一青窈ジャーナル

ジャーナリズムの中の一青窈/ジャーナリスティックな一青窈

バッフアウト! 一青窈 セカンド・プレイス①

2006年12月06日 22時56分50秒 | 一青ジャーナル・作詞
■『バッフアウト!』(2006年12月号・月刊誌)2頁<テキスト・堂前茜、
        撮影・須藤秀之>【ティー・シー・アール・シー/幻冬舎】

*一青窈 セカンド・プレイス 創作のための自分だけの居場所 
             世田谷区<CAFE6丁目>
 
「セカンド・プレイス」は、自分の大事にしているものを再確認する場所かな。
「ファースト・プレイス」は再認識するための場所


ひとと語録①
“うーん……まず風景と音が違いますよね。歌詞を書くのってほとんどは自分の部屋なんですね。で、もちろん竿竹屋さんの車も通ったりするし、5時になったら鐘が鳴ったり外からいろんな音が聴こえてきたり、窓から見える庭の風景も変化していくんですけど、ちょっと違う視点から何か考えたい時には、外へ出て、ここに来るんですよね”

ひとと語録②
“大元にちゃんと留まっている自分とか、考え方がないと、根無し草というか、「あんたは何をやりたいの?」ってなるから。やっぱり帰るべき場所とか、自分が何を大切に思っているかが大事ですよね。私にとってそれは実家なんですけど”

リクウ 隈研吾x一青窈・ここちよさの時代に②

2006年11月04日 23時32分42秒 | 一青ジャーナル・作詞
■『リクウ』(2006年12月号・中央公論増刊)6頁
         <撮影・谷口京、構成・編集部>【中央公論新社】

*隈研吾x一青窈 ここちよさの時代に
  
              世界的に流行の兆し―「和」ブームをどう読むか

ひとと語録①
“「ちちんぷいぷい」でも「ねんねんころり」でもいいんですが、親が子供に寝る前に聞かせていたお話や歌の言葉、その懐かしい感じを大事にしています。突き詰めると日本的なものになるのかどうかは分からないのですが、言葉の響きがもつ柔らかさが日本人らしくて好きなんです”

ひとと語録②
“普段から面白いと思った言葉を書き留めているんですよ。それは電話で友達が言った「もふもふ」というフレーズだったり、映画や芝居を観ているときの思いつきだったり、とにかく生きている間に気になった言葉をどんどん書き留めていく。それとは別に、詩を常に書いているので、歌はその両方を再構築してつくってます”

ひとと語録③
“私も五線譜じゃなくてミミズみたいな線で、音の高低差を表します”


ニューズメーカー 一青窈 秘めたる情熱の在処②

2006年09月20日 11時04分53秒 | 一青ジャーナル・作詞
■『ニューズメーカー』(2005年12月号・月刊誌)16頁+表紙
              <phot・Takashi Hirano>【ぴあ株式会社】

*一青窈 秘めたる情熱の在処


ひとと語録①
“小学校の頃って、作文を書かせられるじゃないですか。宿題や国語の授業で。みんな、イヤだイヤだって言ったんですけど、私はいやじゃなくて。普段なら言えないことでも、こんなふうに言えちゃうツールはそうはないな、なんて便利なんだろうと思いました”

ひとと語録②
“楽しいとか悲しいとか、感情が動いた時に書いたんですけど、一番書きたいと思うのは負の方向に感情が動いた時ですね。行き場のない感情。どこにもぶつけられない感情を書くという。それは今読んでもかなり痛いですね。そのままノートがとってありますけど、よく頑張ったと思います(笑)。それと、文字があって良かったなって(笑)”

ひとと語録③
“(詩と作詞の違いは?)作詞はより数学的ですね。ここが5文字なら次も5文字とか。ABCABみたいなストラクチャーがあるとか。だからといって最初からきれいになったものを書くと、つまらないんで、最初は散文詩を書くべきだと思いました”


ひととpic up
宮沢賢治

MYLOHAS  一青窈x吉岡徳仁①

2006年09月09日 04時54分41秒 | 一青ジャーナル・作詞
■『MYLOHAS』(2006年9月増刊号・月刊誌)6頁
     <撮影・甲斐裕司、構成/文・深沢慶太>【インフォバーン】

*一青窈x吉岡徳仁 
   CREATEVE RESONANCE 響き合う感性が照らし出す世界
 

ひとと語録
“私は詩を書いているときに、自分の血肉を削っているという感覚を覚えることがあって、たとえば恋愛やおとぎ話のような詞を書いたときでも、そこで自分がどう考えたかということがひとかけらでも伝わらないと埋没してしまう気がするんです。とにかく自分らしさを伝えたい”


