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必ずコメントに参ります by iina

先端科学

2010年06月16日 | 雑感
「東京テクノフォーラム 21」の「ゴールド・メダル賞」受賞記念講演会を聴いた。受賞したのは、高橋和利(32才)京都大講師、藤井直敬(45才)理化学研究所チームリーダー、吉崎悟朗(44才)東京海洋大准教授の気鋭の新進研究者3人。
難しい題材を扱う講演は専門すぎ面白くないものだが、3人ともにPCからの映像を駆使して分かりやすい解説とユーモアあふれる実直な人柄をかもし有意義なひと時だった。

再生医療への応用に期待がかかる「iPS細胞(人工多能性幹細胞)」を共同開発した高橋講師は、世界に注目するiPS細胞につながる経緯を紹介した。iPS細胞の作製に欠かせない20と数個あった遺伝子を絞り込んで4個を突き止めた。
それも有効な遺伝子を突き止める実験過程で容器が1つ余ったからと遊びに遺伝子を総て混ぜたところその容器のみが増殖して偶然発見したと謙遜する。高橋さんの恩師である山中伸弥・京大教授と共にノーベル賞に期待の声もあるらしい。蟹の足が再生できるように、自分の臓器を作れるとしたら、医療はオールマイティになるのだろうか。

藤井リーダーは、頭で考えるだけで機械を動かすことができる「ブレーン・マシン・インターフェース(BMI)」を開発、この技術の実用化が近いことを明らかにした。
SF映画「アバター」を実用するものだ。頭が考えたことをロボットにやらせるもので、車をドライブさせることも可能だ。現在は、10秒ほど遅れるタイムラグがある。
手足のない者にその替わりをさせるが、ただ単に手足の補助として動かすだけなら現行の技術でできるという。映像で、残った神経を接続してターミネーターのような細かな動作ができることを見せた。
問題は、倫理的な要因が阻害するといい、本人以外から強制させられる危険をどのように排除するのかが難しいのだという。つまり、自身の意思と他人からの意思の境界線をどこに引くかがネックという。

吉崎准教授はマグロの生殖細胞を使って、代理親のサバにマグロを産んでもらう技術の開発状況について語った。マグロの量をコントロールできる食文化に貢献できよう。マグロ禁止に動く世界世論が高まる現代に福音となりそうで期待される。



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9 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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おはようございます (ippu)
2010-06-16 06:02:07
≪先端科学≫
以前にも触れましたが、手術後暫く声が出せなくなると聞かされ、ICレコーダーに幾つかのフレーズを録音して言葉代わりにしました。
その時先端技術の中を行く教授が、ICレコーダーを「流石先端技術ですね」と言ったのが可笑しかったです。
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おはようございます (おくだっち)
2010-06-16 08:46:34
大学講師の講演というと、レジメだけで個人の財産となる重要部位は省いた話が多いので、よく判らないことが多いですが、有意義な講演で良かったですね。

遺伝子情報を用いた量産技術を、動物や魚などに応用するのは少し恐い気がします。
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早々のコメントに うれしいいなぁ (iina)
2010-06-16 10:43:28
(ippu) さん へ
富士山を見ると、得した気分になり気持ちに張りがよみがえります。草津の白根山
から富士山を遠望できたときはなお更でした。海外旅行者に天下の富士山を見て
もらえてよかったよかったと思います。
しかし、案外と近くの箱根で宿泊するのは限られているようです。

おどろくばかりな先端科学講演でした。また、テレビでも驚かされる報道を目にします。
失敗ばかりしていた筈のロケットが、3億キロ離れた小惑星を往復して地球に帰還
する技術を目の当たりにさせられるとは、心底驚きました。




(おくだっち) さん へ
映画俳優は虚像ですね。
それに夢中になるのは、造形されたものに憧れているのですから、それを現実の男女
と比較するのは無理がありそうです。ひとは夢にいきるのですら、善い悪いの分類
からはずれます。

ところで、遺伝子情報を用いた量産技術は、自然界に戻しても害がないかどうか
を確かめている段階だそうです。
当初、絶滅種を元の量に復活させようとしたのが発端で、その後にマグロ禁止の
方向に向かったため、あたかも食べるために禁止マグロの量産を目指したかの報道
は本質を伝えていないという説明でした。
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う~ん (鷲谷芝嵐)
2010-06-16 11:41:27
私には難し過ぎて、コメントしようにも語彙が浮かんできませんでした。失礼しました。
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歓迎 ( π )
2010-06-16 17:44:26
胃ガンになっても、胃をそっくり取りかえれると怖い病気が少なくなりますね。

マグロ漁が禁止されても食べれるなら歓迎します。

          バイバイ( ̄π ̄)
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Unknown (銭無のとっつあん)
2010-06-16 22:23:32
非常に難しい内容ですが、科学は進んでいるのですネ。

進み過ぎて問題が起こらなければ良いのですが。
考えすぎでしょうか。
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コメントに 返信 (iina)
2010-06-17 09:44:26
(鷲谷芝嵐) さん へ
釣果のないことを「ぼうず」というのは知っていましたが、「おでこ」はシランかったです。メモメモ

先端科学を読者に理解しやすく説明するのは難しいです。失礼しました。m(__)m



( π ) さん へ
手足や臓器を人口細胞で再生できたら、悪性ないしは劣化した局部を取替えれ、
医学界に革命をもたらすものだと思います。
それが金持ちの具にならず、万民に行き渡るようにしたいと研究者は希望して
いました。




(銭無のとっつあん) へ
「あじさい」を見て、「わっ 菓子だ」とびっくりでした。

先端科学も人口細胞の類は、問題が起こる危険性はあります。その危険性の
有無を現在、確認中ということです。それをクリアできたら、ノーベル賞物
という証になると思います。

金柑は、父母が植えたので結実の年数は定かではありません。
ただ、おととしに実った金柑を全部とったところ、去年は実りませんでした。
ことしは実ってます。
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CCSCモデルファン (ストライベック)
2025-05-09 13:43:51
最近はChatGPT(LLM)や生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン物理学のような理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、イデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、トレードオフ関係の全体最適化に関わる様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術とは違った日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
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(ストライベック) (iina)
2025-05-10 09:28:30
 むずかしいお話でした。 
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