Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

日本教育心理学会に学生と参加してきました。

2014-11-10 | 水圏環境教育
日本教育心理学会に学生と2人で参加してきました。
私は,閉伊川のサクラマスMANABIプロジェクトについて,学生は港区の運河学習についてです。
https://confit.atlas.jp/guide/event/edupsych2014/static/programpaper
3日間にわたり神戸国際会議場で開催されました。講演会,ワークショップ,ポスター発表と数多くの発表と交流の場が与えられました。

「学びの場が生まれるとは」と題し佐伯胖(ゆたか)先生の講演会がありました。
特に印象に残ったことは,
1行動主義全盛時代の流れを未だ引きずっている。
2正統的周辺参加論は誤解されている。
3「教育的}心理学とは
1について行動主義とは,人間は行動の法則で理解できる。
だから実験のみで結論を出す。
思考,意味,概念は心理学ではない。
という考え方である。
しかし,この考え方は破綻していると明言した。
だが,破綻しているのに未だ行動主義は有効なのはなぜか。
それは,ヒトは「教えられる」とき,自ら「考えるスイッチ」を切る。
つまり「言われた通り」を実行するからだという。
人間は教えた通りに実行するのである。
だから怖いという。

2正統的周辺参加については人類学的なものであり,関心は人間の営みの記述。
何がのぞましいかを口が裂けても言わない。
したがって,教育論にはなり得ない。
社会学者や人類学者と話をすると歯がゆい思いをするのはこのためである。

3については,
人は互いに良さを認め合い教え合う関係を持つ存在であり,それを支援するのが教育である。
そういう人間のココロザシ(マインド)を研究するのが教育的心理学であると。
すなわち,聴き合うことを暫定的に実現しようとする事こそが重要なのである。

教育心理学は,行動主義的研究と非行動主義的研究すなわち正統的周辺参加論的な研究の2つの流れがあるということでしょう。
どうしても結果が明確にでやすい前者の研究に目が奪われますが,後者のような研究手法(すなわちプロセスを重視する考え方)こそ,本来人間の研究として大切なのかもしれません。


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。