昨晩「2011年度・若セミ:第9回」は慶応大学の香坂先生による心電図のお話でした。といってもPQ間隔・・といったDryなお話ではなくて、循環器領域全体を見渡す中でのEKGの位置づけ、今日的意義、PGY1必須の知識といった素晴らしい内容でした。
虚血でどうしてSTが下がるのか・・。心内膜側と心外膜側の電位差を心外膜側から見ている・・といった感じで説明してくれていました。
「STの上昇は裏切らない」、「QはDamageを受けた心筋のVolume依存性で貫壁の有無ではない・・」、「STEMI、NSTEMIの予後はあまり変わらない・・」、「Wide QRS Complexを見たらP波を探せ、でも見つかる可能性は3割。だからWide QRSの8-9割は心室性だから心室性として治療しても良い。もし唯一心臓を上から見ているaVRが上向きであったら心室性(でも心室性でaVRが上向きになるのは5-6割程度)」など30年前に研修医であった編集長にはともかく勉強になる内容盛りだくさんのLectureでした。
循環器ならではのMultimedia満載のLectureでしたが、当方のTechnologyが追いつかず、最後の香坂先生が一番聞かせたかった「心不全に伴う第三音説明用の音楽」が配信出来なかったのは残念でした。でもそんな事は気にならない素晴らしい内容でした。
配信できなかった事についてはお詫びを、但し、香坂先生が「後日、第三音を聞けるURLを知らせましょう・・」とおっしゃっていたので御連絡まで。
(写真はthe polar star, the polestar; the North Starと色々と呼ばれる北極星ならぬEKGのaVR)