ひととpic up
倉俣史郎/コミッティー/ピート・ヘレン・イーク/杉本博司『護王神社』/谷崎潤一郎『陰翳礼讃』/谷川俊太郎

H Salyu in OKinawa 一青窈作詞「Tower」

2006年08月12日 02時32分50秒 | 一青ジャーナル・作詞
■『H』(2006年4月号・月刊誌)3頁<text・Mami Iijima
               /phot・MikI Jo>【ロッキング・オン】
*Salyu in OKinawa 新章のはじまり
 

“(一青さんから曲に関するメッセージは?)『〝Tower〟ってこういう歌だよね』っていう語りはあって…。『恋愛がダメになると分かっていながら、おちていってしまう恋の魔法みたいなものを描きたかったんだ』って。私たちの住んでる国で、いろいろな人生が沢山ある都会の中で、本当にいろんなドラマが思っているよりいっぱいある平和さっていうのを窈ちゃんは―ちょっと同じような言葉では言えないんですけど、そんな語りをして”“同じ歌手として一青さんはこういうことを思ってメッセージを投げてるんだなって。すっごく励まされた、存在に。熱に触れるわけじゃないですか、作品を通して”

ダ・ヴィンチ 一青窈のふむふむのヒトトキ 小川洋子(後)

2006年08月04日 01時07分02秒 | 一青ジャーナル・作詞
■『ダ・ヴィンチ』(2005年4月号・月刊誌)2頁
   <取材、文・瀧晴巳/撮影・冨永智子>【メディアファクトリー】

*連載・一青窈のふむふむのヒトトキ(20回)
 [ 小川洋子 X 一青窈 (後編) ]

表現と距離の魔法をひもとく、対談後編。

ひとと語録①
“あれは深沢七郎さんが日記の中で、~ポルカっていっぱい書いてるのを見て使いたいと思ったんです。ちょうど椎名林檎さんのつくるカタカナ十漢字の面白みに自分はどう対処できるかを模索していたり、初めて歌舞伎を見たりして。歌舞伎と春画と深沢七郎さんに触発されて書いた詩なんですね”

ひとと語録②
“私も詩を書く時、距離感についてはいつもすごく悩みますね”

ひとと語録③
“あと私は不思議ちゃんと言われたとしても、そういう目線をもつことがものをクリエイトするキーなのではないかという思いがあって”


ひととpic up
井上陽水『傘がない』/映画『Ray』

ダ・ヴィンチ 一青窈のふむふむのヒトトキ 川上弘美(後)

2006年08月02日 21時39分00秒 | 一青ジャーナル・作詞
■『ダ・ヴィンチ』(2004年2月号・月刊誌)2頁
     <取材、文・瀧晴巳/撮影・冨永智子>【メディアファクトリー】

*連載・一青窈のふむふむのヒトトキ(6回)
    [ 川上弘美 X 一青窈 (後編) ]


境界線上の対談後編。ちなみに一青さんは夜にワインを3杯。ただし詩を書く日は一杯だけ。ほろ酔いにまかせて書くとのこと(酔うぎりぎりがよいとか)。

ひとと語録①
“(川上:詩を書く時ってパッと画面を思い浮かべますか?)場面ですね。絵。自分の頭に浮かんだ絵をどう言葉に直していくか。詩は詩で普通に淡々と毎日書いているんですね。ただ音があると、そこから生まれる言葉もあるから。組み合わせますよね。パズルみたいに”

ひとと語録②
“(川上:一青さんはすぐに怒れます?)いや、怒れないです。私は携帯とかを解体するかな。たぶんそれも怒って何かを投げるのと同じ…。中から緑色の盤が出てくるじゃないですか”“回路みたいなのが。それを並べてるうちに、ああ、これだけ怒りがたまったなあって見て。で、ゴミ箱にポイッて捨てると、すっきりする”

和樂 一青窈が選ぶ、萬葉の恋

2006年08月01日 01時27分49秒 | 一青ジャーナル・作詞
■『和樂』(2005年1月号・月刊誌)2頁
              <構成・鈴木史郎、新居典子>【小学館】
*「萬葉集」は生きている! 5人が選ぶ、心に響く萬葉のうた
 一青窈が選ぶ、萬葉の恋  逢いたい気持ち、逢えない切なさ


   二つなき 恋をしすれば 常の帯を 三重結ぶべく わが身はなりぬ

ひとと語録①
“女の人のいちばん柔らかい部分に巻かれた帯の巻き具合が二重から三重になったと、数字を使って想いを表していくすべがすごくロマンティックだし、艶っぽいなと思って”

ひとと語録②
“私も、詩を書くときは切なさを大事にしています。切なさと懐かしさは、なんか似たようなところがあるような気がするんです。それは恋だけじゃない。私は家族に対する想いのようなものを主軸にして、天に行ってしまった父や母に対する想いを届けたくて詩を書いています。どんなにありえない話だと言われようが、やっぱり届けたいものは届けたいわけです”

