一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第64期王位戦第1局・第2日目

2023-07-08 23:44:42 | 男性棋戦
第64期王位戦七番勝負第1局、2日目は佐々木大地七段が右銀を上がってスタート。以下、角を放って歩得を果たし、佐々木七段がますますよくなったように見えた。
佐々木七段、右金を4段目に上がって、さらに厚みを作る。このあたり、米長邦雄永世棋聖の将棋を見るかのようだ。
一方、藤井聡太王位は金取りに歩を突きだし、さらに銀を進出させる。これが金取りと同時に飛車取りの歩成を見た絶好の一手。実際にそれが実現すると、佐々木七段は飛車を見捨てて敵銀を取った。よって藤井王位は美味しく飛車を取り、優勢になった。……いやいやいや、なんでこんな展開になった??
以後、ABEMAの評価は、指し手が進むごとに、差が開いていく。最後は藤井王位がと金を引いたところで、佐々木七段がいまはこれまでと、投げた。
投了図を見ると、佐々木七段の片銀冠が綺麗に残っている。すなわち先日の棋聖戦第3局と同じく、藤井王位が佐々木七段の攻めを切らせて勝ったわけだ。ギリギリの一手違いでなく、囲碁の中押し勝ちのごとく。実はこちらのほうが、より凄みのある勝ち方ともいえる。
しかし藤井王位は、「序盤で失敗し、苦しい時間が長かった」という意味の言葉を述べた。実際そうだったのだろうが、負かされたほうはそうは思わない。妙な慰めに聞こえてしまうのである。
とはいえ、この藤井王位の謙虚な姿勢が自身をさらに強くし、いままでとはちょっと違った投了図を生みだしているのも事実なのだ。
棋聖戦も王位戦も、佐々木七段が健闘しているのは分かる。しかしそれが勝ちに結びつかなければ意味がない。健闘した結果が棋聖戦で1勝2敗、王位戦で1敗では、タイトル奪取の可能性は相当に低い。
王位戦第2局は、13日・14日。佐々木七段がショックを払拭する期間は、あまりにも短い。
コメント (9)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする