ちいさなちいさな いのりのことば

 * にしだひろみ *

『花色の人生を ~せいこさん、きいこさんへ~ 』

2014年06月25日 | Weblog

目には見えない しあわせは
形をもたない しあわせは
知らずにこぼれていきました

すると世界の色が消え
音も香りもなくなって
全てが止まってしまったの

ながいながい時の中
終わらないような時の中
野に咲く花のその色が
不意に心にせまった日
しあわせの場所を知りました

誰かの内にあるのでなく
あなたとわたしが触れあった
そのあわいにこそ しあわせは
ほんわり浮かんでいたのです





目には見えないしあわせは
形をもたないしあわせは
感じるためのものかしら

それが何色だとしても
見とれるわたしになれたから

どんな色にも微笑んで
きょうを歩いていきましょう

どんな色に逢おうとも
全ての色は花の色






















7月 朗読会の予定*

2014年06月20日 | Weblog



9日 子育て応援サポートセンターうんまんまさん (新潟市西区寺尾)
http://unmanma.web.fc2.com/

*10:30 ~ 12:00
*参加費は無料、予約もいりませんが、施設利用料の200円をご用意いただいています。
*お弁当を持ってきてゆっくりされる方も多いです。当日、お弁当の注文もできます。


14日 長野県飯綱町 幼児教室大地さん
15日 長野県戸隠 (会場は決まり次第更新いたします)
ともに10:00~12:00


うんまんまさんでの朗読会は六回目になります。
スタッフの皆さまともお馴染みになりました。
参加者のみなさまも、複数回きてくださった方もいらっしゃいますので、今回からは少し違ったスタイルで、と考えています。

どなたでもご参加いただけます。
お近くの方は、とうぞ、いらしてくださいね。


そして、14日からは、長野県へ行くことになりました。
15日の朗読会では、とっても素敵なことに、ハープ奏者の方が、コラボレーションして下さることになりました。

わたしの朗読会は、いつも、インスピレーションに従って詩を選び、みなさんとお話しをしながら進めていくのですが、ハープ奏者の岩月悦子さんも、ご理解くださり、また、同じように考え、当日の空気を大切にしながらやっていきましょうね、と、言って下さっています。

