イーダちゃんの「晴れときどき瞑想」♪

美味しい人生、というのが目標。毎日を豊かにする音楽、温泉、本なぞについて、徒然なるままに語っていきたいですねえ(^^;>

徒然その176☆ なぜか「刑事コロンボ」スペシャル ☆

2014-06-25 23:40:44 | ☆印度料理レシピ
        
               ◆コロンボ刑事の好物のメキシコ料理「チリ・コン・カーン」をつくってみた!(ただし調理は若干印度流)◆


 Hello、皆さん---今回は、息抜きのマイナーページ。
 ネタはね---NHKで放送された、かつての人気番組「刑事コロンボ」の特集。
 興味がおありの方は、しばしのお付きあいを願えたらなあって思います。
 宝島文庫からこのほど「刑事コロンボ--完全捜査記録--」てのが出版されまして、何気にそれ買ったら面白くて、影響されてひさびさに近所のTUTAYA寄ってコロンボDVDいくつか借りたら---なんか、メチャ新鮮でねえ----
 ハマリましたよ、僕あ…。
 「刑事コロンボ」のドラマが放映されたのは、たしか僕が小学校5年生のとき。
 あの伝説の初代「仮面ライダー」の放映は僕が小学校4年のとき、で、ドイツを席捲した「マジンガーZ」の放映はじめは4年生の中盤から---で、この「コロンボ」の放映は、僕が神奈川の渋沢に住んでいたころだから、うーむ、やっぱり5年のときだったと記憶しております。
 とにかくハイレベルに面白くって---クラスでよく一緒に空手の稽古をしていた松本クンっていうゴツイ子と、番組翌日はコロンボの感想についてあれこれと熱く論じあったりしていたもんです。
 (丹沢山と空手の朝稽古とコロンボと…。ウーム、懐かしいゾイ…!)
 当時は、映像の所有なんて夢のまた夢でしたから、時代の趨勢と、テクノロジーの進歩には、まったくアタマが下がります。
 自宅で「コロンボ」が見れるなんてね!
 贅沢の極みですよ、これは。
 僕はめったに映像メディアに熱中することはないんですが---ふだんは音楽ばっかり聴いているのよ---今回は、万座・草津の湯治のダメージと煩雑な日常とがうまいぐあいにリンクして、それの効果で珍しくもここ1月ほど流感性のヒッキーとなり、仕事が終えた夜にマメに「刑事コロンボ」をコツコツと観つづけていたんです。
 そしたらね---あれよあれよというまに、新シリーズ以外はほとんど観ちゃいました。

 「刑事コロンボ」---ひとこと、凄いわ。
 健康だったころのアメリカって、こんなにパワーがあって面白かったんだなあ、と感心しきり。
 考えぬかれたシナリオと伏線、犯人を演じる役者陣の演技のうまいことうまいこと、あと監督もみんな腕が鳴りまくってる---「構想の死角」の監督は、なんと「激突」を撮るまえの若きスピルバークじゃないですか。僕、これ知らなかったヨ。
 さらにさらに、女優陣が凄いっス---「偶像のレクイエム」では「エデンの東」や「イヴの総て」に出てたアン・バクスターでしょ?
 でもって「死者のメッセージ」では、「ローズマリーの赤ちゃん」で悪魔崇拝婆の怪演を見せた、あのルース・ゴードンの出演ときた…。
 褒めあげるべき長所はそれこそきら星のように溢れまくってる当シリーズなんですが、とどめとなるのは、やはり主演であるピーター・フォークの演じる「コロンボ」の魅力に尽きるでせう。
 僕は、この親父、好きですねえ!
 今度ボーナスが入ったらあのレインコート買いにいこうか、と思ってるくらい。
 だって、漢(オトコ)ですよ、この親父---辣腕で、百戦錬磨で、切れて、仕事人間で、たぶん加齢臭なんかも微妙にちょっと振りまいてる年齢だと思うのよ、彼って---近くによったら、たぶんコロンボ氏の体臭はいささか葉巻き臭いと思います---でもさ、そんなのは些事よ---なにしろ、このひと、ユーモアがあって、人間味にあふれてて、並じゃない面白げな人生経験をいっぱいもってて、喧嘩の極意である不意打ちにも熟練してて、駆け引き上手で、ちょっとあざとくって策略家、でも、それら以上に、彼、なにより優しいよ…。
 僕はあいにくホモじゃないんで、彼に抱かれたいとまでは思いませんが、あの深い瞳で画面の向こうからこっちを見つめられたら、胸がなんかこうキュンとなるんですよ、いつも。


