みれいの近郊生活(ITI)

変えられる事も・変えずに済む事も重要

神戸の鉄道の経営難

2012年09月17日 | 公共交通
神戸と近郊を結ぶ神戸電鉄(神鉄)粟生線は赤字が続き、
今後の存続が懸念されています。

神鉄粟生線は1日当たり1万数千人が利用する路線ですが、
この15年間で利用者が半減しているので、運賃収入も大幅に減り、
利益が消えるどころか赤字が続いていて、
他の路線からの穴埋め(内部補助)も限界にきています。

公営か民営かに関わらず貨幣経済のもとでは資金繰りがつかなくて
は続きません。

特に日本の公共交通は
‘民間企業の営利事業’として展開されてい
るところが多く、赤字の影響が株主や銀行(債権者)にも及びかねま
せん。
そして道路は関連財源などからの税金から維持費をまかなうという
手法が採れますが、
鉄道の施設は
‘民間企業の私有財産’として扱われるところも多く
税金を投入するどころか固定資産税などの課税の対象になりかねま
せん。
それは赤字鉄道を引き受ける場合でも、継承の手法によっては
施設を購入する必要が出て来るということにもつながります。

値段は安いほうがいい・税金も安いほうがいいという人が少なくな
い日本では自治体にも財政に余裕がないので、
経費削減で赤字を穴埋め出来る程度に減らしていくというのが
神鉄粟生線の当面の主な維持策になっているようです。

中国に進出すれば、中国での黒字で日本での赤字を埋められる
 という策は、それはそれで反感を呼ぶような気が…


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‘鉄道の赤字路線は廃止してバスにすればいい’
という考えの人もいると思いますが、
鉄道をバスに転換しても
クルマで移動していた人が公共交通を使うようになる
わけではありません。

なので、栃木県内では
バスも多くの路線(約86%)が赤字で、
補助金や委託費として税金を投入されて持ちこたえているのが現状
です。
財政難の自治体はバスへの財政支出も削減しようとしています。
それで近年
コミュニティバス(自治体バス)からデマンド交通システムへの移行
が出てきています。
 栃木県日光市では
市営バスの小来川線、落合循環線がデマンドバスに移行しています。

120923

「今市(栃木県日光市) のデマンドバス」

  ◆利用者限定
  ◆登録制
  ◆予約制
  ◆バス停での乗降
  ◆時刻表に基づく運行

  利用者の希望の時間や場所に応えるという意味のデマンドとし
  てはイマイチです。


茨城県筑西市(下館エリアの人口は約6万人)では
中心部発着のバス路線が全廃になっています。

近年の下館の中心部

「近年の下館の中心部」


‘どこへ行くにもクルマの人’が多い地域では
クルマで行きにくくクルマを停めにくい中心部は敬遠されがちなの
で、空洞化が進んでいきます。
地域の人ですら集まらないところには
他の地域の人は集まって来ません。


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神鉄粟生線沿線の兵庫県三木市、小野市はどうでしょうか?。

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