。2013年度に竜王戦を指し、現役引退。振り返って、佐々木四段戦の勝利が、最後の輝ける勝利となった。
蛇足だが、第24期竜王戦の5組への昇級者は、フリークラス8期目の大野八一雄七段だった。やはりフリークラス棋士は強かったのである。
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「将棋ペン倶楽部 第82号 2024年秋号」

2024-09-24 21:26:17 | 将棋ペンクラブ
「将棋ペン倶楽部 第82号 2024年秋号」が送られてきた。今号は「第36回将棋ペンクラブ大賞号」である。最終選考委員は前回と同じ、川北亮司氏(作家)、西上心太氏(文芸評論家)、所司和晴七段、森田正光氏(気象予報士)の4名。喧々諤々の選考経過がそのまま掲載されているが、この透明性はなかなか貴重である。
大賞と優秀賞の差は紙一重だとあらためて思う。
「受賞のことば」もよい。受賞者は最高に株価が上がっているわけで、そのよろこびが文面にあふれている。それを共有できるのは幸福なことである。今回は、技術部門大賞・藤井猛九段のそれが一風変わっていて秀逸。藤井九段の技術大賞は、文芸大賞でもよい、という選考委員の言葉があったが、確かに、と思わせる。
観戦記部門優秀賞・後藤元気氏のそれも面白い。というか、ためになる。観戦記、というか文章家を志す人は、必読の文章である。
「推薦作ひとこと集」も面白い。今号は12ページを割いているが、本文を読みたくなるひとことばかりだ。
後半はレポート・エッセイなど。美馬和夫氏の「将棋狂の詩」は、次女の将棋大会奮闘編の最終回。高校3年の最後の大会は衝撃の展開になる。結びも急展開で、年月を経たからこそ醸しだされる、ノスタルジックな余韻が残る。
新規のS氏、久々の投稿のW氏は、昔の観戦記に言及している。なかなかの労作である。
茂山氏は久々の投稿。「女流棋士鑑」と題し、女流棋界の歴史を記している。茂山氏は未完の連載があった気がするが、あれは完結したのだったか。
今回の記事は続編があるようで、次号が楽しみである。
バトルロイヤル風間氏は「オレたち将棋んゾンビ」の連載第34回。4コママンガの脇に、室岡克彦八段の「わずか5日間の最年長棋士でした」のイラストがある。これが気になったので調べてみたら、青野照市九段が今年の6月13日に現役引退。室岡八段は6月18日、竜王戦6組の昇級決定戦で敗れ、引退。それで、「5日間の最年長棋士」というわけだった。
ちなみに現在の現役最年長棋士は、64歳の福崎文吾九段である。

そして、第36回将棋ペンクラブ大賞贈呈式は、以下の要領で行われる。

日時:10月5日(土)18:00~20:00(開場17:30)
場所:出版クラブホール
 東京都神田神保町1-32
 神保町駅(地下鉄半蔵門線、都営浅草線)A5出口徒歩2分
会費:9,000円
※中井広恵女流六段の指導対局、バトル氏の似顔絵コーナーあり。

会費が1,000円上がったが、昨今の物価高の影響下では仕方ない。
現在の私は、土日の休みが取りにくいのだが、現在は何とか行けそうである。行ってどうなるものでもないが、贈呈式は、年に一度の同窓会の趣もあるので、行ってみる。
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第4期白玲戦第3局

2024-09-23 23:38:52 | 女流棋戦
第4期白玲戦第3局(主催:ヒューリック株式会社、日本将棋連盟)は、21日に奈良県で行われた。私は全国を旅行しているが、奈良県は相当に馴染みが薄い。さすがに訪れてはいると思うが、観光地が出てこない。奈良県、私には縁のない土地のようだ。
七番勝負は、ここまで西山朋佳白玲、里見香奈女流五冠ともに1勝。本局の勝者がタイトル獲得に近づくのは言うまでもない。
そして第3局は里見女流五冠の先手。初手▲5六歩から、ふたり独特の定跡手順をなぞった。
14手目、西山白玲は向かい飛車に振った。角と左銀を三段目に上がったから向かい飛車もあると思ったが、相手の飛車先の歩が伸びていなかったので、この作戦は珍しい。
対して里見女流五冠は飛車の横運動をせず、そそくさと中央位取りに出た。これが居飛車時の里見女流五冠の十八番である。ただし里見女流五冠のそれは力戦のニオイもして、純粋の居飛車党にはない、妙な力強さがある。ちょっと、灘蓮照九段を思わせる。
里見女流五冠、6筋の位も取る。私が対振り飛車戦をやったら、できれば取りたいのが6筋の位で、これをやると、後手は美濃囲いからの発展ができない。
西山白玲はまだ美濃に組んでいなかったので、そこから穴熊を採った。だがこれが西山白玲の予定だったとは思えず、これは里見女流五冠が一本取った。
西山白玲、52手目に左銀を引いた。これが個人的には気に食わない手で、こういう後退の手は西山白玲らしくないのである。代替で何かなかったのかと思う。
そこで里見女流五冠が5筋の歩を突きだし、これは里見女流五冠のほうが、読んでいて楽しい局面になった。
以下もむずかしい戦いは続くが、里見女流五冠は西山白玲の手に乗って、着々と厚みを発展させていく。中川大輔八段が好む形で、プロ的にはもう、里見女流五冠が負けなしの形ではないかと思った。
最後は、里見女流五冠の教科書的な穴熊崩しが決まり、西山白玲の投了となった。里見女流五冠の快勝だった。
本局、居飛車、というか、左玉に構えてからの里見女流五冠の構想が秀逸だった。
対して西山白玲は、方針が決まらぬまま指し継ぎ、気が付いたらどうしようもない形になっていた、というところではあるまいか。
きょうの将棋を見る限り、第4局が続けて行われれば、里見女流五冠が勝ちそうな気がする。そして第4局は28日と、あまり間がない。西山白玲、どうする?
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最近見た夢(2024-08-25、09-17、20、22)

