ちいさなちいさな いのりのことば

 * にしだひろみ *

心に咲いた花

2013年03月27日 | Weblog
ひまわりに憧れていました。
あんな風にわたしも生きてみたいと。

今も大好きな花です。
でも、他にも好きな花が増えました。

忘れな草
すみれ

小さなささやかな野花、その清らかさや伸びやかさ、どこか気品ある姿にはっとするのです。

そして、小さな野花には、ささやき声があるような気がします。
ため息のような、ささやきのような。
小さくても確かな気配。


そんな風にわたしを魅了する野花に、また出会いました。

白く、小さく、清らかで、可憐な、その花の名前は、雪割草。

あんなに可憐なのに、なんて力強い名前を捧げられた花なんでしょう。
でも、その名の通り、雪を割るように春一番に丘に咲きます。

一枚、写真に撮らせてもらいましたが、ちょっとためらいを感じました。

そして私は思い出しました。
星野道夫さんの言葉を。

正確に覚えていないのですが、

きれいな夕日を見て、その美しさを大切な人に伝えたいと思ったら、どうすればいいか。
それは、その夕日を見た自分を生きることだ。

星野さんはそう言いました。


この雪割草も、見た人の心に宿り、春の名と共にいつまでも咲いていくのでしょう。

わたしも、生きていきましょう。
小さく可憐な花を宿したわたしを。


新しい自分になれたような気持ちで、とても嬉しい気持ちで、わたしは山をおりたのです。

2013年03月13日 | Weblog
いま、大気はただならぬ気配に満ちています。

だれもかれも、なにもかもが、期待にそわそわしています。

耳を澄ませば、静かな静かな音が聞こえてきます。

それはどこから聞こえてくるのでしょう?

それは、とてもとても近く。

それは、すぐそば。

大地から、
空の果てから、
風に運ばれて、
それはやってくるのです。

ながい眠りから醒めた「いのち」たちが、いっせいに飛び出そうとしています。

大空から、鳥が知らせます。

時がきたよ、
もうすぐだよ。


みんな、聴いています。

地中のいのちも、
森に生きるいのちも、
わたしたち人間も、
みんな。


それが、春。

春が、やってきました。

さあ、春を生きましょう。