大きな音、
目を閉じてしまうような色彩、
激流のように押し寄せては消えていく情報。
刺激でいっぱいのこの世界。
幾つになっても、いつまでたっても、驚きっぱなしで、慣れることのないわたしです。
かといって、音のないところも居心地が悪く、
鳥の声、風や木の葉のそよぎが聴こえる、そんなところが一番好きです。
それらの音は、人が、自らの“心の声”を聴き取ることを、助けてくれるからです。
あまりにも小さく、あまりにも細やかな、心の声。
簡単に掻き消されてしまいます。
聴き方を忘れてしまったという人も、多いかもしれません。
でも、人にとって、心の声ほど大切な指針はありません。
どんな素晴らしい本よりも、誰かのアドバイスよりも、自分の心(魂)が、一番よく知っているからです。
どう生きたいのか、
何を為しに生まれてきたのか、
どの道を進んだらよいのか、
・・・・・・。
聴き取ることを忘れ、他の誰かの指針に従って生きていると、心がざわめき、落ち着かなくなります。
でも、それこそが、心の声。
心が呼びかけているのでしょう。
“そっちじゃないよ、ここにあるよ”
と。
心が安らかでいられる時、
それは、その人が自分らしく居る時。
心がざわめいていない時。
心の声も、安心してくれている時です。
困った時、迷った時こそ、耳を澄ます時。
静かな、できれば自然音に包まれた所にいって、
耳を澄ます。
きっと感じられます。
それは、音なのか、絵なのか、文字なのか、
人により、様々ですが、
小さくても、微かでも、
自分のためだけの、ただひとつの指針を、きっと、感じられます。