一青窈ジャーナル

ジャーナリズムの中の一青窈/ジャーナリスティックな一青窈

音楽と人 一青窈 その記憶は、儚くも永遠に

2003年07月10日 23時21分20秒 | 一青ジャーナル・作詞
■『音楽と人』(2003年8月号・月刊誌)6頁
      <文・金光裕史/撮影・岡田貴之>【シンコー・ミュージック】

*一青窈 その記憶は、儚くも永遠に
 

ひとと語録①
“(「金魚すくい」について)すくってきたのにすぐ死んでしまう儚さと、そこから彷彿とさせられる色のコントラストに惹かれたから。そのもの自体より、周りを取り囲むイメージで表現したものがあったんですね”

ひとと語録②
“(「なんもない」について)私が思ったのは、飽食による、色んな情報があり過ぎるゆえの無、って感じなんですよね。何か。その虚無感みたいなのが、私の時代にはなかったなぁと思って。今やもう、ポケベル、携帯、ネットって、なんでも手に入るじゃないですか。私たちの頃は、最初から全部ある状態じゃないから”“わりとバーチャルで自分がもう経験した気になってる子が多いな、っていうのが私の感覚なんですよね。それゆえに、楽して生きればいいかな、みたいなところに落ち着いてて。頑張っている人もいるけど、そうじゃないところが目についた特に書いたというか……もともと、アルバイトをした時に知り合った子にあげた詩なんです。基になったのは”

ひとと語録③
“潔く、早く、死んでいきたいっていうのか、散りたいですね。山口百恵さんとか、ホントいいなあ、と思います。その散り際が。死んでらっしゃらないですけど(笑)”“したいですね(笑)。いや、もちろん10年20年って、ずーっとこの幸せな状態が続くことをもの凄く望んでいるんですけど。でも何か、今だ!って思ったら、その瞬間、サクッと消えてるような気がします(笑)”

ひとと語録④
“<もらい泣き>とかで、ずっと私は抑えていた部分の感情を出して、ある意味、幸せな状態が続いているわけじゃないですか。そうすることで、自我が埋もれてきたんだと思います。素直にわがままに外に出せてるから。だから<ほったらかしにしないで>(3曲目の<今日わずらい>)とか、わりと今まで止めてきた部分が流れ出してるのかもしれない”

ひとと語録⑤
“わたしはあんまり神様とか信じないんですけど、でも運命みたいなものは信じてるんですよね。なるべくしてなるという”“それこそデビューしたのが26歳で、今、私がそれだけの受け皿を持っているからこそなんだって受け入れていますね。そうやって受け入れること、で、生きてる。だから、やっぱり母と父は死ななきゃいけなかった、とも思っちゃうんですよね。でも、そうじゃないと、どうしようもない人間に育ってたような気がして(笑)”

ひととpic up
鈴木清順/大楠道代/山口百恵