       
 


 チリと葉巻きが大好きで、二言目には「ウチのカミさんが」といい、フランス製のオンボロ・プジョー403を乗りまわし、去り際にいつも「あ。忘れてました。もうひとつ質問が!」とやる、愛嬌いっぱいの、愛すべき中年刑事コロンボ…。
 彼の魅力をひとことでいうなら、やっぱり、それは「チャーミング」ってことになるんじゃないか、と思います。
 うん、コロンボ刑事って、チャーミング---。
 あの「ローマの休日」のオードリー・ヘップバーンとほとんどおんなじレベルでチャーミングだと、僕は本気で思ってるんですけど。
 同意してくれるひと、いるのかなあ?

 なにかに凝ったら、そっち関連の情報が知りたくなるのが人情ってもの。
 で、僕もその例にもれず、ネットでとまちまと何気に検索してたわけ。
 同好の士がどっかにいないかなあって---そしたら、たまたま面白いブログを見つけました。

                ブログ 刑事ぼろんご
              http://columbo.fact-web.com/pages/user/m/index


 こちらのブログ、推薦印です。
 こちらの管理人さん、刑事コロンボについてのモノスゴイ通でらして、シリーズ中のベストテンなんて企画してられるの。
 これはユニークだ! と思ったな。
 で、僕も彼の流儀にならって、自分流のベストテンをセレクトしてみ申した---。

1.「死者のメッセージ」
2.「忘れられたスター」
3. 「祝砲の挽歌」
4.「ビデオテープの証言」
5.「殺しの序曲」
6.「魔術師の幻想」
7.「ロンドンの傘」
8.「指輪の爪あと」
9.「二枚のドガの絵」
10. 「歌声の消えた海」 

 いかがなもんでせう?
 大人気の「別れのワイン」が入ってないのは、どーゆーわけだ? という意見も当然おありとは思います。
 思いますが、僕は、なぜだかアレ苦手なのよ。
 初放送で観たときも、あれ観てると、なぜだか心がよそにお出かけしたくなっちゃうの。
 結果、どうしても物語に集中できない---決して嫌いじゃないんですけど、そのような事情でランクからは外してあります。
 なぜだろう? なぜかしら? 主演の犯人役ドナルド・ブレサンスが苦手なのかなあ?
 まあ、ワインはいいか。置いといて先いきませう。

 1位の「死者のメッセージ」は、これ、僕的にはダントツです。
 まえにもちょっと書いたけど、こちらの犯人役の女流ミステリー作家のルース・ゴードン、あのホラーの名画「ローズマリーの赤ちゃん」の悪魔崇拝のお隣り婆さんを演じられた方でね、今回のミステリー作家さんの役を、実に可愛らしく、チャーミングに演じられてるんです。
 彼女とコロンボとの駆け引き、好意と疑惑とのビミョーな交錯、そのときどきの視線の絡み加減の妙なることといったら…。
 コトバ、でないっス---こういうのを観ちゃうと、向こうの方ってみんな演技ホントにうまいよなあ、と、なにか悔しくなりますね。
 あとね、このルース・ゴードン婆さんの殺人の動機が、これがちょっとなんともね…。
 事故扱いされて終っちゃった姪のための敵討ちだっていうんだから、これがなんとも可哀想でやるせないの。
 彼女がラストでぽろっと口にする、

