
あけおめ、皆さん---!
2017年の1月4日から6日にかけて、僕・イーダちゃんは、ひさびさ関西の温泉ツアーに行ってきました。
僕の温泉行っていうのは、基本ひとり旅なんですが、今回は珍しく大阪の友人であるYと。
ま、激動の2016年、いろんな裏切りやら手痛い傷心、幻滅やらをどんすか経験して、それらの厄払いみたいな意味をこめた温泉行だったんですけど、
和歌山・南紀白浜の今回の湯は、なんかとりわけ染みたなあ…。、
なんだかんだで僕、学生時代をふくめて白浜の地に赴くのはこれで5度目なんスけど、
いままでのなかで、この旅が、たぶんいちばん印象深かったように思います。
うーんと、僕、万葉集が好きでね----これ、僕は、日本最大の叙事詩だと考えているんだけど----そのなかでも人麿を別格とすれば、
有馬の皇子が好きなのよ。
万葉の時代には、こちら、白浜じゃなくって「牟婁の湯」と呼ばれてたようなんだけど、
潮騒の響きを聴きながら、ここの湯に浸かっていると、僕の胸にはいつも彼の歌がほのかにこだましてきます。
-----岩城の 浜松が枝を 引き結び 真幸くあれば また帰り来む…。
ご承知の通り、有馬の皇子はここに生きて帰ってはこれなかったんだけど…。
敬愛するフェブリアット女流漫画家の清原なつのさんも有馬の皇子のファンだったらしく、彼を主人公に作品を仕上げてられるんで、
今回は参考までに、それ、ひとつ挙げておきませうか---ホイ。

これ、「飛鳥昔語り」っていう1970年代中期の作品。
30年以上前の作品なのに、いまだに読み継がれてるんだから、その魅力は推して知るべし。
ちなみに清原センセは、獅子座生まれね。
僕のいちばん尊敬するヴァイオリニストのジョルジュ・エネスコも獅子座生まれだし、バンド仲間のK氏も獅子座だし、
例の彼もやっぱり太陽・獅子座だし…僕の火星も獅子宮の20度だしね----サビアンで読むと、ここ、実はヤバイんだわ----どうも獅子座宮に縁が深いような気もします。
それはそうと今回の旅行が実現したのは、実は、地元に激安レンタカーを見つけたからなんですよ。
フツーのレンタカーでクルマ3日くらい借りたら3、4万はすぐいっちゃいますが、
僕が地元で見つけたここ「ガッツレンタカー」は、なんと1週間借りて1万1千円!
まあ、アクセルベタ踏みして登りで100キロがギリの、年期入った軽なんだけど、それにしても安いっしょ?
この場を借りて、ひとつ「ガッツレンタカー」の宣伝、入れちゃいますか?

てなわけで<ヨコハマ--大阪>間を軽でばびゅーんと飛ばしていってきたんです。
天候に恵まれて、とちゅうの富士が信じられないくらい綺麗だった。
あ。ちなみに大阪の友人というのは、以前、僕の過去記事で紹介したこともある、古書「うんたらた」のご主人。
ほんとは着いた当日から旅行にでかける手筈だったんだけど、僕、会社でひきこんだ風邪がだいぶ悪化してて、
運転中も鼻ばっかりでるし、しかも、高速の乗り換えまちがえて最初滝谷不動じゃなくって神戸くんだりまでいっちゃったりして、
大阪の彼のとこ着いたらもう午後の6時まわっててすっかり日も落ちてたんで、
その夜は彼の家に泊めていただくことにあいなりました。
いつもながらの無計画----でも、僕、この無計画っていうのがとっても好きなの。
計画で人生管理しちゃうとそりゃあ楽だけど、それをしないほうが人生の苦さや甘さやアクシデントとより深く付きあえるってのが、僕の持論。
今回の旅では、この持論が、皆「吉」のほうにむけ働いてくれましたねえ。
で、翌日の5日、有馬にいこうか白浜にいこうか、ちょっと迷ったんですが、僕等、ノリで南紀白浜のほうをセレクトし、そっち方面にむかったと思いねえ。
岸和田を経由して、和歌山の白浜到着は、PMの15時くらい。
白浜にきたのは2008年の11月の熊野行のとちゅうに立ち寄りして以来です。
なんか、ぜんぜん変わってない。
な、懐かしいゾ、おい---!
天気はよかったんだけど、海風が強く、白波が騒いで、めっちゃ寒かったですね。
白浜にきたら、イのいちに行くお湯は、当然こちらです。
あの中大兄皇子も天智天皇も噂の持統天皇も浸かったという、海際の歴史的名湯「崎の湯」---!


