食事を終えて,妻に「お茶」と言ったら,「痩せる茶があるけど,これがいいんじゃない」と言った。
テーブルの上を見ると,冷蔵庫から出したばかりのガラスポットに入ったお茶があった。
「いや 熱いお茶が良い」と私は薩摩の男らしくきっぱりと言った。
「このお茶を飲めば痩せるのに」と言い残して,妻はお茶の準備をした。
【大体,スリムな人から痩せるお茶のと言われれば飲む気にもなるが,熊モンの親戚のような人から言われても,飲む気になれない。大体化粧品の宣伝をする人は元々きれいな人が起用されるのであって,その化粧品を使ったからきれいになった訳ではない,と思う】
見ると妻は,私のためにお茶を入れた後は,痩せるお茶を飲みながら,美味しそうにチョコレートを食べていた。
【幾ら痩せるお茶を飲んでも,そんなにチョコレートを食べたら痩せる訳はないだろう。チョコレートより強い痩せるお茶があったら,それはもう劇薬だろう】と心の中でつぶやいた。
痩せるお茶の効能を全く信じることができない,春の一日であった