----姪の事件の担当、あなただったらよかったのに…。

 というひとことは、僕等観客の肺腑を抉ります。
 うん、ホントにそうだ、でも、人生ってどうにもならないこと、いっぱいあるもんなあ…。
 なんと、この回、コロンボは東洋流の宿命観にまで、その世界をひろげちゃってるの。
 運命に折られたその老作家を見守るコロンボの顔が、これがまた絶品で。
 コロンボ役のピーター・フォークはイタリア系の白人なのに、この場面では、彼の顔、東洋の仏像の捻華微笑みたいにちょっと見えるのよ。
 こういうのってたまらんス…。
 あとね、この回に流れるBGMも、また秀逸なんだなあ。
 この回の登場人物には、みんな、パトリック・ウィルアムスがそれぞれのテーマをつけててね、ルース・ゴードンのテーマは、なんとも憂愁に満ちた、バロック風味の、キャッチーでリリカルなインストなんです。
 それが、彼女の栄華の裏手からこっそり忍び寄る、宿命の影みたいに聴こえてね、物語に厚味を添えること添えること…。
 どっから見ても満足できる、エレガントな名作でせう。
 イーダちゃんのイチオシは、そう、やっぱりこれですね…。

 2位の「忘れられたスター」---これも、いい。
 これ、かつてのミュージカルの大女優が、現役への最後のカムバックを賭けて、そのカムバックを拒む夫を殺しちゃうお話なんです。
 これ、配役も凄いよね。
 ヒッチコックの「サイコ」や「バイ・バイ・バーディー」なんかにもでてた、往年の大女優ジャネット・リーをもってくるなんて。
 実際このころには、かの大ジャネット・リーも、全盛期とくらべるとだいぶ凋落して、事実、「忘れられたレディ(原題)」状態になりつつあったわけで。
 日本だったら、こんな配役は絶対に実現しなかったろう、とも思います。
 なのに、それをやっちゃうんだもんね---持ちかけたスタッフも、それを受けたジャネットのほうも、相方とっても凄いです。
 懐が広いっていうのかな?
 風土からしてたくましいっていうのかな?
 ラストで彼女を慕うふたりの男---彼女のかつてのミュージカル世界でのパートナー・ネッド(彼女の守り手)と、正装したコロンボ(彼女を追う側)との真摯でリリカルな対話は、これはもうコロンボ世界の白眉といってもいいのでは、と個人的には思っちょります…。

 3位「祝砲の挽歌」---映画的には、僕はこれがいちばん好き。
 私立の兵隊学校という特殊な空間のセレクトがまずたまらん。
 外部から閉じられた特殊な密室空間---そして、その兵学校のなかで事件追及のため、生徒たちとおんなじベッドで寝泊まりするコロンボ…。
 対決路線での丁々発止の醍醐味もじゅうぶんに満たしてるし、最後の酒瓶目撃のアリバイ崩しも、とってもどんでん返しが効いててドラマチックにできてます。
 そして、この学校の校長件犯人を演じる、主演のパトリック・マクルーハンってのが、これがまた実にいい役者なんだな。
 作り的には、ほとんど完璧じゃないのかな、ひょっとしてまえの2作よりも。
 ただ、僕的には、この校長の「犯行をすべてひとりの問題生徒」に押しつけようとするくだりが、どーしても卑劣で好きになれなくて。
 それが、これほどの秀作が3位にランクされた理由です…。

 4位「ビデオテープの証言」---犯人役のオスカー・ウェルナーって役者が、もの凄い。
 あとから調べたら、彼、舞台の出らしい---なるほどね---このオスカー・ウェルナー、彼って、故ジョン・レノンと匹敵するくらいの、ほとんど別格級のいい声をしてはります。
 はじめて原語で観たら、のけぞっちゃったよ、僕。
 あんまりいい声なんだもん。この声さえあれば、世界だって制覇できますよ、彼、シンガーになればよかったのに…。
 ま、名作ですよ---ラストのビデオテープでのアリバイ崩しの、みっしりつまった重量感が、それはもうたまりませんです、はい---。

