感染症診療の原則

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院内感染;Clostridium difficile

2007-06-11 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
1年目のドクターも病院に馴染まれたころでしょう。検査室に足を運んだり電話をマメにしたりということも日常になったことと思います(期待!)。

若手医師セミナーも7月21日に抗菌薬の講義がはじまります。抗菌薬適正使用の意味を学ぶためにも、院内の感染対策チーム(ICT)が出しているニュースレターなどにも目をとおしてみてくださいね。

ちなみに。院内感染の問題を早期にキャッチするために、一定規模の病院ではサベイランスが行われています(なーんにもやっていない病院もありますが・・)。
やりかたは病院によって様々です。ターゲットサベイランスなら何をやっているのかということを説明できるくらいの情報はおさえておきたいものです。

■院内感染サベイランスについて勉強したことがない方
「院内感染症サベイランス入門」(博多インフェクションコントロールフォーラム)
http://hica.jp/surveillance/

さて。最近問題になっているのはクロストリジウム。生命への影響度ということではMRSAよりも怖い菌です。病原性が強く、集団発生の原因にもなります。
抗菌薬の適正使用と同じくらい重要なのは手洗いです(写真は洗い残しをチェックする機械)

■フランス 2007年に本格的サベイランス開始
http://www.forth.go.jp/official/060920_05.html
■スコットランド
http://news.scotsman.com/scotland.cfm?id=909602007

米国のデータでは、コミュニティでの感染は5-30%。高齢者が最も影響を受けています。

基本的なことは以下に詳しく記載されています。
■アボット感染症アワー(2006年3月)
http://medical.radionikkei.jp/abbott/final/pdf/060310.pdf
■国立感染症研究所
http://www.nih.go.jp/niid/bac2/C_difficile/

適正使用との関連はまた別の機会にとりあげたいと思います。
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1 コメント

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Clostridium difficile (ICT担当の検査技師です)
2007-06-12 21:26:57
意外にClostridium difficile associate diarrhea(CDAD)って看護師さんにはマイナーなようですね。たまに発生した場合に指導に行っていますが、アルコールで全て解決すると思っているかたは未だいるようです。とにかく手洗いの徹底!!!と言います。なので院内感染を起こして大変になることもご存知ないことが多いです。最近はB型毒素を検出できる簡易キットも発売されましたのでもう少し盛り上がるのかな?と思っています。
先日あったケースですが、独歩出来ないためポータブル便器を使用していましたが、便器洗浄器(85度温水)で洗浄していました。消毒?と思いきや芽胞は熱水ではだめですよ~って言ってきました。芽胞の怖さを知らないようですね。最終的に高度消毒剤で消毒しましたが、便器が金属なので次亜塩素酸もダメでした。応用が必要ですね。
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