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ホクトマンのアドブログ

アドベンチャープログラムを愛するすべての人と、そうでもないすべての人へ。ひとりごと、今思うこと、泣き言、楽しか

ハーバーランドは「猿の惑星」

2015-04-13 | 雑念
昨日はぶらり旅

動画も撮影もせず、ただ気分で曲がり角を曲がった。神戸電鉄のカードがあるので新開地行きに乗り込み下車。

正直、新開地なんて出口を利用したこともない駅。乗り換えの駅である。それを払拭するため?に新開地の階段をえっちらおっちら登った。

別に見るようなところはなさそうな幹線道路脇の出口からヒョッコリ顔を出し、キョロキョロ見回す。

地図を見つけ現在地を確認。ハーバーランドの文字に心が奪われた。「あぁ、長いこと行ってませんな」

テクテク広い道の歩道を歩き出すと商店街にクロス。どうやら新開地の商店街はここ?さっきの出口は少し離れたところだったのね。

そしてまばらな客に紛れて商店街に曲がった。

ボーリング場、あっ、ラウンドワン!僕の中でラウンドワンはあのヒッチハイカーの場所(詳細はこちらの記事へ)だと刷り込まれているからチョット笑ってしまう。

そしてパチンコ屋、パチンコ屋、パチンコ屋、立ち食いうどん屋、パチンコ屋、味のある喫茶店、シャッター、シャッター、パチンコ屋

そんな商店街。
まだ残る喫茶店や立ち食いは、この状況で生き残る底力を感じた。パワースポットとはこういうことだと思う。

200円でうどんやそばが食べられる。立ち食いなのに満席である。すごい!

喫茶店は味がありすぎる。
エプロンしたマスターがいたもんね。
昭和にタイムスリップさ!

あと変わった店は、ドッグフードを売っている店。ペットショップだろうけど、のぼりと看板に目がいった。「鹿肉のドッグフード」

健康的なのだそうだ。

人間があまり食べないからドッグフードにするという発想は、確かに頷ける。全国に広がるかもしれない。鹿の被害を抑えるためには何らかの消費活動が普及しなければいけないだろうし。

そんなわずかな未来の光もチラリと見られた。

商店街を後にして神戸駅方面に歩き出す。
そんなに距離も時間もかからず懐かしい神戸駅。

それにしても汚いなぁ。
タバコのカス、弁当の食べ残り、とにかく駅が汚い。ゴミに囲まれている。

神戸駅はハーバーランド方面に向かうとすぐ地下に入るため、駅周辺を観光客が通らない。

それにしても駅員は何をしているのか?

鳩が糞をしまくり、浮浪者のような人がウロつく駅はもう廃墟寸前のように見えた。

ボランティアでゴミ拾い活動を募集しても誰も集まらないのかもしれない。

きったない駅じゃ!

そのまま地下へ降りるエスカレータに乗る。
懐かしっ!
そしてハーバーサーカス……

……んっ?!

……ハーバーサーカスじゃない!

無くなった?
スイーツ街、無くなったかー。
別にスイーツを食べるわけじゃないけど。
なんかオサレな家具屋さんになっている。

そして「アンパンマンミュージアム」の文字に惹かれてフラフラ地上へ。

どこに出来たの?
フラフラフラフラ

歩く……

するとウッドデッキで路上ライブ
チラッとtwitterアカウントが見えた。
可愛らしい女性アーティストが歌っている。

でもアンパンマンミュージアムが僕の手を引っ張って行った。もうモザイクの遊園地に来ちゃうよー……

……んっ?!

……なんじゃ、この巨大マンションは?

その隣にアンパンマンミュージアムもあって、
チラリと観覧車が……

そこに、そこにあった、ゆ、遊園地は?

階段を駆け上がりかつて広がっていたミニ遊園地達は……

……ぜ、全部撤収……

観覧車のみがかつての姿を残している。

アンパンマンミュージアムが建っているそこにコーヒーカップやジェットコースターがあったはず

楽しそうなアミューズメントパークを踏み潰したのは戸田恵子扮する巨大菓子パン星人であった。

なんか悲しく肩を落とし、ハーバーランドの店を縫うように歩く。

日曜日ともあって人が訪れている。

そして思い出?の店は全て別の店舗に変わっている。

変わってないものを探す旅になってしまった。

あぁ、このマジックグッズの店は古いぞ!
あぁ、このスヌーピーの店は知っているぞ!

