第4期白玲戦第3局(主催:ヒューリック株式会社、日本将棋連盟)は、21日に奈良県で行われた。私は全国を旅行しているが、奈良県は相当に馴染みが薄い。さすがに訪れてはいると思うが、観光地が出てこない。奈良県、私には縁のない土地のようだ。
七番勝負は、ここまで西山朋佳白玲、里見香奈女流五冠ともに1勝。本局の勝者がタイトル獲得に近づくのは言うまでもない。
そして第3局は里見女流五冠の先手。初手▲5六歩から、ふたり独特の定跡手順をなぞった。
14手目、西山白玲は向かい飛車に振った。角と左銀を三段目に上がったから向かい飛車もあると思ったが、相手の飛車先の歩が伸びていなかったので、この作戦は珍しい。
対して里見女流五冠は飛車の横運動をせず、そそくさと中央位取りに出た。これが居飛車時の里見女流五冠の十八番である。ただし里見女流五冠のそれは力戦のニオイもして、純粋の居飛車党にはない、妙な力強さがある。ちょっと、灘蓮照九段を思わせる。
里見女流五冠、6筋の位も取る。私が対振り飛車戦をやったら、できれば取りたいのが6筋の位で、これをやると、後手は美濃囲いからの発展ができない。
西山白玲はまだ美濃に組んでいなかったので、そこから穴熊を採った。だがこれが西山白玲の予定だったとは思えず、これは里見女流五冠が一本取った。
西山白玲、52手目に左銀を引いた。これが個人的には気に食わない手で、こういう後退の手は西山白玲らしくないのである。代替で何かなかったのかと思う。
そこで里見女流五冠が5筋の歩を突きだし、これは里見女流五冠のほうが、読んでいて楽しい局面になった。
以下もむずかしい戦いは続くが、里見女流五冠は西山白玲の手に乗って、着々と厚みを発展させていく。中川大輔八段が好む形で、プロ的にはもう、里見女流五冠が負けなしの形ではないかと思った。
最後は、里見女流五冠の教科書的な穴熊崩しが決まり、西山白玲の投了となった。里見女流五冠の快勝だった。
本局、居飛車、というか、左玉に構えてからの里見女流五冠の構想が秀逸だった。
対して西山白玲は、方針が決まらぬまま指し継ぎ、気が付いたらどうしようもない形になっていた、というところではあるまいか。
きょうの将棋を見る限り、第4局が続けて行われれば、里見女流五冠が勝ちそうな気がする。そして第4局は28日と、あまり間がない。西山白玲、どうする?
七番勝負は、ここまで西山朋佳白玲、里見香奈女流五冠ともに1勝。本局の勝者がタイトル獲得に近づくのは言うまでもない。
そして第3局は里見女流五冠の先手。初手▲5六歩から、ふたり独特の定跡手順をなぞった。
14手目、西山白玲は向かい飛車に振った。角と左銀を三段目に上がったから向かい飛車もあると思ったが、相手の飛車先の歩が伸びていなかったので、この作戦は珍しい。
対して里見女流五冠は飛車の横運動をせず、そそくさと中央位取りに出た。これが居飛車時の里見女流五冠の十八番である。ただし里見女流五冠のそれは力戦のニオイもして、純粋の居飛車党にはない、妙な力強さがある。ちょっと、灘蓮照九段を思わせる。
里見女流五冠、6筋の位も取る。私が対振り飛車戦をやったら、できれば取りたいのが6筋の位で、これをやると、後手は美濃囲いからの発展ができない。
西山白玲はまだ美濃に組んでいなかったので、そこから穴熊を採った。だがこれが西山白玲の予定だったとは思えず、これは里見女流五冠が一本取った。
西山白玲、52手目に左銀を引いた。これが個人的には気に食わない手で、こういう後退の手は西山白玲らしくないのである。代替で何かなかったのかと思う。
そこで里見女流五冠が5筋の歩を突きだし、これは里見女流五冠のほうが、読んでいて楽しい局面になった。
以下もむずかしい戦いは続くが、里見女流五冠は西山白玲の手に乗って、着々と厚みを発展させていく。中川大輔八段が好む形で、プロ的にはもう、里見女流五冠が負けなしの形ではないかと思った。
最後は、里見女流五冠の教科書的な穴熊崩しが決まり、西山白玲の投了となった。里見女流五冠の快勝だった。
本局、居飛車、というか、左玉に構えてからの里見女流五冠の構想が秀逸だった。
対して西山白玲は、方針が決まらぬまま指し継ぎ、気が付いたらどうしようもない形になっていた、というところではあるまいか。
きょうの将棋を見る限り、第4局が続けて行われれば、里見女流五冠が勝ちそうな気がする。そして第4局は28日と、あまり間がない。西山白玲、どうする?