齋藤信幸のロングステイ!米国・カナダ・中国・台湾・韓国・フィリピン・イタリアなどへの旅行体験やカミサンポをご紹介 

60歳を過ぎてそこそこのお金とほぼほぼ時間のある今、長期旅行に挑戦しましょう。そして大切な妻とカミサンポ。

米国東部の話。『ヒルビリー・エレジー』の著者ヴァンスが共和党の副大統領候補に!

2024-07-19 05:24:07 | アメリカ東部
以下は、2020年6月27日の記事。そこで紹介したJ.D.ヴァンスが共和党の副大統領候補に。昨日のスピーチでは薬物依存症だった母親も会場にきていた。白人貧困層から副大統領候補に。39歳。アメリカンドリームはまだあったのだ。

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紹介した『ヒルビリー・エレジー』の著者、J.D.ヴァンスは、2022年の中間選挙ではオハイオ州から上院選に名乗りを上げ、ドナルド・トランプの支持も得て5月3日の予備選で共和党候補になり、最終的には、民主党候補のティム・ライアンを破りオハイオ州選出の上院議員となった。

「ヒルビリー」から上院議員、これもアメリカンドリームだね。

米国西部の旅行計画だけでなく、ノースキャロライナ、サウスキャロライナやアパラチア山脈中心の旅も研究中。

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アパラチア山脈を舞台にした本・映画の3部作の最後は、『ヒルビリー・エレジー』(J.D.ヴァンス著、関根光宏・山田文訳、光文社)。副題は「アメリカの繁栄から取り残された白人たち」。



私たちが映画やTV番組で見かけるアメリカは西海岸のロサンゼルスやサンフランシスコ、東海岸のニューヨークやボストン、フロリダ、たまにシカゴ。IT関係の仕事がらみであればマイクロソフトやアマゾンのあるシアトル、FacebookやGoogleなどがあるかつての半導体メーカーの拠点シリコンバレー、映画関係ならロサンゼルス。すべて西海岸の町である。東海岸は金融関係ならウォールストリートのあるニューヨーク、政治がらみならワシントンDC、アカデミズムならボストン。

著者のヴァンスは、ラストベルト(錆びついた工業地帯)と呼ばれる地域の一つオハイオ州ミドルタウンで生まれ育った。そして、アパラチア山脈の炭鉱の町、ケンタッキー州ジャクソンが、祖父母や親せきと過ごすことが多かった心の故郷とのこと。高校卒業後、海兵隊に入隊、除隊後オハイオ州立大学、イエール大学ロースクール卒業。現在はシリコンバレーで投資会社の社長を務める。サンフランシスコ在住。

<さて、ジャクソンはどこ?>


ラストベルトの製鉄所や自動車工場がある地域には1950年代、アパラチア山脈の小さな町から仕事を求めて多くの若者、家族が移住。工場労働者の中流階級の町がつくられた。ヴァンスが生まれ育った町は、シンシナティとデイトンの中間にある「ミドルタウン」。製鉄会社アームコを基幹産業にする労働者の町。かれらは「ヒルビリー(田舎者)」と呼ばれている。

<本当に中間にあるからミドルタウン>


この本は、なぜアパラチア山脈やラストベルトに白人の貧困層が生まれ、彼らがどう考え、広い意味で文化を形成していったかが分かる。その彼らがトランプを大統領にした。トランプ大統領誕生は、偶然やラッキーで誕生したのではなく必然であった。

最後にオハイオ州とケンタッキー州の旅行の話。

オハイオ州にはエリー湖の畔、クリーブランド近郊にChuyahoga Valley National Parkがある。オハイオ州に行くのなら、「エリー湖湖畔のドライブ+この国立公園」を目的に行くべき、行くしかない、他に何もない。

ケンタッキー州にはMommoth Cave National Parkがある。洞口が延々400マイル以上つながっている世界最大の洞窟。洞窟のどこまで入れるか、その手段、など事前調査が必要。

私がもっと興味があるのは、Land Between the Lakes N.R.Aだ。どうやら長年にわたるミシシッピー川の蛇行の結果生まれた土地のようで、自然が豊か。こんなところでキャンプをしながら、地元でしか手に入らないような地酒の「バーボンウィスキー」をちびりとやりたい。

<Land Between the Lakesという国立保養地>


<旅行計画に行き詰ったら武蔵野散歩。『武蔵野』(リイド社、斎藤潤一郎著)、『ダ・ヴィンチ』に載ったね。>
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まだ見ぬアメリカ - ウエスト・バージニア州(8)- WVに戻って資料確認

