何気なく図書館で手に取った小説がよかった。「一作」
左本のごとく、一連の大活字本版の味気ない冊子だから、受賞作であることはわからない。
小説「爆心」は、長崎市出身の芥川賞作家で長崎原爆資料館館長を務める青来有一が、平成17年に発表した作品。
次の読書感想が、うまく言い表しているので3感想を置く。
谷崎潤一郎賞、伊藤整文学賞の2冠を制した衝撃的作品集。
青来有一氏の『爆心』は、「釘」「石」「虫」「蜜」「貝」「鳥」の、六つの作品から成る。
全体を貫く主題はすべて、信仰の街ナガサキの上空で炸裂した原子爆弾から引き出されていて、たとえば、〈あの時に、主はこの空にいなかったのだろうか〉(「蜜」)という切ない問いであり、〈街を覆った火をどうして海が押し寄せて消してくれなかったのか〉(「貝」)という烈しい願いであり、〈あの時以来、生きることが試練となった〉(「虫」)という沈痛な呻きである。(評:井上 ひさし)
殉教の火に、原爆の火に焼かれながら、人はなぜ罪を犯し続けるのか? 欲望と贖罪、エロスと死の背反にもがく人間の「業」を描く傑作。
被爆体験やキリシタン信仰が直接語られるわけではない。ここに登場するのは、妄想にとりつかれて愛する妻を殺してしまう男、会った女性に次々に惚れ込む知的障害者、青年との不倫の愛にふける人妻など、それぞれ問題を抱えながら現代の長崎に生きる市井の人びとである。
しかし、どの作品でも土地の記憶のようなものがふっと甦る瞬間があり、それが長崎の現在に絡み合うことによって、独自の「ポスト原爆文学」の世界を作りだしている。
小説では、被爆の情景を直接描くのではなく、いまを生きる人々の生活を通じて長崎と原爆の関わりを描き出している。
著者の出身地である長崎を題材に、風土・方言を駆使しつつ、キリスト教、原爆という難しい話題を織り交ぜながら書き上げた連作短編集。
この作品には、欲望や禁断の愛、錯乱、妄想、生と死など、様々な話が交錯して、丁寧な文体に乗せながら、人間の営みを描いている。読んでよかったという作品だった。文章は軽やかだが、内容は重厚で凄みを感じた。
左本のごとく、一連の大活字本版の味気ない冊子だから、受賞作であることはわからない。
小説「爆心」は、長崎市出身の芥川賞作家で長崎原爆資料館館長を務める青来有一が、平成17年に発表した作品。
次の読書感想が、うまく言い表しているので3感想を置く。
谷崎潤一郎賞、伊藤整文学賞の2冠を制した衝撃的作品集。
青来有一氏の『爆心』は、「釘」「石」「虫」「蜜」「貝」「鳥」の、六つの作品から成る。
全体を貫く主題はすべて、信仰の街ナガサキの上空で炸裂した原子爆弾から引き出されていて、たとえば、〈あの時に、主はこの空にいなかったのだろうか〉(「蜜」)という切ない問いであり、〈街を覆った火をどうして海が押し寄せて消してくれなかったのか〉(「貝」)という烈しい願いであり、〈あの時以来、生きることが試練となった〉(「虫」)という沈痛な呻きである。(評:井上 ひさし)
殉教の火に、原爆の火に焼かれながら、人はなぜ罪を犯し続けるのか? 欲望と贖罪、エロスと死の背反にもがく人間の「業」を描く傑作。
被爆体験やキリシタン信仰が直接語られるわけではない。ここに登場するのは、妄想にとりつかれて愛する妻を殺してしまう男、会った女性に次々に惚れ込む知的障害者、青年との不倫の愛にふける人妻など、それぞれ問題を抱えながら現代の長崎に生きる市井の人びとである。
しかし、どの作品でも土地の記憶のようなものがふっと甦る瞬間があり、それが長崎の現在に絡み合うことによって、独自の「ポスト原爆文学」の世界を作りだしている。
小説では、被爆の情景を直接描くのではなく、いまを生きる人々の生活を通じて長崎と原爆の関わりを描き出している。
著者の出身地である長崎を題材に、風土・方言を駆使しつつ、キリスト教、原爆という難しい話題を織り交ぜながら書き上げた連作短編集。
この作品には、欲望や禁断の愛、錯乱、妄想、生と死など、様々な話が交錯して、丁寧な文体に乗せながら、人間の営みを描いている。読んでよかったという作品だった。文章は軽やかだが、内容は重厚で凄みを感じた。
映画化もされていた。 |
21世紀は戦争がない世紀と思っていたら、ロシアがウクライナに戦争を仕掛けて、泥沼化しそうになってきました。
このため、核の使用をほのめかしながら威嚇しています。
被爆による悲惨さは被爆国日本でよく知っているであろうに、あの大統領は何故そのような行動をとるのか?
そもそも、この戦争はロシアが独立国のウクライナに勝手に侵攻して自国の領土にしようとしたことに始まります。
このような事を世界が許すことはありません。
ましてや核の使用などもってのほかです。
ロシアはすぐにでも停戦して、ウクライナに対して謝罪と補償をすべきです。
左利きの人が、器用であるとは前々からいわれています。左右利きの「二刀流」なら、さらに器用です。
右利き社会であり、生活するうえには右利きの方が利便性は高いですから、こぞって矯正するのでしょうね。
戦争は、政治家のメンツで行う実態をさらしています。
軍隊は、国を護るために存在します。攻めるのを怖がる兵士を後方から射殺して前進を強要する遣り方は、国を構成する国民を殺すのですから矛盾するばかりか、なにより卑怯です。
ならず者が何をやるかわからないところから脅しは有効です。プーチンは手出しするなと核使用をほのめかしているだけだと思います。ブラフです。
核を使えば、相手ばかりか自国も破滅が待っています。
最近、本を読んでません。週刊誌を読む程度です。
新聞は、毎日読んでますがね(〃´ ˘ `〃)♡エヘヘ
週刊誌も、最近の読書離れから週刊朝日が5月末で休刊するのだそうです。他も、追随するかもしれません。
https://publications.asahi.com/news/1848.shtml
ありがとうございます。
映画にもなったんですね、そうですか、作者は、長崎出身の芥川賞作家で長崎原爆資料館館長ですか。
であれば、内容の深い描写なのでしょうね。
iinaも更家さんに紹介された名所をめぐってみたくなりました。
横山大観を迎えて描かせるなどは、善いパトロン文化人です。^^
芥川賞作家が、次に他の賞を受賞して活躍を広げるとはすごいことです。
でも、読みやすい小説でしたょ。