Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

CNNの特集番組「ホエールウオーズ」

2010-07-26 | NMEA全米海洋教育者学会年会
テネシー州での最後の滞在を迎えテレビのスイッチをつけてみた。土曜の夜CNNの特集番組は「ホエールウオーズ」であった。ホエールを守るため命を捧げる勇士たちというテーマで全米で放映された。土曜日の9時といえば,ゴールデンタイムである。しかも,11時には再放送をやっていた。

なぜ,ポール・ワトソンは反捕鯨活動を命を賭して行うのか?ソビエトで行った捕鯨反対運動がきっかけであるという。非常に過激であり,非常識な行動を行う人物をCNNという大メディアがヒーローとして取り上げていた。

ボブバーカーは,今度の反捕鯨活動のために約5億円をポールに寄付した。ボブもヒーローの一人として登場した。彼らたちは,日本は,無駄なく鯨を取り扱っているというが,日本のスーパーに行くと鯨の肉が陳列されている。調査の名を借りた商業捕鯨である。伝統,文化だと言うが,何も南極まで取りに行かなくてもいい。鯨は海の中では非常に知能が発達している動物だ。人間に近いのだ。

また,ポールワトソンは次のように語った「今回の事故で,再三調査を要請したが日本は協力してくれない。日本はますます過激になっている。私たちはしっかりと戦う。」

この放送に対し、ポールワトソンを称賛するメールがHPに数多く寄せられた。しかし、中には、ワトソンを非難するメールもあった。ポールワトソンは、グリーンピースに所属していたが、あまりにも過激なので排除された。このような人物は決して良い結果を生まない。彼らは、日本の捕鯨船にアタックする前に、カナダの沿岸警備隊の船にも衝突した。

私たちは、このような過激な放送に対しどのような対応をとればいいのであろうか?今後捕鯨の問題はますますエスカレートするであろう。コーブやオーシャンズのように後手にならないようにしなくてはいけないのではないだろうか?疑心暗鬼に陥らず、しっかりとした平和的戦略を立てていくべきである。それともたかが海のことと思っているであろうか?世界中にいる日本人にとって、捕鯨は大きな問題である。外国人と話をすると必ず捕鯨について尋ねられる。太平洋諸国で魚を有史以前から食べていたインディジネスピープル(もともとそこに住んでいた人々)は日本に対し同情と好意を持ってくれるが、アメリカ、オーストラリアの人々の中には疑問視する人々が多い。なぜならば、海の幸をいただくという行為は、非日常的な行為である場合が多いからだ。捕鯨について問われた日本人はどのように答えているのだろうか?おそらく、海との深いかかわりを持ち、伝統的な食文化を持つ日本人として、まずしっかりとした回答をしなくてはいけない。水圏環境教育を日本のみならず海外において戦略的に実践し、発信していくことが必要ではないか。そのためには、新しい世界的な教育のネットワークシステムを構築する必要がある。教育を通して信頼関係を構築いくことが政治的な交渉と共に重要だと思う。教育は学校教育だけではなく、日本国の平和的戦略として省庁の枠を取り払い取り組むべきことなのである。

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