一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

由紀VS一公・2「構想通り」

2017-11-25 01:51:51 | 女流棋士の指導対局会
室谷由紀女流二段は、テレビやネットで拝見するのと同じ、目が眩むほどの美貌だ。装いはチェックの長袖シャツに紺系のスカートで、シャツの下はタートルネックを着こんでいる。初冬なので鉄壁の防御だ。できれば盛夏の私服を拝みたかったが、こればかりは仕方ない。
ほかの対局者の手合いは、私の左から飛車落ち、銀桂落ち、二枚落ち、香落ち。何と平手は私だけである。銀桂落ち、という変態的な手合いを所望したのはKur氏で、これは昔からやっている。「この間(渡部)愛ちゃんにこの手合いでボコボコにされました」。
今回は室谷女流二段が右側の銀桂を落とす。繰り返すが変則的で、室谷女流二段も困惑を隠しきれない。だがその表情がまた、たまらないのである。
香落ちの下手氏には、室谷女流二段が「私が先に指すことになりますけど、いいですか」と断っている。平手より香落ちを所望する下手は、実は手ごわい場合が多い。

第1図以下の指し手。▲4八銀△9四歩▲5六歩△9五歩▲2六歩△4二飛▲6六歩(第2図)

室谷女流二段の視線が戻ってきて、私は▲4八銀と指す。これが温めていた手。ここ、ふつうに▲2六歩だと、△5四歩▲2五歩△5二飛▲4八銀△5五歩となり、中央の位を張られておもしろくない。個人の見解はあろうが、私はこの展開は下手不利と見ている。そこで▲4八銀を先にし、将来の△5四歩には▲5六歩を可能にした。
室谷女流二段は9筋の歩を伸ばす。対穴熊には有効だろうが、私は中央志向なので、この手を緩手にできれば、下手が作戦勝ちにできると思った。
室内は暖房が入っているが、客は軽い興奮状態になるから、暑いくらいだ。
大野八一雄七段が「もう少し経ったら冷房にしましょう」と軽口を飛ばした。
カメラを手にしたW氏が撮影している。
「大沢さんやっぱりでかいなあ」
全体の対局風景を撮っているのだろうか。だが断言しよう。ブログの読者は、客の画像なんか見ない。必要なのは室谷女流二段のアップである。今日は大野七段ともども、室谷女流二段の専属カメラマンになるのがいいと思う。
室谷女流二段は四間飛車に振った。

第2図以下の指し手。△6二玉▲6八玉△7二銀▲7八玉△7一玉▲5八金右△3二銀▲6八銀△4四歩(第3図)

第2図の▲6六歩が私流で、いままで何度も出てきたが、角交換を拒否する手である。若干気合が悪いが、それ以上に上手の捌きを抑える意味がある。
角交換を拒めば、△2二飛からの逆棒銀もない。本譜は互いに玉を整備したあと△3二銀~△4四歩となったが、これは二昔前の将棋だ。すなわち自分の土俵に引っ張り込んだと思った。
次の一手も私流。

第3図以下の指し手。▲6五歩△4三銀▲5七銀右△5二金左▲6七銀△3五歩▲5五歩(第4図)

今日はたぶん室谷ファンの集まりだから、あちこちで私語が飛ぶと思ったが、意外に静かだ。室谷女流二段も時々何かをつぶやくが、私は将棋に集中しているので、ほとんど聞き取れない。
私は▲6五歩と再び角道を通した。美濃囲いの発展には△6四歩が不可欠だが、それを阻んだのだ。私は振り飛車も指すことがあるが、△6四歩が突けないと美濃囲いは相当息苦しい。
もう昔の将棋に戻っているので、私はもう、角交換を恐れない。上手がそれを狙うとすれば△4五歩の前に△3三角が必要で、下手は▲2五歩の一手を省略できるからトクだ。私の▲6六歩は一時の屈伏だったが、それは将来の▲6五歩を見ていたからといっても過言ではなかった。
室谷女流二段は△4三銀から△3五歩と突いた。これは大山康晴十五世名人が多用していた順で、先の△7二銀といい、室谷女流二段が大山十五世名人の将棋を勉強しているのがよく分かる。ただし大山十五世名人の将棋なら、私も多く並べており、少しは大山流が身についているはずだ。
私は▲5五歩と位を張った。再び角道が止まったのはウッカリしたが、何となく、室谷女流二段が嫌がるだろうと思った。

