『かぜはどこへいくの』という絵本を読んだ時に、
“わたしも、こんなお母さんでありたい”
と、思いました。
わたしの理想のお母さん像が、そこにあったのです。
そしてわたしは、理想のおばあちゃん像も、見つけてしまいました。
やっぱり、本の中に。
『おばあちゃんがいるから』
(岩波書店)
ボーゲル 作
掛川恭子 訳
1984年に出版された本です。
古本屋さんで、たまたま見つけたものですが、恐らく、滅多に手に入らない本だと思います。
「岩波ようねんぶんこ」とあるように、小学校低学年向きに、大きな文字で、やさしいことばで、書かれたお話しです。
それはそれは、素敵なお話しで、どのようにご紹介したらいいか、迷いました。
そして、作者が、本文や目次の前に書いたメッセージを、ここに抜粋することにしました。
きっと、この本の素敵さが伝わると思うのです。
もしかしたら、どこかの図書館にあるかもしれません。
心惹かれるものを感じた方は、どうぞ探してみてくださいね。
“ドドというのは、わたしがだいすきだった祖母のことです。
(中略)
わたしは、ドドのことが、だいすきでした。
大人になってからも、だいすきでした。
なくなったあとも、だいすきでした。
そして、いまも、おなじように、だいすきです。
この本を、わたしのドドにささげます。”
ドドは、主人公の女の子の心に、いつも優しく寄り添いました。
そして、少しの無理もなく、とても自然に、女の子の心を、より美しい方へと導くことができました。
“ドドには、わたしのきもちが、わかっていたのです。”
子育てをしてみると、わかるものですが、
自分の子どもに対しては、客観的になることが難しく、
ついつい感情的になってしまったり、狭い視野で物事を見てしまったりします。
でも、祖父母になると、うんとゆるやかに、子どもをみることができるようです。
本当は、息子にとっての“ドドのような人”になりたいけど、
とてもとても、程遠い。
だから、いつか、おばあちゃんになれたら・・・。
ううん、姪っ子や、甥っ子にならば、ドドのような眼差しの人に、なれるかもしれない・・・。
またひとつ、美しい夢、美しい未来への切符を、見つけました。