そうそう、映画館がこの角にあるんだよねー、

……んっ?!

……無いの?映画館がない?

僕の中で、梅図かずおの「漂流教室」のシーンが浮かぶ。

そっくりそこの映画館の部分が深い谷のように取り去られ、巨大な穴ぼこになっていた。

……いや、実際はオサレなレストランが入った別の景観に変わっていた。

本当に?本当に?
とエスカレータを登って映画館の跡形を探すも、そのかつてのエスカレータを上がってもレストランのみ、あとはゲームセンターは昔のままだった。それは少しホッとした。

また、トボトボ、キャナルガーデンへ。

……きや、きや、キャナルガーデンが、

ない!

キャナルガーデンはもう、無いのだ。

愕然として、ワナワナ震える手、膝をついてプラトーン、「エイドリアーン!」

ぼ、僕は近未来に来てしまった。
本当にここはあのハーバーランドなのか?
新聞で西暦を見たい!そしてここは……

う、う、UMIE?

うみえ?

なんじゃ?ここわ

もうここはハーバーランドでは無い!

こ、こんな恐ろしいところは一刻も早く抜け出そう。

すると見えてくる。
あの……

あった!
ここがハーバーランド出会ったことを思い出させてくれる、あれが!

カランコロン
鉄球が転がるアレ!
風車が回るアレ!
子供達が飽きずに見ているアレ!

そうアレである。
ここはやっぱりハーバーランドであるのだ。
現代の幼児達でもあの鉄球が永遠に転がる仕掛けに興味を持っている。

僕の不安は少しだけ溶けていった。

U、U、UMIEを出る。
外の空気を……

するとさっきのウッドデッキに近い。

可愛らしい女性アーティストが歌っていた。
少し懐かしいメロディが響く。

もう足腰をボロボロに叩きのめされた僕はやっとの思いでたどり着いたアーティストの前。

歩道の照明に腰掛け歌を聴いた。
路上ライブに足を止めるなんて僕のキャラでも無い。しかし今日は違う。

恐ろしく変わってしまったハーバーランドという魔物に噛み付かれて、もう一歩も動けない。

歌詞やメロディというよりも、神戸出身のアーティストが多くの人に歌を聴かせたい!と頑張っている姿が心に響くのだ。

そのスタイルは古く昔からのアーティスト達のスタイル。変わらない。若いアーティストが路上から羽ばたこうとしている。

僕は少し感動した。

ハーバーランドじゃない、羽ばたこうランドだ!

twitterのアカウントから検索をしてフォローした。

すると歌い終わった彼女はギターを置いた。
2人のアーティストが交代で歌うようだ。男性アーティストが歌い出した。

すると彼女は僕の方に歩いてくる。

うわっ!近っ!

人だかりの後ろで座っていたからこんなところまでアーティストが来るわけがない。

twitterアカウントから僕の帽子でばれたか?なんかヤバっ!と思った瞬間……

僕を横切って僕の3m横の照明(地面に椅子のように生えている照明)にチョコンと座ってスマホをいじり始めた。

twitterを更新するのだろう。

この路上ライブもいわゆるライブでつぶやいている。

あまりの近さにもう「あの……握手してください」と言いそうになったくらいの近さ。でもAKBなどのアイドルじゃないし、チョット、ビビってしまった。

かなり危ないおじさんが急に「握手して下さい」は怖いよなぁと遠慮というか、ビビったんだよね。

そのビビった余力で立ち上がった。

その場に居ても立っても居られなくなった。

そんな恥ずかし体験が新開地までの道を埋めた。

神戸電鉄に乗り込んで帰宅。

その後、twitterで跡を追っかけた。
どうやら明石駅前でライブをしていたようだ。

大変だな。

もうハーバーランドなんて行かない!と思いそうになったのだが、あれだけ頑張っている若いアーティスト達がいるなら遊びに行っても良いかな。

あーぁ、握手したかったなぁ


……そして数時間後、
彼女からのフォロバック。

「声かけてくれれば良かったのに」と言われたような気がした。