 5位「殺しの序曲」---超・名作ってのとはちがってる。だけども、好き。
 犯人の天才役・セオドア・バイケルって役者が、個人的に、とってもかわいいんっスよ。
 金貨のクイズの謎解きと犯行のトリックを同時に暴いちゃうなんて、さっすがコロンボ…。

 あと、8位の「指輪の爪あと」にもふれなければ…。
 これ、「殺人処方箋」なんかとならんで、恐らく「刑事コロンボ」ってドラマ全体を代表する骨子的作品である、と僕は評価しています。
 いわば、「刑事コロンボ」ってドラマ自体の名刺であり、あるいは全体の「顔」ともなりうる作品。
 むろん、傑作です---。
 いままで僕が誉めあげた1~5位の諸作品より、完成度って見地からいったら、ひょっとしたら上をいっちゃってるかも。
 物語前半で犯人の犯行をまず描き、ドラマ後半で犯人の破滅・逮捕を描く、クロフツ以来の「倒叙モノ推理小説」の形式での、ひとつの峰といっちゃってもいいのかもしれません。
 コンタクトのトラップも、クルマの排気口にポテトをつめちゃう作戦も、あのどんでん返しのラストに見事なまでに直結し、観客の胸に、いいようのないスカッとしたカタルシスを与えてくれます。
 なら、なんでそんな凄い作品が8位なのさ? と聴かれるのはツライ。
 僕、女犯罪者モノが、好きなんですよ。
 だもんで、選考が、女犯罪者の内面に寄りそうような作品のほうにどうしても偏っちゃった、というのはいえると思います。
 まあ、趣味ですね---偏向がなかったなんていうつもりは、さらさらないんであって---ま、そのへん、ご容赦!m(_ _)m


                      ×             ×             ×

 そのようなわけでひさしぶりに「コロンボ」を観て、以前よりなお好きになったので、それを記念して、彼の大好きなメキシコ料理チリ・コン・カーンをつくってみました。
 ただし、僕の十八番はあくまで南印度料理なので、このチリ作成にあたっても、いささか印度料理風のテクを使わしていただきました。
 以下はそのレシピね---- 
 

1.鍋に油をひき---これは、サラダ油でOK。ココナッツ・オイルだとキーマ・カリーになっちゃうからねっ!---ニンニク、それに粒のままのクミンを小匙1杯投入する。あと、粒のままのブラックペッパーも2粒ほど。
 油に、スパイスの香りをじゅうぶん行きわたらせる。(これ、印度料理の基本の技法です)
 次に、タマネギを投入---焦がさぬうように炒めて炒めて、火が通ったら牛ひき肉をくわえて、さらに炒める。
 (水で一晩柔らかくした、チャナ豆、ムング豆なんか、ここで入れても美味しいです)

2.ホールド・トマト(トマトでも無論よし)とオレガノ投入。
 オレガノはチリにおいて結構重要---できれば欠かしたくないところ。
 注意深く水やトマトを追加しながら、弱火でコトコト小1時間。

3.固さの目安はミートソースの加減ね---ミートソースっぽくなってきたら、塩、レッドペッパー(小匙1杯)、ペッパー少々で味を調える。

4.割ったクラッカーに粉チーズ、カソリメティの葉っぱをパラパラパラと上から散らして、僕の場合は、ここで仕上げに生のレモン汁をぎゅーっと絞ります。
 これ、印度の屋台流---これやるだけで味がぜんぜん締まるんっスよ、実は。
 で、あとは、食べるだけねっ!
 うまかったよ---友人に食わせたら、「んまいっ!」といってました。にしし。
 印度料理がいいのはもちろんだけど、メキシカンもいけるよな、と感じた、とある初夏の宵でしたとさ。
 おっと。最後にもうひとつだけ、締めの乾杯といきますか?(とグラスをもった手をおもむろにあげて)---チェリオ!……(コロンボ風ににんまり笑って)……コロンボ警部に……。(^o-)U☆ 


        
 
 
 