ひとと語録③
“私はメールにしても、詩を書くのと同じぐらいエネルギーを注いでいるときがあって…改行とか(笑)。それだけ相手も想いを込めて書いてくれていればいいんですけどね。あるとき、自分では覚えてなかったんですが、別れる人に対して「見ている風景は一緒なんだから、違う電線に鳥みたいにとまっててもいいじゃないの」というのを書いたんですね。それで別れ際に「これ、おまえが書いたんだけど、けっこういい言葉だなと思って…」と言われて(笑)。まあ、想いを伝えきれずに終わってしまったかなという話ですけどね(笑)”

ダ・ヴィンチ 一青窈のふむふむのヒトトキ 桜井進(後)②

2006年07月07日 23時02分34秒 | 一青ジャーナル・作詞
■『ダ・ヴィンチ』(2006年8月号・月刊誌)2頁
     <取材、文・瀧晴巳/撮影・冨永智子>【メディアファクトリー】

*連載・一青窈のふむふむのヒトトキ(23回)
 [ 桜井進 X 一青窈 (前編) ]


 桜井先生直伝の数の魔法を、一青さんは歌にそっと潜ませてみる。対談の後編は言葉と数字の不思議な関係。

ひとと語録①
“例えば『ハナミズキ』の歌詞の「五月のこと」も単に初夏だから5月というんじゃなくて、5ってなんだろうと。その詩の中でどこに置いた時に美しいかという感覚にしても「誰が見てもここ!」というポイントがあって、それを感覚的にとらえている自分をもう少し理解したくて数字を分析してみるんですね。『いろは紅葉』にも「二百二十日過ぎて」という歌詞があって、220という数字も確か特別な数字ですよね”
“日本語でも二百二十日は特別な意味を持ってて、季語になりますよね。222の方はパチンコで揃ったみたいで素敵かもしれないのに、そうじゃない。220に意味があるのはなぜだろうと。別に「これは実は友愛数でして」とかいちいち説明したりはしないけれど、そういうことを調べていくと数字のロマンにたどりつく。そんな感じで数字が作詞する時の手掛かりになってたりするんです”

ひとと語録②
“数字の7も気になっていて。それこそなんでてんとう虫の背中に7つの星があり、キリスト教に7つの大罪があり、ラッキー7といわれるのか”“ドラゴンボールも7個集めるとミラクルパワーが起きる。πの答えを知ってるかしら。3.1415…あれ?なかなか7が出てこないわ”


ひととpic up
アガスティアの葉/フィボナッチ数列

ダ・ヴィンチ 一青窈のふむふむのヒトトキ 土屋賢二 (前)

2006年07月05日 00時59分20秒 | 一青ジャーナル・作詞
■『ダ・ヴィンチ』(2005年7月号・月刊誌)2頁
     <取材、文・瀧晴巳/撮影・冨永智子>【メディアファクトリー】

*連載・一青窈のふむふむのヒトトキ(23回)
 [ 土屋賢二 X 一青窈 (前編) ]


 「私、今回は煙に巻かれてもいいと思ってるんです」。笑う哲学者・土屋賢二との対談。プロフェッサー土屋の特別講義・前編の開講。

ひとと語録
“先生のエッセイには格言のパロディとか結構出てきますけど、詩とか書いてると、名言というか名フレーズにはおのずと興味が湧いて。あんな難しいこと本当に言ったのかしらと”
“その一行にすべてが詰め込まれすぎていて、ちょっと詩的な自由度は足りないかなと。詩の場合、9割はどうでもいいことでも1割真理があればいい。ひと言だけキュンとくればいいと思ってるんですけど、そのキュンとくるワードを探すのが難しくて。哲学的にキュンとくるとかってありますか”

ダ・ヴィンチ 一青窈のふむふむのヒトトキ 土屋賢二 (後)

2006年06月29日 23時06分25秒 | 一青ジャーナル・作詞
■『ダ・ヴィンチ』(2005年8月号・月刊誌)2頁
    <取材、文・瀧晴巳/撮影・冨永智子>【メディアファクトリー】

*連載・一青窈のふむふむのヒトトキ(24回)
 [ 土屋賢二 X 一青窈 (後編) ]


 哲学者・土屋賢二との対談後編。ニューアルバムに向けて詞と格闘中で、話題はおのずと詞と哲学の接点へ。

ひとと語録①
“私、理屈っぽいってよく言われるんですよね。”“感覚的に見せるのが上手なだけで(笑)。友達とケンカすると〝理屈っぽい〟って片付けられたり。相手が考えたことを先読みして、論点をズラしてズラして違う答えをしてみたり”