2024-02-25 22:06:33 | アメリカ東部
先週、オハイ州(OH)の話題に移ったが、ウエスト・バージニア州(WV)チャールストンの観光局から資料が届いたので、急遽、WV戻ってみた。

米国の観光地の案内所や州境のレストエリアに行くと、観光案内資料が山ほど置いてある。

掲載されている写真が美しく、日本では紹介されていない観光地やレストランなどを発見できる。

1979年の最初の海外出張(生まれて初めての海外旅行)以来、米国の資料を集め結構なボリュームになっている。

「いまどき紙で」と言われそうだが、ページをめくる感覚、インクと紙の匂いがたまらない。

古くなった資料の傷み具合、レトロな感じの広告や写真もいい。

今回の資料はWebでオーダーしたもの。封筒に郵送料は16ドル54セント(約2500円)とある。



封筒の中身は、「ウエスト・バージニア州観光案内(West Virginia Vacation Guide)」と「ウエスト・バージニア州公式道路地図(West Virginia Official Highway Map)」。



観光案内のサブタイトルは、「天国のように明るく輝く(Almost Haven Shines Bright)」とある。

旅行中に天国に行ってしまわないように気を付けよう。行く方が本望かもしれないが。その場合、遺体を運ぶのにお金がかかり手続きが大変なので家族に迷惑がかかる(現実的な話)。

地図には「63番目の国立公園:ニューリバー渓谷国立公園&自然保護区(Home of the 63rd National Park: New River Gorge National Park and Reserve)」とある。

2020年に国立公園になったニューバリーをバリバリに宣伝(12月17日の記事参照ください)。

Road Atlasの地図もいいけど、このサイズの地図は夢も膨らむ。

という訳でオハイオ州からウエスト・バージニア州に戻ってしまった。



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まだ見ぬアメリカ - ウエスト・バージニア州(7)- 石炭産業で栄えた州

2024-02-11 20:25:13 | アメリカ東部
ウエスト・バージニア州は石炭産業で栄えた州と過去形で書いたが、日本とは異なり、同州を含むアパラチアの諸州では、石炭産業はまだまだ現役の産業だ。

日本の炭鉱のようにトンネルを掘り、地中深くまで採炭を進める炭鉱もあるが、石炭層が地表近くにあり、露天掘りで採炭を行う炭鉱もあるようだ。

そのような炭鉱による自然破壊や水質汚染の状況を描いたのが、ジョン・グリシャム(John Grisham)の『汚染訴訟』(原題"Gray Mountain)。

「リーマン・ショックの最中、ニューヨークの有名な法律事務所を解雇されたエリート女性弁護士サマンサ。(バージニア州と思われる)アパラチア山脈の田舎町ブレイディで、無料法律相談所の仕事を見つけた。そこで、地元の弁護士ドノヴァンと出会い、露天掘りや発破で荒れ果てた山々を目の当たりにし、巨大炭鉱企業の不正と戦うドノヴァンの活動に引き込まれていく」というストーリー。

明るい内容のストーリーではないが、炭鉱町の生活も見えてくる。

炭鉱関連の観光スポットとしては、廃坑を使ったベックリー炭鉱博物館(Beckley Exhibition Coal Mine)がある。

場所は州の南、2020年に誕生した国立公園「ニュー・リバー・ゴージ(渓谷)国立公園・保護区」(New River Gorge National Park and Preserve)の近くにある。

35人乗りのマン・カーという乗り物で坑内を案内するそうで、ツアーの時間は35分。坑内は一年中、14・5度なためジャケット着用とのこと。汗だくで作業するイメージとは異なる。

博物館の他、炭鉱町の家や教会、学校なども再現されており、土産物屋もあるとのこと。ハンバーガーやホットドックくらいはあるであろう。



もっとも魅力を感じないウエスト・バージニア州で7回も記事を書いてしまった。この調子だと残り11週の調査に1年以上かかってしまう。

現時点で最も行ってみたい場所は、ウエスト・バージニア州刑務所跡。なんか、囚人たちの黒い魂や怨念が詰まっているように見える。



最後に、ウエスト・バージニア州の公式案内Web Siteをご紹介する。

West Virginia Tourism

来週はお隣のオハイオ州。
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まだ見ぬアメリカ - ウエスト・バージニア州(6)- 食べ物の次は酒

