Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

ガラパゴス携帯に思うー権利の主張と利益との関係

2010-10-08 | 水圏環境教育センター
ガラパゴス諸島には、世界でも珍しい固有の生物が暮らしている。しかし、その希少生物たちは、外来種の進入に弱い生き物たちだ。しかも、他の環境には適応出来ないであろう。

こうした状況は、日本の携帯電話の現状によく似ていると言われる。日本の携帯電話は世界に類を見ないほど高機能であるが、汎用性が低く世界の市場では太刀打ち出来ないという。ガラパゴス諸島の希少な生き物に例え、皮肉を込めて「ガラパゴス携帯」というそうである。

こうした状況は、携帯電話に限らない。自社の製品を優先的に購入させようと誘導するような製品群が多く見受けられる。しかし、そうしたものは消費者が離れ、かえって利益を減少させる事にもつながる。また、日本に限った事ではないし、家電製品だけでもない。既得権の主張などにもよく見受けられる事象だ。漁業権がその一つかもしれない。すべての漁業者に当てはまるこことではないことを理っておくが,海岸に訪れる一般客に対して、「ここは私たちの生活の場所である」といったよそ者を排除する態度や意思を表明する。これでは、消費者が漁業の理解が阻まれ、結果的に魚を食べなくなり、魚価は上がらないことにつながるなる。最終的に、利益を上げることが出来ず、補助金に頼ることになる。(何度もいうがこれがすべての漁協や漁業者に当てはまることではない事を断っておく。)

なぜ、このような状況なるのであろうか?それは、目先の利益や権利を追及し過ぎると結果であると考える。確かに、これまで培ってきた発明や権利を守るためには、とりあえず目先の自己の利益を優先させる事が堅実な方法であろう。将来の事や他人の事を考えるのはもっての他である。

しかし、将来や他人の事を考えるのは、本当に利益に反する事であろうか?を考える必要がある。権利を主張する対象物は、利用者が価値を決めるケースが少なくない。もし、利用者の価値観に変化が生じた場合、これまで主張した権利が価値の低いものか、あるいは無い物に変化してしまうという可能性が数限りなく存在する。

こうした状況を打破するためには、どうすればいいのであろうか?権利を主張する側と利用するがわとの間のギャップを取り払うことが一つの解決策であろう。そこに、この閉塞感を打破し新しい価値を生み出す可能性が秘められれている。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。