気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

「弄花香満衣」の軸を

2018-04-16 16:47:52 | しつらえ
新年度になり息子三家族は何かと忙しく、ゴールデンウィーク
まで我が家に揃うことが出来ず、反対に近くに住む長男家での
長男誕生会に昨晩はお招きをうけ、ケーキの材料を持ち伺うと、
四年生になった孫娘がパパの39歳を祝い、生クリームを泡立て
苺、焼きリンゴを、ところが”何か色気がない”と言いだし、
さては何のこと、彩が足りないらしく、変なボキャブラリーに
大人は大笑い。どこで覚えたのでしょうか?
苺は一部をかわいいハート形に切り、キウイフルーツと
グラノーラも加えてトッピングして完成です。

本当に美味しかったのですが・・・、
造り方を口も出さず、手は少しだけで見守っておりますと
生クリーム、手際よく泡立てており楽しかったのか泡立て過ぎ
堅くなったのを上手く隠すように生クリームを塗るも・・・
パパにも見られてもめげず、続けるようになりました。
また苺を手で細かく千切ったりする大胆さでその手際の早さに、
兄が見てあきれかえるほどで、気を付けないと「zatu」と。
これから成長の階段を一つ一つ登って下さいね。
一つ言うなれば『大胆にして細心であれ

お点前にも通じる言葉になりませんか。

そして昨日の自宅稽古は雨をおしてお出でに、前日同様、
向切での稽古になり、い草の上敷きを一畳分から三畳分に
敷き増しすると縁の分が入りぴったりに
そして三人様で、続き薄茶のお稽古を。

雨で暗くなり、軸は夜桜が描かれた『弄花香満衣』、
        大徳寺派 極楽寺 西垣大道師筆

充実・茶掛けの禅語辞典(淡交社)によれば、*一部抜粋改変
”全唐詩『掬水月在手 弄花香満衣』に拠り、『虚堂録』にも
 唐の詩人干良史(うりょうし)の『春山夜月』の詩より
 春の夜の優雅さを詠まれています。
 「水を掬(きく)すれば月手(つきて)に在り、
       花を弄(ろう)すれば香衣(かえ)に満つ」
 (水を両手ですくえばその手の中に月が入り
      野の花を手にとればその香りが衣服全体に移る)
 対立の観念を捨て去ったところに生まれる、
 主客一体、自他不二、物我一如の境地を表す。”と

弄(もてあそ)んでいる自分と花とが一つになって体いっぱいに
芳香を放つということから、真理が満ちているという意味になり
それから悪所に入れば悪に染まるが、善き師や善き友と交われば
善い影響を受けるという意味にも解され、さらには 
精進努力を積み重ねれば、自ずからその妙を会得する

良い言葉で、日々精進あるのみですね。