
Hello、全国の温泉ファンのみなさん、お元気ですか?
温泉マニアのイーダちゃんと申します。
nifty温泉さんのほうでここ3年ばかり温泉のクチコミページをもって、せっせと投稿にいそしんでおりました。
以前からブログやってみたい! っていうのはあったんですが、なにせ仕事が忙しい、パソコンのブログ勉強するのもめんどいかなあ、と思ってなんとなく伸ばし伸ばしにしてたんです。
そしたら、なんの因果か、今年の8月、諸般の事情でイーダちゃんは失職しちゃいまして、いいにくいのですが、現在まあ「無職」という肩書に甘んじてるわけなんでありますよ。
近所の定食屋のTVで「犯人の○○は現在は無職で……」なんてニュースが流れるのを聞くと、最初のころは身体がついびくっと反応しちゃったり。ちょっちナーパス入ってましたねえ。最近じゃあすっかり面の皮の厚いずうずうしさが身について、そーゆーのも平気になっちゃいましたけど。
いまは、そうですね、こんな無職状態をちょいと楽しんじゃっております。
これほど時間を自由に使えるのは高校以来ですからねっ。
好き勝手なブログ記事を思いつくままどんどん書いたり、会社の女のコと海いったり、たまにゃ飲み会、知り合いの役者さんとのライヴの準備にせっせといそしんだり。
あと、以前から行きたいと思っていた日本の占星術の草分け「神秘のサビアン占星術」の松村潔先生の松村塾に参加したり、ヨガやったり、一本歯の下駄での古武道の稽古を再開したり---ま、会社時代より確実に楽しい時間をエンジョイさせてもらっております。
しかし---こと温泉に関しましてはいけません!
会社生活の最期のご褒美と思ってドカーンといってきたまるひと月の北海道旅行は、たしかに超サイコーでありました。
楽しかったー! あんなレアな旅行はもう一生涯不可能でありませう。(^.^;>
しかし、念願のブログもようやくたちあげて、さあ、いよいよガンガン温泉だ、というわけには今度はいかなくなってきちゃったんでありますよ……。
だって、やっぱり無職なんですもん---。(ToT;>
無職の貯金やら退職金やらを切り崩してがんがん温泉にいっちゃあ、それ、やっぱりひととしてマズイでせう。
というわけでniftyで僕のブログ見てこちらに遊びにきてくれた方々にわるいなあってずっと思ってたんですよ。だって、せっかく遊びにきていただいたのに、肝心の温泉の記事がないんですもん。詐欺ですよ。あーん、御免なさいねえm(_ _)m
というわけでしばらく温泉紀行は再開できそうにないんです。
で、その代わりといっちゃあなんですが、いままでの温泉に関するよもやま話をエッセイにしてみることをこのごろようやく思いつきました。ほんとは現場のレポートがいっちゃん楽しいんですが、まあそのへんは置いといて、ひとまずは温泉の湯けむりのあの芳しい香りを思いだして温泉トリップを実践してみることにいたしませう。
心のチャンネルをくいとひねって、アブダカダブダ……(xox;/
おお、サイコロの目が出ましたね---今日のテーマは、混浴です。(下写真は那須・北温泉「天狗の湯」。むろん混浴)

混浴---これ、結構根源的なテーマだったりするんですよね。
みなさんは混浴についてどう思われます?
ニッポンの温泉にとって、やっぱりこのテーマは避けては通れないとイーダちゃんは思うんですが。
僕がこれまで入ってきた温泉のなかにも混浴温泉はいっぱいありました。
有名どころでは秋田の乳頭温泉の「鶴の湯」「黒湯」、あと青森の「酸ケ湯温泉」、宮城・東鳴子の「黒湯の高友旅館」、伊豆北川温泉の海沿いの「黒根岩風呂」、あといまここの上にちょっとアップした栃木・那須高原の「北温泉」の天狗の湯、群馬の重鎮「法師温泉長寿館」、岡山なら真賀温泉のあの「幕湯」、北海道なら知床の「セセキ温泉」、あるいは屈斜路湖沿いの「コタン温泉」、ばーっと飛んで九州ならば別府の横綱・日本一の泥湯の「別府温泉保養ランド」……ああ、とてもとても切りがない!