第4図以下の指し手。△1四歩▲5六銀左△3二飛▲2五歩△3四飛▲4六歩△3六歩▲同歩△同飛▲3七歩△3四飛▲6八金上△1三角(第5図)

室谷女流二段は△3二飛から△3四飛と石田流に組む。ここまで上手の指し手は大人しく、私は落ち着いて対処している。現在私を取りまく環境は人生最悪、もう将棋どころではないのだが、逆に考えればだからこそ、将棋にしか集中できない状況ともいえる。
室谷女流二段は3筋の歩を換えたが、私はその前に△3四飛と浮かせているので、不満はない。
△1三角には少し迷った。

第5図以下の指し手。▲4七金△3三桂▲1六歩△1二香▲3六歩(第6図)

私は▲4七金と上がった。形は▲6七金右なのだが、上手の飛角(桂)が攻撃態勢にあるので、現状では支えきれないと見た。それに下手は、もう抑え込みに入っているのだ。
△1二香には▲3六金から▲2六金も考えたが、ちょっと筋悪だと思った。それで▲3六歩と突いたのだが、室谷女流二段は盤面を一瞥し、次の手をノータイムで指した。

(つづく)
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由紀VS一公・1「感激の初手合わせ」

2017-11-24 00:23:50 | 女流棋士の指導対局会
大野教室はかつて大野八一雄七段と植山悦行七段の2人講師体制だったが、現在は大野七段のみの指導である。それゆえ、若干単調さも生じてきた。
それを補うためか、大野教室では女流棋士の指導対局会を行うことにした。その第1弾が昨年11月23日の渡部愛女流二段の巻である。もっとも大野七段と渡部女流二段は旧知の仲なので、彼女の登板は予想されたところであった。
渡部女流二段はもちろんいい人選だが、私は室谷由紀女流二段をはじめ、ほかの独身女流棋士もお願いしたい。だが大野七段は致命的なまでに女流棋士の知己がいない。そこでスタッフのW氏や私は大野七段に、「女流棋士の顔と名前を覚えること」「女流棋士に営業すること」を課したのであった。
大野七段もよく営業し、結果、和田あき女流初段、宮宗紫野女流初段(残念ながら結婚してしまった)、中村真梨花女流三段と、いろいろな女流棋士の指導対局会を催してきた。
大野七段は「女流棋士の指導対局会を月1回したい」と意気込んだが、ここ最近はまさにそのペースで、有言実行はさすがだった。
だがそこに、室谷女流二段の名前はない。室谷女流二段は女流棋界人気ナンバー1で、あっちこっちのイベントに引っ張りだこである。まさに超多忙で、いかな大野七段といえども、室谷女流二段を落とすことは無理に思われた。
そんな10月19日、大野教室のHPを見たら、室谷女流二段の指導対局の告知があってびっくりした。これ、男性棋士なら羽生善治棋聖の指導に匹敵する。大野七段は実にすごいことをやってのけたのだ。
指導日は11月23日。奇しくも第1回の指導対局会と同じ日である。募集はいつもより1人多い6面指しの3回転。なんだかひっそりと告知された感もあったが、人気者の彼女のこと、席はすぐに埋まると思った。
ところで私の立場はどうか。この指導対局会は指導のほかに、大野教室を知ってもらうための入口、という意味合いもある。極論すれば、教室のレギュラーが参加するより、全員新参で固めたほうが教室の立場としてはありがたいのだ。ゆえに私は、参加に消極的だった(そんなわけで、昨年11月23日の渡部女流二段の回にも、私は参加していない)。
だから講師が室谷女流二段でも無視していたのだが、HPは毎日チェックしていた。予約の埋まりは意外に緩やかで、きのうは2席、今日は1席、という按配である。やはりHPを見る人が少ないのだろう。私はその経過を横目に、それはそれで複雑な気分だった。
10月29日(日)、私は社団戦の最終日に参加した。この時点で室谷女流二段の空きは、1部(10時~)が2席、3部(16時~)が1席あるだけだった。
朝、Kaz氏に参加の有無を聞かれたが、「しない」と答えた。この時点では。
だが私は大野教室にだいぶ参加しているし、それはふつうに、参加の権利があるともいえる。しかも私は19日に告知を確認しているのだ。これから予約をしようという人に気兼ねして、席を譲る必要もあるまい。
私は遅まきながら、1部に申し込んだ。もし2席が先に埋まっていたら、それはそれでしょうがないと思った。
その後W氏から返事が来て、私の参加が決まった。ついに室谷女流二段と初手合わせである。

