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フィリピンという国の概要を知る本、「現代フィリピンを知るための60章」

2014-10-13 10:57:26 | フィリピンについて
書籍名:現代フィリピンを知るための60章
出版社:明石書店
編著者:大野拓司(朝日新聞記者)、寺田勇文(上智大学教授)

書店には、米国、中国等の大国に関する書物は多いが、アジアのBOPに関わる国々に関するものは少ない。アマゾンで検索して、この本にめぐり合った訳だが、フィリピンの概要を多面的に短期間で学ぶには大変良い本である。

内容は以下の通り。

・フィリピン人のルーツ、スペイン時代~アメリカ時代~日本占領期を経て、今日に至る歴史
・教育制度、国語、宗教、女性の地位、食文化、親族組織と価値観等の文化的側面
・憲法、議会、選挙制度、マルコスの独裁政治、二月革命等の政治の歴史と現状
・経済面での変遷、小口経済、貿易・投資、日本のODA、地場産業等の経済実態
・出稼ぎ、日比関係、対米関係、ASEAN、南シナ海紛争等の国際関係

小口経済のところで触れているサリサリストアのような小さな雑貨屋の存在やスーパーでの小分け販売は、ビジネスのヒントになるかもしれない。小分け販売は、実際にスーパーでよく目にする。例えば、コンソメスープの元は、箱売りではなく1~2個ずつ袋入りで販売、ティッシュペーパーも日本の街角で配っているものの半分くらいのサイズで販売等、つまり購入できる金額になるまで小分けして販売している。

また、フィリピン人の生活が、約800万人の海外出稼ぎ契約労働者によって支えられていることも判る。貧しいなかでも、家族の誰かの教育に力を入れ、海外に派遣する。実際、大学の数では、米国についで2位ということで、教育のレベルは高い。英語力も高く、海外での労働を積極的に望むグローバルに活躍できる資質を持ち合わせている。

海外からの送金等により、家や車、テレビや冷蔵庫等を買うというのが基本的なパターンである。私も実際、船乗りや建設労働者のにインタビューをしたが、半年から一年、あるいはそれ以上、海外で働き、家を建てる、電気製品を買う、養豚を始める、パソコンを複数台購入しネットカフェを始める等に使っているとのことであった。電気製品、パソコン、携帯電話等も廉価版ではなく、日本のものと遜色のないものを買っている。「金がなさそうだから、廉価版を」ということにはならない。このあたりも、ビジネスをやる上で、読み間違えないほうが良いポイントだ。

この本の出版社の明石書店は、エリア・スタディーズとういシリーズで、大国だけでなくアジアや中南米の国々の入門書を出しているので、BOPの対象となりそうな国々の研究の第一歩として勉強するとよいであろう。

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1 コメント

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Unknown (木枯し紋次郎)
2011-11-17 12:51:08
フィリピンというと昔の「フィリピンパブ」のイメージがあり、また、物騒という悪いイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか。

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