2024-09-22 21:58:21 | 
最近見た夢を記しておく。
まず8月25日に見た夢。私も含めて10人くらいいた。
そこで、漢字を書くことになった。漢字に規定はないので、何を書いてもよい。だから次から次へと出てくる。これじゃあ面白くもなんともないと思った。

つづいてかなり飛んで、9月17日に見た夢。
この日は小便が近く、1時間置きぐらいにしにいった。
その何度目かに見た夢で、Yが出ていた。なにかの大会にイラストを応募するのだが、Yは2枚応募のうちの1枚(ハガキ大)は、しっかりペン入れをして仕上げていた。
しかしYは、この1枚に自信がないのと、残り1枚もまだ仕上げていなかったので、結局私が描き直すことになった。

つづいて20日に見た夢。
私はある都市の商店街にいた。その商店街はさびれていて、ほとんど店がなかった。
その商店街で、ピンクレディー・未唯のライブがある。だが、観戦はその商店街の抽選券で当たらねばならなかった。
私は何かの手段で、その抽選券を1枚手に入れた。すると商店街の女性が、当選番号が書かれたホワイトボードを掲げてやってきた。そこには「220」「4」などの数字が書かれていた。
私の持っている抽選券は「330」だったようで、やはり外れた。

つづいて22日に見た夢。
きょう22日は、小便で起きるたび違う夢を、合計3つ見たのだが、最初と最後のは忘れてしまった。
2つ目の夢は、私は奈良県の上空から、緑の葉っぱ生い茂る森の中に降下していった。その森は四方をプラスチックの壁で囲われていた。
着地すると、自衛隊のごとく「演習」があった。1対1で対峙するのだが、私の相手は菅家(かんけ)だった。菅家とは高校時代の級友だが、当時はあまり親しくなかったのに、なぜ彼が出てきたのか分からぬ。
その菅家が1mくらいの鉄の棒を、私に向けて突いてくる。その棒の先には20cmくらいの錆びた鉄の棒が多数ついていた。
だが私の武器は大したことがなく、これじゃあ私がやられる。

このところ夢の記憶があまりなく、冒頭の夢からもう1ヶ月近くが経ってしまった。
ここら辺で上げておこう。
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指二本

2024-09-21 23:28:36 | プライベート
日高屋とはしばらくお別れとなったが、代替の店はいくつかある。きのうは、てんやへ行こうと思ったのだが、その手前にある、ちよだ鮨に入った。この時間はいつも半額になっており、貧乏人の私にはありがたいのだ。10カン入りが1パック残っていたので、残り物には福があるとばかり、それを手に取った。
が、その寸前、いままで見たことがない金額――1,718円が目に入った。しかし買うのをやめるわけにはいかず、そのまま買った。半額の859円を出すハメになったが、晩飯ごときでこの出費は痛かった。
ネタは、中トロ(大トロ?)、ウニなど、それなりに高級なものが入っていたが、私は質より量なので、安物のネタでも12カンあるほうがよかった。
そしてきょうもちよだ鮨に寄った。1日違いなのに、きょうは土曜日だからか、多くのパックが残っていた。きょうは10カン・1,394円のを手に取った。店の日本人女性が私に二本指を見せる。いつも私は両耳にイヤホンを付けているのだが(Radikoを聴いている)、アジア系外国人女性の言うことが聞こえず、いつも失礼している。だがきょうは両耳が健在なのに、駅前で工事をしている関係で、彼女の声が聞こえなかった。
たぶん、「醤油は2袋でいいですか?」の意味だったのだろう。私は曖昧に「はい」と頷くと、女性が抽斗から袋を取り出した。
「?? 袋は要らないです」
私は訝りながら言う。
「でも、要るっておっしゃいましたけど。もう会計しちゃいましたけど」
「ああ、そうなの? じゃあそれでいいです」
分かった。さっきお姐さんは、袋は要りますか、と聞いたのだ。指の2本は、「2円」を示していたのだ。まるで「こんにゃく問答」??である。
それにしても、こんな薄っぺらい、小さな袋で2円。小泉進次郎も余計な提言をしてくれたものだ。
というわけで、きょうの晩飯は、697円+袋代2円。まあ、きのうよりはよい。
ネタは、中トロ(大トロ)はなくなったがホタテが入り、これで十分だった。
次回はもうちょっと、安く抑えたい。
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