一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

高浜女流2級、女流1級に昇級!!

2021-09-19 17:18:30 | 女流棋士
17日(金)はもうひとつ、マニアにはビッグなニュースがあった。高浜愛子女流2級が第33期女流王位戦予選で内山あい女流2級に勝ち決勝進出を決め、規定により女流1級に昇級したのだ。とりあえず、おめでとうございます。
高浜女流1級といえば、「苦節」というキーワードが浮かぶ。高浜女流1級は2003年、女流育成会に入会。そこから10年余りを経て2014年、女流3級の資格を得た。しかしここから2年以内に女流2級に昇級しなければならないという、当ブログではおなじみの規定があった。並の女流棋士ならここは通過点に過ぎないが、女流育成会(研修会)卒業に10年を費やした彼女だから、推して知るべし。果たして苦闘の日々となった。
2015年8月、勝てば女流2級という一番を負け。しかし2016年2月、女流名人戦予選で勝ち、規定により女流2級に昇級した。高浜女流3級(当時)は年齢がいっていたため、もう研修会には戻れない。よってこの女流名人戦がラストチャンスだったわけで、それを勝ち切ったのは見事だった。
ただ、(女流)棋士の中には、(女流)棋士生活がスタートであるにも拘わらず、それがゴールの場合がある。すなわち、(女流)棋士になれてよかったね、というやつだ。
高浜女流1級は残念ながらそのクチで、女流棋士としての成績は芳しくなかった。女流3級と同様、女流2級も通過点でなければいけないのだが、毎年大きく負け越す。
今年度始まりの時点でも、女流1級には11勝を必要とした。しかもそこに、厳しいニュースが飛び込む。清麗戦や女流順位戦の創設に伴い対局数が増加したことから、女流棋士の昇段規定の勝ち星が、一律10勝の上乗せになったのだ。
この適用は10月1日から。ただ、高浜女流2級が9月末までに11勝するとは思えず、女流1級のゴールポストがだいぶ遠のいたと思われた。
だが高浜女流2級は女流王位戦予選2回戦の船戸陽子女流三段戦に勝ち、冒頭の内山女流2級に勝ち、女流1級昇級となった。この日は同じ棋戦で千葉涼子女流四段対上田初美女流四段という重量級の対戦もあったのだが、高浜―内山戦が「昇級決定戦」だったためか、こちらが携帯中継された。そしてネット情報を拾うと、その将棋は高浜女流1級の大逆転勝ちだったらしい。
なんだか頼りないが、そういう将棋をモノにするところが、勝負強い?高浜女流1級らしいともいえる。
それで私も棋譜を鑑賞したが、高浜女流2級は愛用の四間飛車穴熊。内山女流2級は銀冠から着実にリードを拡げる。しかし74手目△9九馬はどうだったのだろう。ここは△5五桂の金取りはなかったか。これに▲4九飛(△8九馬取り)なら構わず△4七桂成▲8九飛△5八成桂で後手勝ち。
この後も内山女流2級が優勢だったが微妙に疑問手を指し、高浜女流2級は穴熊の遠さを頼みに激しく攻め込み、最後は綺麗な一手勝ちを収めた。やはり「勝つことはえらいこと」なのだ。
そういえば「女流2級」が2回戦から登場したのも妙な話だが、高浜女流2級は第31期に1回戦で勝ったため、第32期は2回戦から登場。それも勝ったから、第33期は2回戦から登場したと思われる。その2年の勝ち星も無駄ではなかったのだ。
さて、高浜女流1級が今後飛躍するには、同じ振り飛車でも、いろいろな戦法を勉強したほうがいいと思う。現状、四間飛車穴熊がメインでは、作戦を狙い打ちされる。
また内山女流2級戦では、序盤をノータイムで飛ばしたらしいが、たとえ何度も通った道でも、少しでも考える習慣を身に着けたほうがいいと思う。
女流初段になるには、10月1日以降、60勝が必要になる。手っ取り早く昇段するには、次の女流王位戦予選の決勝で勝てばよい。相手は渡部愛女流三段。一丁頑張ってみよう。
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