2024-02-04 20:45:55 | アメリカ東部
先週、ウエスト・バージニア州の名物料理(Signature Foods)、ペパロニロールを紹介した。

この他にも1912年に、偶然、発見されたゴールデン・デリシャス・アップルやメイプルシロップ、ブラック・ウオルナッツなどの名物がある。

うまい食べ物の横にいて欲しいのは、アルコール。ワインもいいが、この州ならスピリッツ。ケンタッキー州と接するこの州、やはりコーンから製造する酒があるようだ。バーボンと言いたいところだが、ケンタッキー州以外ではその名前は使えない。よって、ジャク・ダニエルは、テネシーウイスキーと表示されている。

ウエスト・バージニア州のウイスキーメーカーの一つがハットフィールド(Hatfield)。

Web Siteはここ。



あか抜けないラベルのデザインがいい。

Mountaineerは、山が多いウエスト・バージニア州の人々の総称。

Moonshineは、禁酒法の時代(1920年から1933年)に密造酒を作りそれを「ムーン・シャイン」(月光)と呼んだもの。

禁酒法も調べると面白い。

飲酒そのものは禁止されなかったので、法律施行前に買い締め騒ぎが起きたり、施行後は取引がブラックマーケットに移り、ギャングがぼろ儲けした時代であった。

このような蒸留所も訪問先のリストに加えよう。

ただ、ウエスト・バージニア州の酒の販売は以下のように法律で定められている。

In West Virginia, you can buy a beer 7 days a week. On-premise retailers can sell all forms of alcohol between 6 a.m. and 2 a.m. every day. Off-premise retailers can sell beer and wine from 6 a.m. until 2 a.m. every day. Liquor can be sold for off-premise consumption between 6 a.m. and midnight. Alcohol delivery and growler sales are permitted.

日曜の午前中(教会に行く時間)は販売禁止という記事も読んだことがあるので、もう少し調べてみよう。
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まだ見ぬアメリカ - ウエスト・バージニア州(5)- 代表的な食べ物

2024-01-27 23:45:30 | アメリカ東部
この二週間、刑務所とお墓(遺跡)の話が続いたので、食べ物の話をして気分転換。

アメリカの食べ物と言えば、ハンバーガー、ホットドッグ、ステーキ、BBQなどが思い浮かぶ。ハムがたっぷり入ったサンドイッチや具沢山のピザもうまい。



カリフォルニアであれば隣接するメキシコの料理をはじめ、アジアからの移民が多いので中華料理や韓国料理、日本食、タイ料理、ベトナム料理、インド料理、中近東の料理、アフリカ料理などなど何でもござれ状態。

ちなみに、カリフォルニアの人種の構成は、40.1%が非ヒスパニック系白人、ヒスパニック系が37.6%、アフリカ系アメリカ人は5.8%、アジア系アメリカ人は12.8%、アメリカ・インディアンは0.4%、混血は2.6%となっている。 まさに人種のるつぼ。これが食文化にも影響を与えている。

では、アパラチア山脈にあるウエスト・バージニア州の人種構成はどうか。

非ヒスパニック系白人約93%、アフリカ系アメリカ人約3%、ヒスパニック約1%、アジア系約1%。ほぼ非ヒスパニック系白人の州。

自己申告による祖先構成比は、イギリス系 (35.2%)、ドイツ系 (17.2%)、アイルランド系 (8%)、スコットランド・アイルランド系 (5%)、およびイタリア系 (4.8%)。

こうなるとウエスト・バージニア州ではアジア系の料理は期待できない。

が、ウエスト・バージニア州の名物料理(Signature Foods)を調べてみた。サイトにより若干、差異はあるが必ず出てくるのがペパロニロール。

1930年頃にイタリア人のパン屋が作り、炭鉱作業員たちがランチ用に持ち込み、現在、人気のスナックとなったもので、この州の公式ステートフード(State Food)。
いかにも炭鉱で栄えた州らしいエピソードの食べ物だ。「元祖、ペパロニ・ロール」なる店がありそうだ。

でも、あまり美味そうには見えない。



我が家の近所にペパロニ・ロール(ベーグルですが)を売っている店があるが、もっと出来見栄えは良く、もちろん旨い。

アメリカの食べ物でもっとセンス良くしてほしいものの一つがパン。パンは、味、種類、見栄え、すべて日本の方が上だ。
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