一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

「将棋ペン倶楽部」2021年秋・第76号

2021-09-16 00:20:29 | 将棋ペンクラブ
先週、「将棋ペン倶楽部」2021年秋・第76号が送られてきた。今号は第33回将棋ペンクラブ大賞発表号で、ボリュームもある。
今回の選考会はいくつか変化があった。ひとつは、選考委員のひとりである木村晋介会長がリモート選考した。
ほかの選考委員は西上心太氏(文芸評論家)、所司和晴七段と、いつもの通り。選考場所は、神保町の「魚百」が業態変換したため、神田の「東京古書会館」となった。
もうひとつは、従来の選考評価は「◎○△」だったが、今回から「5点法」になった。つまり3段階評価から5段階評価になったわけで、よりミクロの優劣が付けられるようになった。
ただここでの作品群は二次選考を通過してきたものであり、ひじょうに高いレベルでの争い、ということを再確認しておく。
今年は観戦記部門が6つ、文芸部門が5つとやや多め。しかも例年にもまして力作揃いで、選考は苦しくも楽しいものになったようだ。
入賞者はこちらで確認いただくとして、「受賞のことば」がいつもながらに面白い。ことに観戦記部門大賞・椎名龍一氏のそれは「なるほど」と思わせるし、後日談も気が利いている。
「推薦柵ひとこと集」は12頁を割き、充実している。このコメントを読むと、該当作品を読みたくなってくるのだ。
なお、今年の将棋ペンクラブ大賞贈呈式も、コロナの関係で立食形式はなし。その代わり、ネット配信を予定しているそう。詳細が発表され次第、当ブログでもお知らせしたい。

そのほかは一般投稿。拙稿も掲載されており、題して「投了図で双方持駒なしはあるか」。前号に掲載された「銀の妙手」と同時に投稿したもので、今回も無事に掲載された。
表題に関しては、もう35年以上前の専門誌に、別のライターより取り上げられたことがある。そのときは「なし」が結論だったが、ありていに言うと、今回も同じ結論だった(序盤での対局放棄は除く)。
ただそこはそれ、私なりに、ある投了図を用意した。それを確認したい方は、将棋ペンクラブの会員になって読んでいただくしかない。
なお、今号の分量は1頁余り。それでも掲載誌につき3部送られてきて、申し訳ない気がした。
ほかは井出洋介氏、美馬和夫氏、黄信号氏、バトルロイヤル風間氏の連載陣に、水野保氏、榊原智氏、今泉忠芳氏、北川晴雄氏、藤井克彦氏の常連陣。林慎氏の投稿もある。林氏は文章のどこを読んでも慎節全開で、氏の寄稿だとすぐ分かる。これぞ「将棋ペン倶楽部」という気がする。
極めつけは、湯川博士幹事の寄稿である。題して「日本将棋の完成」。これは、将棋ファンなら必読であろう。
以上、全126頁。毎号、このくらい読みごたえがあるとうれしい。
コメント
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