11月23日当日、ドキドキしながら川口駅を降りる。その道すがら、私の横をKur氏が抜いて行った。
彼は自販機でドリンクを買って、私を見た。私に限らないが、講師が室谷女流二段だから参加した、という手合いは多いに違いない。
10時48分ごろ入室すると、室谷女流二段は着座していた。生の室谷女流二段を拝見するのは4月30日のシモキタ名人戦以来。指導対局はもちろん初めてで、感激である。
すぐに1人入室して、合計6人になった。
W氏が各人に写真撮影の了承を聞いて回っている。以前この教室で頭頂部のアップを載せられたことがあるので私は拒絶したいのだが、いまさらそうもいくまい。
まだ対局開始まで間があるが、全員が着座したので、もう駒を並べてしまう。
私は右から2番目。右の人相手に室谷女流二段が「王」を置き、私に移った。
「オオサワと申します…ヨロシクおね……」
室谷女流二段はここでも「王」のみを置き、左に移る。これは私が上手の駒を並べてもいいということだろうか。「王」を見ると、マス目にかかっている。これは駒をマス目上に置く「有吉式」だ。
私は自分の駒を並べつつ、上手の駒も注意深く並べる。結局、すべて駒を並べてしまった。
右の男性は飛車落ち。室谷女流二段が初手を指して、私を見た。
「初めて…ですね」
指導対局どころか、言葉を交わすのも初めてである。
「…はい。手合いは、平手でよろしいでしょうか。先生も平手を指したいでしょ? 平手がお好きそうだし」
室谷女流二段が苦笑して、平手戦になった。
2010年7月17日、第4期マイナビ女子オープンの公開対局で室谷女流3級を拝見し、一発でファンになってから7年4ヶ月。ついに盤を挟んだことに、私は感激で一杯である。今日は悔いのない将棋を指さねばならない。

初手からの指し手。▲7六歩△3四歩(第1図)

室谷女流二段は振り飛車でくるだろう。そこで3手目、私に用意していた手があった。

(つづく)
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室谷由紀女流二段は、演歌歌手の丘みどりに似ている。

2017-11-23 01:04:33 | 似ている
室谷由紀女流二段は、演歌歌手の丘みどりに似ていると思う。
丘みどりは1984年7月26日、兵庫県姫路市生まれの33歳。
ご母堂の意向で5歳から民謡教室に通い、小学5年生の時に民謡コンクールで優勝。以後、数々のコンクールで優勝を果たす。
2002年、アイドル歌手としてデビューしたが、本人は演歌歌手の夢を捨てきれず、2005年、演歌歌手として再デビューした。
だが演歌を唄うにはまだ若かったためか、あるいはアイドル顔だったためか、デビュー後はヘソ出しルックにミニスカートという、演歌歌手にあるまじき衣装で唄ったこともあった。
その後は年1枚のペースで新曲を発表。その地道な活動が実って、2016年には姫路市の観光大使に任命された。
今月16日には「NHK紅白歌合戦」の出場歌手が発表されたが、丘みどりは演歌歌手13年目にして、念願の初出場を決めた。
ご母堂は残念ながら若くして亡くなったが、大晦日は母に向けて、渾身の一曲を唄うことになる。丘みどりは、今後のますますの活躍が期待できる演歌歌手である。

