いまだに、そろばんを使って計算しています。
電卓の方が正確なのでしょうけれど、0であろうと9であろうと同じ大きさのボタンを押すものですから、数の感覚がよくわかりせん。
そろばんは、動かす玉の数や位置が数字の大きさに比例するので、わたしの指だけでなく全身が納得する、という感じです。
(どこまでアナログタイプなのでしょうね。)
以前、事務仕事をしていた時、電卓で計算をした後、そろばんで確かめ算をしていたら、職場のみんなに笑われてしまいました。
そうですよね、逆ですものね。
でも、わたしは、電卓の方が自信がなく、そろばんで確かめて初めて納得、だったのです。
こんなわたしですが、珠算検定一級をもっています。
小学六年生の頃だったでしょうか。
わたしの場合、計算が面白いとか、技能を高めるといった目標はなく、ただただ、木でできたそろばん自体が好きでした。
音も、においも、手触りも、みんな好きでした。
そろばんには必須の鉛筆も好きでした。
進級すると、そろばんの先生から鉛筆をいただきました。
珠算連盟オリジナルのメタリックカラーの鉛筆で、たくさん集めるのが嬉しかった。
それで、気がついたら一級まで進んでいたのです。
あの頃から見たら、格段に衰えてしまいましたが、今でもお買い物では頭の中のそろばんで計算しています。
頭の中のそろばんは、荷物にならないばかりか、必要な時にはすぐに出てきてくれるので、とっても便利。
わたしはいま、念願だった「問屋そろばん」を購入しようかと考えています。
「問屋そろばん」は、箱形のそろばんで、玉も箱も大きめ。
桁数は少なく、下の玉が5玉のものも現役として販売されています。
箱形で下から見えないのも、使わない5玉目があることも、商人用ならではですね。
近所のお饅頭やさんも、この「問屋そろばん」を使っています。
長い年月使い込まれたそろばんの玉は鼈甲のように美しい。
お饅頭やさんのおじいさんの、艶々のそろばんと、手慣れた弾き方に、こっそり、憧れています。