ちいさなちいさな いのりのことば

 * にしだひろみ *

小さな図書館へ*日々のつれづれ*

2015年06月22日 | Weblog

図書館へ行ってきました。

息子と二人で。






いつも行く図書館とは、別のところです。

いつも行くところは、とても大きくて広くて、きれいです。

児童書コーナーがとても充実しています。

週に1回、2回と通っています。





ですが、時々、どうしても行きたくなる図書館があります。

それは、人里離れた丘の上にあります。

静かで、ひっそりとしていて、しかも、とても小さいのです。

本も、とても少ない。


それが、なんだか、ホッとするのです。



多すぎる本の中では、途方に暮れてしまうようなわたし。

でも、少ないと、のんびりしていられます。

興味のある分野以外の本にも出会いやすい。

“この部屋にある本のことは、だいたいわかるわ”というような、安心感。





図書館へ行くのには、いくつかの動機があります。


本そのものが目的の時。

その空間で何か作業をしたい時。

単に本に囲まれていたい時。





ですが、昨日、気づきました。

わたしが小さな図書館に行くのは、上の三つのどれにも当てはまらない。

わたしが小さな図書館に行くのは、懐かしいから。

そう気づきました。






ずうっと昔、

わたしが小学生だった頃、

学校の図書館が大好きでした。



賑やかな昼休みは苦手でしたが、放課後、まばらに人がいるだけの静かな図書館が大好きでした。

木造の古い図書館。

小さな図書館だけど、一冊一冊の本の中には無限の宇宙がひろがっている。

わたしは、どこでも自由に旅をしました。


校庭から聞こえてくる、子どもたちの歓声。

傾きかけるお日さまの光。

木のにおい、本のにおい。


そういうものが、みんな、大好きでした。






だから、たぶん今も、あんまり広くてきれいな図書館よりも、小さな古びた図書館の方が落ち着くのですね。


そして、息子もやはり、小さな図書館が好きなようです。

“本が多すぎると疲れちゃう”と言います。

わたしに似てしまいましたね。







そんな、小さな図書館で、三時間ほど、

わたしは、懐かしさに包まれながら、文章を書きました。

息子は、素晴らしい本の世界を、いくつもいくつも自由に、旅していました。




とても静かでした。

とても豊かでした。












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