あいかわらず素晴らしかったです、「崎の湯」…。
友人のYが温泉初心者だったんで、掛け湯のこと教えたりして、いつものひとり沈殿入浴とはいくらか勝手がちがっていたんですが、
なに、それはそれ、彼も予想を上回る「崎の湯」の凄さに瞠目している気配が伝わってきました。
分かるよ、Yチャン----だって、ここ湯力凄いもん…。
関西系にやや多い塩素投入もないし、ここ、海辺ならではの熱海みたいなよくあったまる塩辛湯でしょ?----しかも、底のほうにかすかな硫黄臭を伴ったこの湯の浸透力ときたらないもんなあ。
しかも、たったいま湯舟に注がれたばかりの、このお湯の鮮度---!
さらにさらに、この目のまえの海原の息吹きときたらどうよ?
それにこの横殴りの海風---薄っぺらな言葉を交わす余裕と暇なんてなかったですね、正直いって。
あれえ、空ってこんなに高かったっけ…?
風が吹いて、湯気が流れて、淡い硫黄の香りがあたりにぱーっと散りひろがって、
僕等ふたり、俗世の言葉なんかすっかろ失念して、青いあおーい空の下----
それこそ太古の二匹の猿みたいに、無心のからっぽになりきって、いつまでも「崎の湯」にぷかぷかと浸かっていたんです…。


夕飯後には、前々から入りたいと思ってた上記の「牟婁の湯」にも入ることができて、まさに宿願達成。
こちら、いつも白浜にくるたび「入りたい入りたい」と想いつつ、いっつも白浜の顔である露天の「崎の湯」にさきに入って、
エネルギー使い果たしちゃってたんで、なかなか行くことできなかったんですよねえ。
でも、今回は、こちらの湯にも入ることができてよかった----やっぱ、こちら、噂通りの凄玉湯でありました。
旅は、やっぱ、泊まりがいいよねえ---。
泊まりはまったく予定立ててなかったんで、看板で見つけた素泊り4000円の民宿をとって、そこで巣ごもり。
話すことがありすぎて、もう熱っぽくて体調わるかったけど、いやあ、Yチャン、楽しかったよなあ!
俺は俺で東京でのゴタゴタを全部話しきれたし、
君にしてもあんなに酔っぱらって、あれほど思いのたけをブチ撒けてくれるとはねえ…。
最後に仏蘭西の問題作家、L・F・セリーヌの一説を引用して、この個人的すぎる記事にケリつけることにいたしませうか。
----旅に出るのはたしかに有益だ。
旅は想像力を働かせる…。
それ以外はすべて骨折り損のくたびれ儲け。
それにこれは誰にだってできることだ---目を閉じさえすればいい。
すると人生の向こう側だ……。
うーん、視線、ややひねくれているかもだけど、セリーヌはやっぱいいっスねえ----じゃ、そういうことで今夜はここらでお休みなさい…グッナイッ…!(^o-y☆彡

超懐かしいな、まだ日比谷ですか?
身体どうよ? ま、書けるってことは元気なんだと解釈しておこうか。
ブログきてくれてありがとう!
ドンの弔い、実家まで去年、助ちゃんといってきたぜい!