親の指示に従わないと罰せられ、従っても罰せられるという「出口のない」状況に長く置かれると、子どもはメッセージの解読に困難を来すようになり、やがて精神分裂病を発症する、というのがグレゴリー・ベイトソンの「ダブルバインド」仮説であった。
(内田樹ブログより)
(内田樹ブログより)
認知科学と認知心理学
認知科学と認知心理学は、ともにそれぞれの学会を持っている。両者に共通しているのは、認知活動の研究を行うところである。違いは、あえて言うなら、研究の方法論とねらいである。
方法論の違いは、認知科学のほうは、コンピュータ・プログラムに落としこめるような論理性を重視するのに対して、認知心理学のほうが実証を重視するところにある。
研究のねらいに関しては、認知科学のほうは、工学技術としての応用を企図しているのに対して、認知心理学のほうは心の現象の解明が主で、一部、ソフト技術としての有効性もねらっているものもある。
認知科学が出現した以来、半世紀余り、両者は、こうした違いがありながらも、共同で認知活動の研究に従事してきた。人類学、言語学、哲学、脳生理学、コンピュータ科学などの学際科学であった認知科学の中でも、とりわけ初期の頃は、認知心理学の果たしてきた役割は極めて大きいところがあるし、また、逆に、認知科学の強い影響のもとで認知心理学が新たな展開を遂げてきたところもある。
本稿では、「認知科学」の考え方となってはいるが、認知心理学ときわめて重なる部分があることは、あらかじめおことわりしておく。
認知科学と認知心理学は、ともにそれぞれの学会を持っている。両者に共通しているのは、認知活動の研究を行うところである。違いは、あえて言うなら、研究の方法論とねらいである。
方法論の違いは、認知科学のほうは、コンピュータ・プログラムに落としこめるような論理性を重視するのに対して、認知心理学のほうが実証を重視するところにある。
研究のねらいに関しては、認知科学のほうは、工学技術としての応用を企図しているのに対して、認知心理学のほうは心の現象の解明が主で、一部、ソフト技術としての有効性もねらっているものもある。
認知科学が出現した以来、半世紀余り、両者は、こうした違いがありながらも、共同で認知活動の研究に従事してきた。人類学、言語学、哲学、脳生理学、コンピュータ科学などの学際科学であった認知科学の中でも、とりわけ初期の頃は、認知心理学の果たしてきた役割は極めて大きいところがあるし、また、逆に、認知科学の強い影響のもとで認知心理学が新たな展開を遂げてきたところもある。
本稿では、「認知科学」の考え方となってはいるが、認知心理学ときわめて重なる部分があることは、あらかじめおことわりしておく。
●共感覚(synesthesia)
5感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)は、それぞれの感覚器に固有の物理的な刺激(適当刺激という)が対応していることで、外界からの感覚情報を差別的に取り入れている。しかし、色に匂いを感じたり、音に色を感じたりといったように、2つの感覚が混在するような感覚を持つ共感覚保持者が、1%くらいはいることが知られている。感覚にかかわる脳の中枢機能の未分化のよるものとの説があるが、確認できていない。