Hello、怪談マニアのイーダちゃんです---!
実は先日、会社帰りに携帯を落としまして、探しまくってもどこにもない、涙を飲んで大嫌いなポリスにいったら、
ぬあんとちゃんと届けてくれている人がおりまして、あな、ありがたや~(-_-;)
ただ、台風の夜に落としたんで、水浸しになり、携帯機能はほぼ全損…。
かろうじてなかのSDカードの3分の2は無事でしたが、
アドレス機能は全滅無残---いま、製造元に頼んでせめてアドレス情報の再生をお願いしてはいるものの、
結果がどうでるか、は分からない。
というわけで皆さん---携帯情報のバックアップはこまめにねっ❤
あと、いま僕、修理期間中代車の携帯借りてまして、アドレスとか以前のままですので、
僕といささか疎遠中の皆さまには、僕の携帯にメールとTEL番号とをお暇な折り、
是非にも送付していただけたらなあ、なんて風に思っております。
しっかし、携帯生活に慣れちゃうと、携帯なしの日常の時間って長く感じられるものですねえ。
ただ、今回の記事は携帯の話じゃあない、あくまでも怪談系のお話であります。
20代のころから僕はすでに怪談のマニアでありまして、
稲川淳二のライブやら---「生き人形」は凄かったなあ---よく行ったりしたもんです。
30代の後半に、実話怪談の天才・平山夢明氏が登場し、彼の世界にむちゃくちゃにハマリました。
あと、HONKOWA の漫画、山本まゆりさんとかひとみ翔さんの「霊感お嬢」シリーズなんかも結構好き。
作家の加門七海さんなんかも作品も案外読んでる---氏の「怪談徒然草(角川ホラー)」は傑作です。
あと、最近じゃ、メディアファクトリーと角川ホラーから本を出しはじめた、郷内心瞳氏の拝み屋シリーズ、いいですねえ!
残念ながら(幸運にも、というべきかな?)僕には塵ほどの霊感もなく、
根がラテン系のせいか日本風のじめじめ世界に埋没することも苦手な口なんですが、
異界からの風をふっと体感するあの感触は、いまだ大好きです---。
というわけで僕の体験した実話怪談の小さなギフトを、ここに開示したいと思います…。
★二十代、夜間清掃のバイトをしてたころ、八王子在住のOとよく廃墟巡りをしてたんですね。
Oは山口出身で、部屋に犬の頭蓋骨を飾ったり、カメレオンを飼ったり、
ときどき泥棒をやったり、トム・ウェイツやフリージャズを聴いたりするトッポイ奴でした。
で、ある晩、僕等はつるんで、恐れ多くも深夜のあの「八王子城」にいったんですよ。
いまはとても怖くていけませんけど、当時は怖いモノ知らずだったんですねえ。
芥川の修辞にあるまんまの「黒滔々たる闇」のなか、僕等は石垣を登ったり降りたりをくりかえしました。
若いから、いくら歩いたって疲れない。
で、足の向くまま何時間もウロウロしてたら、どこだか分かんない墓地についちゃった。
かなり広大な墓地ですよ。
折しもその夜は見事な満月でね---月明りに照らされた、ほの明るい無人の墓地を放浪するのは、結構愉しかった。
肝試しならではの高揚感に包まれて、僕等ははしゃいでいたように記憶してます。
「月光浴だ!」なんて互いにいい交わしてね---実際、試してもらえば分かるけど、月光浴って案外酔っぱらうんですよ。
深夜の墓地のかもしだす異界のムードと、月光のもたらすこの世ならぬ光に照らされて、僕等、墓地のまんなかで仰向けに寝たりもしたんです…。
一晩中そんな風にしてすごして、夜明けとともにOの部屋に帰ってちょっと寝て、
それから僕自分のクルマで家に帰ったんですが、その帰りのとちゅう、
愛車の中古のサニーのエンジンルームから真っ白い煙がふいにモコモコとあがりはじめたの。
「うわあ、火事かよ」とまわりのクルマがびっくりするほどの煙の量。
なんとかニッサンのお店見つけて修理に飛びこめたんですが、いつエンジンが止まるかほとんどひやひやものでした。
あのときはこの事象を墓地とは関連づけて考えなかったけど、
いま思うとアレはどう考えても「バチ」ですよねえ、うん…。
修理費はたしか4、5万かかったように記憶してます。
★以前つきあっていたある女性と日光にいったとき---
さんざん遊び倒して、帰り際にもう一軒温泉に寄っていこうって話になったの。
だいぶ日は落ちてきてたけど、温泉宿の看板があったから、
僕はそれならとハンドルを切り、古色蒼然としたその木造のお宿にクルマとめたんです。
「すいませ~ん!」と玄関でひと呼んでみたけど、返事なし。
ほの暗い受付にもその奥の廊下にもひとの気配はありません。
「あのー」とか「誰かいませんかぁ」とか10分くらい粘ったように思う。
いま、それ考えたらちょっと異様ですよね?