こうやってならべてみると、名湯はすべからく当初は混浴であった、というのは、どうやら本当みたいです。
そういえば2008年の6月12日---福島の不動湯温泉で初代温泉チャンプの I さんとたまたまお湯をご一緒したとき、この I さんもおなじようなこといってらっしゃいました。
-----土から湧きだした温泉はなによりも「命の水」なんだから。あらゆるひとに対しての恵みでさ、老若男女、そんなものは一切関係ないんだよ。
いわれてみれば、そりゃそうだの世界ですよねえ。
僕なんかからすると、見知らぬおばあちゃんと肩をならべて入るような混浴は、超・好きですよ。
だいたいそーゆーとこって自然のまんまの極上湯のことが多いし、自然の岩や土のなかにある場合が多いんスよ。そんな自然のなかで浸かるお湯はこれぞ温泉って気がするし、何より下らない性差なんかがとっぱらわれた解放感がまたたまんない。
けど、女性にしてみりゃあどうでせう?
特に若い女性なんかの場合?
自分が裸で異性の裸も気にしつつ身体を固くして入るお湯が、はたして名湯って呼べるんでせうか?
むーっ、の世界ですよね、これはやはり。
僕は見知らぬ女性客との混浴も30回以上は経験していますが、中年以前の若い娘さんなぞと混浴した場合、だいたいにおいて彼女らはタオル巻きのケースが多かったですね。バスタオルを胸から腰下にかけてぐるるんと巻いて、まあ隠すっていうか。
僕は身勝手な男性の常として、それがまあ当たり前と思っていたんですよ。でも、いちどだけ、伊豆の七滝温泉で自分も水着を着て温泉に入る機会がおととしにあったんです。初の試み。ていうか登山客が多いんで、それでないと入れてもらえなかったんでやむなく了承したかたちだったんですが、そしたらね、海パンでの湯浴みってちーとも気持ちよくないじゃありませんか。
いやー あれは窮屈でしたよ!
びっくりしました、あまりにも楽しくなかったんで---。
じゃあ、すっ裸で入りゃあいいじゃん? といいかけてやめたそこの貴方! 貴方ですよ、貴方!
貴方が女性だったと仮定して、むつけき男ばっかりがごつごつと野太い声でたむろしている、毛むくじゃらの露天風呂に、手拭いほんの一枚だけの裸ん坊で入っていけますか。
湯浴み客は紳士が多いかもしれない、しかし、紳士だってなんだって誰かがお湯に近づいてきたら、そりゃあ見ます。たとえそれが一瞬にしても、とにかく見ることは見る。
その際の恥ずかしさと不安感?---これは、僕は男ですからたぶん永遠に分からないと思うんですが、かなりのハードルなんでせうね、たぶん。
有名な湯処の男の湯浴み客はだいたいにおいて素朴でいいひとが多い、というのは僕の経験ですが、何事にも例外というものはありますから。
実際、僕が以前伊豆北川温泉の黒根岩風呂に入ったときは、ひとり、ひどいのがいました。
その若いコは中年の彼氏といっしょにきてたんですよ。で、実に見上げた心がけ---着替処から手拭一枚で露天の石組にやってきたわけなんですよね。で、イーダちゃんのすぐ前にぽちゃんと入っちゃってね---そのときに下の毛がちょろっと見えて、正直いってイーダちゃんも一瞬だけ動揺しちゃいました---スリムで綺麗なコだったんですもん---ただ、一瞬後にはこのコの立派な心がけにはこっちもそれ相応に応じなくちゃ義理が立たんと思いまして、挨拶してふつうに話したりしてたんですよね。
そりゃあ、話しながらときどきは胸が目に入ったりはしてきちゃうのですが、あんまり意識しないようにしてた。で、冗談いって笑ったり、けっこういい感じの混浴状態だったんですよね、そのときは。
でも、ひとり、50代くらいの親父にとんでもないのがいたんです。
こいつ---ちがう湯船にいたんですよ、最初はね。でも、この女の子が裸で入ってきたのを見つけると、あっというまにこっちにきて、しかも若い男の子を押しのけるような強引さで女のコの傍の石場を陣取っちゃった。
そうして、女の子が風呂からあがろうとすると、その真後ろにつき、真下から股下をぐーっと見上げようとするんですよ!