室谷女流二段と丘みどりは、とにかく顔が似ている。そっくりといってもいい。

というわけで、今日11月23日は、私にとってメモリアルな日になる。
朝が来るのが楽しみなような、怖いような気がするのである。
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2017年ゴールデンウィーク旅行・14

2017-11-22 00:19:37 | 旅行記・G.W.編
砂楽から指宿方面へ少し戻ったところに、中華料理屋「紅蘭」がある。以前1回入って美味い食事にありつけたのだが、翌年以降は昼の休憩タイムにばかり遭遇し、なかなか入店できなかった。だが今回は夕飯タイムにかかっているから、さすがに大丈夫だろう。
店の前に行くと、ちょうど開店したところだった。あと15分で午後6時だから、けっこうゆっくりである。
揚げ焼きそばパリパリ麺(760円)と黒豚餃子(7ヶ・300円)を注文した。
待っている間、スマホから今夜の宿を予約する。私はスマホのヘビーユーザーではないと思うが、あればあるで重宝だ。ただし、だいぶ眼を悪くした。
ゴールデンウィーク最後の宿は、天文館の「HOTEL&RESIDENCE南洲館」が3,700円と安かったので、こちらにした。ネットでの評価がやたら高く、なかなか泊まれない宿だったということもある。
パリパリ麺と餃子は、これぞ日本の中華料理という感じで、どちらも美味かった。
大いに満足して指宿駅に戻ると、上り18時29分の列車はすでに出ていた。次は19時48分だが、待つよりない。
駅前の広場の足湯では、大学生と思しき女性らがつかっていた。私が20代だったら下心ミエミエでお邪魔するところだが、禿げたオッサンが闖入しても敬遠されるだけである。
私は喫茶店を求めて彷徨う。しかしそれはなく、気が付けば、ひとつ先(上り)の駅の方角に向かっていた。
そこで私は考える。指宿から鹿児島中央までのJR料金は1,000円だった。今夜は中央駅から天文館まで市電を利用する予定だが、市電運賃は一律170円なので、谷山電停から乗っても同じである。調べてみると、指宿-谷山のJR運賃は840円。何と160円も安くなるのだ!
そこで指宿より1つ手前の駅から谷山までの料金を調べると、何と740円だった。
このまま駅でのんびりするより、運動不足の解消も兼ねてぶらぶら歩けば、260円の節約となるのである。これは大きい! 私はそのまま歩いていくことにした。
道路は線路と並行して一本道。このまま国道だか県道だかを歩いていけばよい。
たかが一駅といえども、歩いていけばさまざまな変化がある。美味そうな定食屋があったが、さっきたらふく食べたし、第一時間がない。
弥次ヶ湯温泉、という共同浴場もあった。さすがは温泉王国九州、どこでも沸いているのだ。いつか指宿を見送ってこの温泉にも入ってみたいものだが、そんな日が来るかどうか…。
簡易郵便局もあった。指宿からいくらも離れていないのに、もう「簡易」になってしまうのか…。
辺りがにぎやかになってきた。私は通行人に道を聞く。
もう駅は近くで、その先を左折すると踏切が見えるから、そこを渡っていくのがいい、と教えてくれた。
私はその忠告を無視し、踏切手前のあぜ道を進むと、駅舎の入口は向こう側だった。私はその先まで歩き、やっと線路を渡ったが、大きく迂回した形だ。だから通行人が言った通り、最初の踏切を渡らなければいけなかったのだ。
二月田(にがつでん)駅に着いた。辺りは住宅街だからあるいはとも思ったが、やはり無人駅だった。だが駅舎は白一色と瀟洒で、中央の三角屋根の窓にはステンドグラスが嵌まっていた。近隣住人に愛されている駅に思われた。
近くには高校生と思しきグループがおしゃべりをしていた。このあたりは格好のたまり場なのであろう。
中には自動券売機があって、私は感激した。ほかには地元のビデオ映像まで流れていて、表にはジュースの自動販売機も2台あったし、意外に設備は整っている。