ひとと語録②
“私は結構、数学的に組み立ててますね。音を聴いて季節が出てきたらその時に必要なのは触感なのか味覚なのか色なのかというのを考えながら。たとえば全体の中で一番の歌詞に色が出てきたら、そこの対比でここに風が必要だろうとか言葉の配置を見ていく”

ひとと語録③
“(自分の歌のどういうところがウケているか)やっぱり家族愛にこだわっているからだと思います。照れくさいこともあって、あんまり恋愛の歌は書いてないんですけど。私自身、映画とか母と娘がでるだけでもう泣けちゃうんで”

音楽と人 一青窈 生と死の対比によって輝く

2006年06月21日 14時33分12秒 | 一青ジャーナル・作詞
■『音楽と人』(2003年8月号・月刊誌)2頁
             <txt・Nagahiro Atsuo>【シンコー・ミュージック】
*EDITOR'S FILE 悲しい経験によって身につけた脆さと
        背中あわせの強さは生と死の対比によって輝くのだ


“彼女は、新曲「金魚すくい」で死を「美しくて儚いもの」と捉えている。ぼくはまだ、闇雲な恐怖しか感じてない。その点で、彼女の「死」に対する距離感は現時点での自分とは大きくかけ離れていると思う”

“生きている人にとって、死はいつだって隣り合わせのもの。人が永遠に存在することはない、という前提のもとに生きている彼女の「生」は光ってみえるし、それを知って唄っている彼女の歌は、そうでない人との詩とは腰の据わりが随分違う”

“「なんもない」には、無意味な生を惰性で送る人たちに向けた、怒りにも似たメッセージが込められている。いま生きているこの人生こそが、自分の人生だ、と強く感じることができますか?と”“けれども彼女は、人生の意味や目的を持てずに暮す人たちに、悲しみや苦しみを感じ、唄いかけてくれる。手を伸ばし、コミュニケーションをとろうとしてくれている。だから、ぼくらは、その手をしっかりと握るべきなのだ。放さずに、彼女の手を掴んだまま、何かを感じ、考えるべきなのだ”

広告批評 特集・歌のコトバ 今を歌う“詩人”たち

2006年03月15日 21時23分00秒 | 一青ジャーナル・作詞
■『広告批評』(2006年3月号・月刊誌)33頁【マドラ出版】
*表紙写真
*特集・歌のコトバ 今を歌う“詩人”たち
 [歌のコトバ対談_01「ハナミズキ」はどこからきたか
                            一青窈x穂村弘]
 [INTERVIEW 転がっているもの拾えちゃうタイプです 一青窈]


一青窈を中心に、原田郁子・サンボマスターの三人が「詩」について自由に語る。

ひとと語録①
 “(喫茶店で詩を書けるか)書けないです。「あっ!一青窈だ」っていうのを、なんとなしに期待しながら佇んでたりするんで。(笑)だから、自分の部屋じゃないと。”

ひとと語録②
 “(「指切り」以降の自然な歌い方をものにしたか)まだできていない。安心しちゃうと守る体制に入っちゃって、定型に持ち込もうとするから”

ブルータス 人間関係 澤田知子 一青窈

2005年10月16日 23時54分20秒 | 一青ジャーナル・作詞
■『ブルータス』(2005年10月15日号・隔週刊誌)2頁
            <写真・篠山紀信>【マガジンハウス】

*人間関係(299)~台風直下 [ 澤田知子  一青窈 ]
               『月天心』が生まれた公園で


 木村伊兵衛写真賞も受賞しているアーティスト・澤田知子とは、慶大在学中に共通の友人を介して出会う。篠山の写真は、台風7号が関東に上陸した夏の日、一青の『月天心』の歌詞が生まれた公園(世田谷区)にて撮影された、とある。
 
ひとと語録
“〝さわキュー〟の写真を見ると、みんな自然と笑顔になるんです。笑わせることは難しいことだし、私にはできないから、本当に羨ましい”

ダ・ヴィンチ 一青窈のふむふむのヒトトキ 鈴木清順(後)

2005年09月11日 02時11分56秒 | 一青ジャーナル・作詞
■『ダ・ヴィンチ』(2005年10月号・月刊誌)2頁【メディアファクトリー】
*連載・一青窈のふむふむのヒトトキ(26回)
 [ 鈴木清順 X 一青窈 (後編) ]
 

 監督とは付き合いの長い木村威夫・美術監督と京都ライブで組んだ一青窈。木村は一青に「ぞっこん惚れ込み」「非常に買っていた」と清順監督は明かしている。

ひとと語録
“ロマンスではなくてロマンチカ、ジャパンではなくてジャパネスク。言葉にすると語尾の違いなんですけれど、そこにただよう良さっていうのが私の表現していきたい世界なんですよね”


ひととpic up
『陽炎座』/木村威夫/『オペレッタ狸御殿』