もー ガン見星人。ほかの男とかいっぱいいるのに! おいおい、おまえはいったいどこのケダモノだって感じ。
しかも、その動作に照れとか躊躇とかが一切ない。なんちゅー親父だ、おみゃーは(なぜか名古屋弁になって)。プロの痴漢ってこういう手合いなのかとある意味感心させられるくらい、この親父は浅ましかった。
男ってエッチな動物なんですよ---それは分かる、しかし、ここまで浅ましくやられるとね……
僕は身体ごついんで、この親父を行かせぬよう肩でブロックしたりもしてたんですが、この親父、こっちがだめならあっちからという感じで、反対コースからするするとその女のコの後を追っかけていこうとする。女のコの彼氏がギロりと睨むと、あらぬ海のほうをわざとらしく眺めたりしてね、もー いわゆる処置なしってやつですよ。
こういう手合いをほんとに抑えるとしたら、これはもう暴力しかないでせう。
それは、決してあってはならないことだけど。
あまりの浅ましい親父のケダモノぶりに女のコが去ってからの露天風呂、すっかりムードが暗くなっちゃって……
湯浴みの男性陣がなんか、みんな悲しげな顔をしてるんですよ。目の前の海見ながら半ば茫然としてね。
雄大な気分を味わいたくてこんな太平洋沿いのお風呂までやってきたのに、なんだってこんな汚らしい自己嫌悪の念にまみれなくちゃいけないんだろう。あれは切なかった。イーダちゃんの悲しい湯浴みナンバーワンのお湯になっちゃいましたねえ…。
ま、これなんかは混浴のいちばんわるい例でせう。
こんなの読んだら若い女性さんなんか完璧混浴嫌いになっちゃいそうだから、ほんとうならあげないほうがよかったのかな?
でもね、最近山崎まゆみさん---温泉ジャーナリスト「だから混浴はやめられない(新潮新書)」等の著書あり---なんかもいいはじめているのですが、うまくいったときの混浴ってそれはそれは素敵なものなんです。
今年8月の北海道旅行でもイーダちゃんはいくつかの混浴を体験したんですが、そのなかでは---そうですね---8月18日に訪れた知床の岩尾別温泉での湯浴みがいちばん印象に残ってますね。
岩尾別温泉の有名な「ホテル地の涯」さんが自分のとのお風呂とはべつに、ホテル前の野湯も管理してくださってるんですよね。こちらの野湯は「三段の湯」っていって結構名湯として有名なんです。お湯は透明。料金は無料。こちら、石造りのお風呂の脇に申し訳程度の着替えの棚が作ってあってね、基本的に混浴。(左下写真が「三段の湯」)

で、僕の訪れた3時ころ、たまたまいっしょになった4人組の男2女2のグループが、なんか札幌の水商売風のひとたちだったんですよね---これはnifty温泉さんのクチコミにも書いたんだけど、ノリがどうも温泉まったりのモードとちがってたんです。いかにも都会から騒ぎにやってきたんですー みたいな感じがしたんで、最初は僕もちょっとヤだなって思ってたんですよ。カメラもって「ヘーイ!」パチッ。ギャハハッ! とかやってるし。
この女の子ふたりは最初は僕の目を気にして胸とか下とか隠していたんですが、男らとの会話にだんだん乗ってきたみたいで僕ともちょっと話したりして、そうこうしてるうちにだんだん慣れてきたのか、まったく身体隠さないようになっちゃったんですよね。すると、このふたり、どっちともスリムでつるつるなえらい綺麗なコだったんですが、ふたりともこれがへそピアぷらすパイ○ンだったんですよ。(niftyさんにはさすがにこれは書けませんでした)
遂には彼ら4人のフォト撮影を頼まれたりして、僕としても、ま、面白かったといえば面白かったんですが……。
が、しかーし!