徒然その130☆魅惑のケララ発・南印度のジンジャーカリー!☆

2013-03-06 01:12:24 | ☆印度料理レシピ
                    

 ヘロー、エブリバディ、1216の衆院選以来すっかり政治狂になっちゃって、ツイッターはじめたら2か月でフォロワーが700越えしたんでつい面白くなり(でも、Twitter名はヒミツ!)、すっかりそっち系にハマってしまい、故郷であるこちらの肝心ブログをおろそかにしていた、あいもかわらぬ不肖イーダちゃんです。
 今回は、興味のないひとにはまったく期待外れになっちゃうかもしれませんが、2年ぶりの印度カリー特集です。
 えー、イーダちゃんは、知るひとぞ知る、印度カリーの超・マニアなんですよ。
 それも、専門はマニアのなかのマニアしか知らないという、南印度のかっら~いカリー。
 今日はそんな僕のレパートリーのなかでも超・マニアックな、南印度のケララ地方に特有の、しょうがのカリーを紹介したいと思います。
 人呼んでジンジャー・カリー!
 と、自信たっぷりに紹介してはみるけれど、興味もってくれるひとなんているのかな? と、正直非常に不安です。
 でもまあ、乗りかかった舟ということで、この非常に個性的かつ簡単な、南印度のケララ風ジンジャー・カリーのレシピを、ここに公開しちゃおうと思うイーダちゃんなのであります。
 

                               ◆南印度ケララ地方のジンジャー・カリー◆

 まず、最初に用意する材料の紹介からいきますか。
 

                          

 左から、
1.コーヒーミル(スパイスを砕くため、専用のコーヒーミルを、イーダちゃんは印度の石臼替りに使用しているのです)

2.タマリンド・ペースト(注:タマリンドは、南印度料理のキモです。この魅惑の酸っぱさときたら! ただ、タマリンドの毎度毎度の入手が困難なので、僕は通常このようなタマリンド・ペーストを主に使用しているのです)

3.粒マスタード(瓶のほう。南印度ではブラウン・マスタードが主流なんですが、好みにより通常のマスタードをここでは使用しています)

4.フェネグリーク。別名メティ・シード(これもマイ・フェブリアット。しょうがカリーには入れないことが多いとは思うのだけど、風味が好きなのと、腰痛予防になるという漢方的効果を鑑みて、ここでは使用!)

5.クミン・シード(いわずと知れた印度料理最重要のスパイス。このカリーでは特に入れなくてもいいのだけど、好みによりやはり使用せり)

6.青い容器は、ココナッツ・オイル(これ、南印度料理の命。南印度料理をつくるひとは、油はココナッツ・オイルかマスタード・オイル、このことだけは厳守してください)

7.青唐辛子の酢漬け(これも南印度料理のキモのひとつ。入手は難しいと思いますが、南印度料理を志すひとはなんとか入手されたし)

8.そのちょっと前の白い円筒容器はヒング(これ、野菜料理のキモ! 絶対不可欠なスパイスです。これを入れると入れないとじゃ、料理がまったくの別物になっちゃう)

9.んで戻って、黄色い紙箱なんですけど、この中身はカソリメティ。先に紹介したフェネグリークの葉っぱです。これ、中東の料理によく使われるんですよ。印度料理にも使用されます。えもいわれぬ、この独自の芳香は、やっぱり不可欠)


                ☆            ☆             ☆

 とまあ、ざーっと紹介して、んじゃ、実際の調理法といきませうか---。

1.はじめに、青い容器内に固まっている、ココナッツ・オイルを解凍します。ココナッツ・オイルって冬場には低温のために自然に固形化しちゃうんですよ。(さっすが南国の油!)僕は、ココナッツ・オイルが固形化するたび、ああ、また冬がきたのか、と実感します。

2.中火にした鍋でココナッツ・オイルを解凍して、油が独自の甘い芳香を奏でだしたら、そこに、月桂樹の葉と、風味のためのムング豆、さらに青唐辛子、それに赤唐辛子を一本づつ投入する。

3.で、これ、重要! さっきいった「ヒング」をここに投入します。このヒングは非常に臭い。でも、超・重要。これ入れないと、野菜カレーというジャンルが成立しないほど、これは重要なスパイスです。知名度こそないけど、あの「美味しんぼ」でも、これ、紹介されたことのあるスパイスなんです。


