感染症診療の原則

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体温、白血球、CRPからの自由度

2009-09-03 | 青木語録

昨日は時差ぼけと旅行鞄喪失のShocKを抱えたまま、○△病院に伺いました。

「原則」と抗菌薬のOverviewを終えていたので、症例検討会に突入です。

高齢者が陰嚢痛を訴え、やがて"間質性肺炎"、そしてSteroid pulse、そして気づいたら僧帽弁にVegetationが・・といった症例です。

陰嚢痛はEpididymitisが原因だったのでしょうか? しかしDrainageの結果はMRSA+E.coli陽性という突飛なものでした。

しかしここでCleverな研修医は、この意外な菌の同定が信用できるのか不安になっていました。なにしろ、Drainageの前にカルバペネムや高次のセフェム系が投与された後であったのですから・・。

その後、間質性肺炎、CHFの悪化、ARDS、・・といった超複雑なClinical courseをたどり不幸な顛末となりました。

「心内膜炎にCHFが合併」というのは最も重要な心内膜炎のOpe適応ですが、外科Teamは「カルバペネムでCRPの値を半分にしないとOpeしない!!」という名(迷?)セリフで手術を拒否したのでした。

改めて、「原則」の講義を10年近くしてきた教育病院でも「体温、白血球、CRPから自由になる」難しさを感じた事です。
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