教育相談室 かけはし 小中連携版

ある小学校に設置された教育相談室。発行する新聞「かけはし」が、やがて小・中3校を結ぶ校区新聞に発展しました。

国際社会について考える~中学生の作文①

2008年11月11日 | 子どもたちの声
 中学校では夏休みの社会科の宿題として、第48回国連中学生作文コンセントに応募しました。その結果、◎◎◎◎さん・◎◎◎◎さん・◎◎◎◎◎さん・◎◎◎◎君・◎◎◎◎さんの5人が入選し、特にその中で◎◎さんは大阪府知事賞、◎◎さんは大阪市長賞を受けました。その内容を2回に分けて紹介します。

【国際識字の十年 すべての人に教育を 3-2 ◎◎◎◎】
 私にとって教育とは、とても身近なことであり、当たり前のことだと思っていま
す。しかし世界には私にとっては当たり前の教育を受けることのできない人がいます。ほとんどの人々は十分な教育を受けるために学校に行きます。今少し面倒だと思いながら書いている作文も、自分が学校に行くことができているからこそ、与えられている課題です。日本では小学校と中学校との9年間は義務教育で、しっかりと教育を受けることができますが、世界には十分に教育を受けることのできない子どもたちがたくさんいます。

 私はもともとテレビなどの報道やバラエティーに興味があり、よく家族で見ています。その時にたまたま見たテレビで、教育をしっかり受けることのできないカンボジア人の女の子が出てきました。その女の子は、たまたまカンボジアを訪れた日本人に鉛筆をもらったそうです。その鉛筆は、私だったら普通に捨ててしまうぐらい短いものでした。しかし少女は、鉛筆をとても大切にしようしました。少女は学校に行くことができている兄の教材を見て、自分にもそういう日が来ることを信じ、その短くなった鉛筆で一生懸命に学ぶ努力をしていました。その姿を見て私は、どんな人でもせめて日本のように9年間は義務教育を受けることができたらな、と思いました。

 そういった話は外国だけだと思っていましたが、日本にも十分に教育が受けられない人がいました。私の母が働いている病院に一人の患者さんが来たそうです。詳しくは分かりませんが、その方は義務教育を受ける機会に恵まれなかったそうです。障害者の認定が受けられるほどの聴力障害があったにもかかわらず、字を読むことができないために、病院へ行くことを何年もためらっていたそうです。教育を受けることができないということは、自分の健康を守る機会さえ失ってしまうのだな、と思いました。

 また報道からの話になりますが、世界各国ではエイズという病気の増加が問題に
なっています。日本では薬害エイズとしてよく知られている病気だと思います。しかし発展途上国では、十分な教育が受けられないために、病気に対する知識がなく、そういった病気が爆発的に増加し、先進国にも影響を及ぼしているという風に報じられていました。

 これらの報道からも、教育を受けることができないということは、その国だけの問題ではなく、私たちにも深く関係があることを認識しました。

 私たちに、何かできることはないでしょうか。以前、立命館大学の方の協力により、私の学校からフィリッピンへ文房具を送りました。そういったプロジェクトなどに参加していくことが、今の私たちにできることだと思います。私は将来、報道に携わる職業に就きたいと思っています。今は情報を見聞きするだけですが、将来は実際に行って世界の人々に現地の状況を伝えたいです。そして、子どもたちが十分な教育を受けることのできるように呼びかけたいです。また番組などで、そういった活動を企画したいです。

 私は、今は当たり前で、時には投げ出したくなるような勉強ですが、教育が受けられることに感謝し、将来の夢につながるように、しっかりと勉強を受けていきたいです。


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