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CDC2015年版のSTDガイドライン 第4報

2015-06-16 | 青木語録
CDC2015年版のSTDガイドライン 第4報

#:妊婦
1)HIV感染症:最初の妊婦検診で調べよう。
2)梅毒も最初の妊婦検診で調べる。High riskの妊婦は第3トリメスタでも再度調べる。
妊婦の梅毒を調べないうちに新生児を退院させてはならない。
3)全ての妊婦のHBsAgを調べる。
4)淋菌とクラミジア:25歳以下、High riskの妊婦にはNAATで調べる。
5)C型肝炎:抗体を調べて。妊婦に最適な抗ウイルス薬の処方は未定。
6)推奨されてない感染症:細菌性膣症、HSV感染症。

#:MSM(男性同性愛)
・全米の1期、2期梅毒の2/3はMSM
・HIVの急性感染が梅毒その他のSTDと共に発症する事がある。
・直腸の淋菌感染症病変がHIV感染者で増加している。
・オーラルで咽頭淋病が尿道炎を生じる事も。
・MSMでのRoutine screeningに含むべきもの。
1)HIV抗体 毎年
2)梅毒 毎年
3)尿道、直腸の淋菌とクラミジアをNAATで毎年。咽頭の淋菌も同様に毎年調べる。(咽頭クラミジアの検査は推奨されてない)
4)HPVもMSMでは問題だが定期的に調べる事を推奨できるEvidenceはまだ無い。
5)HBVの検査(HBsAg)を毎年
6)未感染ならHAV、HBVのワクチンを
7)MSMでHIV+HCVならSexualに感染する。

#:Transgender(現在の日本において性同一性障害と称される ものに相当)
・Transgender men:自分としては男だが解剖的には女
・Transgender women:自分としては女だが解剖的には男
・医学的には「解剖」でManagementを決める。

次回は、とくにHCVについて
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