初夏の九州だが、さすがに夜の帳は下りている。私はベンチに座ってボーッとする。この時間がなんとも言えずいい。駅に住みついている猫?が私の足元にまとわりついた。
19時51分、列車が入線した。二月田駅舎と猫とは、これでお別れである。
20時39分、谷山着。まさかこの駅に戻ってくるとは思わなかった。私は重吉そば跡を横目に、谷山電停に急ぐ。
谷山電停は1番系統の始発だから、2本が止まっていた。その片方に乗り、タイム32分で朝日通電停下車。
宿にはここから数分とのことだったが、盛大に道に迷った。だが時間はまだあるし、こんな探検もまた楽しい。
やっと南洲館を見つけた。チェックイン時、朝食の有無を聞かれたが、パスしておく。
だが部屋に入って冷静に考えると。明日は朝に余裕があるし、ネットでは朝食の評判がよかったことを思い出して、やはりオーダーした(864円)。
その足で夜食を摂りに行く。天文館といえば、牛丼は「すき家」である。いつもの店舗に入って、並盛を味わう。今年も天文館で牛丼が食べられ、うれしい。だが来年は食べられるかどうか分からない。実に複雑な味だった。

翌7日(日)。冒頭に述べたが、今日は私のチョンボのせいで、昼過ぎには家に着かなければならない。
宿の食堂に行くと、すでに大勢の宿泊客が朝食を摂っていた。
私は和食をオーダーしていて、ご飯、みそ汁、その他もろもろが出された。だが、何かメインがない、と思ったら、豚の野菜鍋が出てきてビックリした。
いやずいぶん豪勢で、なるほどこのメニューなら評判がよくなるわけだ。
私は全部平らげると、スタッフさんが、デザートにヨーグルトを勧めてくれた。これは洋食メニューのはずだが、その辺は互換性があるらしい。
こちらも美味しくいただいて、私は大いに満足した。ホテルでは棒アイスのサービスもあったみたいだし、一泊朝食付で4,564円なら、かなりのお値打ちと思った。
ちょっと遅めにチェックアウト。天文館バス停から、鹿児島空港行きのバスが出ている。現在いわさきカードの残りは1,200円。空港までは1,250円だから50円足りない。が、いわさきカードは空港行きの場合、100円割引してくれるのだ。チャージ時に1割得をしているから、二重の割引が受けられるということである。
このサービスが現在も続いていれば1,150円となり、スムーズに乗車できるのだが…。
バスが来た。私がカードをタッチすると、「1150」の数字が出た!

鹿児島空港に着き、手荷物検査場を抜ける。と、小さな自動券売機があり、それが「羽田空港→浜松町→山手線内」で500円という、破格値で売られていた。
これは繁忙期や週末に、羽田空港駅で販売されているものである。最近は買った覚えがないが、この企画切符がまだ売られていて、しかもここ福岡で購入できるとは思わなかった。



最後の最後までトクをして、私は感激を抑えきれない。ああ、今年のゴールデンウィーク旅行は楽しかった。どこに行っても美味い飯が食べられ、ありがたいサービスも受けられて、イベントや観光も見応えがあった。
今年は冒頭から自動車事故を起こし、その直後に会社の廃業が決定した。そしてこれからはその後始末という大仕事が待っている。そして私は就職も決めなければならない。
そんな苦難が渦巻く中、神様はこの5日半だけ、私に幸運と幸福を与えてくれた。
ありがとうありがとう!!
私は澄んだ気持ちで、飛行機に乗った。
(おわり)
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2017年ゴールデンウィーク旅行・13

