ちいさなちいさな いのりのことば

 * にしだひろみ *

2013年02月15日 | Weblog
植物から色をいただいて染め物をしたい時、色はどこから出るのでしょうか。
花でしょうか。

いいえ、花からは色は出ないのだそうです。(紅花だけは例外)
色は、根や茎、幹から出る。
そう、花びらのあの色が、です。

花びらのあの色は、その植物の色、体液のようなもの。いのちの色です。
一年のうちのほんの短い期間だけ、その秘密を見せてくれているのですね、花というかたちで。
“わたしはこんな色よ。
これがわたしのいのちよ。”と。


さて、染め物には、鉄や灰などの触媒が必要です。触媒を経なければその色を見せてくれない。

ああ、人もそうかもしれない、と思いました。
私の色を表現したい、自分を精一杯生きたい、
みんな願っています。

そこへ関わってくるのが触媒です。
人の場合は、悲しみや困難、試練、といえるかもしれません。
そこを経てこそ、越えてこそ、その人の本当の色が出てくるのかもしれません。
触媒、と考えると、ちょっと勇気が湧いてきます。

みんな、世界にひとつしかない、その人だけの色を持っています。
それはみな、とてもきれいな色でしょう。

触媒を経て、触媒を越えて、思いきり表現していこう。
世界が待っています。