            

 そのヒングを投入したら、焦げやすいムング豆が焦げつかぬよう注意して、だいたい1分ほど炒めつづけます。 
 
4.そしたら、キモ中のキモであるスパイス部隊の本隊投入!
 材料一覧のフォトで小鉢に入っていたクミン小匙1、フェネグリーク小匙2分の1、マスタード・シード小匙1を、ざーっと投入しちゃいます。投入してしばらくすると、マスタード・シードがパチパチとはじけはじめます。
 最初はあまりのエギゾチックさに「うお!」とのけぞっちゃうかもしれない。でも、この際生じる、えもいわれぬ「南国」の魅惑の香りに、貴方はきっと心ごと吸われるハズ。
 ただ、それに気をとられてクミンシードとムング豆を焦がさぬよう注意。両者は大変に美味いんだけど、どちらも焦げやすいスパイスなんです。

5.マスタードのはじける全盛のパチパチ音がやや静かになってきたかな? と思ったら、次、玉ネギいきます。
 これは、玉ネギのみじん切り(だいたい玉ネギ3分の1くらい?)でもブツ切りでもどちらでもよろし。ていうか、本場南印度では、このカリーの場合、玉ネギは入れないパターンのが多いみたい---ここで玉ネギを投入するのは、ですからあくまで「イーダちゃん流」なのだとまずはお心得ください。
 でも、ここで玉サン入れると、完成後の味わいに剥きだしじゃない、やや奥ゆかしげな一種の「まろみ」がでるんですよね。ですので、日本人気質の濃ゆいイーダちゃんとしては、ここで玉ネギといくわけ。
 で、焦がさぬようにヘラでかき混ぜながら、今度は、親指大のしょうがを皮ごとスライスしたのを投入デス。
 焦げぬよう、焦げつかせぬよう、ぐるぐるぐるぐるかき混ぜて、今度を隙を見て、ニンニクのすりおろしを投入します。


            

 うーん、らしくなってきた、なってきたー…。(^o^)/

6.ここで、お水を3カップIN。

7.で、そのお水が沸騰したら、そこに塩・小匙4分の3、ターメリック粉・テキトー、さらにレッドペッパーを小匙4分の3ほど、入れてやりませう。(南印度では、だいたい小匙大盛り1杯はいっちゃいます。ただ、そうなると通常仕立ての日本のお友達は誰もこれ食べられなくなると思うんで、ここでは投入量加減しておきました。それでも、ま、充分辛いんだけど)

8.そうして、沸騰したら火力をやや弱めにして、ここに南印度印のなによりの証である「タマリンド・ペースト」を投入してやります。
 ただ、このタマリンド・ペーストは、ビタミンの塊なんで酸味が結構強烈なんで、あくまで適量に。
 だいたい、スプーン3分の2入れたくらいでも、独自の酸味が、料理に南国の風味を与えてくれます。

9.ま、ここまでで料理は、ほぼ完了と思っていいでせう。あとは、仕上げ。
 黄色い紙箱のなかのカソリメティを両手のひらで揉みほぐし、鍋のなかにばーっとふり撒いて---
 それから、カリースパイス専用のコーヒーミルでコリアンダーシードを大匙1杯、それにブラックペッパーの粒を5、6粒挽いてから鍋内に投入---すると、キッチンは南印度ならではの濃ゆい、個性的でエキゾチックな、えもいわれぬ芳香にぷーんと包まれて……