正直にいきませう。ええ、僕だって男ですし、若い、綺麗なコのオールヌードを拝めたときは「おおっ!」と嬉しかったりはしました。しかし、心の隅で「これは…なんかちがわなくないか?」ってずっと自問してたんです。そう、しゃっきりしなかった。
この喜びは純粋な温泉の喜びとはややちがう。
そうして、純粋な温泉の喜びとは、こんな表面的なお色気なんかよりずっと上のモノのはずだって感じてました。
図式化するとこうなります。
純粋な温泉のヨロコビ > お色気又はヌード
「ホテル地の涯」さんが管理しているこの野湯には、この三段の湯の奥のほうにももうひとつお湯があって、僕はこの三段の湯の湯浴みのあと、両手で自分の服をもって、50mほどさきにある森の奥のそちらの「滝見の湯」のほうにもいってみたんですね。
すると、先客さんがいらっしゃった。40代くらいのご夫婦です。狭い湯船にふたりで膝を立てて入っていらっしゃる。(ここの湯船は三段の湯と比べるとだいぶ狭いのであります)
どうしようかな? と引き返すことを考えました。
でも、次の瞬間、奥さんのほうと僕の目があったんですよ。
奥さん、僕が両手で服かかえて、むこうのほうからトコトコやってくるのをきっと見てられたんでせうね。
目線がとてもなごやかなわけなんですよ。
奥さんと僕のあいだでなにかが通いました---で、その流れに沿うようにおずおずといってみた。
-----あのう、ご夫婦で水入らずのところを悪いんですが、ちょっとだけそちらのお湯にごいっしょさせていただいてよろしいでしょうか?
遠慮がちに、ごくそっと---そしたら、湯船のなかのこのご夫婦、にっこり柔らかく笑われてね、そろって「どうぞ」って。
あのときは、とても嬉しかった---。
知らないひと同士、しかも男女がすっ裸になって、狭い湯船に膝を立てて、いっしょに湯浴みしてる。
しかも、極上のお湯に触発されて、会話もだんだん弾んでくる。
こんなふしぎなシチエーションは普通ありえませんって。
このご夫婦、東京の方でした。転勤で去年あたりこちらにこられて、休日に夫婦で温泉巡りをするのが最近のマイ・ブームなんだ、といって笑ってられました。奥さんのほうは黄色いビキニを着てられましたね。
僕と旦那さんはむろん手拭い一本きりでの入浴で、お湯のなかに手拭いを入れるのはこれはマナー違反ですから、ふたりともお湯のなかではまるだしなわけです。中学生じゃないんだからそこまで意固地に隠したりはしません。そうするとお湯は透明だし、どうしたってお湯のなかでふらふらゆれているブツが、奥さんからはまあ見えるわけですよ。
最初は奥さん、少々照れてらっしゃいました。僕もちょっとは気にしてた。
でも、ちょっとたったら---みんなそんなことはどうでもよくなっちゃった---新鮮なお湯のいい香りと、いい感じに射してくるニレの森の木漏れ日と、あと、なんてことのない、でも心に染みるあたりまえの会話が少々と---それだけでなんだかとても満ちたりちゃって……。
僕ら三人、仏像みたいにひっそり笑っていたんじゃないのかな。
なんだか、目に見えない温泉の神サマが舞い降りてきたみたいでした。
あの夏の午後、「滝見の湯」に静かにつかっていた僕ら三人は、まちがいなく幸せだったといいきれると思います。(^.^;>
イーダちゃんが理想とするのは、こういうお風呂なんですよ---。
むろん、僕だってこんな湯浴みはそうそう味わえるわけじゃない、けど、挑戦する価値はありますよね?
だから、温泉好きのひとには、本当の混浴風呂はぜひ体験してもらいたいなあ、と思っているんです。
これを読んで、ひとりでもそんな気になってくれるひとがいると、イーダちゃんとしては無上のヨロコビ、こんな嬉しいことってないんだけどな……。(^.^;>
(注:ブログ頭の風景写真は襟裳岬です)
そのおかげでイーダちゃんの多才な面に触れることができて、やっぱり・・・と思ってるところです。
あと、鳴子からお帰りなさい。よい旅ができたみたいでなによりですね。
niftyのクチコミの初音旅館の写真はよかったなあ---そうそう、ここの扉をがらりとあけて着替処があって、そこから湯場に下りていったんだっけ、と懐かしかったです。
さらにキャンディさん、荒湯地獄へ行かれたんですね、凄いや! ちょっとワクワクしながらて読んじゃいました。(^^;>