2017-11-21 00:18:06 | 旅行記・G.W.編
カメラのファインダーを覗くと、内部に砂粒がこびりついていた。広角と望遠の付け替えを頻繁に行っていたから、付着してしまったのだろう。
北海道冬まつりでは低温によりカメラをオシャカにしたことがあったが、砂の祭典にもリスクはある。そこのところの危機感が私にはなかった。
とりあえず昼食を摂ろうと思う。今年は商品券システムがあり、1,000円で1,300円分の購入ができた。300円の得とはいえ1,000円を出費するわけだから本当に得かどうか分からないが、1綴り買った。
旭川醤油ラーメンを食う(500円)。ラーメンは美味かった。ビンゴカードを1枚もらったが、4時からのビンゴゲームには臨めそうもない。
続いて、加世田常潤高校が製造・販売している温州みかんジュース(100円)を買う。これも毎年の定番で、このジュースを飲まないと、砂の祭典に来た気がしない。
今年はさらに、加世田いちごジャム200g(250円)も追加で購入した。
加世田茶の新茶が売られていたので、これも買う。50gで500円だったが、鹿児島中央駅前で買ったお茶は、同じ値段でももう少し量が入っていた。もちろん品質の違いもあろうが、中央駅のはだいぶ安く売っていたようだ。
ともあれこれで1,350円。いちごジャムだけ余分にもらえた計算になろうか。
そろそろ次へ行かねばならぬ。いささか名残惜しいが、最後に砂像を一通り鑑賞して、今年は会場をオサラバとした。





14時00分の鹿児島中央行きバスに乗った。しかし今回は終点まで行かず、手前の谷山電停で下車した。ここで指宿枕崎線に乗り換え、指宿の砂蒸し風呂に行くのだ。これも私の定番である。
がその前に、行きのバスから見た衝撃的な光景を、今一度確認しなければならない。
その道すがら、ちょっと小腹が空いたので、回転焼き(今川焼き)を購入した(100円)。こういう買い食いが楽しいのだ。
話を戻す。バス停から少し歩いたところに「純手打そば・重吉そば」があるのだが、現在その店舗が取り壊され、クレーンで瓦礫を掬っている最中だった。
私は重吉そばに2回お邪魔したと記憶する。重吉そばは蕎麦が太く、蕎麦にあるまじき噛み応えがあった。きざみ海苔がいいアクセントになっていて、一度食べたらクセになる味だった。
高齢のオヤジさんがやっていた記憶があるのだが、ここ何年かは時間の関係か、店を閉めていることが多かった。
そしてこの解体工事である。馴染みの店が消える、そこにない、というのは強い衝撃である。熊本のうどん屋、旭川の蕎麦屋、みんな跡形もなく消えてしまった。重吉そばよ、あなたもか!
私は呆然としつつ、通りがかったおばさんに聞いてみる。
「あの蕎麦屋、取り壊されちゃったんですね。私旅行者で、毎年楽しみにしていたのに」
「そうねえ。でもここ何年かは営業してませんでしたよ」
毎年来ていた、みたいに話を盛ったら、ウソと看破されてしまった…。
オヤジさんに何かがあったのだ。建物ともども、何だかウチの工場の将来を見るようで、私はいたたまれなかった。



高架、新駅舎となったJR谷山駅に入る。黄色の列車が入線し、15時13分、列車は出発した。
列車は窓が大きく取られていて、場所によっては錦江湾がよく見える。しかし私にはすべてが虚しく映った。
タイム1時間2分で、指宿に着いた。帰ってきた、という感じか。
駅前からは16時25分の砂蒸し会館行きがあったので、それに乗った。この区間でバスは利用したくなかったが、タイムイズマネーだ。
下車時に払ったバス代は140円で、この金額なら出す価値はあった。
おなじみの砂むし会館「砂楽」である。だが入浴料が1,080円に上がっており、びっくりした。消費税5%の時は税込900円の時があったから、ざっと2割増である。しかしここで引き返すわけにもいかない。
もちろんおカネを払って、入場する。ピーク時は過ぎたようだが、まだいっぱい客がいる。ちなみに営業時間は夜8時半までだそうで、夜に蒸されてもオツな感じはする。
何分か待って、砂に蒸された。砂むし温泉は指の先から汗が出る感じで、一番最初に蒸された時の衝撃がすごかった。こんな事態は体が経験していないから、本当にブワッと汗が出た。そしてその後のさっぱり感。あれは一度味わったほうがいいと思う。悔しいが、1.080円の価値はあるのである。
今回も20分近く蒸された。ブクブク太っているから、汗が出ること。頭も蒸れてハゲが目立ち、もうどうしようもなかった。
さて指宿に来たら、もう一軒寄りたい店がある。今年こそは入れそうだと思った。





(つづく)
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