10.じゃーん! ここに南印度ケララ流の「ジンジャーカレー」が誕生という次第---。
 このカリー、厳密にいうと、カリーというよりはチャトニ、南印度の主食の米にかけるソースみたいな扱いの料理であって、本来これ1品で主菜となるようなウェイトの料理ではないのですが、僕は、時間がないときなんかはこれだけ10分くらいでささーっと作っちゃって、ご飯にさーっとかけて、お茶漬け感覚でよく食べちゃってますね。
 印度料理店でも、こーゆーのは主にまかないとかで食べていて、お客んにはあんま出さないと思うんだけど、本当の印度料理の旨さは、僕は、一般印度料理店でよくだすマハラジャ向けの北印度料理よりも、むしろこっちがわの、庶民がいつも食べているような南印度郷土料理のなかにあるのでは、と考えています。
 だってさ、このチャトニ、マジうまいんだもん!
 メインはほとんどしょうがだけ---この写真のときには、ゆで卵を一個入れて変則の卵入りにしちゃってマス---の水分たっぷり、いわゆるシャバシャバのカリーのくせに、カリーを1口ごとに口に運ぶたびに、もう否応なしに食欲が増してくる感じが実感されるっていうか---辛っ、でも、旨っ、嗚呼、スプーンがもう止まらない---印度、スパイスの魔力、おそるべし---!
 なお、薬効面からの情報をほめのかせば、これ、便秘に抜群の効果を発するタマリンドがたんまり使ってあるんで、便秘解消・宿便排出にも相当の効果をもってます。てことは当然お肌にもよいってこと。
 さあ、これを読んだら、貴方も南印度料理が食べたくなってくることまちがいなし。
 と思うんだけど、実際のところ、どうかなあ?
 もし、これ読んで、おーし、ならさっそく今度の日曜でも御徒町にいって、ひとつ、印度料理用の材料でも仕入れてこようかな、なんて気になられた方がおられたら、ああ、イーダちゃんはなにより幸福です……。(^.^;>

 末尾に、これ、作るのに必要なスパイスが全部入手できるお店を紹介しておきませう。

◆「大津屋」 東京都大東区上野4-6-13 03(3834)4077
◆「野澤屋」 東京都大東区上野4-7-8 アメ横センタービル地下1F 03(3833)5212 

 ちなみに、僕は、下の「野澤屋」さんを利用するケースが多いかな。両店とも、JRの「御徒町」から徒歩でいけまーす---。
 






徒然その29☆北印度流エビカリーの至福☆

2010-11-30 20:06:19 | ☆印度料理レシピ
                                

 ナマステ。印度料理マニアのイーダちゃんです。
 印度料理マニアの常として、いつか自分専用の印度料理のページをもちたいものだと憧れておりました。
 今年の10月9日にこのブログをはじめて---10.9 は John Lennon の誕生日。ヒー!---まず考えたのもそのことだったのですが、やってみてから気づいてみれば、料理のページって実はとっても量の写真が要るんですよ。
 完成写真の1枚きりじゃ、やっぱり少し淋しいし、いささかそっけない。
 見も知らぬ通りすがりの読者さんに「これは、食べなくては」と思わせるためには、やっぱり、多少の写真は入り用ですよねえ。
 料理はともかく、この料理写真を撮るって作業がいかにも面倒そうに感じられ、いままで伸ばし伸ばしにした企画だったのですよ。しかし、今度こそようやく陽の目を見れそうな感じで感無量です。
 暇話休題。実際の料理話、そろそろいきますか。
 あのー 印度料理でなにが大変かっていうと、とにかく材料集めなんですよね。
 材料とスパイス集め。以前は上野まで出るか専門店にいくかでしか手に入らなかった諸々の品々が、ここ最近じゃネットで日本全国のどこからでも購入可能になってきた。これは、大きな進歩だと思います。
 ちょっと前だったら、ブラッククミンとかカレーリーフなんて、まんず手に入らなかったですから。
 そういう意味で隔世の感を強くします---。

 で、今回このページで紹介しようと思うのは、北印度風のエビカリーなんですよね。
 あちら風のコトバでいうなら、バタープローン---。  
 旨いんだ、これが…。(^.-)P
 これ喰わして、いままでマズイっていわれたことまだありませんね。(やや傲慢にふん反りかえってみせて)
 以前パスタ屋で店長やってたひとに食わせたら、汗びっしょりになってひとりで3杯ぺろりと平らげちゃってました。元・食べ物屋さんのこういう生の賛辞はなにより嬉しいものです。
 うーん、さっき僕自身が印度料理最大の障害といっていた、材料集めからまずいきますか。