フツーそこまでして粘らないもの---もしかして、そのときからもう呼ばれてたのかもしれない…。
あんまり返事がないのでふたりして顔見合わせて、だめだね、帰ろうか、という空気が流れはじめたとき、
奥から中年の痩せた半纏姿の宿のひとがようやくやってきて、
ああ、すいません、と目をあわせないでいうんですね。
ご入浴ですか? でしたらおふたりで千と〇百円いただきます。
お風呂はそちらの廊下をまっすぐいったところの突き当りにございます。
なんちゅうか、とにかく陰気な感じでね、廊下も風呂場前の販売機の明かりもなんとなく暗めに感じるわけ。
でも、とにかく風呂に入ろぜ、と僕等入口で男湯と女湯とにまあ分かれたの。
で、男湯に入ったんですが、僕の温泉史上あれだけ気味わるいお湯はなかった。
結構広くて大きめの丸いタイルのお風呂なんですけど、最初に掛け湯したときからもう落ち着かない。
誰かに見られてるみたいな視線の感覚が強烈にあるんです。
しかも、それ、ひとりじゃない。
気分を変えようと湯気向こうの窓を見てみたりもしたけどどうも駄目---気味のわるさが勝っちゃった。
結局、10分足らずで僕は風呂を出ちゃってね、ビール販売機の明かりのまえで彼女が出てくるの、待ってたんです。
そしたら長湯が身上の彼女もそれから5分くらいしてすぐにお湯からでてきて、いうことには----
「なあに、ここ…? 入るとき私ひとの気配がいっぱいしたから、失礼しまあすって挨拶してから入ったんだよ。
でも、入ってみたらだあれもいない。びっくりしたよ。絶対誰かいるっていうか、賑やかだったもん、このお風呂…」
ふたりしてゆっくり目を見合わせて、それからほぼ同時にゾッとして……
身体全然あったまってなかったけど、すぐ退散することにしたんです。
エンジンまわしてアクセル踏んでブワーッとね---
けどね、一方通行なんかであちこち曲がって、ふと気づいたら、また僕等さっきのお宿に向かってるんですわ。
「ちがうちがう、戻ってきちゃったじゃんか!」
「やだあ、なにこれ! ちがうほういってよ!」
で、またほかの界隈をぐるぐるしたんだけど、またしてもかの宿にご到着---
「呼ばれてるよ、これ! なんだよ、ありえねー!」
もうほとんど悲鳴状態---結局僕等30分ほどのあいだに3度、このお宿に呼ばれてもどってきちゃって---
このループから離れて大きな街道に出られたときには心底ホッとしました。
帰りの車中で僕等、喧嘩したもの---だいたい、最初からひともいないのにあれだけ粘るのはおかしい、
あのときから〇〇〇、なにかヘンだったよ---なんていわれちゃって…。
あれから僕は温泉マニアの道を突き進み、それこそ千以上のお湯に入ったもんですが、
いまだあれ以上薄気味のわるい湯浴みを体験したことはありません。
恐山での湯浴みより、うん、あれは確実に寒かった。
いまじゃ名前も覚えていない、日光のとある温泉旅館でのふしぎな湯浴みのお話でした……。
と---ここまで書いて清書するためPCをイメージ画像に切替えたら、PCいきなしフリーズ。
しかも3度---そのたびシャットダウンしてやり直して---なんか気味わるいなあ…。
それ系の話してると電子機器が誤作動するってのは、あれ、ガセじゃないですね。
霊界のプラズマと連動するせいかしら? ウームなり。
いずれにしても去りゆく夏に哀惜をこめて送った、ちっちゃな実話怪談のおひろめでした。
縁があったらまたどこかでお逢いしませうね---夜もやうやう更けました---それでは明日も無事に眼がさめることを祈りつつ、お休みなさい…。m(_ _)m