雨の後 生駒霞て 寒さかな 梅花開き 近づく歓喜
ひのひら ろくべえ
「夏下冬上」という四字熟語がある。これは炭火を起こす時の
教えで、夏は種火を炭の下に置き、冬は種火の上に置くという
ことを意味しているらしい。先人の知恵である。しかし今の時代
あってない言葉となろうとしている。アウトドアを好きな人でも、し
らないのかもしれない。しかしこの言葉を人間世界に置き換えて
見ると、どのようになるだろうか。夏は暑い、つまりテイションが高
い人とすると、そのような人とかかわる時は、下からかかわる方が
良いという事にもなる。つまり低姿勢でかかわることが、良き結果を
もたらすことに繋がると考えることもできる。
次に冬である、冬を人間に置き換えると、テイションが低くなって
いる人という事もできよう、このような人とかかわる時は、上から見
守るように、徐々に上から暖める感じでかかわるという事になるだろう。
つまり、人とのかかわりを教えた四字熟語という事にもなろう。
言葉とはそういうものではないだろうか。四角四面の解釈だけ
でなく、自分なりに解釈を広げていくことも、またいいのではな
いだろうか。既成概念だけを正しく捉える狭義の理解でなく、
広義に捉える理解も許されることを、望たいものである。