妊娠中もコンドームを使用するためには

梅毒が増加中です。診断したら全数を保健所に報告する5類感染症です。重症化し母子感染もおきるからです。世界標準の第一選択薬がないので医師も患者もたいへんですが・・・。必ずパートナーも治療しましょう。
http://www.47news.jp/CN/200810/CN2008102001000020.html

妊娠すると母子手帳をもらい、産婦人科等で妊婦健診を受けることになります。
妊婦が感染症！はとてもよろしくないために、健診においてさまざまな検査を受けます。

問題は、1回陰性であっても「その後も陰性」とはかぎらないことです。
医師の説明によってはその後のリスク行動を助長するような“バンザイ告知”になりかねませんのでご注意ください。

妊婦の感染症リスクはさまざまですが、ここでは性感染症についてとりあげます。

道具としてはコンドームしかありませんが、これを避妊具としかおもっていない人たちは妊娠中の継続使用ができなくなります。この誤解をとき、妊娠中も継続使用できるように関わるのが医療者の役割です。

その理由はもちろん(日本ではレアな）HIVが心配だからではなく、その他もろもろの感染症を防ぐ手段としてです。清潔のため、というと妊婦のウケはいいですね。

実際には前期の健診でHIVや梅毒は陰性だが、後期は陽性というような症例が国内でも報告されています。

梅毒の検査は2回必要（IASR 2008年　高知大学・国立病院機構高知病院）
妊婦健診をちゃんと受け、「ハイリスク妊婦じゃないのに」が怖いですね。
http://idsc.nih.go.jp/iasr/29/343/dj3432.html

中高生には「コンドームをはずすのは子作りのときだけ。それ以外ははずさない。」と教えます。

もしもはずすなら「お互い事前に検査をして、相手を特定して、その上で感染する病気は大人として責任をもって納得すること」「検査をしないでなる病気は自分で引き受けること」

性教育に関わるとすぐ気づきますが、「膣外射精を避妊法と誤解している昭和の男性」はたくさんいますし（フツーに妊娠する）、「安全日があると誤解している昭和の女性」はたくさんいます。(教員にも）

平成生まれのカップルはそんな間違いを起こさないようにということで、中学2年生に子作り以外はコンドーム、妊娠中もコンドームと説明をしたら、

「妊娠したのにまだ子作りをする人がいるんですか？」

といわれました。・・地道に「性感染症予防の原則」の布教を続けます・・・。

(写真は男子中高生にみせるとビビる　female condom)