Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

森川海流域圏の持続可能性

2016-08-03 | 水圏環境教育
閉伊川流域における本事業の環境教育と地元大学との接点を模索し,今後継続的に活動を実施するための支援体制について様々な意見交換を行った。その中で大きなテーマとなったのは,アカデミック分野がどれだけ地域の生活や産業に貢献するのかである。本事業の大きな目的である持続可能な社会を構築するために,果たしてこれまでどれだけアカデミアが貢献できていたのか,疑問視する地域住民も多い。特に,地域に根ざし長年にわたって持続可能な一次産業に従事した人々にとってアカデミアは決して十分に評価されていない。農学栄えて農業滅びるという言葉があるが,まさにサイエンスの発達と共に持続可能性が消失した例は数多く存在する。果たして,アカデミアが岩手の閉伊川流域圏にどれだけ持続可能性を担保できるのか。そのためには,単なる自然科学のみならず,人文科学的なアプローチが必要になってくる。そのための大学組織の役割も欠かせない。しかしながら,現在の日本の大学にはそうした役割を果たす部署は存在せず,研究者単位で役割を担っていると言えよう。事業が終了しても持続的に継続的に実施していくためには,地元大学とどのような連携が必要なのかこれからも検討していく必要がある。