                         

     <材料/2人前>
    ホールド・トマト 1缶
    ブラッタイガー海老 適量
    バター ひとかけ
    塩 適量
    レッド・ペッパー(粉)適量
    ターメリック(粉) 適量
    生クリーム

 あと、これは写真に写しそこねちゃったんですけど、

    カソリメティ(フェネグリークの葉っぱ) 印度や中東の料理で多用される。ネットで入手可。この料理でこれは必須。
    ガランマサラ 適量 これも市売のもので可。アナン株式会社のものがお薦め。自家製ならなお可。
    ニンニク、生姜 それぞれひとかけづつ

 これだけなんですよ、これだけ!
 印度料理じゃほとんど考えられない材料のシンプルさ---もっとも、これほどシンプルなのはこの料理くらいですが。

1.材料集めがすんだら下ごしらえです。
 ホールド・トマトをジューサーでさらさらの液状にしちゃいませう。 
 あと、エビさんね---皮剥いて背ワタ取った裸のエビさんをボールに放りこんで、塩小さじ4分の1ほど、レッド・ペッパー小さじ4分の1ほど、あとターメリック少々---それにおろしがねでおろしたニンニクと生姜なんかもたっぷりふりかけてかき混ぜて、味が染みるまで少々置きます。そうね、だいたい30分が目安。

                        

2.で、さきほど液状にしたトマトスープを火にかけませう。むろん中火です。
 沸騰してきたら弱火にして、レッド・ペッパー小さじ半分~1杯、塩小さじ2分の1、水200cc、ガランマサラ小さじ半杯、あと、1で力説したカサリメティの乾燥葉っぱを両掌でもみくだしながら、このトマトスープに適量投入。
 これでカりーに「薫り」が入ります。
 ここがこの料理のキモ。この薫りにおいて、カソリメティの役割はあまりにも重要ですから、代替物での代理はききません。ここで使えるのは、あくまでカソリメティのみ。そこんとこヨロシク、です。 

                        
                (沸騰しはじめのトマトスープにカソリメティを投入したところ)             

3.あとは簡単。さきほど仕込んだボールのなかのエビさんたちをお鍋のトマトスープのなかにいざ投入。
 弱火でことこと、4、5分置いて、今度はそのなかにバターをひとかけ、投入。(50グラムくらい)
 バターと海老って相性がいいらしく、このあたりになると、もう魅惑の甘~い、カリーのフェロモンがキッチンの空間を、なんとも誘惑的に彩りはじめます。気分はもうマハラジャ。ええ、それくらい、これ、官能的な、いい薫りなんです。
 バターが完全に溶けたのを見計らったら、今度はとどめの生クリームを100ccほどお鍋にしゃばーっと注いでやりませう。
 これだけ! たったこれだけで、マジ、貴方のキッチンは印度料理店専門キッチンに早変わりしますから。まちがいなし。

 最後に、もういちど、できあがったエビカリーのとろとろスープに、両掌でカソリメティをもみほぐして投入してあげてもいいですね。
 つけあわせとして野菜のサブジなんかを置いてやってもいい。(サブジはおかずみたいな感覚の、印度のカリー。レシピはおいおいまた公開するつもり)
 ヨーグルトのサラダなんか添えてもなかなか合いそうだし---ま、そのへんは作り手のセンス次第でせう。
 でもね---このバタープローンはマジ、旨いんス。
 僕も最初に教わってつくったとき、あんまり旨いんでびっくりしました。
 海老の準備さえ別にしておけばほんの5分でできますしね---彼氏、彼女の心を蕩かすための隠し技としてストックしておいても損はなかろうとイーダちゃんがそっと耳打ちする、貴方だけのための、アグレッシヴな責めの1品です。アモーレ。(^o^)/





    ----注:ページ頭にアップした写真のカップの茶シブはイカンですな。あれは失敗。洗いなおしてから撮るべきでありました。(x.x;