どんな風になるのでしょう…

素敵な予感がします。


会場となる、幼児教室大地さんは、雄大で美しい自然の中で、子供たちが伸び伸びと、それぞれの感性を育んでいる場所です。

何年も前になりますが、まだ小さな息子を連れて、遊びに行ったことがありました。


企画、準備を進めてくださっている方は、戸隠在住で三児の母である、芦澤貴子さん。
私の大切な友人でもあります。

お料理が大好きで上手で、心のいきいきとした、とても素敵な人です。

こんな風にして再会できるなんて…


あたたかな、素敵な時間にできるように、この毎日を、清々しい心で過ごしていきたいと思います。

長野のみなさま、お会いできることを楽しみしています*














『いのちへ』、テレビ出演

2014年06月17日 | Weblog
テレビ埼玉、千葉テレビ、テレビ神奈川で、毎日午後四時半から生放送されている「ごごたま」という番組があります。

その番組で、隔週木曜日に、「本に恋して」というコーナーがあります。

出演されているのは、本の問屋さんであるトーハンさんの、吉村博光さん。
お日様みたいな方で、優しいパパでもあります。

6月26日の回で『いのちへ』を紹介してくださることになりました。


すごい・・・


そのために、先日、何編かの詩の朗読を、収録してきました。

私の朗読は、それはそれはゆっくりなので、お役に立てますかどうか・・・

早く読んでみようとしたこともあるのですが、ゆっくりのあのペースでないと、想いを込めることができないのです。


「ごごたま」放送圏のいくつかの書店さんや、ブックファーストさんでは、『いのちへ』の音声POPも設置してくださるそうです。

お客さまが通りかかると、にしだひろみの朗読音声が、ほんの少しだけ、流れるのです。

うわあー、
とうしましょう・・・


再生されるのは、「かくれんぼ」という詩の冒頭部分です。

「かくれんぼ」
思い出深い詩のひとつです。


トーハンのみなさま、吉村さん、
ありがとうございます。
どうぞよろしくお願いいたします。

書店のみなさま、
お世話になります。
ありがとうございます。










花束 *日々のつれづれ*

2014年06月17日 | Weblog
気持ちよく風吹きぬける
朝のこと

優しい梅色の車が
滑るようにやってきて

舞い降りてきた人は

白地に青のストライプシャツに
黄色い小花柄のストール

そして
手にはラベンダーの花束

「咲いたのよ~」

添える笑顔に
親しみ溢れて

私の心には
一面の
ラベンダー





ひとまわりと少し年上の
素敵な女性

出会ったあの日は薔薇の頃

本の貸し借り
手紙のやりとり

こんな本があるなんて
こんな言葉があるなんて

わたしもそうそう
まあ嬉し

心ときめく
めぐりあい

重ねる時の
ありがたさ

見えない糸の
いとおしさ



「じゃあ、お待ちしてま~す」

踊るように去るその人を
明後日お訪ねいたします

ちいさなちいさな朗読会
三人だけの朗読会

こぼれる薔薇の見えるお部屋で
ちいさくちいさく
開きます














*日々のつれづれ* 鉛筆

2014年06月16日 | Weblog
創作の時、何気ないメモの時
私はいつも鉛筆を使います

紙と、鉛筆と、消しゴム

これが私のお仕事道具


幼い頃から、鉛筆が好きでした

なんて楽しいのでしょう

木のにおいも
転がる音も
削れる音も

そして
だんだん小さくなっていく姿の
いとおしいこと

キャップの帽子をかぶせれば
もうひと仕事、頑張ってくれて

新しいものを下ろしても
いつも懐かしい鉛筆

私は鉛筆が大好きです


先日、ずっと欲しかった鉛筆
トンボの MONO100 を1ダース
思いきって買いました

標準的な鉛筆の三倍の値段です

これまでに数本だけ持っていて
大切に大切に使ってきました

とても書き心地がいいのです

私の筆圧をうまく受け止め
忠実に文字を現していきます

文字にこめた想いの違いさえ
現してくれるように思います


ひとつの目標に届いたら
買いましょう
そう決めていました

そうして本当に
求めてきました


嬉しくて
嬉しくて
日に何回も、引き出しを開けて
その鉛筆を眺めます

本当にある・・・

胸がいっぱいになります

するとすぐに
私を目標に届かせてくれた
たくさんの人々の面影が
浮かんできます


しあわせは
引き出しのなかに

そして私の
こころのなかに
















2014年06月15日 | Weblog
長雨がふいに途切れ
見上げれば

雲間からこちらを
見下ろしているもの

それは











夏は
いつも新しいはずなのに
幼い頃の思い出を
みんな連れてやって来る

ふるさとの田舎道が
今はない小川の流れが
草のにおいと一緒に
かえってくる


そうしたら
麦わら帽で駆け出した
少女のわたしに舞い戻り

辿れないはずの道を
会えないはずの人を

まばたきほどの時間だけ
訪うことができる

そんなふうに
思われて















メッセージをお送り下さった方へ

2014年06月12日 | Weblog
こちらのblogの“メッセージを送る”というところからメールを送って下さった方が、もしもいらっしゃいましたら、申し訳ありません。

3月までは受信できていたのですが、それ以降は有料になるということで、新たに加入しなかったのです。

送信もできないものと思っていましたところ、“メッセージを送ってみたのですが、届いていますか?”と連絡を下さった方がいて、びっくり。

すみませんでした。


にしだひろみへのメッセージ、お問い合わせは、お手数をおかけしますが、こちらのアドレスまで、お願いいたします。

inochinokotonoha@gmail.com

日数をいただくこともありますが、必ずお返事をいたしますね*


教えて下さった方 ( 私の大切な友達なのですが )、本当にありがとうございました*











森のいえスタッフさん、ママさんたちへ

2014年06月09日 | Weblog
先日開いていただいた、Akiha 森のようちえん支援センター森のいえ さんでの朗読会では、心に残ることがいくつもありました。

そのうちの、いくつかでも、書き留めておきたくなりました。


このことは、講座などの企画に限らず、きっといつも為されていることなのでしょう、
計画、準備、打ち合わせが、とてもきちんとされているのです。

せっかく来られたお母さんたちが困らないように、休めるように、誰かと繋がれるように、
一人一人みんな違う子供たち、それぞれが楽しく過ごせるように、
心配りされています。

