教育相談室 かけはし 小中連携版

ある小学校に設置された教育相談室。発行する新聞「かけはし」が、やがて小・中3校を結ぶ校区新聞に発展しました。

国際社会について考える~中学生の作文②

2008年11月19日 | 子どもたちの声
【国連改革 もしも私が国連職員なら 3-2 ◎◎◎◎ 大阪市長賞】
 私がもし国連職員なら何をしていきたいか。そう考えて最初に頭の中に浮かんだのは「食糧」という言葉だった。なぜかそう考えていると、およそ一年前に経験したあるゲームを思い出したからだ。そのゲームは被災地に食糧を運ぶ、言ってみれば単純なものだ。だがそこまでの道には様々なトラップが仕掛けてあって難しい。例えば地雷である。地雷があると、いちいち爆発させ取り除かねばならない。とても面倒な作業である。そのゲームには、他にも食糧をバランスよく入れたりだとか、ヘリコプターから被災者の人たちに向かって食糧の入った袋を落としたりだとか、本格的だった。このゲームは社会科の先生の勧めで興味を持ってダウンロードしたものだったが、私は今でも色濃く覚えている。そのゲームで、私に被災した人の苦労とその人たちを助ける人々の苦労の両方を少し知った気がした。そして「食糧の大切さ」もゲームを通して感じることができた。

 そんな「食糧」について、インターネットを使って調べてみた。すると国連に「国連世界食糧計画」というものがあった。そのホームページの中には千人に一人が飢えに苦しみ、6秒に一人、子どもが飢えや、それに関係する原因のために亡くなっていることが書かれていた。私はそれを見て、あのゲームのように被災地で食糧が必要であるのは当たり前だが、そういう状況の人以外でも、食糧を欲している人は大勢いることに気づいた。しかも欲している人の多くは、私と同じ子どもであることを知った。5歳未満の子どもは、毎日飢えで2万5千人が命を落としている。もし私が国連職員ならば、この現実をより多くの人々に伝え、募金や寄付ができる場を増やしていきたいと考えた。と同時に日本人に他人の命の尊さとその命が飢餓のためにどれだけ失われているかを伝え、食べ残すという行動についてもう一度考えてほしいと強く思った。一人ひとりの努力がとても重要であるという言葉がとても心に染みた。

 国連のホームページには、他にも値上げ問題について書かれていた。値上げのせいで食糧を調達する量に影響が出ていると書いてあった。値上げ問題は私たちの問題だけでなく、こういう人助けの機関にまで影響していたことは大問題だ。そこで私は、国連の内でその人たちへ届ける食糧を栽培すれば少しは値上げ問題を解消できると考えた。私がもし国連職員なら、国連内で農園を作ることも提案したい。でも、まずは飢えの原因である「戦争・紛争」をなくしていきたい。それにはやはり一人ひとりが戦争・紛争を、もっと重く考えるべきだ。今、日本はいわゆる「平和ボケ」をしている。私も実際、戦争について考えてもあまり分からない。でも「裸足のゲン」とか戦争に関する映画やアニメを観ていくうちに、少しでもその怖さや恐ろしさに近づけると思う。近づいていくうちに、戦争に対する考え方も変わっていくのではないか。今の私たちにはそれが必要だ。そこが変われば飢えもここまでにはならないと思う。だから私はまず日本に住んでいる人に平和ボケをしてしまわないよう、なるべく多くの戦争に関するものをみてほしいと思っている。

 もしも私が国連職員なら、私は「国連世界食糧計画」に加わりたい。そして恵まれない子どものために、一人でも飢えが原因で亡くなる子どもが減るような提案をしたい。どの国であろうと、子どもたちがすくすく成長することができる、そんな世の中を作っていきたい。


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