Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

芝浦について

2019-01-11 | 水圏環境教育

 かつて芝浦は人が集まり魚を捕り,貝を拾い,海水浴をして自由に過ごす場所すなわちアジールの空間であった。具体例を示そう。魚介類が豊富なこの場所には古くから漁師さんが住んでいた。しかも,徳川将軍によって永久に魚を捕って良いとする権利を与えられた由緒ある人々だ。その上,未だに在来知を持っている人々が生活している場所であり,素晴らしい。江戸の誇りだ。
 日本で最初に鉄道が走った。東京タワーができた。上流には明治神宮もある。日本人の東京人の精神性がそこに生き続けている。それだけではない。港区芝浦は,武蔵野台地の東端に位置している。
 古くは,南方からたどり着いた快眠が数多く生活していた。その証拠に数多くの縄文遺跡が発見されている。また,神社も多い。神社は竪穴式住居の跡地に建てられているという。神社は,縄文人の住んでいる場所を示しているのだ。縄文人は数千年にわたり居住していた。どこに居住していたか。港区で言えば,古川流域,東京タワー,麻生,白金,三田山などなどの岬や川沿いで生活していたのである。
 このような人々の生活を支えていたのは何か。その一つが豊かな湧き水だ。武蔵野台地を流れ出る湧き水だ。今でも,港区内では湧き水の枠場所は20箇所に及ぶ。その湧き水は陸上から栄養塩を海へと運び,魚貝類を産ませる。それを人々が食する。自然の循環が港区にはあったのだ。もう一度復活させたいと願う。