一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

湯川夫妻の金婚式パーティーに出席する・B面(前編)

2023-07-09 21:42:48 | 将棋ペンクラブ
きょう7月9日は、埼玉県和光市「長照寺」にて、湯川博士・恵子夫妻の金婚式を祝う「第1回・金婚寄席」が行われた。当然私も出席したのだが、いま現在私の心は晴れない。順を追って説明しよう。
湯川氏から今回の金婚式パーティーの話が出たのは今年の1月28日、明石家将棋会の打ち上げの席だった。そのときすでに7月9日の日程は内定していて、「君も忙しいだろうが、是非出席して、『将棋ペン倶楽部』にレポートを書いてほしい」と言われた。私は苦笑しながら頷いた。出席OKですと、自分では意思表示したつもりだった。が、この曖昧な態度がいけなかった。
5月上旬だったか、湯川氏から改めて案内状が届いた。湯川氏は筆まめで、これと同様のものを数十通出したのだろう。
中には返信用ハガキが同封されており、私はすぐに返事を書く……つもりだった。
だが、どうせなら凝ったツクリにしようと思った。よくある出欠のお伺いの様式にプリントし、「ご欠席します」に二本線を引き、「出席します」に○を付けるような演出をすることを考えたのだ。
しかしこのころの私は(いまもそうだが)精神的に不調で、そこまで無理ができない。しかも当時はDELLのパソコンが不調で、思うように文字が打てなかった。結局ハガキは出さぬまま、暦は7月に入った。
さすがに恵子さんには電話をすべきと思ったが、私はヒトに電話をするのを好まない。自分がされるのは一向に構わないが、ヒトにするのは、その人の自由時間を奪うような気がして、躊躇してしまうのだ。
ま、当ブログには出席の旨を書いたし、ツイッターにも書いた。恵子さんは読んでくれると信じた。
そして9日を迎えた。「7月9日」は、いまから31年前、私が新卒で入った会社をリストラで辞めた日だ。そして1年前のきょうは、その顛末を書いた投稿を、文化放送「親父熱愛」で吉田照美氏に読まれた日でもあった。
今回は湯川夫妻の金婚式のパーティーではあるが、「金婚寄席」と銘打っているとおり、フランクなものだろう。だが私はご祝儀を用意し、スーツを着ていくことにした。
自宅からは山手線に乗り、池袋乗り換えで東武東上線の和光市で下車するのが一般的である。ただ、現在私はよんどころない理由でバス定期券を持っており、これを使いこなさなければならない。煩雑を避けるが、こんな定期券を買ったばかりに大赤字になっており、少しでも補填したいのだ。
金婚寄席は13時開場、13時20分開演だから、時間的には余裕である。
最寄り駅の隣り駅まで歩き、そこから都営バスを利用する。山手線で10分で行けるところを、30数分かかる路線バスに乗る。この時間が大いに無駄だが、意地でも定期券を使わなきゃしょうがない。
ところがバスは7分遅れで来た上、池袋東口到着も大幅に遅れた。バスの不誠実なところは、これだけ盛大に遅れながら、乗客に一言の謝罪もなかったことだ。バスの遅れは日常茶飯事なのだろうが、少し乗客を軽視していないか?
しかも池袋東口から東武東上線乗り場に行きつくまでが一苦労で、また時間をロスした。まったくいまいましいが、これは織り込み済みである。
東武東上線は、運よく急行に乗れた。途中停車駅は成増のみである。いやバスと比べて早い早い。やはり電車は最強だ。割引率の低いバスの定期券なぞ買った私がバカだった。
和光市駅に降りると、駅前に「そばもん」があった。ここの蕎麦が旨いのだが、もりそば490円は、半立ち食い蕎麦店としてはちょっと高く、入店を躊躇する。それと、ここで食事をすると、微妙にお寺にも間に合わない気がする。私は長照寺に何度かお邪魔したが、寺への道の分岐点がうろ覚えで、ここで時間を食う可能性がある。路線バスは通じているが、使うには距離が短い。
私はそのまま歩く。途中にスーパーマーケットがあったので寄り、おにぎりの2個セットを買った。それを歩きながら頬張る。これがいい歳をした男のやることかと思う。
広い道をいったん左折するのがミソで、ここを直進したため、私は武者野勝巳七段らとともに、道に迷ってしまったのだ。
途中に公園があり、そこで用を足す。徒歩の利点はここにあり、バスに乗っていたらトイレに行けない。
さて、長照寺の分岐点まで来たが、ここから先の記憶があやふやだ。ためしに地元の人に聞いたが、分からないという。まあ、そうであろう。
それでだいたいの方角を決めて歩きだすと、地元と思しきおじさんがいたので、改めて聞いてみる。すると、彼は「私も長照寺に行く」とのこと。さらに別方向から来たおばちゃんも、長照寺に行くという。これはもちろん「金婚寄席」への参加だ。そしてふたりともラフな格好で、全然構えたところがない。私はやはり、とんだ認識違いをしていたようだ。
雨がポツポツ降るなか長照寺客殿に着いたのは、開場の2分前であった。が、受付から大広間を見ると、相当な客で埋まっている。A氏が私を見て、手を振ってくれた。私にもそういう知人がいたんだとありがたくなる。
受付の小川敦子さん(画家)に名前を言うと、敦子さんの動きが止まっている。出欠表に私の名前がないのだ。そ、そりゃハガキを出さなかったから欠席扱いなのだが、ここで私は、コトの重大さに気づいたのである。
とりあえず参加費の2,000円を払う。あとはご祝儀を渡すかどうかだが、付近にご祝儀袋がない。それと地元のおじちゃんおばちゃんがおり、私だけ目立つわけにはいかない。私はご祝儀をしのばせたまま、大広間に入る。部屋の右廊下側に、A氏、Kan氏、そしてなぜか、関西の茂山氏がいた。
(つづく)
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