その向こうには、スタッフのみなさんの想いを、強く感じます。

建物のなかではなく、森をフィールドにしているからこそ負っている緊張感も、感じました。


あの日、私は、ゆったり、朗読やお話しをさせていただけました。

参加された全員のお母さんのお話しも、ゆっくり伺うことができました。

本当に素敵な、森のいえ、でした。


森が、素敵な人を呼ぶのでしょうか・・・

森は、そこにいる人の本来の素敵さを、引き出していくのかもしれない・・・





もうひとつ、私の心に残ったのは、参加者のみなさまからいただいたメッセージカードです。

真剣に書いてくださった、一枚一枚、全部、胸に抱きしめました。

帰宅してからじっくりと読ませていただきましたら、素敵なことば、素敵な想いが、溢れていました。

お名前も、多くも、載せることはいたしませんが、素敵なことばのいくつかを、ここに記しておきたいと思います。

私のことも書いてくださってあるのですが、お恥ずかしいので、それは、内緒にしますね。

素敵な素敵な、森のお母さんたち、ありがとうございました。
メッセージ、宝物です。


*いつも怒ってばかりの私、それでも「大切で大好きなママ」と言ってくれる子供を、抱き締めたくなりました。

*悩みはあるけど、いつか思い出になる日がくるから、その日まで精一杯愛していこう、と、思いました。

*いいママになることより、幸せにならなきゃ、と感じました。
















*日々のつれづれ* 男子高校生

2014年06月09日 | Weblog

高知からの帰りのことでした。

岡山から姫路へと向かうその電車は、とても混んでいました。

スーツケースを網棚に乗せ、その他の荷物は手に持ちました。

連日の早起きでお疲れ気味の息子は、座る席がないことを知ると、私の手を握りました。

“これからたくさん乗るんだよね。
座れたらよかったね?
でも、仕方ないよね。”

見上げる瞳は、そう言っていました。

電車はゆっくり、動き始めました。


いくつか駅を過ぎた時でした。

「あの席、どうぞ。」

声がします。

振り返ると、そこにいたのは、男子高校生二人組。
二人用の席を指差していました。
まっすぐな目をしています。


私たちはお礼を言って、ありがたく、その席に座らせてもらいました。

嬉しそうに座った息子の瞳が、今度はこう言っています。

“ママ、すごいね。
いいお兄ちゃんたちだね。”


私は、席を譲ってくれた男子学生に、そっと目をやりました。

共に体格がよく、髪は短く刈られ、部活帰りであろう大きな荷物を肩から提げています。

きっと、へとへとになるまで練習をし、疲れていたでしょう。


旅行者だとすぐにわかる私たち家族連れに気付いて、どうしようかな、と、考えたことでしょう。

空席を探しているとすぐにわかる男の子(息子)の様子に、心が揺れたでしょうか。

席を譲ろう、
二人でそう話しあったか、もしかしたら、目での会話だけだったのかもしれません。
彼らはサッと、立ち上がったのですね。


「素敵なお兄ちゃんたちね。」

「うん。」

「今日はほんとに、いい日ね。」

「うん。」


同じ会話を繰り返す私たちを優しく揺りながら、電車は進んで行きました。











*日々のつれづれ* ひとつだけ

2014年06月08日 | Weblog
昨日の朗読会の最後のほうで、お伝えしたかったのに、できなかったことがありました。


生きていくなかで、人はそれぞれ、様々な痛みや苦しみに出会っていきます。
それを「宿題」として、必要な時間をかけて解いていきます。

難しいものほど、解くには時間がかかります。

たとえ、10年20年かかっても、50年60年かかっても、100年かかっても、それは、それだけの時間をかける意味のあるもの、重みのあるものだと、思うのです。

そしてもし、今の人生のうちに解くことができなかったとしても、次の人生で再び、解いていけばいいのかもしれません。





長くかかった宿題に、
まだ解けない宿題に、
心を痛めているあなたは、尊い人生を歩いていらっしゃるのだと、私には思えるのです。