ちいさなちいさな いのりのことば

 * にしだひろみ *

希望

2019年12月24日 | Weblog
自然はいつも希望


上へ上へ

光へ光へ


それだから

自然のいのちを

わたしの身体に

わたしの心に


不安な日にも

泣きたい日にも


自然のいのちを

おしいただいて

わたしのなかへ

草が枯れるのは

2019年12月23日 | Weblog
“草が枯れるのは

大地に別れたのではなく

めぐる季節に やさしかっただけ

つぎの季節と むすばれただけ”


『ソナチネの木』岸田衿子 より




いのちの秘密を言い当てたような

すてきな言葉


老いや病も

おなじかもしれない


いのちのふるさとに

それぞれに近づいた

やさしさや休息に

向かう姿

向こうの世界

2019年12月22日 | Weblog
“あなたの街で

道に白いチョークで描かれた

白いドアを見つければいいのです。

そしたら、

その白いドアを開けて

その向こうの世界へ

入ってゆけばいいのです。”


『風にのってきたメアリーポピンズ』より



あの初夏の日から

わたしの視界にはいつも

小さな模様が映る


それはまるで

いくらか苦手に感じているこの世界に

優しい縁取りを添えるよう


少女の頃

いくつも見つけた

“向こうの世界の入り口”は

いまもなお身近で


ただ

開けようとしてみないだけ


わたしに与えられた縁取りは

わたしだけに見える

秘密のしるし

詩はあなた

2019年12月01日 | Weblog
絵本『エミリー』より

女の子と詩人の

素敵な会話をひとつ。




「それ、詩なの?」

「いいえ、詩はあなた。

これは、

詩になろうとしているだけ。」



「わたし、

春をもってきてあげたの。


(ポケットからユリの球根をふたつ)


これを植えると、

ユリの花になるのよ。」


「すてきだこと。

それでは、わたくしも

なにかさしあげなくては。


(紙になにか書いて、女の子にわたす)


さあ、これをしまっておいて。

わたくしも

あなたからいただいたものを、

かくしておきますから。

りょうほうとも、

そのうちきっと

花ひらくでしょう。」





紙には

こんな詩が書かれていました



“地上で

天国を見つけられなければ

天上でも見つけられないでしょう

どこへ移り住んだとしても

天使はいつも

となりに家を借りるのだから”


(訳は、本文のものを、わたしがアレンジしました)