いつも見る夢があった。
とてもかなしい夢。
胸が痛くなるような夢。
それは、わたしの人生に本当に起きた出来事。
あの、心が壊れるようなかなしみを、わたしは、本当には乗り越えていないのではないか・・
ただ時が流れたというだけで・・。
あの痛みをなぞるように、あの深いかなしみを呼び覚ますように、幾度も幾度も夢にあらわれる。
もう遠い昔のことなのに。
夢は、かなしみの場面を繰り返すばかりで終わる。
その先はない。
あともう少し・・、あともう少しで、違った展開になるかもしれない・・
そうなることなく、必ず終わる。
過ぎたこと、夢でしかなくても、
目覚めた朝から、立ち直りの努力をしなくてはならない。
その夢ごとに、その朝ごとに。
でも、通いなれた道だから、その痛みも道のりも、懐かしい友だちだった。
今朝のこと。
いつもの夢は、違う道を行った。
かなしみで終わるはずの夢が、その先へ行った。
違う道の先にあったのは、大きな安堵のような幸福。
うれしくて、うれしくて、わたしは泣いていた。
遠く懐かしい人を、しっかりと抱きしめて、
声をあげて泣いた。
自分の声で目が覚め、時空がわからなくなった。
わたしは、自分の声で、夢を胸に刻み、同時に、その夢を破ってしまった。
もう、かなしいあの夢を見ることは、ないかもしれない。
わたしは、古びた痛みの向こう側に、行ってしまったのか。
夢の終わりには、静かな夏の朝が残された。
まだ白い空は、まっしぐらに、青へと走り出していた。
とてもかなしい夢。
胸が痛くなるような夢。
それは、わたしの人生に本当に起きた出来事。
あの、心が壊れるようなかなしみを、わたしは、本当には乗り越えていないのではないか・・
ただ時が流れたというだけで・・。
あの痛みをなぞるように、あの深いかなしみを呼び覚ますように、幾度も幾度も夢にあらわれる。
もう遠い昔のことなのに。
夢は、かなしみの場面を繰り返すばかりで終わる。
その先はない。
あともう少し・・、あともう少しで、違った展開になるかもしれない・・
そうなることなく、必ず終わる。
過ぎたこと、夢でしかなくても、
目覚めた朝から、立ち直りの努力をしなくてはならない。
その夢ごとに、その朝ごとに。
でも、通いなれた道だから、その痛みも道のりも、懐かしい友だちだった。
今朝のこと。
いつもの夢は、違う道を行った。
かなしみで終わるはずの夢が、その先へ行った。
違う道の先にあったのは、大きな安堵のような幸福。
うれしくて、うれしくて、わたしは泣いていた。
遠く懐かしい人を、しっかりと抱きしめて、
声をあげて泣いた。
自分の声で目が覚め、時空がわからなくなった。
わたしは、自分の声で、夢を胸に刻み、同時に、その夢を破ってしまった。
もう、かなしいあの夢を見ることは、ないかもしれない。
わたしは、古びた痛みの向こう側に、行ってしまったのか。
夢の終わりには、静かな夏の朝が残された。
まだ白い空は、まっしぐらに、青へと走り出していた。